ロードバイクのメンテナンスに欠かせない六角レンチ。
最大の欠点を克服するグッズをご紹介したいと思います。
WERA の六角レンチはホルダーから取り外すのが大変
「しなり」がすくなくトルクをかけ易いと言われているWERAのレンチはとても使いやすく、愛用者も多いのではないでしょうか。

私も愛用しています。
正式名称はステンレス マルチカラーヘックスキーセットだそうです。
何がいいって、Amazonで定期的に割引されているので、モノは良いのに加えて(高いことは高いのですが)お得感があるというのも嬉しいポイント。
WERAの六角レンチの欠点
そんなWERAのレンチにも最大の欠点があると感じています。

この、専用のホルダーから取り外すのがめっっっっちゃ硬いんです。
個体差はあると思うのですが、私の個体の場合、使用頻度の高い4mmが取り外しに10秒くらいかかる時があるくらい。
工作精度が高いのかもしれませんが、まー、硬いのなんのって。
作業中にはとても取り回しし易いアーレンキーなのですが、こうも取り外しが硬いと、そりゃもうストレスが半端ないわけです。
ちなみに、硬いのは取り外す時だけではなく、戻す時も硬いです。
地面に押し付けて体重かけながら戻す必要があるくらい。
当然、何もしてない時にするっ、と外れてしまうようではダメですが、ここまで硬くする必要なくないですか、WERAさん?
解決策を模索する(WERA Bicycle Set4)
私のように感じている人はそこそこいるようで、あれこれホルダーを自作する人もいるくらい。
私も自作してみようかなー、とあれこれ調べていたのですが、そんな折にWERAの公式サイトで自転車用のメンテナンスセットがあるのを見つけてしまいました。

その名も WERA Bicycle set 4。
ぱかっ、と開けるとこんな感じです。

おお!?
ゴムバンドでホールドしているようですが、ぜっっっったいこの方が抜き差しは楽ですよね!?
以下が製品にセットされている内容。
- L型六角レンチ( x 2 )
950 SPKL L-key Multicolour, metric HEX2 x 101 mm
950 SPKL L-key Multicolour, metric HEX2.5 x 112 mm - L型六角レンチ HF( x 5 )
950 SPKL HF L-key Multicolour, metric HEX3 x 123 mm
950 SPKL HF L-key Multicolour, metric HEX4 x 137 mm
950 SPKL HF L-key Multicolour, metric HEX5 x 154 mm
950 SPKL HF L-key Multicolour, metric HEX6 x 172 mm
950 SPKL HF L-key Multicolour, metric HEX8 x 195 mm - L型トルクスレンチ HF( x 2 )
967 SXL HF TORX® L-key Multicolour with holding function, long TX 10 x 112 mm
967 SXL HF TORX® L-key Multicolour with holding function, long TX 25 x 154 mm
ほほーう。
私が持っているステレンス製の3950シリーズとは地味に違いがありますね。
ステレンスマルチカラーセットとの違い
ざっと相違点を調べてみました。
レンチのサイズについて
まず、同梱されているレンチの種類として、マルチカラーセットにあって Bicycle Set4にないのが、1.5mmの最小サイズと、10mmの最大サイズ。
確かに、自転車用のメンテナンスを考えると、この2つはなくても困りません。
対して、Bicycle Set4 にあってマルチカラーセットにないのが、10mmと25mmのトルクスレンチ。
確かに、ロードバイクのパーツによってはトルクスレンチが必要だったりしますよね。
私が以前使っていたステムではトルクスを採用していました。ただ、今使っているステムはごく普通のボルトだったりするので、そこまでトルクスレンチは必要ではなかったりします。
素材について
続いて素材ですが、3950シリーズがステレンス製であるのに対して、Bicycle Set 4の950シリーズは素材が合金(通常のクロムバナジウム系)となっています。
ステンセス製と合金製の違いは「剛性」と「錆びにくさ」にあるかと思います。
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950シリーズは合金工具鋼(通常のクロムバナジウム系)で、硬度・剛性が高く、しなりが少ないのが特徴
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3950シリーズはステンレス製で、最大のメリットは「錆びにくさ」で、屋外や湿気の多い環境、ステンレスねじ周りの作業などに最適。3950シリーズも十分な剛性はあるものの、最大トルク重視なら950シリーズが優位
メンテナンス時に力を入れることを考える、しなりが少ないのは最大のメリット。
ちなみに、WERA同様に高級工具とされているパークツールのアーレンキーは、WERAと比較すると「しなりやすい」と言われています。
私はSK-11のアーレンキーも過去に愛用していましたが、そちらもしなりやすいタイプとなっていますので、どちらが「優れている」「劣っている」というものではありません。
ただ、双方使い分けた個人的な結論からすると、自転車のメンテナンスにおいては、アーレンキーはしなりが少ない方が作業しやすいかな?というのが個人的な印象。
そう考えると、自転車用のメンテナンスキットとして、よりしなりの少ない合金製を採用しているのは、とても理に叶っているな、という印象です。
他方、自転車のメンテナンスに使うアーレンキーにおいては、「錆びにくさ」もとても重要だと感じています。
自転車の洗浄だったりメンテナンスに際して、どうしても水分の多い環境に置かれることが多い為か、シンプルに日本の湿度の高さ故なのか、アーレンキーは「錆びやすい」と感じています。
自転車に乗り始めた30年前、お金もない若かりし頃には地元のホームセンターなどで売っている安い六角レンチセットを使っていたのですが、どうしても数年使っていると錆びてしまうことが多く。
折角購入した高いメンテナンスグッズが錆びてダメになってしまうのは困りもの。
アーレンキーで高いトルクをかける作業は、ペダルの脱着くらいかと思いますが、そちらは別のツールを使っていたりするので、そう考えると Bicycle Set4 の950シリーズよりは、ステンレスの3950シリーズでもトルクは十分なわけで。
ちょっと、このセットを購入するには至りませんでした。
ケース単体で購入可能
ちょっとしょんぼりしていたのですが、公式サイトを探すと、なんとケースが単体で売っているではないですか。
こりゃ気付きませんでした。
というわけで、さくっ、とケースを単体で購入!!

はい。
良いですねー。
早速セットしてみました。

はい。
良い感じです。
レンチの出し入れも、適度に引っ掛かりはありますが、もともとの専用ケースからすると出し入れのし易さは雲泥の差。
大満足ですわ。
標準キットとの違いはトルクスレンチの有無なわけですが、私の場合 Apple の AirTagを取り付ける為に、弄りどめのトルクスレンチが必要だったりしますので、そちらを一本追加してみました。

おお。
サイズ的にもジャストフィットではないですか。
これでずーーーーーーーっっっっっと不満に感じていた WERA のレンチセットに対する唯一の欠点が解消され、大満足であります。
超、おすすめです。

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