■ ジオメトリーからみたロングライド向けロードバイクの比較 

今回、今まで気が向かずに勉強しようとしなかったロードバイクのジオメトリーについてきちんと調べてみることにしました。




机上スペックについてのあれこれは前回まとめましたが、私が気になっているバイクは以下となります。


SPECIALIZED ROUBAIX COMP DISC

ROUBAIX
スペシャライズドのサイトより拝借



TREK Domane SL6

Domane SL6
トレックのサイトより拝借



Canondale SYNAPSE CARBON

SYNAPSE
キャノンデールのサイトより拝借



PINARELLO PRINCE

PRINCE
ピナレロのサイトより拝借



私の愛車はGIANT Contend SL1 になります。

Contend SL1
ジャイアントのサイトより拝借



商品ページにあるジオメトリーの図。
なんのこっちゃい、と最初は全く理解できませんでしたので、気にも留めていませんでした。

geometry
ジャイアントのサイトより拝借



今でも分かるのか、と言われると自信をもってYESとは答えられませんが、ロードバイクに乗って1年半以上が経過した今だと、「何を言っているのか」は理解できるようになりました。

そして、そこから「なんとなく」想像することができるようになりました。

では、1つ1つ見ていきたいと思います。



1. トップチューブとシートチューブ

トップチューブとシートチューブの数値上の差があるほど、スローピングといって、フレームがハンドルに向かうにつれて「上がる」傾向がある。このようなフレームは「スローピングフレーム」と呼ばれ、剛性が高くなり、サイズの自由度が高くなる。また、部材の量も減る為、軽量となる傾向もある。反面、振動吸収性には劣るらしい。
トップチューブとシートチューブに数値上の大きな違いがない場合がホリゾンタル(水平)といって、トップチューブが水平に近くなる。ホリゾンタルフレームのほうが、振動吸収性は高くなる。反面、サイズの自由度、剛性、重量では不利になるらしい。

クロモリフレームのロードバイクがホリゾンタルフレームの最たるものでしょうか。
見た目でも美しいですが、クロモリは振動吸収性が高いというのは、ホリゾンタルフレームの特性でもあるんですね。 

以下が実際の値と、順位になります。
はしょって「トップチューブとシートチューブの差」を記載していますが、参考までに、現在の愛車のトップチューブが530mm。他の4台については、530mmに近いサイズで選んでまして、524mm〜535mmとなっています。

順位は、快適性、乗りやすさの度合いが高い方を「1位」にしていますので、コンフォート系の中でレーシーなものを求める場合は順位が逆になるとお考えください。

AB

ほほーう。
我が愛車は、最も水平ではないスローピングフレームだったんですねー。
スローピングフレームのデメリットの1つとして、ボトルケージを使ったボトルの収納が「し辛い」という点があるのですが、ギリギリボトル2本は収納できていますので、今まであまり気にしていませんでした。

アルミでスローピングフレームということは、フレームそのものは振動吸収性はあまり高くなかった、ということなんでしょうか。

ピナレロのプリンスは見た目からして格好良いなぁ、と思っていたのですが、やはりトップチュープが水平に近い、というのも1つの要素だったんですかね。

(まとめ)数値が小さいほど振動吸収性が高い


2. ヘッドチューブ

ヘッドチューブが長くなればハンドルが高くなる為、上体を起こしたロングライドに向き、短くなるとレース向けになる。

これは「ですよね」といったところでしょうか。

C

数値を見ても、何となく納得。
乗り始めの数ヶ月は、クロスバイクやマウンテンバイクに比べて前傾姿勢となる為に、肩や腕が凝るなぁ、と思っていましたし、100km超のロングライドに出かけると筋肉痛にもなっていました。

今では下ハン握って走れるようにもなりましたが、周囲のローディー、特にチーマーっぽい走り屋さんを見かけると、今の自分の姿勢がいかに「アップライト」なのかが分かるようになってきました。

レース向きと言われるフレームを見てみると、110〜120あたりの数値が多いようですが、こうやって見るとROUBAIXのヘッドチューブ長って、エンデュランス系にしてはとても短いんですね。
ただ、レビュー記事なんか読むと、ROUBAIXはアップライトポジションだそうで。

決め手はヘッドチューブ長だけではないんでしょうね、きっと。

(まとめ)数値が大きいほど乗り心地は良くなる


3. シートアングル

ロングライド向けは角度が小さくなり(寝た状態)乗りごごちがアップ、レース向けだと角度が大きくなり(立った状態)、加速し易い態勢になる。

寝た状態だと、振動吸収性が上がるんですかね。分かったようなそうでないような。
立った状態だと「硬くなる」イメージはありますので、きっとそうなんでしょう。

D

Domane は公式から情報が拾えませんでした。
意外にもContend SL1 はPRINCE よりもシートアングルは大きいんですね。

(まとめ)数値が小さいほど乗り心地は良くなる



4. ヘッドアングル

角度が小さいほどハンドリングの安定性が増し、振動吸収性が高くなる。姿勢もアップライトになる為、ロングライド時の体の負担は小さくなる。角度が大きいと、安定感は損なわれるものの、ハンドルの反応性が上がる。また、角度が大きいと姿勢も前傾する為、スピードを出し易いポジションになる。

角度が小さいと「寝る」ので姿勢はアップライトよりも前傾姿勢になりそうな気もしますが、ハンドルが手前にくるのでアップライトな姿勢になるんですかね。

安定性とハンドルの反応性が背反の関係にあるというのは目から鱗でした。
言われてみるとそうなのかな、とは思いますが、勉強になります。

E

こうやってみると、ROUBAIX はヘッドチューブも短ければヘッドアングルも大きいので、Contend SL1や他のエンデュランスロードバイクに比べると、アップライトポジションにはならないんでしょうか?

メーカーはオールラウンドと言いつつも、レース向けに位置付けられているピナレロのプリンスの方が、数値的には ROUBAIXよりもアップライトになっているが意外でした。

(まとめ)数値が小さいほど振動吸収性が高く、安定感が良くなる




5. BBドロップ

一般的に、数値が大きいほど重心が低くなるため、直進時、カーブにおける安定性が増す。逆に数値が小さく重心が高いと安定性は悪くなるものの、反応性が上がるのか、加速しやすくキビキビした乗り心地になるらしい。

重心が高いと安定しないけど動かしやすくて反応性は高くなる、重心が低いとどっしりしていて安定するけど、動きが鈍くなるわけですね。
なんかイメージつきます。

F


Contend SL1 めっちゃ重心高いですやん。。。
PRINCEが重心高めなのは理解できますが。

むー。

(まとめ)数値が大きいほど安定感が良くなる



6. ホイールベース

一般的に長いほど乗り心地が良くなり、安定性が高くなる。逆に、短いほど加速性能が上がり、キビキビした乗り味になる。

サーフボードもロングボードの方が安定性は増すけどコントロールし難くて、みたいな話と同じですかね。
ピナレロが公表していないのが残念です。

G

えーっと。。。
Contend SL1 はびりっけつですね。

(まとめ)数値が大きいほど安定感が良くなり、安定感が良くなる




7. リアセンター(チェーンステー)

長い方が直進安定性が上がり、乗り心地は良くなる。逆に短い方が直進安定性は下がるものの、ペダリング時の反応が良くなる。一般的にはロングライド向けだと長くなり、レース向けのフレームでは短くなる傾向がある。

メーカーによって呼び方が違うようですね。
長いと安定する、というやつですね。

H

BBドロップ以降、Domane、ROUBAIX、SYNAPSEの順位が固定化されています。
メーカーの思想がはっきりしている、ということなんですかね。

(まとめ)数値が大きいほど安定感が良くなる


■ メーカーの特徴が出ているのはどの辺りなのか

相対的な順位付けを実施してみましたが、ものによってはその誤差が数パーセントしかないものから、1.5倍以上違うものまでありました。

  • その差が3%程度しかなく、実は大差ないもの
    シートアングル、ヘッドアングル、ホイールベース、リアセンター(チェーンステー)
  • その差が20%前後あり、それなりに差があるもの
    ヘッドチューブ、BBドロップ
  • その差が50%以上あり、明らかにメーカー毎の特色が出ているもの
    トップチューブとシートチューブの差(スローピング VS ホリゾンタル)

スローピングフレームの Contend SL1 と、最もホリゾンタルに近い PRINCEでは、見た目で明らかな違いが認識できるほどですので、ここは思想の違いがはっきり見てとれますね。




■ ジオメトリーに関する私的な総括

まずは、各要素別の1位の順位に5点、以下4.3.2.1点と付けた場合で、得点ランキング作ってみました。
公表されていない要素がある場合は、点数は補完しています。

ranking_01

えーっと。。。

我が愛車は、ちっともコンフォート系ではなかったようで。

まさかこんな結末が訪れるとは。



当然、数値が全てではないと思います。
例えばROUBAIXはジオメトリーだけ見ると、エンデュランス系には見えないのですが、フューチャーショックだったり、タイヤが最初から 700×28cを採用していたりと、ジオメトリーだけではなくトータルで乗り味を向上させるような思想になっています。

そういった意味では、Domane はバイクの特徴を説明するページで、IsoSpeedテクノロジー等と並んで「エンデュランスフィット、エンデュランスジオメトリーと明確にアピールしていますので、この得点にも納得ですね。


ちなみに、誤差の範囲内しかないような要素についても同列の得点となっていますので、メーカー毎の差が大きいトップ/シートチューブ、ヘッドチューブ、BBドロップの得点に重み付けを行ったらどうなるかも試算してみました。
ranking_02

Domane のトップは変わらず。
ホリゾンタルフレームに近いという特徴から、PRINCE が2位に躍り出ました。


Contend SL1 は遥か彼方に置き去り状態です。。。



私はエンデュランスロードバイクを知ったような気になっていただけだったりして。
私が快適なロードバイクライフを送れているのは、キシリウムエリートUSTの存在なしには語れないんですかねー。



とまあ、素人が好き勝手考察してきましたが、当然一つ一つをバラバラに考察して足し算のように扱うのは正しくなく、それぞれの特徴を鑑みて全体のバランスを考えている掛け算のような世界なんだろうと思っています。

ですので、上記の数値を鵜呑みにするのは良くないとは思いますが、でもこれまで抱いていた印象は結構変わりますねー。
先日の記事にコンサンさんから頂いたコメントでも、「ロングライド向けに特別な機能はいらないかも」というのがありましたが、今まで自分が乗っていたフレームのジオメトリーが仮にロングライド向きでなかったとするなら、コンフォート系のフレームでなくともホイール(というかむしろチューブレスタイヤ)でコンフォートな乗り心地を目指せば十分かも、という仮説も成り立つことになります。


というか、ピナレロのPRINCE 乗ってみたいです。。。
ただの憧れから比較対象に加えてみたものの、ぜんぜんエンデュランス系として成り立つんでないの?と思わせてくれる内容でしたね。



頭の整理ができたような、逆に混乱したような。。。




まだまだ次期バイクの乗り換え資金は溜まっていませんが、これから試乗会のイベントなんか気にしつつ、選んでいきたいと思います。

 


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