新型 Emonda SL の各モデルを比較(軽量化はどこまでできるのか)
2021年モデルとしてEmondaが刷新されましたね。
私の乗り方として、特にヒルクライムばかりではありませんので今まであまりEmonda に興味がなかったのですが、今回はフレームがセミエアロ化されたということで、よりオールラウンドになったのかな?ということで、俄然興味が出てきました。
我が家では長らくトレックのクロスバイクに乗っていましたし、トレック専門のプロショップも近くにあるということで、常に気になる存在でした。
昨年、Domane が刷新された時に「どこまで軽量化できるんだろうなー」なんて色々調べたことがあるのですが、今回は Emonda についても少し調べてみました。
1. Emonda SL シリーズを比較してみる
今回は Emonda SLR シリーズに新しいカーボングレード(800 Series OCLV)が採用され、フレームがセミエアロ化されたことが一番の目玉になるかと思います。
ただ、私のお財布事情ではとてもSLRシリーズは手が出ません・泣
税込で軽く80万円超えてしまいますからね・・・。
私が手に届く現実的なラインは Emonda SL シリーズになるのですが、SLシリーズの今回の変更点は大きく以下になるそうです。
- フレームのセミエアロ化
- ジオメトリーの変更。前作は幅広いユーザー向けのジオメトリーを採用したH2フィットだったが、今回はH1.5フィット(プロライダー向けであるH1とH2の中間となるフィットスタイル)へと変更
現在カーボンフレーム、アルテグラコンポのバイクに乗っていますので、次回購入するとしたら Emonda SL6 以上になるかと思いますが、その場合候補としては以下の3モデルになります。
(1) Emonda SL6 Disc
Émonda SL 6 Discには、平坦路や登りをさらに速く走れるようにする、エアロ形状のチューブを備えた超軽量カーボンロードフレームのあらゆる利点がある。高性能ドライブトレインと前後のスルーアクスルはもちろん、あらゆるコンディションで高いパフォーマンスを発揮するディスクブレーキがもたらす安心感も手に入れたいローディーに最適。
まずはアルテグラグレードでは最安価なのが Emonda SL6。
以下が主要スペックになります。
名称 | Emonda SL6 Disc |
フレーム | OCLV500 カーボン |
ホイール | Bontrager Paradigm Disc TLR |
タイヤ | Bontrager R2 Hard-Case Lite Road Tire (28c) |
コンポーネント | アルテグラ |
クランクセット | 52 / 36 |
カセットスプロケット | 11-30 |
BB | T47スレッド |
サドル | Aeolus Comp steel rails |
シートポスト | Bontrager carbon 20mm offset short |
ハンドルバー | Bontrager Elite VR-C alloy |
ステム | Bontrager Pro |
ブレーキローター | Shimano RT800 160mm |
重量 | 8.25kg (サイズ56) |
価格(税抜き) | ¥360,000 |
(2) Emonda SL6 Pro Disc
続いて Emonda SL6 Pro Disc。
Émonda SL 6 Disc Proは、同ラインアップの中で軽量フレームに見合った軽さのカーボンホイールを備えた、カーボンロードの入門モデル。エアロ形状のチューブ、ディスクブレーキと高性能ドライブトレインは、優れた操作性や速さを重視するライダーに最適。
Emonda SL6 Disc のホイールを35mmセミディープのカーボンホイールに履き替えたモデルですね。
お値段にして8万円アップとなりますが、カーボンホイールに変更したことにより、重量にして220g軽量化されています。
名称 | Emonda SL6 Pro Disc |
フレーム | OCLV500 カーボン |
ホイール | Aeolus Elite35 TLR Disc Carbon |
タイヤ | Bontrager R2 Hard-Case Lite Road Tire (25c) |
コンポーネント | アルテグラ |
クランクセット | 52 / 36 |
カセットスプロケット | 11-30 |
BB | T47スレッド |
サドル | Aeolus Comp steel rails |
シートポスト | Bontrager carbon 20mm offset short |
ハンドルバー | Bontrager Elite VR-C alloy |
ステム | Bontrager Pro |
ブレーキローター | Shimano RT800 160mm |
重量 | 8.03kg (サイズ56) |
価格(税抜き) | ¥440,000 |
地味な変更点として、付属するタイヤが Bontrager R2 Hard-Case Lite で銘柄は同じなのですが、無印SL6 では幅28cだったものが、SL6 Proだと 25cになっています。
実はこのタイヤの違いだけでも前後合わせて45gの違いがありますので、ホイール単体では175gの軽量化なんですよね。
仕様表で比べると無印SL6 と SL6 Pro の違いはここだけ。
その差8万円をどう見るかは意見が分かれそうですね。
(3) Emonda SL7 Disc
続いて、SLグレードの中では最上位に位置する Emonda SL7 Disc。
Émonda SL 7 Discは、超軽量のカーボンロード。空力性能を高めたデザインがさらなる速さを生み出し、平坦路や上りで驚きの速さを見せる。電動ドライブトレイン、軽いカーボンホイールや他のレース仕様のパーツにより、あらゆる性能上のメリットを得たいローディーに最適な1台。
Emonda SL6 Discとの変更点としては、ホイールを37mmセミディープの軽量カーボンホイールに変更し、コンポもアルテグラDi2化。ハンドルバーをカーボン化することで510gの軽量化を実現している点となります。
その分お値段にして約22万円アップ。
こういったホイールとコンポーネントを変えることでラインナップを増やす手法は、キャニオンに通じるものがありますね。
分かりやすいと言えば分かりやすいですが、それなら自分好みで選んでも良いかも、なんて思ってしまいます。
2. Emonda SL6 Disc を軽量化してみる
Di2化と軽量カーボンホイールに興味があるのであれば、最初からSL7を選択してしまえば良いかと思いますが、いきなり税込で 約64万円は厳しいんですよね。
SL6 Discをベースに、いくらでどこまで軽量化できるのか調べてみることにしました。
(1) ホイール
実は SL6 Discに付属しているParadigm Disc TLRというホイールは重量が不明です。
似た名称で、Paradigm Comp 25 というホイールがあるのですが、そちらは前後セットで1780g。
SL6 Pro Discとの違いはホイールとタイヤになりますので、そこから逆算すると Paradigm Disc TLR の重量は 前後セットで1825gになります。
完成車付属ホイールとしてはそんなもんでしょうね。
標準付属のタイヤが28cで275g。
私が普段愛用しているマビックのイクシオンプロUSTの28cが290g、シュワルベプロワンTLEの28cが270gですから、標準的な重量ですかね。
いったん妄想レベルではありますが、ある程度の軽量化も念頭に、30mm〜35mm程度のリムハイトのカーボンホイールで個人的に興味があるものだと、こんなところでしょうか。
ホイール名称 | リムハイト | 重量(ペア) | 重量差分 | 参考価格 |
Aeolus Elite35 TLR Disc(SL6 Pro) | 35mm | 1665g | 160g軽量化 | プラス8万 |
カンパニョーロ BORA WTO 33 DB | 33mm | 1455g | 370g軽量化 | 約17〜18万 |
カンパニョーロ Shamal Ultra DB 2-Way Fit | 27mm/30mm | 1557g | 268g軽量化 | 約10〜11万 |
マビック キシリウムプロカーボンUST ディスク | 32mm | 1620g | 205g軽量化 | 約10~11万 |
こうやって見てみると、お値段と重量だけ考えると Emonda SL6 Pro Disc はそれなりに妥当感はありそうですね。
(2) ハンドル周り
ハンドル周りに関してですが、SL6〜SL7までの相違点はハンドルバーのみのようです。
SL6がアルミ製のハンドルバーですが、SL7ではカーボン製に。
エアロ形状ではなくノーマルなハンドルバーですので、単純に材質違いのようでして、ステムも共通。
名称 | 材質 | 重量(ペア) | 価格 |
Bontrager Elite VR-C alloy | アルミ | 265g | 約1万($99.99) |
Bontrager Pro VR-C OCLV | カーボン | 246g | ¥19,900 |
プラス2万円で19gの軽量化が実現できます。
ちなみに、ステムをアップグレードする場合はこんな感じに。
名称 | 材質 | 重量(ペア) | 価格 |
Bontrager Pro Blendr Stem | アルミ | 130g | ¥11,600 |
Bontrager XXX Blendr Stem | カーボン | 115g | ¥36,800 |
税込約4万円プラスして、15gの軽量化。
合わせて約6万円で34gの軽量化です。
ちょいとコスパは悪そうですね。
(3) サドル
サドルはショートノーズサドルが採用されています。
標準で付属してくるのはBontrager Aeolus Compというエントリーグレードのショートノーズサドルになりますが、ボントレガーブランドとしてはこの他に2種類のサドルがラインナップされています。
名称 | レール素材 | 重量(ペア) | 価格 |
Bontrager Aeolus Comp Bike Saddle | スチール | 286g | ¥8,300 |
Bontrager Aeolus Elite Bike Saddle | オーステナイト(鉄の一種) | 219g | ¥13,600 |
Bontrager Aeolus Pro Bike Saddle | カーボンファイバー | 170g | ¥22,400 |
最もハイグレードなものでも約2.5万円で116gの軽量化になります。
サドルの軽量化は効果が高いですね。
ちなみに、私が現在愛用しているフィジークのアリアンテR3をそのまま流用しても50gの軽量化を実現できます。
3. SL7 or SL6 Pro or カスタマイズのどれが良さそうか?
Emonda SL6とSL7の価格差は約22万円。
この価格差の中には、Di2化が含まれていまして、およそ114gの軽量化にもつながります。
まだDi2化は先に取っておいて、むしろ好きなホイール購入を優先してみよう、ということでがっつりお金を注ぎ込むパターンだとこんな感じになります。
- ホイールをカンパニョーロ BORA WTO 33 DBにアップグレード
- ハンドル、ステムをそれぞれカーボンにアップグレード
- サドルもカーボンレールにアップグレード
ここまでやると、全て合わせてプラス約27万円、520gの軽量化になります。(7.73kg)
SL7 Discよりもわずか10g軽量化されることに。
正直それなら最初からSL7 Discにするかもですが・・・。
現実的なところだとこんな感じでしょうか?
- ホイールをカンパニョーロ シャマルウルトラに変更
- ハンドルとステムはコスパ悪いので見送り
- サドルは現在使っているフィジークのアリアンテR3をそのまま転用
これだと、約11万円のホイール購入代だけで318gの軽量化が実現できます。(7.93kg)
SL6 Pro Discよりも更に100g軽量化できますので、この辺りが妥当な線ですかね。
なんて妄想をしている時が一番楽しいのかもしれませんね。
これだと、約11万円のホイール購入代だけで318gの軽量化が実現できます。(7.93kg)
SL6 Pro Discよりも更に100g軽量化できますので、この辺りが妥当な線ですかね。
コメント
tarmacもモデルチェンジされますし、今シーズンのオールラウンドモデルはEmondaと人気を二分するんでしょうかね。
ディスクモデルも各社洗練されてきて興味はありますが、手持ちのバイクを乗り倒さないと・・・
2021 Emonda discは上り強いそうですね。都民の森でサイクルショップさんが比較走行した記事を見ましたが、2020 Emonda Rimより500g重いのにエアロと剛性の向上効果で4%速かったです。2021 SL7 Tarmacと良い勝負になるんじゃないでしょうか?
軽量化の面でハンドルは考えたほうが良いかもしれませんね。おとーさんは手足のサイズから推測すると肩幅が狭いので適正ハンドルが標準の芯々42cmより狭い38cmになるかと思います。カーボンシャロー芯々38cmだと実測173g程度とSL6付属より90g軽くなり、肩幅に合うので持ちやすく幅が狭いので空気抵抗も減りカーボンで振動吸収も良くなります。
>nightmareさん
何か、tarmacも海外では画像が出始めているとか?
とても楽しみですよね。
nightmareさんの場合、さらにここにバイクを追加されて各社比較をされても楽しいことになられるかと^_^
>たかにぃさん
その実走記録はすごいですね。。。
私のような週末ローディーでも、今回コスカボに変えた際に、重量は重くなったはずなんでしょうが、エアロ性の向上と、剛性アップのおかげでしょうか、重さを感じずに「早くなったかも」と感じた位ですので、剛性とかエアロ含めたバランスって大きな要素なんでしょうね。
ほんとカタログ数値だけでは分からない世界です。
ハンドルは、確かにサイズの問題もありますね・・・。
現在使っているアルミハンドルも余裕で300g超ですから、173gという重量はすごいですね。
今度ショップに伺った際などに、ハンドルあれこれ触らせてもらおうかな? 自分の適正ハンドル幅を把握したいですね。
Emondaはフレーム売りもありますからこの際バラ完と言う手もあります。SL DISCのフレームが20万ですからパーツを吟味すれば50万以内に収まるでしょう。Di2は難しいですが。
Domaneはフレーム売りしてないんですよね。ダウンチューブに収納スペースがあるのはちょっと良さげなのでフレームだけ交換したい( ´∀`)
重さは速さにあまり影響しませんが、拘るならフレームが300g軽いSLRシリーズのほうかなと思います。
例えば我が家のフレームから組んだ嫁さんのS-Works Tarmacはコンポ105で重いALハンドルやCrMoレールサドル、Primeの中級ALホイールでペダルレス7.3kg、私のRoubaixより300g軽いです。フレーム重量は効きますよ。
>shigeさん
憧れのバラ完ですね。
確かに吟味していけばその方がお安く上がるのかも・・・?
今まで(ハマるのが)怖くて考えないようにしてきたのですが、一度夢想してみるのも楽しいかもですねー。
Domaneの収納スペースは、私もめっちゃ惹かれています。
あともう少し軽量になってくれれば・・・。
>たかにぃさん
コンポは105でも、そこまで変わるんですね!?
フレームにこだわる代わりにコンポは105に留めておく、というのは一つの考え方としてアリですね。完全に盲点でした。
何となく「硬いし高いから自分には関係ない」と思っていたのですが、面白いですね。
機会があれば、実際にSLシリーズとSLRシリーズ乗り比べてみて、「硬さ」が自分に合うかを確認したうえで、まずは105からスタートして徐々に、みたいなのも良いですね。
バラ完。色々と調べてみたくなりました。
新型Emondaは今発注しても届くのは早くて来年の1月らしいですよ。
よってSLかSLRか悩む必要は無さそうです(笑)
良かった、在庫があればうっかりSLR7あたりポチっていたかも知れません(^∇^)
>shigeさん
ぜひ、うっかり行ってしまいました話も聞いてみたかったところですが・笑
そうこうする内に新型(というかパーツや塗装のマイナーチェンジみたいですが)Madoneも出たようですし、トレック は一気に攻めますね。
Madoneで一気に500g軽量化できるなら、その勢いでDomaneも軽量化してくれれば良いのに、なんて思ってしまいました。