コロナ渦を受けて低調となっていた株式市場への新規上場ですが、ここ数年大分復活してきたようですね。
米国市場も日本市場もかなり株高に推移してきていますが、そんな折、Stravaが遂に米国株式市場へ上場を果たすのでは、という情報が飛び込んできました。
Strava が新規株式公開に向けて動き出した模様
新規株式公開に向けた具体的な動き

サンフランシスコを拠点とするフィットネストラッキングアプリ「Strava」は、2026年早期の新規株式公開(IPO)を視野に入れて準備を進めているようです。2025年5月の資金調達ラウンドで企業価値が22億ドルと評価され、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレーなどの大手投資銀行にIPO業務の役割獲得に向けた提案を求めていることが明らかになりました。
Stravaは前回資金調達を行った2020年の評価額15億ドルから大きく成長し、今年に入って英国発のランニングアプリ「Runna」やサイクリングトレーニングアプリ「The Breakaway」を相次いで買収するなど、サービスの拡充を図っています。
これに加え、AI搭載のルート提案ツールや「タップ可能な」カフェ・トイレ等のポイント・オブ・インタレスト機能、直行ルート設定といった最新機能も次々と導入しています。
2025年8月には、Block社(旧Square)のIPOを主導した財務責任者マット・アンダーソン氏を新CFOに迎え、マーケティング責任者ルイサ・ウィー氏とともにIPO準備を強化しています。Stravaの広報担当者は、この体制強化を「新たな成長加速段階への布石」と位置づけており、同社の年間経常収益は約5億ドルに迫ると語っています。
何とも威勢の良い話ばかりですが、新規上場前に業界内他社を買収して企業価値を高めるというのはよくある話でもありますから、動きとしては「さもありなん」といったところでしょうか。
Strava の利用傾向
プラットフォームの利用者数は現在、世界185カ国以上で1億5000万人を超え、特にZ世代の新規ユーザーは昨年50%以上増加。Stravaは単なるトラッキングアプリにとどまらず、アスリート同士が交流し競い合うSNS的役割も果たすことで、グローバルなコミュニティとしての存在感を高めています。
先に書いた「Zwift がエリート向けレース事業から撤退し、コミュニティ機能の強化に方針を転換」という動きも、こういった Stravaが辿ってきた動きを一部模倣する形になっているのかもしれません。
Strava に関しては、Zwift とは異なり、自転車のみならずランニング目的で使用するユーザーも多くいる為、単純に横並びで特性を比較することにあまり意味はないとは思いますが、ビジネスモデルとしては参考になるでしょうね。
ちなみに、Strava が公表しているデータに基づくと、特に若いZ世代がコミュニティ形成に強い意欲、関心を示している模様。
Stravaの調査によると、Z世代(Gen Z)のアスリートの55%が、フィットネスグループに参加する主な動機として「社会的なつながり」を挙げています。若い世代はトレーニングの楽しさだけでなく、仲間に属すること自体に強い意欲を持っています。Stravaには100万以上のクラブがあり、「Almost Friday Run Club」や「Atlanta Run Club」、「Good Vibes Track Club」など、多彩なコミュニティが活発です。2025年はランニングクラブの新規設立数が前年同時期の3倍に増加し、とくにブラジルが約800%もの新規クラブ増を記録しています。仲間とともにトレーニングを共有することで、継続性が向上し、モチベーションも高まります。集団での活動は「いいね」(kudos)がソロアクティビティの約2倍に及ぶことも、励みとなっています。
こうやってコミュニティ機能の順調な拡充状況など踏まえると、IPOに乗り出す動きがあることにも納得です。
具体的な上場スケジュールは?
一方で、IPOの具体的な時期や調達予定額については市場環境を見極めながら慎重に検討中であり、まだ確定情報はありません。ただ、投資家向け広報担当者など、上場企業としての必要な人材の採用も進めていることから、本格的な上場準備に入っているとみられます。
StravaのIPOが実現すれば、スポーツ・フィットネステック業界にとって大きな注目イベントとなり、多くの投資家が同社の成長と将来性に期待を寄せることは間違いありません。
私自身はフィットネスデータは現在 Garmin プラットフォームに集約していますが、ここ最近の製品開発に関する企業姿勢を見るにつけ、どこぞのタイミングで Garmin に見切りをつける必要があるかなー、と少し悶々とするところもあり、Strava の動きには興味津々です。
私自身、自転車とランニングが日々のストレス発散に欠かせない人間だったりしますので、Stravaはドンピシャなんですよねー・・・。


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