今までも、後付けすることで普通のクロスバイクやロードバイクを e-Bikeに変身させるコンバージョンキットはありましたが、現在キックスターターで募集中の Kamingo は、その完成度とコスパの良さから、ちょっと新しいフェーズに突入した感じがあります。
ちょっとこれ欲しいです。
コスパ最強な e-Bikeコンバージョンキット(Kamingo)
e-Bike コンバージョンキットとは
そもそもコンバージョンキットとは?という話ですが、既存の自転車(クロスバイクやロードバイク、ママチャリ)に、後付けで各種パーツを取り付けることで e-Bike化するキットのことですが、ここ数年でちらほら見かけるようになりました。
例えば Amazonでも検索すると、以下のようなキットがさくっと見つかったりします。
ただ、こういったコンバージョンキットは、お値段はそこそこで済むのですが、取り付け作業はそこそこ手間がかかってしまいます。
ホイールの選択肢が限定されてしまったりしますしね。
あと、最近だと Hondaとワイズロードが提唱しているスマチャリが、今後の可能性として面白いプロジェクトかな、と思っています。

現時点では、コーダブルームの既存3車種が電動化されて既製品として販売されているだけのようですが、スマチャリの思想としては、「後付けでe-Bike化することができる」という点になります。
SmaChariは、自転車に取り付ける電動アシストユニットと、それに連動するスマートフォンアプリによりさまざまな自転車を電動アシスト化・コネクテッド化できるサービスです。
ただ、Hondaとしては、コンバージョンキットそのものを一般消費者にダイレクト販売するのではなく、自転車ショップにキットを提供して、消費者には完成車として提供する形式を選択している模様。
この辺りの「保守的な」考え方は、日本のマーケット特徴なのでしょうかね・・・。そのまま自己責任でダイレクト販売しても面白いと思うんですけどね。
Kamingo の特徴
Kamingo は現在キックスターターで募集されているプロジェクトとなります。販売数には上限が設定されており、私がこの記事を執筆している段階では残り僅かとなっていましたので、早晩募集完了しそうな勢いです。
取り付け、取り外しが数秒で可能に
おそらく、Kamingo最大の特徴が、取り付け、取り外しの容易性でしょうか。
事前にシートステイに取り付け用の台座を設置しておいて、モーター本体はデタッチャブルな仕組みとなっています。
こちらがシートステイに取り付ける台座。
ここにワンタッチでモーターを取り付けることができます。
バッテリーに関しては、ドリンクホルダーに専用のホルダーを使用して取り付けることができます。
当然ですが充電するという観点からは、バッテリーは取り外し可能なことが望ましいわけですし、盗難防止という観点からも、モーター含めて取り外し可能なのは有難いですよね。
実際には、モーターの取り付け台座は事前にシートステイに取り付けておく必要はありますし、ダウンチューブに取り付けるバッテリーからシートステイに取り付けるモーターとの間には、優先のケーブルを取り回す必要がありますので、ゼロからの取り付けが数秒でできるわけではないのですが、後付けのコンバージョンキットとしては、ゼロからの取り付けも、普段の取り外しも、とても簡単にできる点はとても便利そうです。
公式としては、初回の取り付けに必要な時間は3分。その後のバッテリーやモーターの取り付け・取り外しは10秒以内とのことですが、上記内容であれば確かにそれくらいの気軽さはありそうです。
また、結果として、とても「クリーンな」見た目になりますので、ゴテゴテしていなくてとても良いです。
後付けとしてはハイパワーなモーターを採用
後付けのコンバージョンキットの場合、モーターはそこまで大容量にすることができなかったりします。
いくつか市場に出回っているコンバージョンキットだと250W程度のものが多いようですが、Kamingo は有名ブランドが一体型として販売している e-Bike に肩を並べる、750Wのハイパワーなモーターを採用しています。
また、アシストモードで使用した場合、最大90kmの走行が可能。
内容的には、コンバージョンキットというよりは、既成のe-Bikeレベルとなっています。
軽量なコンバージョンキット
e-Bikeはどうしても重量が重くなりがちですよね。
14kgでも「軽量」と言われる世界ですから。
Kamingo のコンバージョンキットは重量面でも優秀。モーターが0.9kg、バッテリーが1.4kgということで、手元のスイッチと合わせても約2.3kg。
お値段150万円のDomane+ SLR7が12kgでしたが、これなら Domane SL5 にコンバージョンキットを積んだ方が軽量になります。(その他コンポが全然違うので、あまり意味のない比較ですが・・・)
モードは3種類
そして、個人的に最も気に入ったのが、使用する時のモード。
モーターを使用する際には、アシストモード、クルーズモードの2種類から選択することができるのですが、個人的に最も気に入ったのがスタンバイモード。
完全にモーターを使わない選択肢も簡単にできます。
そりゃそうだよね、という話なのですが、見た目からして「本当に何も邪魔していない」というのが目視で分かるというのが気に入りました。
ハブやクランク内部にモーターが組み込まれている場合だと、「モーター使ってないから」と言われても、何か内部部品で余計な摩擦とか生じていて、本来の走りの邪魔をしていることもあるのでは?と穿った見方をしてしまうのですが、Kamingo の場合、2.3kgの重量はかかってしまうものの、スタンバイモードでは一切走行の邪魔をすることはありません。
普段の巡行時にはスタンバイモードで走り、上り坂の時だけアシストモードを使うという使い方もできるわけで、これはかなり魅力的。
プラスされる重量も2.3kgということであれば、軽量なロードバイクに組み込めば10kg程度に重量を抑えることも可能なわけですし、それならぜんぜんアリですねー。
ちなみに、それらモードの切り替えは全て手元のスイッチで行うことができますので、モードの切り替えを行う為に停車する、みたいな話は一切ありません。
Kamingoの取り付け条件
もう、買う気まんまんになってきましたが、ちょっと落ち着いて取り付け条件を確認してみます。
シートステイの形状
シートステイにモーターの台座を取り付けるわけですが、その為にシートステイはオーソドックスなトライアングル形状である必要があります。
最近のエアロ追求型のフレームだと取り付けできないことになりますが、製品の特徴からして、そんなエアロ番長がコンバージョンキットを使うことはないでしょうから、特に問題にはならないでしょう。
ブレーキ種類
そして、私の場合はここで問題が発覚しました・・・泣
キャリパーブレーキ(リムブレーキ)だと、取り付けができないのです・・・。
そりゃそうか・・・。
Kamingoを取り付ける位置には、がっつりキャリパーブレーキが取り付けられているわけで、思いっきり干渉してしまうわけですね・・・。
ちなみに、ディスクブレーキだと相性ばっちりだったりします。
コスパ最強(アーリーバードで約5万円)
今時クロスバイクを購入しても軽く5万円を超えてくる時代になってしまいましたが、Kamingo のアーリーバード価格(41%オフ)だと、349ドル、約5万円で購入することができます。
いやー、取り付け可能であれば、迷わずに買っていたところですが、今回は残念ながら見送りとなりました。
正直、コンバージョンキット界隈では、Kamingoは価格破壊の製品になりそうですから、今後普及が進むと、よりお手頃な価格でも入手できるようになるかもです。
あと数年後、ディスクブレーキモデルのロードバイクに手を出した際には、「もう坂道とかしんどいっすわー」というお年頃になっている可能性も高いですから、こういったコンバージョンキットの存在は有難いですね。
ちょっと、これからが楽しみです。
コメント
これは国内の規格的に大丈夫なのでしょうか? アシスト比率での制限なので、ペダリングのパワーが計測できないとアウトに見えます。
各国の規制に対応、みたいなことは書かれているのですが、米国、欧州以外についてはあまり具体的な言及がないようなんですよね。
正式な対応が約束されるものなのか、自己責任での利用になるのかは、今後の対応を見ながら、ですかね。