この1年、チューブレスバルブの進化が止まりません。
シュワルベ、マックオフといった有名ブランドから従来型の仏式バルブではなく、独自規格のチューブレスバルブが登場してきましたが、シーラントでも有名なスタンズからもチューブレスバルブキットが発売されています。
昨年発表されていたのですが、まだ日本国内での取り扱いが開始していない為情報が少ないのですが、海外でレビュー記事を見つけましたので、ちょっと調べてみました。
エアフローとシーラント詰まりを解消するチューブレスバルブキット(Stan’s Exo-Core Tubeless Valves)
機能性について
まずは公式の謳い文句ですが、他社から出てきている新製品とは違い、「エフアローをxx%向上!」といった数値的な分かりやすいアピールはない模様。
20年以上にわたるチューブレスの進化に基づき、綿密に設計された画期的なExo-Coreチューブレスバルブは、チューブレスタイヤをセットアップする際、シーラントの塗布量を制限せず、比類のないエアフローを実現します。さらに、エグゾコア・チューブレス・バルブは簡単にメンテナンスができ、お手入れも簡単。もうライダーやメカニックは、現場や作業台でバルブの詰まりや整備性を心配する必要はない。
意外と地味な謳い文句となっています。
マックオフのビッグボアチューブレスバルブは愛用していますが、仏式バルブ対比、エアフローが向上するとここまでフロアポンプでの充填が楽になるものか、とちょっとした感動を覚えています。

チューブレスタイヤの一般化、ホイールのワイドリム化に伴い長年続いてきた仏式バルブにも変革が求められる時代となったわけですが、各社から出ている新製品とほぼ同様の機能性となっている模様。
- 既存の空気入れとは互換性を確保
- 取り外し可能なバルブコアはオール真鍮製で目詰まりがなく、洗浄が容易
- 仏式バルブ対比エアフローを改善し、シーラントの充填も可能に
- バルブの形状を工夫することで、あらゆるデザインのリムに対応
使い捨てではないバルブコアは、専用の真鍮製となっており、メンテナンス製に優れている模様。
海外レビュー
road.ccでレビュー記事が上がりました。
ざっくりまとめるとこんな感じ。
- バルブの取り付けは通常のチューブレスバルブの取り付けと変わらず簡単
- 空気を抜く際の微調整については、1/8回転させることで少量ずつ空気を抜くことができるし、1回転させることで一気に空気を抜くことも可能に。工具なしでも握りやすく、調整も簡単
- エアフローは十分で空気の充填は楽
- バルブコアは仏式バルブのように外部に露出することがない為、バルブコアの先端が曲がるリスクがない
- 数ヶ月利用した結果、バルブからの空気漏れ、スローパンクはなかった
- シーラントの目詰まりに関しては、遅乾性のシーラントを使ったこともあるが、目詰まりは発生しなかった。もし目詰まりが起きた際には、真鍮のコアを取り外して洗浄すれば良いのでメンテナンス性は高い
概ね高評価でした。
他方、他社製品と比較するとネガティブなポイントも幾つか。
- 製品価格については、ペアで50£となっており、Muc-Off のビッグボアチューブレスバルブの40£よりも更に高い
- 対応するリムハイトは、最大46mmとなっており、ロード向けのディープリムには対応できない
まだ日本国内では流通していませんので、正式な価格面での比較は難しいですが、Muc-Offのビッグボアライトチューブレスバルブでも、9000円近いプレミア製品になってしまっていますので、Stan’s のチューブレスバルブはペアで1万円近い価格になってしまいそうですね。
私もMuc-Off の製品を使ってとても満足してはいるのですが、まだまだ仏式バルブから変わっていく過渡期ということもあり、各社価格はまだまだ高くなってしまっています。
シュワルベはコア部分だけであれば3000円程度で交換できるのでコスパは良いのですが、ポンプヘッドを専用品に交換する必要があり、私のようにヒラメポンプを気に入って使っている人間からすると、完全切り替えにはまだ踏み切れなかったりするんですよね・・・。
ヒラメ愛好家はロードバイク界隈では多いと思いますので、同じように感じているローディーも多いのでは。

流通が進んで、各社価格が落ち着いてくれると嬉しいのですが、それにはまだまだ時間がかかりそうですね。
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