■ IRCのチューブレスタイヤをまとめてみた(2020年版)

現在愛用しているホイールがマビックのキシリウムエリートUST。
チューブレスレディーと呼ばれるホイールですね。

使用しているのもマビック謹製のイクシオンプロUST。
シーラントを入れて運用するチューブレスレディータイヤとなります。

2017年にマビックが「素人でも問題なく運用できる」チューブレスシステムとして発表したロードUST。
ロードバイクを初めて1年、「チューブレスタイヤって何? え、今使っているのはクリンチャータイヤって言うの
?」と、全くよく分かっていない中で2017年に出たばかりのキシリウムエリートUSTを購入。
今から思うとよく踏み切ったもんだな、と。





実は当時、家から一番近いプロショップに購入の相談にお邪魔していたのですが、ロードUSTが登場したばかりということもあり、そのショップはUSTホイールの仕入れは1年様子見をするということで入荷予定なしと言われてしまいました。

一過性かつ独自規格で泡沫のように消えていく可能性だってあるわけで、仕入れても売れずに不良在庫となるリスクを負いたくなかったんでしょうね。

今ではそのショップもマビックのUSTホイール沢山仕入れていますので、個人的には「私の方が見る目があったってことじゃん・笑」とほくそ笑んでいますが。





さておき。
今ではすっかりチューブレス・チューブレスレディータイヤもロードバイク業界の中でそれなりのポジションを確立したかと思いますが、調べてみるとまだまだ対応タイヤってそんなに多くないようで。

つい最近マビックのイクシオンプロUSTがUST2にバージョンアップしていますが、次回タイヤ交換時には他社製のタイヤも試してみようかな、なんて思い初めています。

イクシオンプロUSTには全く不満はないのですが、せっかくなので色々と比較体験してみるのも大切なことだよな、と。





先日の記事コメントでも有難い情報頂いたりしていますので、まずは各社どんなタイヤがあるのか調べてみることにしました。






■ IRC

00_IRC


IRCは名古屋のゴム屋さんなんですね。海外メーカーだとばっかり思い込んでいました。
Inoue Rubber CompanyでIRCだそうで。一気に親近感が増しました・笑

IRCはチューブレスタイヤにも力を入れているようで、かつ日本のメーカーということでWebサイトが分かりやすくとても好印象です。

チューブレスタイヤの特徴とは、とか私がつらつら書き連ねるまでもなく、とても分かりやすく解説してくれています。


チューブレスタイヤの特徴/エア漏れのチェックと修正 | サポート | アイ・アール・シー 井上ゴム工業株式会社


同じく、公式サイトではチューブレスタイヤの取り付け、取り外しについても丁寧な解説がありますが、チューブレスタイヤを使用したことのある人間からすると「そうだよね」と思うごく普通の内容なんだと思いますが、チューブレス未体験の人からすると「なんだやっぱり面倒なんだな」という印象も持ってしまうかな、というのが正直なところ。

そう考えるとやはり、マビックの「素人でも非力な女性でも簡単にはめられますよ」というロードUSTの規格って素晴らしいですよね。
チューブレスの普及に大きく貢献しているんだろうな、といのうが想像に難くありません。



1. IRCチューブレスタイヤのラインナップ



IRCのロード向けチューブレスタイヤは2020年現在4本がラインナップされています。


  • FORMULA PRO TUBELESS RBCC・・・レースも意識した標準モデル。23C〜28Cをラインナップ
  • FORMULA PRO TUBELESS LIGHT・・・レースを意識して軽量化に特化したモデル。23C〜28Cをラインナップ
  • FORMULA PRO TUBELESS X-Guard・・・ロングライドやトレーニングを意識してパンク耐性を高めたモデル。耐久性を意識しただけあって、23Cはラインナップされず
  • ROADLITE TUBELESS・・・エントリー向けモデル。23Cと25Cがラインナップ


2. IRCチューブレスタイヤの機能性



チューブレスタイヤに力を入れているだけあって、機能面での解説も丁寧です。


  (1) NR-TEX インナーエアーシールシステム



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チューブレスタイヤの転がり抵抗を軽減する技術(従来比7%低減)。ロードレースの世界 では、“決戦用”として軽量かつしなやかなラテックスチューブを使用す るのはもはや常識。NR-TEX IASでは、タイヤの空気保持層=インナー エアシールをしなやかで高反発な天然ゴムベース(NR)のコンパウン ドで構成し、より速く、よりしなやかな走行性能を追求しました。

※従来のIASを100とした場合

こちらはIRCのサイトに存在する4本のロード向けチューブレスタイヤ全てに採用されている技術となります。


  (2) ライスブラン セラミックス コンパウンド



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米ヌカから作られる硬質多孔性炭素素材RBセラミック粒子をトレッド ゴムに配合するIRCの新技術。200~300μmと非常に小さく、硬質でも あるRBセラミック粒子はマイクロスパイク効果を発揮すると同時に、 吸水効果に優れる多孔性のためウェット路面でも高いグリップ力をキー プ。タイヤの摩耗が進行しても次々とトレッド表面に現れ、さらには抜 け落ちた跡もマイクロエッジ効果を発揮します。ドライでもウェットで も、あらゆる路面状況でハイグリップを保ち続けるIRCの独自技術。

硬質多孔体構造のため、トレッド表面でミクロレベルのスパイク効果を発揮。トレッドゴムの摩耗により新たなRBC粒子が顔 を出し、抜け落ちた跡も微少エッジとして機能します。多孔体ゆえの吸水効果に加え、抜け落ちてできた微少ホールは、発泡 ゴムのように一時的に路面上の水を抱え込んで水膜をカット。ウェット路面でのグリップ向上に一役買います。


頭文字が「RBCC」となっている通り、FORMULA PRO TUBELESS RBCCに採用されている技術となります。
この「米糠」というところが日本メーカーらしい特色が出ていて良いですよね。
単純に「どんなもんなんだろ」と興味が湧きます。


 (3) クロスガード プラス2



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強度の高い40×40tpiのナイロン繊維を用い、クロス織りメッシュでビ ードからビードまで全面を補強。ドライ時・ウェット時ともサイドカッ トの抵抗値が約40%向上し、サイドカットに対してきわめて強い構造 になっています。


こちらもその名の通り、FORMULA PRO TUBELESS X-Guardにのみ採用されている技術となります。


 (4) ワイドトレッド



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プロのレースでは石畳のような悪路も多い。チューブレスのショック吸 収力がスピードに繋がる場面だ。新Formulaはトレッド幅を広くし、タ イヤのサイドウォール中間までトレッドが覆う断面へと変更。これによ り耐サイドカット性が大幅に向上し、欧州の石畳を最速で駆け抜けるチ ューブレスタイヤが完成した。 


こちらはFORMULA PROシリーズの3本全てに採用されていて、エントリーグレードのROADLITEのみ非採用の技術ですね。


製品名 (1)NR-TEX (2)RBCC (3)X-Guard (4)Wide
FORMULA PRO TUBELESS RBCC -
FORMULA PRO TUBELESS LIGHT - -
FORMULA PRO TUBELESS X-Guard -
ROADLITE TUBELESS - - -



3.  IRCチューブレスタイヤの特徴とレビュー



以下、公式サイトの紹介文と合わせて、個人ブログや購入サイトのレビューからのコメントをピックアップしてみました。
特にレビューコメントは統一基準のない各個人の見解を寄せ集めているだけですので、あくまでも参考、ということになりますが、それなりに傾向は見えてきますので興味深いです。


 (1) IRC FORMULA PRO TUBELESS RBCC



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長年、数々のレースでハイグリップパフォーマンスを実証してきたRBCコンパウンド。そのコンセプトを継承しながらさらにグリップを向上。ドライからウェットまで、あらゆる路面状況で優れた走行性能とグリップ力を発揮する。


【レビューコメントの傾向】
  • 普通に手ではめることができるという意見もあれば、てこずったもののできた、と複数見解あり。但し「はめられずに断念」といった極端なネガティブ意見はなし
  • ビードがなかなか上がらず苦労したという意見もあれば、石鹸水使ったら上がった、クリンチャータイヤと同じ感覚でビードが上がったと複数意見あり
  • ドライからウェット幅広く対応
  • パンク耐性が高い
  • X-Guardよりも乗り心地は良い
  • シーラントなしでも乗れるという意見もあれば、シーラントなしで乗れるのは1dayライドのみで、週末ローディーなら良いが毎日乗るのでエア抜けが嫌ならシーラント推奨
  • 比較的早いタイミングでひび割れや割れが起きたという、耐久性に関するネガティブな意見もあり





 (2) FORMULA PRO TUBELESS LIGHT



02_IRC Light




世界最軽量・最速のロードチューブレスタイヤ。徹底した軽量化はもちろん、断面形状の最適化やトレッドのワイド化により、扱いやすさと耐パンク性も向上した、究極の低転がりチューブレスタイヤ。


【レビューコメントの傾向】
  • 手で普通にはめられて、タイヤレバーを使う必要はなし
  • ビードは上がらずショップに駆け込んだ、石鹸水を使えば上がったと複数意見あり
  • エアは漏れる個体と漏れない個体があったということなので、個体差もしくはホイールとの相性問題はありそう。但しそれらはシーラントを使わない場合の話のようなので、シーラントを使えば特に問題なさそう。他方、エア抜けが「早い」という意見も
  • 軽量性を重視した結果なのか、タイヤ表面のひび割れが早く出るといった耐久性に関するネガティブ意見あり。使用1ヶ月でヒビが出たという意見もあれば、耐久性に難ありとしつつも4〜5000kmは走れないのでは、という言い方で「耐久性がない」という言い方をしているだけで、他の耐久性の高いものと比較するとそこまでではないだけ、という見解も
  • 軽量と言いつつもRBCCとの差はわずか10gである為、耐久性を犠牲にするほどのメリットを感じ辛いという見解が多い模様





 (3) FORMULA PRO TUBELESS X-Guard



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新構造となったX-Guardはタイヤサイドまで全面を40x40tpiメッシュ耐パンクガードで覆うことで、耐パンク性能がさらに向上。史上最強のロード用チューブレスタイヤが誕生した。


【レビューコメントの傾向】
  • 石鹸水やタイヤレバーを使わずに普通にはめられるという意見もあれば、同社のRBCCやLIGHTと比べるとはめ辛い、苦労したという見解も
  • ビードは簡単ではないが、タンク付きのフロアポンプであれば問題なし 
  • パンク耐性が高く、パンクしてしまったという体験談は確かに少ない。他方、乗り心地やグリップ力についてはRBCCやLIGHTの方が良いという意見が多く、「クリンチャータイヤに比べて乗り心地が抜群に良い」「路面へのグリップ力が高く乗り易い」というチューブレスタイヤのメリットは薄くなっている模様 





(4) ROADLITE TUBELESS



03_IRC_LITE



安心して使用できるロード用チューブレスタイヤのエントリーモデル。チューブレスタイヤのパフォーマンスはそのままにリーズナブルな価格設定を実現。ビードはフォールディング仕様を採用して軽量化。トレッドゴムには耐摩耗性の高いコンパウンドを採用し、低転がり抵抗かつ耐久性を実現した。ケーシングにはしなやかな走りを約束する120tpiを使用。


【レビューコメントの傾向】
  • 普通に手ではめられたし、石鹸水を使わずともビードは上がった
  • 乗り心地は良いがやはり重さを感じる
  • レースでなくロングライド前提であればこれで十分

     




4.  IRCチューブレスタイヤ仕様一覧



以下に公式サイトの仕様をまとめてみました。
FORMULAシリーズに関してはTPIが記載されていないんですね。。。
各社比較する際に参考になると思っていたのでこの点は残念でなりません。

ちなみに以下仕様は記事記載時点(2020年1月)のものになります。

製品名 サイズ TPI 空気圧(BAR) 重量 定価(税抜) 実売(Amazon)
FORMULA PRO TUBELESS RBCC 23C - 6.0-8.0 275g ¥7,600 ¥5,030
25C - 6.0-8.0 290g ¥7,600 ¥5,961
28C - 5.5-7.0 335g ¥7,600 ¥4,980
FORMULA PRO TUBELESS LIGHT 23C - 6.0-8.0 260g ¥7,600 ¥4,980
25C - 6.0-8.0 280g ¥7,600 ¥5,030
28C - 5.5-7.0 315g ¥7,600 ¥4,980
FORMULA PRO TUBELESS X-Guard 25C - 6.0-8.0 305g ¥7,600 ¥4,980
28C - 5.5-7.0 340g ¥7,600 ¥4,980
ROADLITE TUBELESS 23C 120 6.0-8.0 295g ¥6,200 ¥4,941
25C 120 6.0-8.0 345g ¥6,200 ¥5,332





5.  IRCチューブレスタイヤの総括



IRCについてはチューブレスタイヤに力を入れているだけあってラインナップが4種類と豊富ですが、それぞれ商品性がはっきりしていて分かり易いです。

  • RBCC・・・チューブレスタイヤにしたい、と狙いがシンプルであればRBCCにしておけば幸せになれそう。耐久性やパンク耐性、はめやすさなど総合的に見て極端にネガティブな見解が少なく、チューブレスタイヤのメリットを存分に享受できそう
  • LIGHT・・・少しでも軽量性を追求する人向けではあるが、RBCCとの重量差は25Cで10g、28Cで20gとそこまで大きくはない。反面、軽量になった分明らかに耐久性は落ちているようなので、耐久性と軽量性が明確にトレードオフとなっている製品
  • X-Guard・・・サイドカット含め、とにかくパンク耐性を高めたい人向け。その分重量や乗り心地、グリップ力とのトレードオフとなっている模様。また耐久性を上げた結果なのか、同社2製品と比較するとタイヤがはめ辛いとの見解も散見
  • ROADLITE・・・25Cで比べるとRBCCと55g重く、前後で110gも変わってしまうのはさすがに腰が引けます。それでいてAmazonで実売価格を比べてみると、FORMULAシリーズと対して値段が変わりませんので、敢えてROADLITEを選択する必要はないのかな、と思ってしまいます。

IRCのチューブレスタイヤに関しては、公式サイトで「タイヤを組み付ける前に、リムとビード部に石けん水を塗布してください」とアナウンスしています。
レビュー等見るとタイヤは何とかはめられるけど、ビードを上げるには大容量のフロアポンプやタンク付きのポンプを用意する、面倒臭がらずに石鹸水を塗る、といったコメントも多く、きちんと対策を立てておくのが無難そうな雰囲気でした。

こうやって調べてみると、RBCCでも特にパンクに関するレビューが多かったわけでもなく、ロードバイクに乗って3年、タイヤがサイドカットに会った経験もないことから、まずはRBCCを買っておけば良さそうですね。

ただ、現在使用しているマビックのイクシオンプロUSTが25Cで260gですので、1本あたり30g増は少し悲しいですね。
その分耐久性が高いと信じるとして、お財布には少し優しくなりますのでそれはそれでアリかもです。

一気に各社まとめてみようと思っていましたが、思いの外時間がかかったので、今回はここまで。次回はハッチンソンについてまとめてみたいと思います。

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