コンポはシマノ、スラムと使ってきたので、カンパニョーロは試乗車でコンポに触れる位でしたが、ホイールはシャマルウルトラを愛用しています。

そんなカンパニョーロ社について、以前ワールドツアーのスポンサーから外れた時に「大丈夫なのか?」と世間を騒がせたことがありましたが、ここに来てのっぴきならない状況に陥っているようです。

カンパニョーロは構造的に危険な状況に
カンパニョーロは現在、大規模なリストラを伴う深刻な経営危機に直面しており、ブランドのイメージ面の輝きとは裏腹に、財務と事業ポートフォリオの両面で厳しい局面を迎えているようです。
直近のリストラと業績悪化
カンパニョーロのイタリア本社では、全従業員約300人のうち40%にあたる120人の削減が報じられており、これは単なる一時的な合理化ではなく「構造的危機」の表れとされています。
2023〜2025年度の累積損失は2,400万ユーロ超とされ、2024年11月以降に追加出資を受けたものの、現状のままでは事業継続に十分な流動性を確保できないとの見方が示されています。
リストラでよく報じられるレイオフは、従業員の10%程度が多いように感じていますので、今回の40%という数字はかなり「えげつない」数字だと思っています。
自分が在籍する会社をイメージした時に、本社スタッフの40%がいきなり削減されたらどうなるかを考えると、かなりゾッとしますね。
それ、翌日から業務継続がかなり困難になる状況だと思います。
危機の背景:コロナ後の自転車市場と戦略のミスマッチ
コロナ禍での自転車ブームを受けて同社は約50人規模の増員を行いましたが、その後の急激な需要減退により人員・生産能力が過剰となり、固定費負担が一気に重くなりました。
さらに、エントリー〜ミドルグレードのグループセットから早い段階で撤退し、MTBやeバイクといった成長領域への十分な展開が遅れたことも、売上基盤の脆弱化につながったと分析されています。
コロナ渦の「上がって下がって」で大きなダメージを被った会社は多かったのですが、カンパもその例に漏れませんね。
プロが使う製品をトップエンドに置き、その下にコンシューマー向けのミドル、エントリーグレードをラインナップする業界は、自転車の他にカメラ業界なども似たような構造となっていますが、この「エントリーライン」を切り捨てるのか、維持し続けるのかは常に難しい選択ですよね。
プロライン、ハイグレードラインは収益率は高いですが、一歩外してしまうと全く売り上げが上がらない欠点も抱えているわけですが、今のカンパはその失敗例の最たるものなのかもしれません。
現場の声:労働組合と地域社会の不安
イタリアの金属労組Fim-CislとFiom-Cgilは、40%という大幅な人員削減規模に強い懸念を表明し、地域の主要雇用主である同社の将来像について、より明確な産業計画を示すよう求めています。
現在示されているのはコストカット中心のプランだとされ、組合側は「市況の悪化だけでなく、製品ラインや投資の選択といった経営判断にも問題があった」と指摘しています。
この最、ホイール部門を切り出して経営資源を投入し、コンポ事業はギリギリまで切り詰めるとか、抜本的な対策を示していかないと未来はないのではないでしょうか。
プロレースとブランドイメージの揺らぎ
カンパニョーロは一時ワールドツアーから姿を消した後、2025年にコフィディスを通じてワールドツアーへ復帰するなど、ブランドの存在感維持に動いてきました。
同時に、ワイヤレス化したフラッグシップ「Super Record 13」のロードおよびグラベル向けコンポや、より手の届きやすい13速ワイヤレス・プラットフォームの投入を示唆するなど、製品面では“攻め”の動きも続いています。
ただ、最近は外で走っていてもカンパのコンポを見かけることはほぼありません。
各社完成車なんて、カンパのコンポがプリセットされたものなんてほぼ皆無ですから、自分でフレームからのバラ完にしない限り、カンパのコンポを使うことなんてないですからね。
数年後もカンパがマーケットに残っているのか否か、かなり危うい状況になってきたようです。
また昔のように「シマノ、スラム、カンパ」の最大勢力!と言える日が戻ってきてくれると嬉しいのですが。。。


コメント
ホイールも大丈夫なんですかね。
円安もあると思いますが、ディスクブレーキが浸透してから中華をはじめ、廉価カーボンホイールに押されてるように見えます。
リムブレーキはボーラで溢れかえっていたのに…
今は中華ホイールの勢いがすごいですよね。
決して安いものばかりではないのですが、いかんせん全体的に価格が上がってしまったので、相対的に中華ホイールが安く見えるという。。。
カンパのホイールは最後まで頑張って頂きたいところですが。。