■ 改めてパールイズミのパッドを比較してみた(カタログ比較)

サイクルパンツ・タイツにはパッドがついていることが多いです。
そんなことは皆さんご存知ですよね。

私はこれまでパールイズミ製品ばかり使ってきましたが、そろそろ他社製品も使ってみたいなー、と最近になって浮気心が芽生えてきました。

パールイズミであれば、パッドの種類、違いについても理解しているのですが他社製品となるとそうもいきません。

ここらで自分の頭の整理も兼ねて各社技術を整理してみようと思いました。





そこで、まずは現在愛用しているパールイズミ製品のパッドを比較、改めて振り返ってみたいと思います。


◼️パールイズミ

もともとは安心の日本ブランド、日本人の体型にあったラインナップ、そしてコスパ抜群というイメージでしたが、
ここ最近、PGLというラインナップを追加して急にお洒落な雰囲気が増してきたパールイズミ。

パールイズミのパッドについては、2019年現在においては大きく5つに区分けされています。

  1. 3D NEO PLUS・・・ハイエンドパッド
  2. 3DR・・・オールラウンドパッド(3D NEOの後継モデル)
  3. 3D NEO・・・オールラウンドパッド
  4. 3D MEGA・・・ロングライドを意識した極厚パッド
  5. 3D E・・・エントリーモデル

2018年の秋冬モデルからオールラウンドパッドが3D NEOから3DRに変更されました。
そうなると、そう遠くない時期にハイエンドパッドも3DR PLUSとかに変わるんですかね。



1. 3D NEO PLUS

残念ながらハイエンドモデルの3D NEO PLUSだけは使用したことがありません。

3D NEO PLUSが採用されているのはハイエンドモデル、という位置付けになりますが、意外と幅が広いです。
  • ビジョンシリーズ・・・ビジョンビブパンツ
  • プレミアムシリーズ・・・プレミアムウィンドブレーククイックビブタイツ
  • レース向け・・・ウィンドブレークレーサータイツ、コールドシェイドレーサーパンツ
  • PGL・・・イグナイトシリーズ
この辺りはレースフィットでしっかり体に密着するタイプが多いですから、ハイエンド=レース向け、というイメージを漠然と抱いていましたが、他にもウィンドブレークサーモタイツやコールドシェイドバイクタイツにも採用されていますので、それぞれの価格ラインとしてトップエンドの製品には採用されていますが、レースオンリーというわけでもなさそうです。


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パッドのイメージはこんな感じ。
能書きはこんなんなってます。



身体と一体化するフィット感。いかなる乗車姿勢にも対応するハイエンドパッド採用モデル。
①乗車姿勢から型抜きした立体形状で動きにフィット
②あらゆる動きに対応する高い伸縮性
③いかなる乗車姿勢にも対応する段階的クッション厚
④ムレにくく快適、優れた吸汗性と通気性
⑤生地に加え、ウレタンにも抗菌防臭機能
⑥ソフトな肌触り、潤滑クリーム不要

いかにもすごそうですね。

これまでビブパンツ、ビブショーツを使ったことがないのですが、ビジョンビブパンツとか、イグナイトビブパンツとか見ると、一度は使ってみたいなー、と思ってしまいます。







2. 3DR

ここからが実際に使ったことのあるパッドになります。
まずは現在のスタンダードモデルに当たる3DRです。
価格的にはミッドレンジモデルに採用されていますので、私のように「パールイズミといったらコスパの良さでしょ!」という人間が選ぶのはここら辺ですかね。


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能書きはこちら。



3層構造のクッションを適所に配置して、あらゆる乗車姿勢に対応。3D-ネオのコンセプトを継承するオールラウンドパッド
①3層構造のクッションを適所に配置して、最も体重のかかる坐骨下や、前傾姿勢時に荷重のかかる前側部分に最適なクッション性を配置。あるゆる乗車姿勢にオールラウンドに対応 
②表面の凹凸が少ないシームレス設計で自然な着用感
③周囲は縫い目がスレにくい極薄設計
④パッドフォームの圧縮率を部位ごとにコントロール。固すぎず柔らかすぎない適切なクッション性
⑤適度な伸縮性と立体形状で動きにフィット
⑥優れた吸汗性と抗菌防臭機能
⑦ソフトな肌触り、潤滑クリーム不要

微妙に表現が変わっていますが、3D NEO PLUSとの違いが分かりにくいですね・・・。
前モデルの3D NEOとの違いは、主にこの辺りみたいです。

  • パッドを2層構造から3層構造へ(ポイント①)
  • パッドフォームの圧縮率を部位ごとに変更(ポイント④)
  • フィット感の向上(ポイント⑤)
10℃対応のタイツですが、昨年購入した3DRのこちらのタイツは、生地もしなやかですし、3DRもフィット感が高いということで、履き心地が抜群に高く、とても気に入って使っています。






3. 3D NEO

一世代前のオールラウンド向けパッドになります。
まだ一部に採用製品が残っていますが、在庫がなくなれば廃盤になるんでしょうね。


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レースから日常のサイクリングまで、あらゆるシチュエーションに応えるオールラウンドパッド採用モデル
①密度の異なる2種類のフォームを使い分けた快適なクッション性
②凹凸の少ないパッド面でお尻がスレにくい
③パッド周囲は縫い目がスレにくい極薄設計
④優れた吸汗性と抗菌防臭機能
⑤肌触りが良く伸縮性に優れた起毛素材、潤滑クリーム不要



4. 3D MEGA

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高いクッション性で長時間乗車もお尻が痛くなりにくい。ロングライド用極厚パッド採用モデル
①極厚パッドでお尻が痛くなりにくいからビギナーにも最適 
②優れた伸縮性とフィット感
③いかなる乗車姿勢にも対応する段階的クッション厚
④ムレにくく快適、優れた吸汗性と通気性
生地に加え、ウレタンにも抗菌防臭機能
⑥ソフトな肌触り、潤滑クリーム不要

③から⑥については3D NEO PLUSと売り文句は同じですね。
とにもかくにもパッドが厚い、という点に尽きる製品です。



5. 3DE

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ベーシックモデルということで、夏用のタイツ、オールシーズン用のタイツ、ショートパンツに採用されています。
私も一番最初に購入したのが3DEを採用したオールシーズン用のタイツでしたね。




ロードバイクを手軽に楽しむためにソフトで快適な肌触りのベーシックモデル
①優れた通気性と吸汗性でムレにくく快適
②部位ごとに異なる厚みのウレタンフォームでお尻の痛みを軽減
③パッドの周囲は薄い縫い目でスレにくい設計
④生地に加え、ウレタンにも抗菌防臭機能
⑤ソフトな肌触り、潤滑クリーム不要

①、④、⑤は3D NEO PLUSと同じ文句ですね。
他と差別化できるようなパッドの売り文句はありませんが、逆にベーシックということがよく分かる内容ですね。



こちらのサーモタイツは私が初めて購入した3DE対応のタイツです。
15℃対応ということもあり、今でも重宝して使っていますが、さすがに大分ヘタってきた気がします。ただ、真夏と真冬以外はずっとこれ一枚で対応できますのでコスパ最強のタイツだと思っています。



■ 実走におけるパッドの違いはどの程度なのか

3D NEO PLUS以外は実際にライドで何度も履いて使っています。
3DRだけは発売からまだ日が浅いということで使用期間は半年程度ですが、それ以外のパッドは全て1年以上は履き続けています。


1. 3DRと3D NEOはどの程度違うのか

世代交代となったオールラウンド向けパッドですが、どの程度違うのでしょうか。

外観からもその違いを感じ取ることができます。

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こちらが3DR。
3層になっていることが分かるかと思いますが、それほど大きな段差になっていません。
つまんでみるとよく分かるのですが、お尻が当たる部分はそこまで段差はなく、パッドに一体感がありお尻にぴったりフィットしてくれます。


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こちらが旧モデルの3D NEO。
こちらは2層構造になってますが、3DRと比べると段差が大きくなっています。
ではお尻とのフィット感は段差があってイマイチなのかというと、フォームが2層しかないということでそこまでの違和感はありません。

3層にすると段差が大きくなり、フィット感を上げる為にパッドの組み方を大きく変えた、といったところでしょうか。

こればかりは個人差も大きいとは思いますが、私の場合には3D NEOよりも3DRの方がお尻へのフィット感は高いです。
2〜3時間程度のライドだとあまり違いを感じることはないですが、5時間以上走るライドの際には、3DRの方がお尻へのダメージは明らかに少なくなりました。
フィット感、快適性という面では世代交代した3DRに軍配が上がりますね。



2. 3D MEGA はどこまで違いが出るのか
パールイズミが明確に「ロングライド向け」と謳っている3D MEGAですが、クッション性は明らかに違います。


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明らかに「こんもり」してます。
手でつまむと分かりますが、3D NEOの倍くらいは厚みがありそうですし、パッドがめちゃめちゃ柔らかいです。

ただその分お尻へのフィット感は低下してしまいますので、明らかに「お尻の下に何かを敷いている」感覚が出てしまいます。
フラットを走っている時にはそこまで意識することはありませんが、峠道で頑張って漕いでいたり、ケイデンスを100rpm近くまで上げて足を回すような時には、パッドが少し邪魔に感じることがあります。

クッション性はもう文句なしです。
正直、ロードバイクに乗り始めたばかりの頃は、どうしても腕やお尻に荷重がかかってしまうことが多かった為、サイクルグローブも手のひらのパッドが厚めでないと疲労が激しかったですし、お尻も3DEと3D MEGAではまったくダメージが違いました。

ただ最近は以前よりは体幹を使った走り方ができるようになったからか、むしろお尻へのダメージは以前ほどではなくなってきました。
逆に内転筋や腰の筋肉に疲労が溜まるようになりましたのが・・・。

そんなわけで、ロードバイクに乗る場合は100km超であろうが7時間近く乗ろうが、今の私は3DRであれば十分というのが実感ですが、これがミニベロでのポタリングになると話はがらっ、と変わってきます。
ミニベロはどうしても「どっしり」と腰を下ろして走ることになりますので、わずか2時間のライドでもお尻にそこそこのダメージが。

そんなわけで、ロードバイクでは3D MEGAはあまり使わなくなりましたが、ミニベロに乗る時には最低でも3DR、できれば3D MEGAを使うようになりました。


3. 3DEってどんなもん?

3DEは正直パッドの厚みは大してありません。
3D NEOや3DRの半分以下、3D MEGAに至っては 3DE換算4〜5枚分くらいあるんじゃないの?と思うくらい。

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大分へたってきた、というのもありますが3DEのパッドはこんなもんです。

逆にある程度体幹や足で体重を支えられるようになった今なら、100kmライドでも3DEで特に問題はなくなりましたが、ロードバイク始めたばかりの人にはあまりお勧めできないかもしれません。
お値段は安いんですけどね。

変な話、乗り始めたばかりの頃でライド時間は2時間程度、距離にして40km〜50km程度しか走らないというのであれば、3DEでも問題ないかと思います。
ロードバイク始めたばかりの頃の私もそうでした。
その後、少しずつ慣れてきて、80km〜100kmくらい乗れるようになってきて、でもまだロングライドに身体が慣れていなかったりすると、3DEだとお尻のダメージを吸収し切ってくれないんですよね。

そこで当時の私は3D MEGAに手を出しましたので。

もし私が今からロードバイクを始めるのであれば、迷うことなく「3DRで揃えておけば間違いないよ」と当時の自分に声をかけてあげたことでしょう。

もしくは、ミニベロやクロスバイクでそこそこの距離を走りたいというのであれば、最低でも3DR、できれば3D MEGAがお勧めですね。



改めて振り返ってみましたが、PGLにも採用されたということで、実は3D NEO PLUSが現在は最大派閥になっているような気がします。
ハイエンドモデルということで一度は使ってみたいな、と思いつつも3DRで特に不満がなくなってきましたので、そろそろ他社製品に手を出してみるのもアリかな、と思う今日この頃。

次回は改めて他社製品の有名どころを確認してみたいと思います。

 

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