【実走レビュー】シャマルウルトラ(2-way fit)

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今年の3月に購入したカンパニョーロのシャマルウルトラ。

ようやく走行距離も1000kmを超えましたので、現時点でのファーストインプレッションなどまとめてみたいと思います。

アルミホイールの最高峰! シャマルウルトラ2-way の実走レビュー

1. シャマルウルトラ 2-way fit について

私が購入したシャマルウルトラは2-way fit ということで、チューブレスタイヤで運用しています。

実測重量は1490g。ギリギリ1500gアンダーでした。

それ以前はマビックのキシリウムエリートUST、コスミックプロカーボンUSTを使用していましたので、それらホイールとの比較となります。

 

2. シャマルウルトラ 3ヶ月経過レビュー

正確にはまだ2ヶ月半ほどではありますが、走行距離も無事1000kmを超えてきましたので、現時点でのインプレをまとめてみたいと思います。

(1) 低速域での加速性

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まずは信号からのリスタートについて。

それまでメインで使っていたキシリウムエリートUSTが実測1525g、シャマルウルトラが1490gとわずかに軽量化されていますが、リム重量はシャマルウルトラよりもマビックの方が軽いそうです。

他方、スポークはシャマルウルトラがアルミですので、スポークの剛性はシャマルウルトラの方が高そう。

その辺りのプラスマイナス加味した結果なのでしょうか、信号からのリスタートについてはキシリウムエリートUST とシャマルウルトラとの違いはあまり感じませんでした。

その後ペダルに体重を乗せていった時の加速性については、わずかにシャマルが上かな?という気もしますが、そこまで大きな違いは感じ取れず。

(2) 高速域での加速性

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対して、高速域での加速性については、明らかにシャマルウルトラの方が上でした。
ペダルに乗せた体重が、そのままするっ、するっ、と加速に繋がる感覚があり、ぐんぐん加速していきます。

フラットな公道でスピードを上げる時、私の乗り方では時速35km前後までしか速度は上げません。

キシリウムエリートUSTの場合、時速32〜33kmまでするするっと上がった後、時速35kmまで上げようとすると、一段「ぐいっ」と踏み込む必要があるのですが、シャマルの場合は、同じ感覚でペダルを回し続けると時速35kmまでたどり着くことができました。

この辺りはアルミスポークで剛性がアップした効果でしょうか。

(3) 巡行性能

また、巡行性能に関しても、明らかに違いを感じることができました。
普段は無風の車道では時速28km〜32kmの間で走ることが多いのですが、巡行を維持するパワーに関しては、キシリウムエリートUSTで時速28kmで走る時と、シャマルウルトラで時速30kmで走る時が同じ感覚でした。

シャマルに変えて速くなったという感覚よりも、ペダルにかけた力がスムーズに推進力に変わっている印象です。

力が逃げない、という感覚ですね。

加えて、USBハブの効果でしょうか、ペダリングを緩めた時の減速も、キシリウムエリートUSTよりも少なく、速度維持が楽になりました。

わずかな違いなんだと思うんですけどね。
巡行が楽になった感覚はかなりあります。

(4) 快適性

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快適性に関しては、ホイール以上にチューブレスタイヤの効果が高い部分かと思いますが、敢えて優劣つけるとしたら、シャマルウルトラよりはキシリウムエリートUSTの方が衝撃をうまくいなしてくれる印象です。

キシリウムエリートUSTからコスミックプロカーボンUSTに変えた際には、明らかに縦剛性が上がったのを実感でき、結果的に路面からの突き上げが増し、上体にかかる疲労感がアップしました。

感覚的には、キシリウムエリートUSTで100km走る際の疲労と、コスミックプロカーボンUSTで80〜90km走る疲労感が同じ位でしたので、「コスプロカーボンUSTは明らかに速く走れるようになるけど、疲労は増すな」と感じたものです。

シャマルウルトラではどうか?というと、そこまでの違いは感じません。

路面の衝撃はキシリウムエリートUSTよりも拾うけれど、シャマルウルトラの方が「疲れるか」と聞かれると、そこまでの違いは感じないといったところでしょうか。

シャマルで100km超のライドを5回ほど走っていますが、ライド後の疲労感に大きな差は感じていません。

もっと長距離走ると違いが出るのかも、ですが100〜120km程度だと違いはなさそうです。

(5) 登坂性能

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今回一番感動したのが、登坂性能です。
上りが速くなったということはないのですが、楽に登れるようになりました。

これは相性的な部分なのかもしれませんが。

例えば、インナーローを使うような、斜度10%前後の上り坂を例に取ってみます。

  • キシリウムエリートUSTだと、インナーローにしてしまうと「前に進まない感」が強くなり、逆に疲れる感覚がある為、インナーローから1枚シフトアップして登るケースが多い。他方、1枚シフトアップしてしまうと、地味に「脚が削られ続ける」感覚がある為、峠などでは徐々に疲労が溜まっていく
  • シャマルウルトラだと、インナーローにした時に「力が逃げる」感覚がなく、ペダルを回した分確実に前に進んでくれる為、「前に進まない感」を感じることがない。インナーローでくるくる回し続けると、確実に前に進み、登り続けることができる為、結果的にキシリウムエリートUSTよりも楽に登ることができる

よく言われる話で、トレーニングを積んだりホイールをアップグレードしても「速く走れるようになる」だけで「楽に走れるようになる」わけではない、という言い回しがありますよね。

おそらく、ちょうど良いギア比と剛性の成せる技なのでしょうが、私的にはシャマルウルトラで軽めのギアでくるくる回す走り方は、疲労を貯めずに走れるようです。

この走り方をする限りにおいて、キシリウムエリートUSTで一枚シフトアップするよりもむしろスピードは落ちているわけですが、では同じインナーローで走ったらキシリウムエリートUSTでこの走り方ができるか?というと否なんですよね。

この辺りの剛性バランス、ホイールの特徴が今の私にはとても相性が良かったようです。 

(6) ブレーキの制動性

ブレーキの制動力については、同じアルミリムということで、キシリウムエリートUSTとの違いを感じることはありませんでした。
どちらも、きっちりブレーキ効きます。

(7) 横風の影響

シャマルウルトラはキシリウムエリートUSTよりもわずか(4mm〜5mm程度)にリムハイトは高くなりますが、横風の影響を受けるほどの違いはありません。

リムハイト40mmのコスミックプロカーボンUSTに変えた時には、風の強い日にはびくびくしながら乗ったものですが、この程度の違いであればその差に気づくほどではないようです。

(8) ホイールの剛性

感覚的なものですのでどこまで正確かは分かりませんが、シャマルウルトラはキシリウムエリートUSTに比べると縦の剛性は高く、横の剛性は同じか低いような印象です。

私は体重が56kgと軽量級ですので、普通にサドルに座ってペダルを回している限りにおいては横剛性云々を感じることはないのですが、上り坂や信号からのリスタート時にスタンディングで乗る際に、シャマルウルトラだとほんのわずかに横に「よれる」感覚がありました。

試しに、ブレーキシューとリムとの間を近めに設定し、スタンディングでペダルに体重を乗せながら左右に振りながら走ってみます。
キシリウムエリートUSTだとブレーキシューがリムに当たることはなかったのですが、シャマルウルトラだと、リムにブレーキシューがわずかに当たりました。

厳密には、ハブの玉押しの設定次第で逆転する可能性もありますが、体幹的にはシャマルの方が若干横方向の剛性は低いと感じています。

では、それが何か走りに影響を与えるか?と言われると、何もないんですけどね。

ヘビー級ローディーだったり、剛脚ローディーだと何か違いが出るのかもしれませんが。

3. サマリ

キシリウムエリートUSTもとても良いホイールだなーと気に入って使っていたのですが、100kmをより楽に走る為のホイールと考えた場合、今はシャマルウルトラの方が上だな、というのが正直な感想です。

キシリウムエリートUSTはとにかく足に優しいホイールですので、ロングを走るならキシリウムが上じゃないの?と思っていたのですが、シャマルの適度なホイール剛性は今の私にはちょうど良いようで、上りも平坦も、むしろ楽に省エネで走れるのはシャマルでした。

登りでは省エネの走りになったことでむしろ速度は落ちたような気もしますが、その気になれば速いホイールだと思います。

普段はあまり気にしていないのですが、購入後に試しで尾根幹をがしがしペダル回して走ったところ、一発目でプライベートレコードを更新しました。

ホイールの剛性は、その人の体重や脚力によって受け止め方は千差万別かと思います。
シャマルウルトラに関しても「柔らかい」という人もいれば「硬い」という人もいますから。

ただ、少なくとも今の私にはかなーりどんぴしゃな剛性のようで、省エネで楽に走ることもできれば、頑張って速く走ることもできる、とても万能なホイールという印象です。

こりゃ人気が高いのも頷けます。

キシリウムエリートUSTは、しばらくはサイクルハウスの中でお休みですね。

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コメント

  1. たかにぃ より:

    シャマルウルトラは良いホイールですね。
    技術教官としてパイプなどの剛性計算の話もしますが、シャマルは教材に使いたいくらい良く出来ています。

  2. おとーさん より:

    >たかにぃさん
    ほんと、シャマルの魅力にどっぷりハマりました。
    色々な意味で「ちょうど良い」ホイールだな、と感じています。

  3. より:

    私もコスミックカーボンから
    シャマルウルトラ2wayfitにしました。
    チューブレスで使用しています。
    当初は併用しようと考えておりましたが、
    シャマルウルトラが良すぎて、
    そのままで今シーズンが終了しました。
    さらに、先月のBLACKFRIDAYsale
    にて、リムブレーキ用が無くなる前に、
    大英帝国からもう1組買ってしまいました(笑)

  4. おとーさん より:

    >やさん
    おお、追加購入ですか!
    羨ましいです。
    私もシャマル購入後は「これでゴールで良いかも」と思うようになりました。
    我が家のシャマルは現在ショップに預けている(組み付け&納車待ち)為、コスプロカーボンを使っているのですが、やはりシャマルの方が好みに合うなー、ということを再実感しています。
    実際に乗り比べてみて初めて理解することができたのですが、横剛性がシャマルの方が高いようで、下りでの安定感がかなーり違いますし、とにかく乗っていて気持ち良いのはシャマルだなー、と感じています。
    早く納車になって、シャマルに乗りたいです・・・。

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