キャニオンのUltimate CF シリーズは2021年モデルで何が変わったのか
どうしてもそのお値段を見るとついつい気になってしまうのがキャニオン。
ロードバイクはショップのアフターサービス含めて考えるべき、と言われてしまうとその通りだよね、とは思いますが、どうしてもお値段だけ見るとお得に見えてしまうんですよね。
他社だとアルテグラグレードのお値段で、キャニオンだとアルテグラDi2が買えてしまいますので。
そんなキャニオンから、2021年モデルの Ultimate CF シリーズが発表されました。
私のような週末ローディーがターゲットに見据えるのは、アルテグラグレードになりますので、よりハイグレードな CF SLX はあまり気にならず、CF SL8シリーズとなります。
ちなみに、昨年も2020年モデルのUltimate CF SL 8.0に関して各モデルの仕様比較を行っています。
2021年モデルは何が変わったのかな?ということで、ラインナップを見ていきたいと思います。
1. Ultimate CF SL 8 Disc Aero
こちらがUltimate CF SLラインのトップグレードになります。
風洞テストを経て、これまでにないスピードをあなたに。電動シフト、内蔵型パワーメーター、空力性能に優れるディープリム。同クラスにライバルはほぼ見当たりません。どこを見ても別格のレーシングバイク。
この時点で「お?」と気づきますよね。
今年はパワーメーターが内蔵された模様。
エアロエアロ言っていますが、キャニオンの場合はフレームよりはホイールやハンドルでエアロを演出している比重が高い為、他社のエアロロードと比べるとフレームデザインは大人しめ。
各社ここ最近はミドルグレードまでケーブルフル内装によりエアロ性能を高めたモデルを出してきたりしていますが、キャニオンはそこまで手を出しておらず、普通にケーブルは外だしのままです。
キャニオンのエアロ番長である Aeroad CF SLX 9.0 Di2 でもケーブルはフル内装化されていませんし。
これは販売形態(自宅に届いてから個人がセットアップする)の関係上、フル内装化は難しいのかもしれませんね。
ぱっと見ただけで、重量と価格が変わっているのが分かりますが、何が変わっているかを確認してみましょう。
Ultimate CF SL Disc 8.0 Di2 Aero(2020) | Ultimate CF SL 8 Disc Aero(2021) | |
---|---|---|
フレーム | Canyon Ultimate CF SL Disc | Canyon Ultimate CF SL Disc |
フォーク | Canyon FK0086 CF Disc | Canyon FK0051 CF Disc |
ホイール(前) | DT Swiss ARC 1400 Dicut db (rh48mm) 719g | DT Swiss ARC 1400 Dicut db (rh50mm) 716g |
ホイール(後) | DT Swiss ARC 1400 Dicut db SH11 (rh48mm) 836g | DT Swiss ARC 1400 Dicut db SH11 (rh50mm) 836g |
タイヤ | Continental 25 mm 220g | Continental 25 mm 220g |
コンポーネント | Ultegra R8050 Di2 | Ultegra R8050 Di2 |
クランク | 52/36 | 52/36 |
BB | BB72 PF | BB72 PF |
カセットスプロケット | 11-30 | 11-30 |
ハンドルバー・ステム一体型 | Carbon (Canyon CP10 Aerocockpit CF) | Carbon (Canyon CP10 Aerocockpit CF) |
サドル | Fizik Aliante R5 | Selle Italia SLR Boost Superflow S manganese |
シートポスト | Carbon(Canyon S13 VCLS CF) | Carbon(Canyon S13 VCLS CF) |
重量 | 7.35kg | 7.38kg |
価格 | 449,000円 | 479,000円 |
はい。
まずは気になるパワーメーター内蔵について。
Ultegraの52/36Tクランクセットは、クランクアームの軽量化によりパワー伝達を効率化し、アウターチェーンリングも中空構造として、剛性を一切落とさず極限まで軽量化することに成功しています。ハイライト:内蔵型のパワーメーターにより、自分のパフォーマンスを正確に測定しながらプロ顔負けのトレーニングに取り組むことができます。
ここで気になる点が。
シマノからアルテグラグレードの内蔵パワーメーターって、いつ出たの?という話です。
現在シマノ公式でラインナップされているのは、デュラエース(FC-R9100-P)だけになります。
このクランク部分が変わっていまして、パワーメーターが内蔵されています。
このクランクアームの部分に、コントロールユニットへ充電するソケットがついています。
ですが、上記キャニオンの写真を見ても、このコントロールユニットへのアクセス部分は見えません。
可能性は2つ。
- アルテグラグレードのパワーメーター内蔵クランクが近々発表される
- キャニオン の誤植
個人的には、後者の可能性が高いかな、と・・・汗
ちなみに、デュラエースグレードの CF SLX に関しては、サイトトップの売り文句が「優れた重量比剛性、空力性能に優れる内蔵型で高精度な測定が可能なパワーメーターを搭載」となっています。
CF SLXの記述が、CF SL Aeroにも残ってしまっていた、という可能性が高いかなー、と思っています。
でも、本国ドイツの公式サイトでも、アルテグラ8000クランクセットでパワーメーター内蔵してるで、と書いてあるんですよね・・・。
もし本当にアルテグラグレードのパワーメーターが、昨年からプラス3万円で手に入るならめちゃめちゃお買い得だとは思いますが。
その他に変わっているのは、フォーク、ホイール、サドルになります。
完成車で30g増量していますが、これはもう誤差の範囲と言って良いかと。
ホイールは DT Swiss で変わらずですが、リムハイトが48mmから50mmに変更されています。
フォークに関してはキャニオンはあまり解説を加えてくれませんので違いはよくわからず。
サドルはフィジークからセライタリアへ。
2019年モデルから2020年モデルへの変更の際には、完成車全体で350g軽量化されましたが、それもほぼほぼホイールとタイヤの変更が大きかったですから、今回は本当にマイナーチェンジのようですね。
2. Ultimate CF SL 8 Disc Di2
続いて、AeroでないDi2モデルになります。
世界トップレベルのハンドリング性能、さらなるスピードを実現する軽さ、主要パフォーマンス指標のすべてで最高クラスの評価。Ultimateシリーズは、世界中のテストライダーから、毎年のようにロードバイク部門の第一位に選ばれています。ディスクブレーキを搭載したUltegra Di2グループセットを備えたこのモデルを手に入れれば、毎日でも乗りたくてたまらなくなるはずです。
何が変わったか比べてみましょう。
Ultimate CF SL Disc 8.0 Di2 (2020) | Ultimate CF SL 8 Disc Di2 (2021) | |
---|---|---|
フレーム | Canyon Ultimate CF SL Disc | Canyon Ultimate CF SL Disc |
フォーク | Canyon FK0086 CF Disc | Canyon FK0051 CF SL Disc |
ホイール(前) | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 763g | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 763g |
ホイール(後) | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 900g | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 900g |
タイヤ | Continental Grand Prix 5000 (25mm) | Continental Grand Prix 5000 (25mm) |
コンポーネント | Ultegra R8050 Di2 | Ultegra R8050 Di2 |
クランク | 52/36 | 52/36 |
BB | BB72 PF | BB72 PF |
カセットスプロケット | 11-30 | 11-30 |
ハンドルバー・ステム一体型 | Carbon (Canyon CP10 Aerocockpit CF) | Carbon (Canyon CP10 Aerocockpit CF) |
サドル | Fizik Aliante R5 | Selle Italia SLR Boost Superflow S manganese |
シートポスト | Carbon(Canyon S13 VCLS CF) | Carbon(Canyon S13 VCLS CF) |
重量 | 7.5kg | 7.6kg |
価格 | 369,000円 | 369,000円 |
はい。
昨年との違いで確認できたのはフォークとサドルだけ、となります。
その他は見事に一緒。
ただ気になるのがフォーク。
型番だけ見ると、2019年モデルのフォークと同じなんですよね。
一つ前に戻ったのでしょうか?
サドルが変わっているのは Aero モデルと一緒。
2019年から2020年モデルに変わった際には、フォークが変わったけど重量は変わらず。
今年はフォークが戻ったら重量が増えています。
サドルでそんなに変わりはなさそうなのですが、何でしょうね。
最新のパフォーマンス向けホイールセットのお手本のようなモデルです。軽量なアルミ製ワイドリムが、理想的な重量比剛性を実現するためのベースとなります。25mmのContinental Grand Prix 5000タイヤとの組み合わせは、高い信頼性と耐久性に加え、優れた走行特性を兼ね備えています。
ホイールに関しては昨年と変わってはいないのですが、アピールトークは変わっているのは昨年と一緒。
型番同じでも、中身が変わってるのですかね。重量は全く同じなのですが。
3. Ultimate CF SL 8 Disc eTap
今年の最大の変更点は、 SRAM eTapモデルがラインナップに追加されたことではないでしょうか?
SRAMの12速が羨ましいな、という方には朗報ですよね。
SRAM Force eTap AXSのシフト/ブレーキレバーは、シームレスかつダイレクトな操作感でバイクを完璧にコントロールできます。シフトレバーには、直感的で数々の賞に輝いたeTap変速システムを搭載。左右のレバーのうち一方がリアのシフトアップ、もう一方がシフトダウンに割り当てられています。さらに、スマートフォンからAXSインターフェースを介して変速モードを調整したり、好みに合わせて自由に設定したりすることができます。
当然ですが、SRAM eTapについてのアピールが全てとなります。
比較対象とすべき昨年モデルが存在しませんので、同じく2021年モデルのシマノアルテグラDi2と比較してみました。
Ultimate CF SL 8 Disc Di2 (2021) | Ultimate CF SL 8 Disc eTap (2021) | |
---|---|---|
フレーム | Canyon Ultimate CF SL Disc | Canyon Ultimate CF SL Disc |
フォーク | Canyon FK0051 CF SL Disc | Canyon FK0051 CF SL Disc |
ホイール(前) | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 763g | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 763g |
ホイール(後) | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 900g | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 900g |
タイヤ | Continental Grand Prix 5000 (25mm) | Continental Grand Prix 5000 (25mm) |
コンポーネント | Ultegra R8050 Di2 | SRAM Force eTap AXS |
クランク | 52/36 | 48/35 |
BB | BB72 PF | SRAM Pressfit RED DUB |
カセットスプロケット | 11-30 (11speed) | 10-28 (12speed) |
ハンドルバー・ステム一体型 | Carbon (Canyon CP10 Aerocockpit CF) | Carbon (Canyon CP10 Aerocockpit CF) |
サドル | Selle Italia SLR Boost Superflow S manganese | Selle Italia SLR Boost Superflow S manganese |
シートポスト | Carbon(Canyon S13 VCLS CF) | Carbon(Canyon S13 VCLS CF) |
重量 | 7.5kg | 7.33kg |
価格 | 369,000円 | 379,000円 |
予想通りではありますが、違いはコンポーネントに尽きますね。
ホイールやフォーク、サドルといった他のパーツについては全く同じ。
グループセットがシマノからスラムに変わって、お値段は1万円アップ。
代わりに170gの軽量化と12速化を手に入れることになります。
シマノにこだわりがない人であれば、こちらの方が魅力的かも?
4. Ultimate CF SL 8 Disc
最後に非Aero、非Di2のモデルとなります。
無い無い尽くし、みたいな表現だとよくないですが、フルアルテグラ、軽量ホイールで重量も7.57kg、お値段28.9万円というのは素晴らしいです。
2020年モデルからはお値段据え置き、重量が30g軽量化されました。
軽量フレーム、強力なディスクブレーキ、路面の振動を緩和する各種機能や、クラストップレベルのコンポーネント、そしてUltimateのトレードマークであるハンドリングの安定性。どこを探しても、はるかに高価なレーイングバイクと比べて見劣りする箇所がありません。
昨年モデルと比較してみましょう。
Ultimate CF SL Disc 8.0 (2020) | Ultimate CF SL 8 Disc (2021) | |
---|---|---|
フレーム | Canyon Ultimate CF SL Disc | Canyon Ultimate CF SL Disc |
フォーク | Canyon FK0086 CF Disc | Canyon FK0051 CF SL Disc |
ホイール(前) | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 763g | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 763g |
ホイール(後) | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 900g | DT Swiss P 1800 Spline db (rh23mm) 900g |
タイヤ | Continental Grand Prix 5000 (25mm) | Continental Grand Prix 5000 (25mm) |
コンポーネント | Ultegra R8000 | Ultegra R8000 |
クランク | 52/36 | 52/36 |
BB | BB72 PF | BB72 PF |
カセットスプロケット | 11-30 | 11-30 |
ハンドルバー・ステム一体型 | Carbon (Canyon H36 Aerocockpit CF) | Carbon (Canyon CP10 Aerocockpit CF) |
サドル | Fizik Aliante R5 | Selle Italia SLR Boost Superflow S manganese |
シートポスト | Carbon(Canyon S13 VCLS CF) | Carbon(Canyon S13 VCLS CF) |
重量 | 7.6kg | 7.57kg |
価格 | 289,000円 | 289,000円 |
他のモデルと同じように、フォークが2019年モデルと同じ型番に戻っています。
サドルがセライタリアに変わった点も他と同じ。
変わり映えはしませんね。
5. 結論「キャニオンアルティメットは2021モデルでの変更は小幅」
はい。
今年も2020年モデル同様大きな変更はありませんでした。
唯一、SRAM eTapモデルがラインナップに追加された点が大きな変更点と言えるでしょうかね。
シンプルにコンポーネントを何にするかで選び分けるだけになりますので、お財布と相談すれば自ずと答えが出る構成に。
ということで、今年はあまりわくわく感はない内容となりましたが、Di2が欲しいなー、となるととても魅力的なお値段であることに変わりはなく。
今年はキャニオン の試乗会にも行ってきましたが、この内容であれば試乗会に行く必要はなさそうですね。
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