今回は強力な電動エアダスターに関するレビュー記事なのですが、本製品購入に至るまでには経緯がございます。
きっかけは12速対応のコンポーネントを導入したことだったりします。
何その「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話?
■ ロードバイクの洗車が捗る電動エアーダスター(XPOWER A-2 マルチ電気エアーダスター)
1. これまでのチェーン洗浄方法
これまでは毎回クイックリンクを外してチェーン洗浄を行っていました。
そもそもロードバイクのチェーンは取り外さなくても洗浄はできるのですが、個人的にはチェーンを取り外して洗浄した方が、トータルでは時間も短く、綺麗に洗浄できると感じています。
シマノの11速を使っていましたので、クイックリンクは KMC の再利用可能なもの(ミッシングリンク)をずっと使っていました。
公式には数回使ったら新品に交換してね、と言われているのですが、私が使った限りにおいては、1年間使い続けても問題は起きませんでした。
当然、繰り返し使う度に固定力が弱ってきますので、何かの拍子にクイックリンクが外れてしまうリスクがありますので、ほどほどのタイミンクで交換することが望ましいです。
こちらのクイックリンク、最近はかなり値上がりしてしまいましたが、以前は2つで 1000円ほどで購入することができました。
半年で交換したとしても、1年で1000円程度なら、十分リーズナブル。
ということで、毎回クイックリンクを外してチェーンを丸ごと洗浄していました。
2. 12速対応のクイックリンクは選択肢が少ない
先日、ロードバイクを新しく購入したわけですが、コンポーネントはスラムの12速。
純正でクイックリンクが用意されています。
パワーロックという製品名になります。
ただ、これがちょっとお高いんですよね・・・。
再利用不可となっていますので、毎回チェーン洗浄の度に交換していると、ちょっとお財布的にしんどいことになってしまいます。
今までは1年で1000円程度で済んでいたものが、それこそ毎月1000円くらいかかることに。
純正でなければもっとお安いクイックリンクもありまして、私が知っている範囲ですとSUMC のクイックリンクがペアでこのお値段。
この金額なら許容範囲かなー、と思いつつも毎回交換するのはやっぱりちょっとお高いです。
今使っているチェーンオイルがドライタイプのものになりますので、それこそ2〜3回のライドでオイル切れを起こします。
2回目はチェーン洗浄せずに追加塗布で済ませていますが、月に1度くらいはチェーン洗浄をしたいわけで。
以前使っていたクイックリンクのように、再利用可能なタイプが発売されれば良いのですが、今のところ再利用可能な12速対応のクイックリンクって見当たりません。
再利用可能なクイックリンクとして有名なのが、ワイパーマンのコネックスリンク。
公式サイトを見ると12速対応のものもラインナップはされているようなのですが、海外通販含め、12速対応のコネックスリンクのみ販売されているサイトはまだないようです。
これが入手可能になれば全て解決なんですけどね・・・。
3. チェーンの洗浄間隔を長くする為に Squirt Dry Lubeに復帰
ここ最近愛用していたチェーンオイルは、マックオフのドライルブ。
何の不満もありませんでした。
今後はずっとこれで良いかも、と思う位気に入っていましたが、先にも書いたようにロングライドだと2回程度でオイル切れが起きます。
再利用可能なクイックリンクが手に入るまでは、チェーンを取り外しての洗浄は諦めることにしましたので、できるだけチェーン洗浄の間隔を空けられるように保ちの良いチェーンオイルを選択したいところ。
というわけで、ロングライフな Squirt Dry Lube に戻すことにしました。
何がすごいって、製品の売り文句通り、きっちり気をつけて塗布してあげれば600km保ってくれます。
その後1回はチェーン洗浄しないで追加塗布すれば良いや、と割り切れば、1000kmくらいはチェーン洗浄しないで済むことに。
独特の「黒いカス」が発生する点が難点ではあるのですが、それ以外は完璧に近いドライルブだと思います。
塗布直後の「ここここここっ」という、独特のスムーズなチェーンノイズが大好きだったりします。
チェーンの余計な抵抗がなく、とってもスムーズに走れるドライルブです。
4. Squirt Dry Lube は水分は御法度
ただ、一つだけ弱点があります。
水分にとっても弱いんですよね。
雨に降られると、あっという間に流れ落ちてしまいます。
これは最初の塗布の時も同じでして、チェーン洗浄後、しっかり水分を飛ばしてから塗布しないと、600kmは保たず、200〜300km程度でワックス切れを起こしてしまいます。
実は、チェーン洗浄で一番難しい工程って、乾燥フェーズな気がしています。
リンクの中の汚れは、徹底洗浄を心がければかなり綺麗に落とすことはできるのですが、リンクの中の水分を完全に飛ばして乾燥させるのは、内部が見えないだけに判断が難しいところ。
夏場の直射日光で乾燥させればそんな心配はいらないのですが、冬場や湿度が高い季節だと、どうしても内部に水分が残っていて、結果としてワックス切れを早く起こしてしまうことがよくありました。
かといって、チェーンを外して洗浄することができないとなると、フレームに取り付けたままで庭に放置することになりますし、それはそれで邪魔くさいわけです。
5. チェーン乾燥を効率的に行うには電動エアーダスターが一番!
前置きが長くなりましたが、そこで辿り着いたのがエアーダスター。
水分を一発で吹き飛ばしてくれる便利な製品。
ロードバイクのメンテナンスで調べると、スプレータイプの使い捨てエアーダスターを使っている人も結構いるようです。
貧乏性な性格なもので、使い捨て、という点に抵抗を感じまして、色々と調べてみるとエアーダスターにも種類があることが分かりました。
例えばAmazonでエアーダスターを調べてみると、業者が使うような本格的なものを除くと、こんな感じでしょうか。
- パソコン内部やキーボードの隙間を掃除するようなコンパクトなタイプ
- 庭の落ち葉を掃除するような少し大きめでパワフルなタイプ
- それぞれに、充電式とコード式が存在
レビュー記事などを参考にすると、パソコン等で使うようなコンパクトなタイプだと、ロードバイク洗浄後の水分を吹き飛ばすには若干パワー不足を感じることが多いようです。
また、使い勝手を考えると充電式が便利なことは分かるのですが、これまたパワー不足を感じる製品も多いようです。
我が家の場合、バイクメンテナンスを行う場所の近くにコンセントが配置されていることもあり、コード式でパワフルなものを選ぼうと調べた結果、今回購入した XPOWER A-2 マルチ電気エアーダスターという製品を購入することになりました。
6. XPOWER A-2 マルチ電気エアーダスターを使ってみた
ということで、雨降りの週末、合間を縫って実際に使ってみました。
ビジネスホテルによくある電気式ケトルみたいな形をしています。
重量は実測で1020g。
決して軽いわけではありませんが、片手でも十分に取り回しできる重量ですね。
先端のアタッチメントは複数用意されています。
チェーンリンクの水分を吹き飛ばすという用途からすると、細いアタッチメント一択になりますが、庭の枯葉掃除などにも使えそうですね。
ベースになるのがこちらのアタッチメント。
ぐいっ、と押し込んで装着。
この先に延長用のパイプを捩じ込んで完成。
最近は使っていなかったのでサイクルハウスの奥で眠っていたパークツールのチェーン掃除グッズを掘り出します。
ここ数年使っていませんでしたが、特に問題なく使えました。
こちらの写真は昔のものになりますが、こんな感じでペダルをぐるぐる回しながら洗浄します。
最初の1回はディグリーザーで洗浄し、2回目以降は中性洗剤で洗浄。
油分(汚れやディグリーザー)が残っている間は中性洗剤は泡立ちませんので、何度も交換しながら真っ白に泡立つようになるまで洗浄を繰り返します。
はい。
ぴかぴかになりました。
チェーンを取り外すことなく洗浄できるという意味では便利なツールなのですが、結局何度も洗浄、すすぎを繰り返す必要がありますので、チェーンを取り外して洗浄してしまった方が、結果的には早く済むんですよね。
洗浄後、今回導入したエアーダスターをぶんぶん吹きつけて水分を飛ばします。
パワーは2段階用意されていますが、高出力側で吹き付けると、綺麗に水分を吹き飛ばすことができました。
充電式ではありませんので、持続時間を気にすることなく、思う存分水分を吹き飛ばします。
また、チェーンリンクの水分飛ばしだけでなく、スプロケットの水分飛ばしにも活躍してくれました。
シマノの11速を使っていた時は、ロー側のユニットを除けば一枚一枚分解することができましたので、水分を綺麗に拭き取ることができたのですが、スラムの場合はスプロケットは分解することはできないワンピース構造。
隙間の水分をワイプオールなどで拭き取るのはちょっと面倒臭いのですが、エアーダスターを使えば綺麗に水分を吹き飛ばすことができました。
使い終わったワイプオールはゴミにしかなりませんので、エアーダスターはとってもサステナブルなツールかもしれません。
電気を使うのでゼロカーボンではないのですが・・・。
仕上げは Squirt Dry Lube。
リンクに垂らしてペダルを回して完了。
やはりチェーン乾燥の時間が必要ないというのは、便利ですね。
水無し洗浄ではありませんので、どうしてもチェーン洗浄後の濯ぎ洗いの際にディレイラーにも水分がついてしまうのですが、それもエアーダスターで吹き飛ばすことができますので、思っていた以上に「ロードバイクに優しい」メンテナンスツールかもしれません。
電動のエアーダスター。
期待していた以上に便利な製品でした。
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