新型ティアグラが登場(TIAGRA R4000)

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私がロードバイクに乗り始めた頃には、「とりあえず105以上を選んでおけば後悔しない」と言われていました。
当時使っていたコンポーネントはR5800系の機械式11速の105でしたが、確かに不満はありませんでしたね。
その後アルテグラにアップグレードしたら「更に良い」と感激したものですが、比較しなければその違いも僅かなものでした。

そして先日、従来10速だったティアグラが遂に11速にアップデートされました。

もうね。
これからはティアグラで良いんじゃない?

新型ティアグラ(R4000)と11速時代の105(R7020)を比較してみる

新型ティアグラは11速時代の105の後継機となるのか

シマノはここ数年で電動化、12速化へとコンポーネント全体のアップグレードを重ねてきました。
その結果として、シリアスローディーであっても、アルテグラがあればもう十分、デュラエースは「ほんの僅かな差が勝敗に影響する」ような、雲上人にのみ必要とされるコンポーネントになりましたし、更に言うなら、「105でももう十分過ぎるほどの性能を有している」時代になってしまいました。

しかも皮肉なことに、エアロ全盛となってしまったこのご時世、コンポーネントの数百グラムの重量差なんて走りには大きな差を生まないことが明らかになってしまい、上位コンポーネントの「必要性」「優位性」が、週末ローディーには大きな意味を持たないことまで科学的に証明されてしまいました。

もうね。
電動コンポでなくても良いなら。
11速のティアグラで十分なんじゃね?
と思ってしまいますよね。

かつての「できれば105以上」という定番文句は、「できればティアグラ以上」に置き換わる時代になったのではないでしょうか。

そんなわけで。

実際にかつての11速105に肉薄しているのか、上回っているのかを確認してみたいと思います。

新型ティアグラ(R4000) vs 11速時代の105(R7020)

まずはコンポーネント毎に比較してみました。

コンポーネント 105 R7020 (旧11速) Tiagra R4000 (新11速) 差(重量 / 価格)
STIレバー (左右) 610g / 約 48,000円 622g / 51,618円 Ti +12g / Tiが高い
クランクセット 713g / 約 18,000円 907g / 25,544円 105が194g軽い
リアディレイラー 225g / 約 6,500円 275g / 11,362円 105が50g軽い
フロントディレイラー 95g / 約 5,000円 95g / 5,445円 ほぼ同等
カセットスプロケット 284g / 約 6,500円 398g / 11,420円 105が114g軽い
ブレーキキャリパー (前後) 282g / 約 18,000円 267g / 19,434円 Tiが軽量(RS405等)
チェーン 257g / 約 4,500円 257g / 2,968円 チェーンはTiが安価
ローター (前後) 254g / 約 8,000円 254g / 4,862円 Tiが安価(RT54)
合計(概算) 約 2,478g / 約 114,500円 約 3,075g / 約 132,653円 105が600g軽い

ほほーう・・・。

比較のポイント

改めて並べてみると、なかなか興味深いですね。

1. 価格の逆転現象

表を見ると、最新のティアグラ R4000の方が定価ベースで高くなっています。これは製品のグレード差ではなく、2020年代中盤の物価高騰と為替の影響によるものでしょうね。こればっかりは致し方ありません。

  • 105 R7020: 発売当時の価格設定が維持されている(または流通在庫)ため、スペックの割に安く感じる。

  • ティアグラ R4000: 最新の価格設定(2026年基準)のため、パーツ単価が底上げされている。

2. 重量:クランクとカセットに宿る「格差」

重量差が約600gありますが、そのうち、約半分以上(300g超)がクランクとカセットで発生しています。

  • クランク: 105は中空アルミ(ホローテックII)ですが、ティアグラは中空構造とはなっておらず、この剛性と軽さの両立が105のアイデンティティです。

  • カセット: ティアグラの11-36Tは非常に重いですが、その分「36T」という105 R7000(最大34T)にはない超乙女ギアを備えています。

クランクについてはユーザー層に対する機能の絞り込みが見受けられますので、重量差と機能差が明らかにあるわけですが、カセットに関してはギアが大きくなれば重量も多くなるわけで、そのままの比較はあまりフェアではないですね。

3. 105を意識したアップグレードによるティアグラの105化

今回のティアグラのアップグレードに関しては、105を意識したアップグレードが行われている為、特に旧型105との機能性については、よりその差が縮まった形になっています。

ブラケット形状の「105化」

新型ティアグラ最大の恩恵は重量ではなく「ブラケットの握りやすさ」にありそうです。 R7020(105)で高く評価された「スリムで手に馴染むブラケット形状」を新型ティアグラも採用しました。旧ティアグラ(R4700)の油圧レバーは非常に巨大で不格好でしたが、R4000では105と見間違えるほど洗練されており、指の届きやすさやブレーキの引きやすさは同等です。

変速性能:105 R7000へのリスペクト

ティアグラ R4000のフロントディレイラーは、105 R7000から導入された新構造(ケーブルアジャスター内蔵)を採用しています。これにより、変速の軽さやセッティングのしやすさは、かつての105水準に到達しました。

必要にして十分な存在となったティアグラ

ヒルクライムが多いローディーだったり、私のように軽量・非力なローディーであれば、約600gの差は結構見過ごせないものだったりします。

エアロ全盛なこのご時世とはいえ、満タンにドリンクが入ったドリンクボトル一本分の重量差は、無視できない重量差かと思います。
とはいえ、今から新しくロードバイクを購入する際に、旧型の105(R7020)をわざわざ探してきてアセンブルするようなことは(この価格帯の完成車を購入する層であれば尚更)あまり考えられないと思いますので、まずはティアグラ完成車で購入した後、クランクセットを105にアップグレードすれば、多くの問題は解決されそうです。

ただ、この旧型105を選ぶか、新型ティアグラを選ぶか、という命題にはあまり意味はないと思っています。

今回のティアグラのアップデートにより、最も重要なポイントは「完成車のコンポーネントとして、週末ローディー的にはティアグラでも十分なレベルに到達している」という点ではないでしょうか。

かつて「できれば105以上」と呼ばれていたものが、今回の新型登場により「できればティアグラ以上」という言い回しに変わったように感じています。

私自身現在は12速コンポに乗っていますが、実は11速と12速の違いは、そこまで大きなものではないと感じています。
むしろ、リア最大34Tだったものが36Tになったとか、機械式ではなく電動コンポになったとかの方が大きな差として実感できるポイントだと思っていますので、今回のティアグラでリア最大36Tが採用された点は、ティアグラがターゲットにする層に刺さる良いアップデートになったのではないでしょうか。

いやいや、ティアグラも高くなってしまったし・・・、という人はCUESを選ぶしかないとは思うのですが、この物価高なご時世においては、新型ティアグラは「ちょうど良い」落とし所を提示してくれたコンポーネントではないかな、と感じています。

 

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