ほんと、自転車に乗ることって素晴らしいです。
そら、あんたが好きなだけやろ、という話ではありません。自転車に乗ることのポジティブな効果については各種研究結果が実証してくれているのですが、今回は認知症の発症を低減させる効果が確認されました。
自転車に乗ると認知症のリスクを低下させることができる
高強度トレーニングを行うことで認知症リスクを低減
こちらは過去にまとめさせて頂いた記事になりますが、自転車で高強度のトレーニングを15分行うことで認知症のリスクを減らすことが可能、という実験結果は従来からありました。

ただ、こちらの実験は被験者が64人と小規模な実験となっていました。
サイクリングは認知症リスクの低下と脳の健康増進につながることが判明
まー、体を動かすことは良いよね、といった何となくの話ではありません。
元となる研究記事はこちらになりますが、ほぼ同じタイミングで、bikeraderとroad.ccがまとめ記事を出してくれています。
ありがたいこっちゃ。
ただ、複数メディアが同タイミングで取り上げていることからも分かるように、皆んな気になる話ですよね。
調査方法
研究内容についてですが、おおよそ以下のような内容となっています。
- 13年間にわたり、約50万人の参加者を対象に実施
- 研究の目的は、人々の移動方法と認知症リスクおよび脳の構造との長期的な関係を明らかにすること
- 参加者の54%が女性、平均年齢は56.5歳
- 参加者は、通勤・通学を除いて、過去4週間に最もよく利用した交通手段を明らかにし、その移動方法と脳の状態との関係性を調査
- 選択肢としては、「車や公共交通機関(ノンアクティブ)」「ウォーキング」「ウォーキングとノンアクティブの組み合わせ」「自転車もしくは自転車とノンアクティブの組み合わせ」の4つのカテゴリで分類
- 参加者の半数近く(49.1%)がノンアクティブ、おるゆぇがウォーキング、37%がウォーキングとノンアクティブの組み合わせ、自転車利用は7%
- 13年間で8,845例の認知症と3,956例のアルツハイマー病が記録され、カテゴリ毎に関係性を分類
はい。
かなーり力の入った研究ですね。
認知症の症例数が相当数に及んでいることから、統計的にもかなり信頼性のある研究内容となっています。
調査結果
で、この結果として自転車が優れた結果を叩き出したわけですが、その内容はちょっと興味深かったです。
- 自転車移動は、ノンアクティブと比較すると、若年発症認知症、後期発症認知症、アルツハイマー病の発症リスク低下と関係していた
- 自転車移動は、自転車のみでの移動だけでなく、他の交通手段と組み合わせても海馬堆積の増加と優位な関係があることが判明。脳の健康維持に有効なアプローチと証明された
- アルツハイマーの発症リスクを高めるアポリポ蛋白Eε4(APOEε4)遺伝子の変異体を持たない参加者は、遺伝者を持つ参加者(人口の15%に存在)よりも、自転車移動によりより多くのメリットを享受できている
- 当該遺伝者を持つ参加者であっても、自転車移動により認知症リスクを低減させる効果があった
- 他方、ウォーキングに関しては、脳の健康との関係性について一貫性がなく、更なる調査を行わないとリスク低減への有効性については判断がつけられなかった
何となく、運動すれば脳の健康には良いのでは?と思いがちなのですが、ウォーキングに関しては今回の研究成果では認知症予防との優位な関連性を見出すことができなかったそうです。
一定以上の強度が必要なのか、運動量的なものなのか、何が自転車との違いになるのか気になりますね。
今回の調査結果は、「通勤・通学以外での移動手段として」という点に着目しているのですが、日常生活にもっと自転車を取り入れるのが良い、ということなのでしょうね。
いやー、自転車って素晴らしい。
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