■ フロントシフトインナーケーブルの交換にチャレンジ

前回はリアシフトインナーケーブルを交換しました。
もともとは「リア2回の交換につきフロントを1回交換」という記載を見ていたので、今回はリアだけでも良いかな、と思っていたのですが、実際に交換して並べてみると、フロントも皮膜の剥がれが見えたりして気になってきましたので、そのままの勢いで交換してしまうことにしました。


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1. ライナーチューブを通す(BB内部)

まずは事前処理を行います。

  1. インナートップにセットして、ワイヤーがもっともたるんだ状態にする
  2. ケーブル固定ボルトを緩めてケーブルを外す


    front_cbl-01


    私は面倒なので、ケーブル固定ボルトを完全に取り外してしまい、アジャストバレるも外してしまいました。緩んだ状態でフレームを何度もひっくり返して、何かの弾みで取れて失くしてしまうのが嫌ですから。

  3. ケーブル先端のキャップを外す


    front_cbl-02


    ディレイラーに固定されていた箇所は皮膜が剥がれていますね。
    ワイヤーそのものが千切れかけていることはありませんでした。

  4. フロントディレイラーに取り付けられていたケーブルには「曲がり」の癖がついていて、そのままだとライナーチューブを通りにくくなるので、曲がり癖がついているケーブルをカットしてしまう
この後はBB内部にライナーチューブを通しますが、ここは距離も短いのですぐに出てきます。ライナーチューブは忘れずにフレームにマスキングテープで固定しておきます。


2. ライナーチューブを通す(ダウンチューブ)

続いて、リアシフトケーブルでも最も苦労したダウンチューブ内にライナーチューブを通していきます。
こちらも一筋縄ではいきませんが、リアの時と同じように、アクロバティックな姿勢で何度か押し込み、無事ライナーチューブを通すことに成功。


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一度、プロの現場を覗いてみたいですね。。。


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3. ライナーチューブを固定、古いケーブルを引き抜く

ここは特に苦労することもなく、がしがしケーブルを抜いてしまいます。 


4. 新しいケーブルを通し、タイコをきちんと収める

今回は、後で出てきますが、ここで大失敗・・・。
タイコを収めたつもりになっていたのですが、うまくハマっていませんでした・・・。


front_cbl-05


こんな感じになっていました。

明らかに「ハマっていない」わけではないのですが、もっと奥深くまで入って、タイコがよく見えないくらい奥まで入っているのが正解です。


ちなみにリアの時のタイコ位置がこちら。


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がっつり奥まで入っていますね。


この失敗は、フロントがインナーではなくアウターに入っていた為に起きたものになります。
アウターに入った状態ではいくらタイコを奥に押し込んでも、これ以上は入ってくれないんですね。

「これ以上奥まで入らないところまで押し込んだからOK」と早とちりしてしまったわけです。


5. 新しいケーブルを通す(ダウンチューブ〜BB内部)

そんなミスに気づくこともなく、新しいケーブルをがっつり通し、ライナーチューブも抜いてしまい、ケーブルを仮固定までしてしまいました・汗 


6. 誤算その1:フロントがアウターに入らない

その後、ケーブルの伸びを取って固定し、フロントディレイラーの調整をしようと思ったわけですが、いくらフロントのシフターを押し込んでも、フロントがアウターに入ってくれません。
それどころか、そもそもシフターを押し込んでも「スカッ」と空振りしているような感じで、一切感触がありません。

これは・・・?

試しにシフトアップ、シフトダウンそれぞれ操作してみますが、どちらも感触がなく「スカッ」と空振りします。


こんなことは初体験です。
意味が分かりません・・・。

あれこれネットで調べてみても原因はわからず。
この段階で、タイコがきちんと入っていなさそうだなー、という点には気づきますが、どうやらアウターに入ってしまっているようで、タイコをいくら押し込んでも奥まではまってくれません。

タイコをきちんと収めようとすると、フロントはインナーにしておかないといけないわけですが、インナーにチェンジしてみても「スカッ」と空振りして何も起きません。

何度もシフターを操作していると、幾つか気づくことが。

  • 何回かに1回は「カチッ」と引っかかってシフトチェンジする時がある
  • ぐいっ、と押し込むようにしながらシフトチェンジすると成功率が上がる

何この裏技的な感覚。

そこで気づきます。

タイコの収まり位置を確認する為に、ブラケットカバーをめくった状態で作業をしていたのですが、試しにブラケットカバーをはめてみます。

はい。

カチカチとシフトチェンジしますね。


ここで原因判明。

そもそも、シフトチェンジする時は、こちらのシルバーの部品を押し込むことでワイヤーが引っ張られるようになっています。


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少し分かりづらいですね。


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この指で押し上げている部品です。

どうやら、ブラケットカバーをまくりあげた状態だと、このシルバーの部品が中途半端に押された状態になっていたようで、いくらシフターを操作してもこの部品に届かなかった模様。

シフターの仕組みとか、予期せず良い勉強になりました。



7. 誤算その2:タイコが収まらない

これは先にも書きましたが、フロントがアウターに入っていた為に収まらなくなってしまっていたようです。

で、インナーに変速しようにも、シフターが反応してくれないというお手上げ状態。

訳が分からずに、もう一度ライナーチューブを通して、ケーブルを全て戻し、1からやり直しましたよ・・・。
期せずして2回もフロントインナーケーブルの交換に挑戦することができました・泣

これ、ポリマーコーティングのケーブルだったら、皮膜ボロボロになってたかもしれませんね。。。

先にも書きましたが、ブラケットカバーを戻してフロントをインナーにすると、奥深くまでタイコを収めることができました。


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少し見えにくいですが、タイコが奥まで収まってくれました。


8. 後処理

ここから先は後処理になります。

  1. ケーブルをフロントディレイラーに仮固定
  2. ケーブルを引っ張って伸びを出す
  3. 再度ぐいっ、と引っ張ってケーブルを固定
  4. ケーブルアジャスターを適度に回して張り具合を調整
  5. トップトリム状態にして、インプットリンクを合わせるようにアジャストバレルを回して調整。この辺りは以前記事にまとめていますのでそちらをご確認下さい。





  6. ケーブルの余りを切断
  7. キャップを装着

メンテナンスマニュアルによると、フロントシフトインナーケーブルの交換で45分となっていますが、こちらもタイコがうまくハマらない事件が勃発した為、トータル3時間くらいかかりました・汗

ただ、リアシフトケーブルの交換で慣れたのと、フロントは結局2回分に相当する交換作業を実施しましたので、次回からは1時間程度で交換できそうかな、と思います。

これでまた1つメンテナンススキルを向上させることができました。

あとはブレーキワイヤーの交換ですが、シフトワイヤーを2回〜3回交換する度に1回交換するくらいで良いとのことですので、次回、シフトインナーケーブルを交換する際にチャレンジしてみようかと思います。
 















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