■ ハッチンソンにチューブレスレディータイヤの色々を学ぶ

今回はただの記事紹介になってしまいますが、個人的にとても勉強になったのでご紹介したいと思います。

現在私はマビックのチューブレスレディータイヤである、イクシオンプロUSTを愛用しています。





イクシオンプロUSTはハッチンソン社の高性能コンパウンドである11STORM(イレブンストーム)が採用されており、タイヤそのものもハッチンソン社との共同開発となっています。

他方、ハッチンソン社も自社ブランドを保有しており、そのあたりは以前調べたことがありますが、なかなかに魅力的なラインナップだと感じています。





今回、公式サイトにハッチンソンのタイヤ開発部長へのインタビュー記事が載っているのを見つけまして、改めて勉強になるコメントだったり、かなり刺激的な発言もあり興味深く読ませていただきました。







1. チューブレスレディータイヤについて

まずは今回の元記事はこちらになります。




こちらが第1回の記事になりまして、計3回の記事になっています。

ちなみに当然のことながら、私はハッチンソン社とは全くの無関係ですので悪しからず。
私のように、「まだまだ知識の足りない未熟者」にとっては、とても勉強になる記事なのですが、良いねマーク(?)がわずか一桁で寂しくなってしまいました・・・。

以下、個人的に「ほほーう」と思ったことを抜粋させて頂きながら、ちまちまコメントしていきたいと思います。 


(1) 交換時期
まずはタイヤの交換時期について。
個人的に5000kmという指標をよく聞きますし、10000km走れた、という猛者の声も聞きます。

最初に使った初代イクシオンプロUSTのペアに関しては、約5000kmでボロボロになり交換しました。





その後、2代目のイクシオンプロUSTに交換しましたが、後輪が約2000kmで突起物を踏みつけてパンク。前輪はその後も使い続け、現在4500kmほどになりますが、ライド後のメンテナンス(固く絞った雑巾でタイヤを拭く)を続けた結果、現在でも特に問題なく使えており、摩耗もそこまでひどくありません。





で、肝心の部長さんのコメントがこちら。



  • 耐摩耗性の高いタイヤでも、メカニックがきちんと管理したとして5000kmで交換する
  • レース向けタイヤであれば3000kmが交換の目安
  • レース向けタイヤのトップコンディションは50km〜1000kmまで
  • 新品よりは50kmほど乗ってからの方がビードやケーシングが馴染む為、タイヤのパフォーマンスを引き出せる

ほほーう。
やはり5000kmというのが一つの指標になるんですね。

高いパフォーマンスを追求するレース向けタイヤであれば更に短いそうで。

新品よりは50kmほど乗って馴染ませてからの方が高いパフォーマンスを発揮するというのは言われてみればそうかもね、と思いますが、意識しないとレース直前に新品の決戦用タイヤに交換する、とかやらかしてしまいそうですよね。 


(2) 空気圧
空気圧については、メーカーの推奨値ばかり見るのではなく、自分で何度も乗って比べることで、自分に合った適正な空気圧を探してね、というコメントがありますが、とても納得。
私もキシリウムエリートUSTでチューブレスレディータイヤのデビューを果たした際には、何度も空気圧を変えて乗っては、その違いを確かめてみたものです。





ただ、実際に自分でトライ&エラーを繰り返した経験を踏まえた上で感じたことですが、マビックが出している "MY MAVIC" というアプリが教えてくれる適正空気圧を信じておけばあまり間違いはないかな、と思っています。

初めからこのアプリを知っていれば、と思うこともありますが、自分で色々と試行錯誤してみることも大切ですよね。





で、部長さんのコメントで気になったのがこちら。


  • 空気圧を低くするとケーシングの動きが大きくなる為、グリップと快適性は上がるが、コンパウンドも伸縮するため寿命は短くなる



むむー。
確かに言われてみると何となく分かる気がします。
私は軽量ローディーですので、総じて空気圧は低めな人間です。
何となく「重量級の人が乗っているタイヤの方が摩耗が早い」というイメージがありましたが、むしろ空気圧を低くして乗っている軽量ローディーの方が、コンパウンドは徐々に摩耗していき寿命が短くなるんですね。

これは意外でした。

ですが、納得。 


(3) タイヤサイズ
お次にタイヤサイズです。
現在、まさに25mmから28mmへと移り変わっていく変遷期にあるような気がしています。
特にディスクブレーキモデルだと、28mmは当たり前、みたいになっていますよね。



  • タイヤサイズを25mmから28mmに変えても転がり抵抗は大きく変わらないが快適性は大きく変わる
  • 同じタイヤ&空気圧でも、リム幅が17mmから19mmになると印象が変わる


私は現在25mmのタイヤサイズを愛用していますが、試乗会で28mmのタイヤサイズに乗ると、明らかに快適性がワンランクアップするのを体感することができます。

他方、部長さんもコメントしていますが、23mmと25mmだと、そこまで大きな違いは感じないんですよね。

あと、リム幅についても17mmと19mmでも大きく印象が変わりましたね。
内幅が19mmになると、安定性が増して、走っていても「安心感」が増すのがよく分かります。

この先ディスクブレーキモデルのロードバイクに乗り換えた際には、迷わず内幅19mm以上、タイヤは28mmサイズを選択すると思います。 


(4) チューブレスタイヤとチューブレスレディータイヤの違い
通り一遍の違いについては、各方面の記事をご参照頂ければと思いますが、メーカーサイドの意見としては以下のようなコメントがありました。



  • TLRはTLと比べて軽量で安価に作れるが転がり抵抗は悪くなる
     

そうなんですね。
軽量で安価、は分かるのですが、転がり抵抗は悪くなるんですね。 


(5) シーラントについて
シーラントについては、色々と知らないことを教えてくれました。



  • シーラントの違いは走行性能に影響しない
  • シーラントの修復能力を上げれば乾きやすくなり、長持ちさせると修復能力が落ちる為、バランスを取るのが難しい
  • 乾燥してタイヤに付着したシーラントは剥がそうとせずにそのままでOK。その分気密性は上がっており、注ぎ足すシーラントの量が少なくなる為


シーラントの有無が走行性能に影響を与えないというのは分かるのですが、乾燥してタイヤの内側にこびりついたシーラントは無理に剥がさなくても良いんですよ、というのは意外でした。

何となくペリペリ剥がしたくなるのが人情ってものですが。
気密性を高めるのに一役買ってくれているわけで、そのままでも良いんですよ、ということなんですね。

ただ、マビック純正のシーラントについては、ここにある「バランス」がよく取れているな、というのが個人的な印象です。

シーラント注入から半年〜10ヶ月くらいは、液体のままで残り続けてくれますし、やたら乾いてタイヤの内側にこびりついたりもしていませんでした。





パンクした時にも速やかにシーラントが穴を塞いでくれましたし、個人的にはマビック純正のシーラントで十分ですね。






2. 他社についてのコメント

個人的にニヤニヤしながら読んだのが他社ブランドに対する各種コメントですね。
ほんと、社名まで出してぶっちゃけトークとか聞いてみたいものです。



  • ハッチンソンからすると、ライバル企業の中には15年ほど「遅れている」タイヤもある
  • 有名ブランドの中にはETRTO規格を無視したメーカーもある
  • シマノのホイールはリムの精度が高い
  • グラフェンはあまり効果がない
  • 他社製品にはTLRとは名ばかり、実態はクリンチャーだったりTLそのものだったりするものもある


特に、15年遅れているメーカーがどこなのか気になります・・・。
唯一褒められているのがシマノでしたが、マビックといい、派手さはないけど質実剛健な物作りをしているのでしょうかね。

で、会話の中でも若干唐突感があったのが「グラフェン」という素材に対するネガティブコメント。
これって、ヴィットリアに対する批判ですよね・・・。
さすがライバル・・・。


この記事はあくまでも1メーカーの開発部長のコメントになりますので、当然偏った考え方があっても致し方ないとは思いますが、個人的にはとても面白く読ませてもらいました。

11ストームコンパウンドを採用したイクシオンプロUSTを使い続けてきて特に不満もなく使用しているという1ユーザーである為、好意的に受け止めることができましたが、勝手なこと言いやがって、と思う人もいるでしょうね。

日本のメーカーだと「危なかっしい発言」は控えることが多いでしょうが、少しくらい攻めた発言をしてくれた方が読んでいる方としては面白く読めますので、色々なメーカーの開発者インタビューを読んでみたいものです。 





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