■ キャノンデールのスーパーシックスを調べてみる

前回はキャノンデールのシステムシックスを調べてみましたが、今回はスーパーシックス編となります。

もともとバイシクルクラブ誌の日本バイシクル・オブ・ザ・イヤーに選定されたということでとても気になっていたので、きちんとどんなバイクなのか調べておきたいな、と思っていたところでありました。



ほんとうのロードバイクの魅力を追求した一台

各選考委員による忖度なしの本音の採点。今年、各ブランドのプライドをかけた激戦を制したのはキャノンデール・スーパーシックスエボだった。今回の10ベストのうち、すべての選考委員からの得点を集めたのは、この1台だけだ。


忖度なし、というのは本当かなー、とは思いますが、広く多くの票を集めたというのは事実なようで。



スーパーシックスエボは、軽量高剛性というこれまでのアイデンティティーに加え、エアロ性能、さらには快適性にも目を向けたモデル。真のオールラウンダー、真のロードバイクとは何かということを世に問う意欲作だといえる。主要パーツを自社ブランドでかため、その目指す目標に向けてトータルインテグレーションを進めた。ケーブル内装化、フレームチューブ形状の最適化によるエアロ化、さらに快適性アップのための「セーブ」コンセプト採用など、現在考えられる技術のすべてを投入している。その結果のトータルバランスのよさが、得点を集めた理由だろう。

派手なギミックのない、しかしその本気が全身から感じられる一台が、2020年のイヤーバイクの栄冠に輝いた。


以前ショップの店員さんと会話した時に、「盛大な後出しじゃんけん」という言い方をされていたのですが、他社を研究し尽くしてソツなく全部盛りにして出してきたバイクなんでしょうね。

で、先に調べたシステムシックスが、「これでもかー」という位優位性を数値で強調していたのがとても印象的でしたが、スーパーシックスはどうなのか、とても楽しみであります。





調べてみると、やはりホワイトペーパーがありました
さすがアメリカン。

ただ、先日のシステムシックスのホワイトペーパーが27ページにわたる大作であったのに対して、スーパーシックスのホワイトペーパーは6ページと少し淡白でした。

ま、他社さんと比べると、6ページでも十分大作なんだと思いますが。



1. オールラウンダーなのにエアロ性能がすごいんだぜ

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システムシックスの時にもあった、ヨー角別の抗力を示したグラフです。
例によって他社さんを圧倒した結果になっていますが、テスト時の時速が48.3kmなんですよね。
私にはあまり縁のない世界です。

他社さんと比べるって話になると、何かと自社に有利な条件設定を行いそうなもんですが、少なくとも自社の前世代モデルのスーパーシックスEVOとも比較していますので、確実に進化している、というのは言えそうですね。


2. がっつりパワーもセーブできるんだぜ

で、この空気抵抗を減らすことのできるエアロな結果、こんだけパワーセーブできるんだぜ、というのがこちらのグラフ。


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ターマックと比べても10W変わるんだよー、というのはすごいですね。
軽量命、トレックのエモンダに至っては40Wも差が出ています。

ま、軽量命なバイクで時速48.3kmに至るまでペダルぶん回したら、そりゃ40Wくらい多めに力入れないとダメだよね、というのは分かる気はしますが。

BMCのロードマシーンはあまり詳しくないのですが、オールラウンドなエンデュランス向けバイクでしょうか。オールラウンド向けバイクであっても、同じくエアロを意識しつつもオールラウンドに分類されるスーパーシックスは20Wも差が出るんだぜ、というのはすごいですね。



3. チューブをがっつり見直してエアロ性能を向上

正直、このテの話になると全くついていけない門外漢ではありますが。
例えば、空気抵抗を減らすにはどうしたら良いんでしょうね、という話なのですが、身近な例としては飛行機の翼があると思います。

自転車や車の比じゃない位空気抵抗受けますよね。

で、飛行機の翼に関して、翼の両端の長さと幅(奥行き)との比を「アヒペクト比」として表現しています。
左右に細長い翼が「高アスペクト比」となり、左右に短くぼてっ、とした翼が「低アスペクト比」になるわけですね。

アスペクト比が大きい(細長い)翼の場合、翼の端に生じる空気の渦による空気抵抗が小さくなるそうで、航続性能アップ、積載量増大に貢献してくれるんだそうです。

逆に、超音速機などではアスペクト比の小さい翼のほうが抵抗は小さくなるそうです。
強度は上がる反面、安定性は低くなるそうですが。


で、キャノンデールさんはこの辺りをいろいろ考えたようで。


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One of the key reasons for this dramatic improvement in aerodynamic performance over the previous generation bike is a whole new family of frame tube shapes.



今回エアロ性能を劇的に改善させた要素の1つが、フレームチューブを再設計したことにあるんだそうです。
そりゃそうですね。



To reduce drag without compromising on weight or stiffness required a whole new approach to our frame tubes. All the main tubes on the new SuperSix EVO utilise a family of low aspect ratio, highly truncated airfoil sections.



重量を重くし過ぎることなく、剛性も維持しながら空気抵抗を減らす為には、今までとは全くことなるアプローチが必要だったんだけど、スーパーシックスEVOでは「低アスペクト比」の形状を選択したんだよ。

そうなんですね。
ま、ここ最近の他社さんのエアロフレーム見てみても、そうなんだろうな、とは思いますが・・・。いえいえ、無粋なコメントですね。


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上の写真が通常の円柱。
円柱の左右両方により大きな抵抗が生じているのがよく分かります。

対して下の写真が低アスペクト比のチューブの場合。
特に左側に生じている渦の上下への広がりが大きく抑えられているのが分かりますね。


ま、そりゃそうでしょ、という内容ではあるのですが、こうやって分かりやすく図式化、イメージ化、数値化するのがキャノンデールの商売上手なところでしょうか。

私みたいな数字大好き人間には、こういうアピールはとっても分かり易く刺さります。



最後に、比較に使った他社バイクのスペックも掲載されていたのですが、エモンダはホイールがBontrager Aeolus XXX 2でリムハイト28mm。

ま、誰もエモンダにディープリム履かせようとは思わないでしょうから、これは良いとして。

サーヴェロR5が履いていたホイールがDTSwiss PRC 1400 Spline 35。リムハイト35mmです。
スーパーシックスのホイールがHollowGram 45 KNØTでリムハイト45mmですから、実はホイールを揃えたらサーヴェロR5との差はそこまでついていなかったのかも・・・?なんて思ってしまいました。

逆にターマックはRoval CLX 50を履いていましたので、スーパーシックスに軍配が上がったのは大したもんなんでしょうね。


唯一残念だったのが、システムシックスの時には「シリアスライダーじゃないあなたにもオススメだよ!!」というアピールがあったのですが、スーパーシックスに関してはそれがなかったこと。

むしろスーパーシックスこそ、時速30km程度で巡行するライダーがゴロゴロいそうな気がするのですが、その程度のスピード域だと大きな差が出なかったんですかね?
とっても気になります。


とはいえ、とても優秀なバイクであることに間違いはなさそうです。

もし私が手を出すとしたら、アルテグラ仕様になりますので、候補はこちら。

supsix_ult

SuperSix EVO Carbon Disc Ultegra。お値段390K円也。
価格競争力がすごいですね。


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SuperSix EVO Hi-MOD Ultegra Di2。お値段795K円也。これはちょっと手が出ないかなー・・・。


と、二回にわたってシステムシックスとスーパーシックスEVOを調べてきましたが、実は既に試乗会で二台とも乗ってきました。

次回はその辺りの感想など整理してみたいと思います。

 


 


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