キャニオンのAeroadはロングライド向けになりそうかを調べてみた
前回はキャニオンのロングライド向けライン、Enduraceシリーズについて調べてみましたが、今回はエアロラインであるAeroadシリーズについて調べてみたいと思います。
ミドルグレードから候補を探すということで、前回と同じように
- フレームはトップグレードではなくセカンドグレードであるCFラインで探す
- コンポーネントはアルテグラ
- 時代に流されてDiscブレーキモデル
という基準に合致するものをピックアップして、週末ローディーとしてロングライドに向いたものがありそうかを確認してみることにします。
それでは順に調べていきましょう。
■ キャニオンのロングライド向けミドルクラスを調べてみる(Aeroad編)
以前TREKのMadoneシリーズを調べて時に、「うーん、これは私のような週末ローディーには合わないかなー」とは思いましたが、いちおうダメ元で調べてみることにします。
ピュアレーシング!カチューシャ・アルペシンやモビスター・チームのワールドツアーライダーが選択したバイクとして、Aeroad CF(エアロードCF)は、ハンドリング、快適性、そして優れた空力性能を完璧にミックスした即レースに参加できるマシンです。
公式でも「ピュアレーシング」と謳われていますね。
そりゃエアロ番長ですからそうでしょう。
ただ、何かこのテンション高い売り文句が今ひとつ心に響いてきません・・・。
キャニオンのエアロラインであるAeroadですが、ミドルグレードで基準に合致しそうなものは以下の2車種だけでした。
※価格は本ブログ執筆時点のものを記載しています。モデルによっては値下げされているものもされていないものもあったりしますが、この時点における市場価値をそのまま読み取るということで、値下げ後のものを一律記載するよにしています。
(1) Aeroad CF SL Disc 8.0 Di2
こちらがAeroad CF SLラインのトップグレードになります。
Aeroad CF SL Disc 8.0 Di2 – Aeroad CF SL Disc 8.0 Di2(エアロードCF SL ディスク 8.0 Di2)はシマノ Ultegra Di2 電動油圧ディスクブレーキグループセットをフル装備する、Aeroad CF SL Discレンジのトップモデル。握りやすくスマートな形状に進化したブラケット形状に、新時代といえる油圧ディスクブレーキのコントロール性能と、電動変速のパフォーマンス備えています。
なんか、公式のアピールポイントのほぼ全てがコンポーネントにしか触れていませんね・・・。
もうちょい本家のフレームについてのアピールとかないんですかね。
エアロと言いつつも、TERKのMadoneほど「ファット」な感じはしませんね。
ハイアマチュアに最も望まれるこのグループセットに加え、Aeroad CF SL Disc 8.0 Di2は、DT SwissのARC 1400 Dicut DB62ホイールでさらに完成度を高めています。空気抵抗を低く抑えることにより脚力を節約できる軽量Aeroad CF SL Discフレームと、H36 Aerocockpit CFステム一体型ハンドル。さらにこれらコンポーネントとの組み合わせにより、このバイクはスタートラインに立った時点で、レースを優位に立たせてくれるのです。
はい。ようやくここでフレームについてのアピールが登場です。DTスイスのホイールアピールの次に、ですが・・・。
ま、個人的にもフレームよりもホイールを変えた時の方がインパクトは大きいと感じていますので、とても正直なアピールなのかもしれませんね。
前回Enduraceラインを調べた時にも感じたことですが、キャニオンは同一のラインでもコンポーネントだけでなくフォークもちょいちょい差別化しているのですが、Aeroadに関しては今回取り上げる2車種はいずれも同一のCanyon FK0041 CF SLX Discというフォークを採用しています。
一般的なエアロロードバイクに欠けているもの、それがヘッド部の横剛性です。Canyon FK0041 CF SLX Discフォークは、他社より太い1.25インチのフォークコラムを採用し、最適な横剛性を獲得。キレのある反応性を実現しています。さらに、全力でのスプリントや登りでのダンシングにおけるパワーを安定して受け止めるプラットフォームとして機能。そして好みの下りコースを思い切って攻めるシーンでは、究極のハンドリング精度をもたらします。油圧ブレーキホースのルーティングは内蔵式で、フラットマウント規格により、キャリパー位置を微調整することができます。
こちらで採用されているホイールはDTスイス ARC1400 Dicut DBでして、前後合わせて定価28万円也。リムハイトが62mmもあるのに前後合わせて1673gしかないというのがすごいですね。
ただ、このリムハイト62mmというのは強烈ですね・・・。
前回調べたEndurace CF SL Disc 8.0 Aeroが履いているReynolds AR41 DBのリムハイト41mmでも腰が引けてしまった私には、とてもとても合いそうにありません。
これが他のメーカーのロードバイクであれば、「いやいやホイールは購入後に自分の好きなものに交換すれば良いじゃん」という話ができるのですが、キャニオンの場合はデフォルトでついているホイールに価値を見出せないとダメなような気がします。
ホイール含めてのコスパに価値がありますからね。
(2) Aeroad CF SL Disc 8.0
こちらは非Di2モデルになります。
お値段にして11万円差。
Aeroadラインナップ待望の、ミドルグレードモデル。UCIワールドツアーレベルの高性能を、お求めやすい価格で提供します。高性能を発揮するために、フレーム全体を統合的に開発。ステム一体型ハンドルは素晴らしくすっきりとした外観が得ただけではなく、レースにおいてさらに速度を上げ、レースの勝敗を左右できる脚力を温存する差を生み出します。
アピールポイントは抽象度が高いですね。
Di2モデルとの主な変更点はこちら。
- ホイールが重さはほぼ同じようなものだが、DTスイスとレイノルズで違う
- コンポーネントがDi2がノーマルのアルテグラか
- 重量差は0.1kg
コンポーネントが違うのは当然として、その他だとホイールの違いしかなさそうです。
Di2モデルがDTスイスだったものが、こちらはレイノルズ製。
面白いのが、フロントのリムハイトが58mmですが、リアのリムハイトが62mmと異なるリムハイトを採用している点。
前後で異なるリムハイトにより、現存する最高速のセットアップを提供します。このホイールセットは重量1700gで、ライダーが違いを実感する速度に到達するまで、いとも簡単に回転が上がります。58mmのフロントプロファイルは幅19mmリムに良くマッチしている一方、リアの62mmのプロファイルは幅21mmリムで、空力的利得を高めています。
レイノルズの公式サイトを見ると前後合わせて1730gだそうです。
ちなみにキャニオンの公式だと、前後合わせて1600gと書かれているのですが、これは誤植ですかね、きっと。
国内価格が見つけられなかったのですが、海外定価だと1300ドル程度の値付けのようですので、ホイールとDi2との価格差として考えると、その差11万円はやはりお得ですよね。
Di2化とホイールに価値を見いだせるのであれば、Di2モデルを買った方がお得感はかなり高そうです。
(3) 仕様比較
以下仕様表となります。
Aeroad CF SL Disc 8.0 Di2 | Aeroad CF SL Disc 8.0 | |
---|---|---|
フレーム | Canyon Aeroad CF SL Disc | Canyon Aeroad CF SL Disc |
フォーク | Canyon FK0041 CF SLX Disc | Canyon FK0041 CF SLX Disc |
ホイール(前) | DT Swiss ARC 1400 Dicut db (rh 62mm) 778g | Reynolds AR58 DB (rh 58mm) 1600g set |
ホイール(後) | DT Swiss ARC 1400 Dicut db (rh 62mm) 895g | Reynolds AR62 DB (rh 62mm) 1600g set |
タイヤ | Continental Grand Prix 5000 (25mm) | Continental Grand Prix 5000 (25mm) |
コンポーネント | Ultegra R8050 Di2 | Ultegra R8000 |
クランク | 52/36 | 52/36 |
BB | BB72 PF | BB72 PF |
カセットスプロケット | 11-28 | 11-28 |
ハンドルバー | Carbon (Canyon H36 Aerocockpit CF) | Carbon (Canyon H36 Aerocockpit CF) |
ステム | Carbon (Canyon H36 Aerocockpit CF) | Carbon (Canyon H36 Aerocockpit CF) |
サドル | Fizik Aliante R5 | Fizik Aliante R5 |
シートポスト | Carbon(Canyon S27 Aero VCLS CF) | Carbon(Canyon S27 Aero VCLS CF) |
重量 | 7.7kg | 7.8kg |
価格 | 529,000円 | 419,000円 |
で、こうやって眺めてみると、やはりエアロというだけあってホイールのリムハイトが半端ないです。
この時点でやはり私のような週末ローディーには向かないということがよく分かりました。
ま、今回は「おそらくエアロだから向かないだろうなー」と思いつつダメ元で調べた内容になりますが、次回のUltimateはオールラウンドモデルだそうですので期待して調査してみたいと思います。
コメント
週末にロングライドを気持ち良くってことでカーボンホイールを選ぶなら、ホイールハイトは40~50mmのセミディープが楽ですね。平坦から峠三昧までオールラウンドに使えます。
ヒルクライム大会にでるならシャローリム、エンデューロやトライアスロンのように速度一定でアベレージを上げるなら62mmディーブリムといったところかと。
昔と空力形状も異なりワイドリムで太タイヤな今は、どれを使っても横風時は殆ど差がないので…台風前後の風が強い日は向い風で楽できる分、ハイト40mmのほうが24mmより乗り易かったですよ。
なんとなくセミディープ辺りからは横風の影響が大きくなるイメージで敬遠していたのですが、そうでもないんですね!?
私の住む地域は坂も多く、リムハイトは低い方が良いのかな、なんて思っていましたが考えてみると、坂が多いとはいえ平坦が半分以上はあるわけで。
確かに普段走っていても、セミディープくらいのホイール履いている人が多いような気がします。
少し考えを改めないとですね。
私のところも鉱山都市なので毎週のロングライドは獲得高度二千~三千m/日が多いですが、自走でもトランポでもスタート地点に戻る限り、坂だけ走っても半分は「下り」です。
高いFTPを意識しながら長い急斜面を全力で上る坂バカさんや、途中足付きながら精一杯頑張らなければ上れない峠初心者さんのように「上り」以外眼中に無い人なら上り特化の超軽量ホイールがベストだと思いますが、それ以外の人だと上りに拘り過ぎた選択は勿体ない。
また素材や剛性が違うものを同列に考えたら不味いです。8万位のシャローアルミと24万位のセミディーブカーボンでリムの重量が同じ(例えば450g)ならば、ハイトが高い分カーボンのほうが慣性モーメントが小さくなります。8%位の差となり、漕ぎ出しの軽さや加速しやすさが実感できます。
むむむ。思わず唸ってしまうコメントありがとうございます。
「それ以外の人だと上りにこだわり過ぎた選択は勿体ない」というのは心に染みました。
確かに、後先考えずに峠に血道を上げているわけでもないですし、そこそこの峠なら上れるようになってきたわけで、「登坂って辛いよね」という気持ちばかり優先して超軽量ホイールを選ぶのは何か違いますよね。例えば100kmのライドでも、1/2〜2/3は平坦だったり下りだったりするわけで。
ちょいとセミディープホイールについてリサーチしてみたいと思います。
>ハイトが高い分カーボンのほうが慣性モーメントが小さくなります
これはお恥ずかしながら目から鱗でした!!
確かにその通りですよね。
リムハイト高くなると、漕ぎ出しは「よっこらしょ」のイメージがあったのですが、例えば同じ重量ならそんなことないわけですよね。
ぐぐっ、と心を鷲掴みにされました。
漫然と「キシリウムエリートUSTからアップグレードするなら、キシリウムプロUSTなのかな」位に考えていましたが、今やコスプロカーボンUSTが欲しくなってきました。
ほんと毎度毎度勉強になるコメントありがとうございます・・・。
こんにちは。
DT Swissの事が書かれてたんで。。。。
最初に買ったのが、「P 1800 SPLINE スプライン」 良いホイールでしたねぇ。今は奥さんのロードに履かせてます。
そして先月「PR 1400 DICUT ダイカット21 OXiC」買いました。リムハイトは低いですけど、スピードが持続して巡航しやすいし、登りでも軽く回しやすい。車体と一体感という感じになります。まああくまでも私の主観ですけどね(^_^;)
>ぶさん
コメントありがとうございます!!
お恥ずかしながら、DT Swissのホイールに関してはまったく予備知識がない状態でして、今回初めて知った次第です。
PR 1400 DICUT ダイカット21 OXiCって前後ペアで1450gですか!? その軽さでもスピードが持続し易いというのは、素晴らしいですねー。
ただ何よりも漆黒なその姿にかなりやられてしまいました。格好良い・・・。
ちょいとDT Swissのホイールについても勉強してみたくなってきました。