SRAM のコンポーネントがアップデートされました。
今回はセカンドグレードの Force と、エントリーグレードの Rival が同時にアップデート。

昨年(2024年)にハイエンドの Redがアップグレードした内容を受けて、ミドルグレードのラインナップも刷新することになりました。
シマノを突き放す? スラムのコンポーネントがよりプレミアムな方向性でアップグレード
Force AXS E1のアップグレード内容
以下は公式の謳い文句になります。
パフォーマンスに妥協なし。Force AXS は完全ワイヤレス技術、洗練されたエルゴノミクス、そしてさらに深化したAXS連携で勝利を収めます。
このプロレベルの軽量ドライブトレインは、力の要らないブレーキングとより速いフロントシフティングを実現し、ロードで最高の走りに集中できます。
堅牢なフルマウントディレイラーのグラベルコンポーネント―― Force XPLR AXSも追加。
軽量かつ高速なグラベル専用パッケージに、卓越した耐久性と高精度をシームレスに融合しました。
完全ワイヤレス13速世代のForceが、あなたの走りを支えます。
SRAM Force eTap AXS としては3世代目。Force については、2023年にマイナーアップデートが行われていますので、更新頻度が早くなってますね。

今回はメジャーアップデートとなっているようで。
- RED譲りの新しいフード形状とレバー形状を採用。よりコンパクトな形状となり、ブラケットポジションからでも、ドロップポジションからでも握りやすい形状に
- ブラケット取り付け時に役立つインジケーターラインが成形されており、インジケーターラインを水平にすると、レバーの取り付け角度が7°上向きでセットできるようになっている
- AXSアプリでカスタマイズ可能なボーナスボタンをフード内側に装備。シマノのデュラエース、アルテグラに肩を並べる機能が遂に搭載
- RED同様、フロント変速の速さを改善。オートトリム機能も用意され、極端なギアレンジでのチェーン擦れやガタ付きを解消してくれる
- 新しいチェーンリングは、より軽量に、より高剛性にアップデート
- Force のクランクアームは前世代同様カーボン製で、軽量化と剛性の向上に貢献
- リアディレイラーについてもREDと同様のデザインでアップデートされており、プーリーゲージはカーボン製に
- カセットにはマットニッケルクロームメッキが施され、静粛性と耐久性が向上
- チェーンも一新。ハードクロームメッキのインナーリンクブレーとを採用。従来のチェーンよりも軽量化を実現
- シフターの形状をRED
- パワーメーター付きの10-30Tモデルで重量は2,776gとなり、前世代よりも183gの軽量化を実現
- シマノアルテグラDi2(52/36、11-30)の重量が2,716.5gであるのに対して、Force AXS E1(46/35、10-30)の重量は2,689gと、シマノよりも軽量化されている
日本国内での流通価格は逆転しそうな気はしますが、英国では、アルテグラDi2よりも Force E1 の方が160ポンド安く設定されている模様。価格面でも、重量面でもアルテグラDi2 を上回るそうで。
かなり競争力のあるアップデートとなっています。
Rival AXS E1 のアップグレード内容
続いてRival AXS E1。まずは公式の謳い文句から。
Rival AXS は、プレミアムな性能を手の届くところにもたらします。
大幅に軽量化されたこのグループセットは、軽快で強力なブレーキング、滑らかで高速なシフティング、一体型パワー計測、そして AXS 接続性を、かつてないほど多くのライダーに提供します。
日常のライドで、プロが証明したテクノロジーを存分に体感してください。
グラベルが過酷になるほど、Rival XPLR AXSはさらにタフになります。
XPLR版は、グラベル専用13速ギアリングとフルマウント・リアディレイラーによる比類なき耐衝撃性と高精度を備えています。
誰もが軽々と扱えるハイパフォーマンスを実現しています。
Force でもそうでしたが、シマノとは異なり、ロードバイク用コンポーネントと、グラベル向けコンポーネントについてより融合した製品としてアピールしています。
シフター&ブレーキレバーは共通、フロントシングルを前提に、リアディレイラーとフロントのチェーンリングを交換すれば、すぐにグラベル仕様にアップデートすることができるわけで、製品ラインナップとしてとてもシンプルな構成となっています。
アップデートされた内容は、ざっくりこんな感じ。
- RED譲りの新しいフード形状とレバー形状を採用。Forceとは若干形状は異なるものの、よりコンパクトな形状となり、ブラケットポジションからでも、ドロップポジションからでも握りやすい形状に
- ブレーキレバーはカーボン製を採用。これにより旧来のシフターよりも64gの軽量化を達成
- ブラケット取り付け時に役立つインジケーターラインが成形されており、インジケーターラインを水平にすると、レバーの取り付け角度が7°上向きでセットできるようになっている
- RivalではForceと異なり、カスタマイズ可能なボーナスボタンは省略。この辺りは105でボーナスボタンを省略しているシマノと同じ考え方を採用
- Force同様、フロントディレイラーにはオートトリム機能を採用
- 新しいクランクアームは肉抜き加工が施され、50gの軽量化を実現
- 新しいチェーンリングは、Rivalにおいてもアウターリンクの切り抜きとハードクローム仕上げにより軽量化を実現
- リアディレイラーについてもアップデートを行うことで20gの軽量化を実現
- カセットスプロケットについては、旧モデルにはなかった10-33Tが追加された
- パワーメータ付きのRivalグループセット(10-30)で比較した場合、重量は2,993gとなり、前モデルよりも213gの軽量化を実現
- シマノ105 Di2(50/34、11-34)が2,992gであるのに対して、Rival AXS E1 (46/35、10-30)は2,960gと軽量化を達成
これまた日本国内での流通価格ではシマノに軍配が上がりそうな気はしますが、英国価格だと、105 Di2 を154ポンド下回る価格設定となっており、価格でも重量でもシマノを上回る結果に。
Rival は既にエントリーグレードではなくミドルグレードに
私がロードバイクに乗り始めた頃には、よく「最低でも105、できればカーボンフレーム&アルテグラを目指すべし」といったことがよく言われていました。
その後、シマノから12速対応の105Di2が出ると「もう105で十分だよね」と言われるようになりましたが、今回の Sram のアップデートを受けて、「もうRivalで十分でしょ」という状況にった感じがします。
重量面では、今回のアップデートにより、前世代の Force と最新バージョンの Rival がほぼ同じ重量になりましたから、なおさらですね。
海外では早速レビュー記事が上がっています。まとめるとこんな感じに。
- 298.6マイルを走破し、合計2,548回のリアシフトと109回のフロントシフトを行なったが、一度もシフトチェンジでミスをすることはなかった
- スプリングラチェット式のリアディレイラーのおかげで、路面が荒れていたり、砂利道であっても、チェーンが暴れることはなかった
- 新形状のレバー形状のおかげで、ドロップとブラケットの両方からのブレーキングを、以前よりもはるかによい感覚で行えた。ブレーキングの強弱をより簡単に「感じる」ことができるため、下り坂でのコーナリングにおけるスピードコントロールがより容易になった
- シフトチェンジはよりスムーズで、チェーンをクロス形状にした時であってもチェーンがプレートに擦れることはなかった
- リアシフトについてはシマノと遜色なく、フロントシフトは旧モデルよりも大幅に改善されている
- これまでSramは3rdグレードモデルにおいてはシマノと苦しい戦いを強いられてきたが、新Rivalではシマノの105Di2よりも価格は安く、より軽量に仕上げてきた。クランクセットのアップグレード、軽量化、ブレーキの形状とフィーリングの大幅な改善により、ライバルを突き放す存在となった。ミドルレベルのグループセットにおいては、Rival が明らかに勝者と言えるだろう
Sramユーザーからすると、今まではシマノのコンポに対して「いやいや、やっぱりフルワイヤレスなのにバッテリーからケーブルが伸びてるってダメでしょ」みたいなツッコミくらいしかなかったのですが、ここにきてシマノに肉薄、上回る要素まで出てきました。
個人的には、Sram はクランクセットに積極的にカーボンを採用している点も含め、より多くの魅力を感じていたのですが、それも「人によって好き嫌いが分かれるよね」みたいなポイントが大きかった気がしています。

それがここに来て、「シマノよりもスラムじゃね?」というレビュー記事が登場する時代になりました。
日本国内はお膝元ということもあり、加えてSram の日本国内代理店がなかなかに頼りないこともあって、特に価格面ではシマノ優位は変わらないとは思いますが、そろそろシマノもうかうかしてられませんね。
シマノもようやくMTB用コンポーネントではフルワイヤレスを実現したようですが、さっさとロード用コンポでもフルワイヤレスを実現して欲しいですし、カセットの選択肢ももっと増やして欲しいところです。
クランクセットのリコール問題で内部はごたついているのかもしれませんが、ちょっと最近のシマノの保守的な姿勢には物足りなさを感じていますので、今回の Force & Rival アップデートで是非発奮して頂きたいものです。

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