自転車で高強度のトレーニングを15分行うことで認知症のリスクを減らす
同じような話が続いている気がしますが。
先日は15分の高強度トレーニングが記憶力の強化に役立つという研究結果を見つけましたが、その時の被験者は平均20歳代の若者を対象としたものでした。
それではもっと高齢世代へのポジティブな効果はないものかと探したところ、高齢者の認知症予防にも役立つという記事を見つけましたので、今回はそちらを紹介してみたいと思います。
1. 実験内容
今回は有酸素運動は高齢者の記憶力を高める可能性があるという点についての実験となります。
被験者は64人のついつい座りがちな高齢者。
今回は残念ながら実験の詳細を見つけることができませんでしたので高齢者といっても何歳なのか詳細が分かっていませんが、そこそこ高齢な模様。
この64人の被験者を3つのグループに分けて実験は行われました。
- 高強度なインターバルトレーニング
- 中程度の継続的なトレーニング
- ストレッチレベル
こちらも、具体的にどの程度の強度でトレーニングが行われたのかは不明です。
記憶に関す実験がこちら。
- ニーモニック類似性タスク(Mnemonic Similarity task)
合わせて、認知機能に関する実験がこちら。
- Go / Nogo 課題
- フランカー課題
それぞれが運動強度とどのような相関関係があるかを確認しています。
(1) ニーモニック類似性タスク
我ながら何を調べてるんだろう・・・と思い始めてはいるのですが、気になったものは仕方ありません。
ニーモニック類似性タスク(そもそも日本語への翻訳はこれで合っているのかも分かりませんが)は、ざっくり以下のような実験だそうです。
ロードバイクブログでこの辺りに興味がある人なんていないと思いますが、原典はこちらになります。
- 128の画像(屋内画像が64枚、屋外画像が64枚)が画面に2秒間表示され、0.5秒間隔で次のスライドが表示される。表示された画像が屋内のものか屋外のものかを瞬時に判断して該当するボタンを押下
- 192の画像(64枚が1つ目の実験で表示されたのと同じ画像、64枚が1つ目の実験で表示された画像と似ているが微妙に異なる画像、64枚が全く新しい画像)が画面に2秒間表示され、0.5秒間隔で次のスライドが表示される。表示された画像が1つ目の実験で使われていたものと同じ画像か、似ているが違うものか、全く新しい画像かを瞬時に判断する
これ、結構頭が疲れそうです・・・。
2つ目のテストで使われる「1つ目のテストで使われた画像と似ているが違う」画像って、いかのレベルの違いなんですよね。
いやいや、結構難しくないですか・・・?
認知症で使われるようなテストって、もっと簡単なものかと思っていましたが意外とストレスフルなテストなんですね。
ちなみにこのテストにも複数のバージョンがあるようですので、実際にはもう少し異なるテストが行われていたかもしれません。「こんな感じのテスト」が行われたんだねということでご理解ください。
(2) Go / Nogo課題
Go / Nogoテストはもう少しシンプルです。
もともとはパブロフの犬の条件反射の実験を応用したものだそうです。
こちらも色々なやり方があるそうですが、代表的なものを紹介します。
- 「Go」または「Nogo」というテキストが画面に表示される
- 「Go」が表示されたら2秒以内にボタンを押す必要がある
- 「Nogo」が表示されたらボタンを押さないようにする必要がある
これは簡単なのでは?と思ったのですが、実際にはもう少し癖があるそうで。
例えば最初は「Go」を「Nogo」よりも沢山表示させ、とにかくボタンを沢山押させるようにしておいて、途中から「Nogo」を沢山表示させるトライアルになると、ついつい勢いでボタンを押しそうになってしまうんだそうです。
言われてみればそうかも。
(3) フランカー課題
こちらも比較的シンプル。
左右の選択反応を試すものだそうで、競合する反応に対して適切に対応できるかを確認するものだそうです。
- 画面に連続する「→」「←」の矢印マークを表示する(「→←→」)
- 手元に右ボタンと左ボタンを用意
- 画面に表示された向きと同じボタンを順番に押下
こちらも次々に画面に表示させていくことで、混乱せずに反応できるかという認知機能を確認する実験ですね。
2. 実験結果
正直認知症を確認するテストって、もっと簡単なものをイメージしていましたが、高強度の運動を15分続けた後に上記実験を繰り返すのはそこそこ骨が折れそうですね。。。
詳細は記載がなかったのですが、実験結果がこちら。
- 記憶機能に関しては、高強度トレーニングを行なったグループが最もパフォーマンスが良かった
- 認知機能に関しては、高強度、中程度ともにストレッチレベルと比較して良い結果となっているが、強度の違いによる有意な差はなかった
記憶機能に関しては高強度のトレーニングが最も効果的、認知機能に関しては高強度、中程度どちらでも良いがトレーニングを行うことが効果的、という結果になりました。
今回は高齢者の定義が分からなかったり、具体的な運動強度が不明な点が残念ではありますが、自転車を続けることは認知症予防のリスクを下げるという点は間違いないようです。
定年退職を機にロードバイクを始める人もそれなりにいるようですが、実はとても理にかなった趣味なのかもしれませんね。
それこそジョギングで15分間強度を上げて走ろうとすると、膝にも悪いですし、ハードル高いですが自転車なら体を痛めず無理なく高強度のトレーニングを実施できますから。
私も頑張って向こう10年、20年と続けられるようにしたいと思います。
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