冬用のウィンドブレーク素材のトップスとして、昨年末に dhb のAeron All Winter ソフトシェルジャケットを購入しました。

それまで使っていたパールイズミの5℃対応ウィンドブレークジャケットよりも軽量でありながらより暖かいウェアということで、今年の冬は大活躍してくれています。





ただ逆に、かなり暖かい(全面防風素材)ウェアということもあり、昼間、最高気温が10℃を超えるような日だと、少し暑いんですよね。

そんなこともあり、今回は同じく dhb の Aeron Equinox ソフトシェルを購入してみましたので、Aeron All Winterソフトシェルジャケットとの比較レビューを行ってみたいと思います。


 





■ dhb Aeron Equinox ソフトシェルは関東圏の冬場にぴったりな冬用ジャケットだった



1. dhb Aeron Equinox ソフトシェルについて

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まずは今回購入した dhb のAeron Equinox ソフトシェルについて。




季節の変わり目にぴったりのジャケットです。 dhb Equinox ソフトシェルサイクリングジャケットは、暖かさと透湿性のハイブリッドです. ジャケットの保護性能とジャージのパフォーマンスを兼ね備えています


対応する気温帯は 6〜16℃ということで、早朝から出かけない場合は関東地域の冬場にぴったりな気温帯となっています。
"equinox" は、春分だったり彼岸の中日という意味があるように、季節の変わり目、分岐点を意味しています。

初冬や早春の肌寒い日だけでなく、気温が高めの冬場を意識したウェアなわけですね。

ちなみに先日購入した dhb All Winter ソフトシェルジャケットの対応気温帯は2〜12℃となっています。

私は身長170cm、体重56kgの痩せ型。
パールイズミではトップスもボトムスも全てMサイズでぴったりな体型ということもあり、dhb 製品では Sサイズを選んでいます。 



2. 各部詳細

それでは、以下各部の比較を行なっていきたいと思います。 



(1) 防風性・透湿性(パネル配置)
まずは防風性に関して。
こちらは両製品ともに防風性能を謳った商品となっていますが、違いは防風パネルの配置箇所について。

All Winter ソフトシェルジャケットは背面も全体的に防風パネルで覆われていますので、ウェア内部にこもった過剰な熱や湿気は生地の透湿性と、脇の下など部分的に配置された透湿性の高い素材で排気する形になっています。

対して Equinox ソフトシェルは腕や背中などは透湿性の高い素材が配置されています。
防風素材は風の当たる前面に配置されるタイプですね。


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こちらはウェアの裏地。
右側の裏地が白い素材が防風素材となっていて、前身頃に配置されています。
オレンジ色の素材が防風素材ではない為、透湿性が高くなっています。


これが背面全体に配置されています。


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例えば、パールイズミの5℃帯のウィンドブレークジャケットであれば、背面に関しても全体ではなく部分的に透湿性の高い素材を配置していますので、5℃帯のウェアよりも透湿性が高く、対応する気温帯もより高くなっています。


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続いて腕周り。

こちらも生地をひっくり返してみます。


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風の当たる前面は全体が防風素材となっています。


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腕の後ろ側も全てが透湿性の高い素材というわけではなく、全体の1/4程度が透湿性の高い素材、3/4 が防風素材となっています。

防風素材自体はいずれも「シャカシャカ」素材となっており、防風性能は高いです。
ただ、全く同じ素材ではないようでして、生地の厚みを測ってみたところ、All Winter ソフトシェルジャケットよりも Equinox ソフトシェルの方が 防風素材部分も 0.1mm ほど厚みが薄かったです。


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(2) 袖口
袖口は、どちらも風の侵入を防ぐようにぴったりと手首を覆うようにできています。


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グローブをすっぽり被せることができますので、袖口から冷気に侵入してくることはありません。

比べてみると、All Winter ソフトシェルジャケットの方が、袖口のテープの幅が大きいようです。


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ただ、これは並べて比べてみてようく分かるレベルで、着用してみると違いはほとんど感じません。

どちらも必要にして十分です。


(3) ウェスト周り
ウェスト周りについては、少し違いがありました。

dhb の Aeron シリーズはエアロ性を高める為に、敢えて前身頃の丈を短くしており、前傾姿勢をとった時にお腹周りでウェアがだぶつかないようにしています。




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この点はいずれも同じでして、個人的にはかなり気に入っています。

ただ、裾のシリコングリッパーには微妙な違いがあります。


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背中側のシリコングリッパーに関しては、素材も幅もほぼ同じとなっています。

対して、お腹周りの前面部分。


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All Winter ソフトシェルジャケットは前も後ろも同じグリッパーとなっています。


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対して、Equinox ソフトシェルは前側は細いシリコングリッパーを採用しています。

All Winter ソフトシェルジャケットに関しては、100kmのライド中一度もずり上がることなく、常にぴったりお腹周りを覆ってくれる為、かなり快適ですし、当然高いエアロ性を実現してれています。

Equinox ソフトシェルは、どうしてもお腹側前面のシリコングリッパーが細いこともあり、ライド中に若干上側にずり上がってきてしまうことがありました。
それでも、丈が短いこともあり、だぶつくようなことはないですし、パールイズミやカペルミュールといった他の冬用ウェアと比べればかなり「ぴったり」お腹周りに張り付いてくれてはいるですが、All Winter ソフトシェルジャケットが完璧であるが故に、少しその違いが気になってしまいました。

ここは All Winter ソフトシェルジャケットと同じグリッパーで良かったのでは?



(4) バックポケット
バックポケットは、ほんの少しだけ Equinox ソフトシェルの方が幅が大きかったです。


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こちら All Winter ソフトシェルジャケット。



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一番横幅がある真ん中にポケットでも、バイシクルクラブ謹製ライドポーチがぎりぎり入る幅となっています。


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パッと見た感じ大した違いはなさそうなのですが、真ん中のポケットに関しては、 Equinox ソフトシェルの方が 1cm ほど幅が広かったです。
左右のポケットに関しては、幅はほぼ同じでした。

この辺りは、Equinox ソフトシェルの方が使い勝手が良いですね。



(5) ファスナーポケット
冬用ジャケットだと比較的多くの製品についているファスナーポケット。

よくあるのは、真ん中のポケットやサイドのポケットにファスナーポケットを重ねているタイプでして、Equinox ソフトシェルもそのタイプでした。


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All Winter ソフトシェルジャケットが独特な配置なんですよね。
この辺りの好き嫌いは人それぞれでしょうが、実際に使ってみると、定番の縦に走るファスナーの方が使いやすいかな?と思います。

以前の記事でも書きましたが、All Winter ソフトシェルジャケットのファスナー場所が、右側のポケットの更に外側、脇腹に沿う形で配置されていますので、私のように体が硬い人間だと、脇に配置されている方が腕が回しやすく、使いやすかったです。

ただ、配置は良いのですが、ちょっとポケットが深過ぎる為、小物(自宅の鍵)なんかは取り出しにくいので、せっかく配置は良いのに取り出しにくいことに変わりはなく、それなら定番の縦型ファスナーでも十分かな、と思っています。 



(6) 重量
続いて重量です。
All Winter ソフトシェルジャケットは冬用の防風ジャケットでありながらとても軽量で、個々人的にその点がかなーーーーり高評価でした。
実際に計量した結果がこちら。



dhb Aeron All Winter ソフトシェルジャケット
(Sサイズ)
約347g
dhb Aeron Equinox ソフトシェル
(Sサイズ)
約329g



防風素材が前面だけということもあり、もっと軽量になるかも?と期待していましたが、そこまでではなかったですね。

ただ、本当に着心地は軽くて快適です。 



(7) サイズ感
サイズ感ですが、dhb の同じ Aeron シリーズということもあり、サイズが同じであれば何も違いはありませんでした。

前回の記事でも書きましたが、パールイズミのMサイズを愛用している人であれば、dhb の Aeron Equinox ソフトシェルは Sサイズで間違いありません。
 



(8) インプレ(気温)
実際に着用してライドした結果、対応する気温帯についてはこんな感じでした。


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ちなみにタイトル行の数字が気温になるのですが、この気温はあくまで Garmin に表示される気温となっています。
この数字は冬場でも天気予報などで表示される気温よりも2〜3℃高く表示される傾向にあります。

その為、天気予報の気温などと比較する場合には、この数字から2〜3℃引いた値と比較してもらえればと思います。

ちなみにインナーウェアについては、ベースレイヤーとして、ファイントラックのドライレイヤーベーシック(長袖)を着ています。





その上にミドルレイヤーとして dhb のメリノウールベースレイヤーを着用。
冬場の定番ですね。



実際に着用してみると、いずれのウェアも dhb の公称気温帯とほぼほぼ同じ感じでした。
透湿性が十分にあることもあり、最高気温については公称値よりももう少し高めでも問題なかったです。


トレーニングで高負荷な乗り方をする人であれば、関東圏の厳冬期でも Equinox ソフトシェルだけで良いかもしれませんし、All Winter ソフトシェルジャケットのミドルレイヤーをもっと薄地のものにすれば気温高めの冬場も一枚で対応できるかもしれません。

2つのウェアは公称対応気温帯が4℃違う製品となっていますが、その辺りは実感としても公称通りでしたね。





3. サマリ

今回 dhb の冬用ソフトシェルを購入したわけですが、まとめるとこんな感じですね。

  • 天気予報で、ライド開始時の最低気温が5℃を下回る日は All Winter ソフトシェルジャケットを選択
  • ライド開始時の最低気温が6℃以上あり、日中帯の最高気温が二桁になることが確実な日は Equinox ソフトシェル。逆に最高気温が一桁に留まる日は All Winter ソフトシェルジャケットを着用
  • もっとも快適な温度帯は、All Winter ソフトシェルジャケットは6〜8℃、Equinox ソフトシェルは10〜12℃近辺

インナーを工夫することで、どちらか一枚で対応させることもできそうではありますが、個人的には関東圏の冬場、気温によって使い分けるにはとても使い勝手の良いウェアだな、と感じています。


冬シーズン終盤ということもありますが、今はかなーーーりお買い得なお値段になっていますので、下手すると有名どころのウェア一着を買うお値段で dhb だと二着買えてしまったりします。

コスパという点からもとてもおすすめなウェアですね。




 




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