舌下免疫療法を始めるなら初夏が良い理由

この記事は約8分で読めます。

舌下免疫療法始めました (ロードバイクにおける最強の花粉症対策)

kahun2-05

はい。
そのまんまですね。

肋骨にヒビが入ってしまうというアクシデントも重なり、まったくライドに行けておりません。

この記事を書いている時点では落車からほぼ4週間経過したこともあり、大きく息を吸うと鈍い痛みが出たりしますが、日常生活には全く支障もなくなり、ローラー台にも乗れるようになりました。

とはいえ季節は梅雨真っ只中。
毎週末雨模様ですので、肋骨にヒビ入ってなかったとしても、結果的にはこの4週間ライドには出かけられないお天気でした。

今年は週末に雨が重なることが多いですね・・・。

ということで、先月から始めた舌下免疫療法についてご紹介したいと思います。

1. これまでの花粉症対策を振り返ってみる

これまでは花粉症の薬を服用したうえで、Naroo Maskを使って花粉症対策をしてきましたが、それでも花粉症のピーク時期には3時間以上外出するとしんどい状況でした。

せっかくロードバイクは長く続けられる趣味だというのに、これからの人生見据えた時に、春先の気持ちの良い時期にライドを楽しめない状況を何とかしたいと考え、根本的な花粉症対策に手を出すことにしました。

2. 花粉症の治療・対策法

花粉症の対策は、まずは花粉を避けることが基本にはなりますが、治療法としては必要に応じて薬物療法やアレルゲン免疫療法、手術療法を行うことになります。

薬物療法

症状をおこす物質(ヒスタミンなど)の働きや鼻の中の炎症をおさえて症状を和らげます

アレルゲン免疫療法

体をアレルゲンに慣らして症状を和らげます。根本的な体質改善ができます。費用はおおよそ年間1万円程度で、3〜5年治療を継続することになります

手術療法

鼻の粘膜を固くしたり、神経を遮断して症状を和らげます。アレルギー体質を変える治療ではなく、あくまでも鼻粘膜でのアレルギー反応を抑える治療である為、効果は永久のものではなく2年程度しか続きません。効果で途切れた場合、再治療(再手術)は可能。費用はおおよそ1万円程度

以前会社の同僚の知り合い(遠いですね・・・)がレーザーで鼻の粘膜を焼く手術療法をやった人がいて、とても快適、という話を聞いたことがありましたが、1万円かかる割には効果はあまり長続きしないんですね。
今回私が採用した舌下免疫療法は上記のアレルゲン免疫療法になりますが、もし5年間続けた場合はトータルで5万円程度だそうで。
なかなかに高くつきますが、毎年花粉症の薬に3〜4千円くらいは払っていますので、12年後には費用面でトントンになることに。

それなら安いもんだろう、と思い切ることにしました。

3. アレルゲン免疫療法とは

<アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、根本的な体質改善が期待できる治療法だそうです。
実際にお医者さんに聞いたところでは、治療開始の翌年には効果を体感できる人も多いらしく、花粉が少ない時期には症状が出なくなったり、ピーク時期でも薬を一段弱い薬に変えられるようになったりするそうです。
で、人にもよりますが、3〜5年で花粉に反応しない体質に改善する人もいれば、多少は症状が出るものの、使用する薬を減らせたりするようになるそうです。

 

1. アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる可能性のある治療法です
完全に症状がおさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の使用量を減らすことが期待できます
2. アレルゲンを投与することから局所や全身のアレルギー反応がおこるおそれがあり、まれに重篤な症状が発現するおそれがあります
3. 治療は長期間(3〜5年)かかります
正しく治療が行われると、初めてのスギ花粉飛散シーズンから症状を和らげることが期待されます。
年単位で継続することで根本的な体質改善が期待できると考えられています

 

kahun2-03

はい。
一番のハードルは、治療期間が長いことでしょうか・・・。

ちなみに副作用はこんな感じです。

 

主な副作用
・口内炎や舌の下の腫れ、口の中の腫れ、かゆみ、不快感
・のどのかゆみ、刺激感、不快感
・耳のかゆみ
・頭痛

これらは、花粉が飛散し始めた時期に感じる症状と同じですね。
私の場合、花粉が飛び始めた最初の一週間くらいは、口の中がいがらっぽくなったり、喉の不快感が必ず出ます。で、一週間くらいするとそれらは治るのですが、鼻水や目のかゆみという花粉症の症状が続くんですね。
アレルゲンを投与するわけですから、同じような症状が出るのも頷けます。

 

重大な副作用
・ショック
・アナフィラキシー(過敏反応。30分以内に蕁麻疹、腹痛、嘔吐、息苦しさ、突然のショック症状が出ること)

アナフィラキシーというのは聞いたことがありますが、こうやって活字になるとちと怖いですね。

4. 舌下免疫療法を始めるなら「今でしょ!!」という2つの理由

ようやくタイトルにたどり着きましたね・・・。

(1) 薬が新しくなった

アレルゲン免疫療法には、「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」があります。
皮下免疫療法は、そのものずばり、皮下注射を行うものですので、かなりハードル高いですよね。
そりゃ普及しませんって。

で、舌下免疫療法が出たことで一気にハードルが下がったわけですが、当初使われていたのは「シダトレン」という液体の薬でした。
この薬は冷蔵保管が必要な薬だったそうで、取り扱いが面倒でした。
普段は問題ないでしょうが、出張や旅行に持っていく、という観点からは冷蔵保管が必要というのはかなりのマイナス要素ですよね。

後発のシダキュアは錠剤タイプ。当然冷蔵保管など不要になります。

また舌下免疫療法は、その名前の通り、舌の下に薬を含んだ状態で、一定時間薬を保持し続ける必要があります。
シダトレンはその時間が2分、シダキュアは1分ということで、その辺りも後発薬に軍配が上がります。

シダキュアが登場したことにより、シダトレンは今年(2019年)の4月1日をもって販売中止になったそうです。

(2) 花粉が飛散していない時期から始める必要がある

舌下免疫療法は花粉が飛散している時期には治療開始することはできません。
かといって、飛散開始直前に治療開始したとしても、まだアレルゲンに体が慣れていないでしょうから、初年度の効果は限定的になってしまいます。

できるだけ花粉が飛散するまでの慣らし期間は長い方が良いわけですから、まさに今くらいの時期から開始するのが良いんですね。

5. 舌下免疫療法の流れと実際に始めてみた感想

ようやく服用が軌道に乗ってきました。
おおよその流れはこんな感じです。

(1) アレルギー反応を確認する

血液検査をして、本当にスギ花粉症なのかを改めて確認します

kahun2-01

こちらの「クラス判定」の値が2以上だと、立派な花粉症だそうです。
体感としても4月中旬以降、スギ花粉がピークアウトしてヒノキに変わる頃から症状は和らぎますので、体感とも合っていますね。

ただ、スギのクラス判定が6段階中の3、というのが意外でした。
薬を飲んでマスクをしないととても生活できない重度の花粉症だと思っていたのですが、上には上がいるんですね・・・。

血液検査の結果が出るまで数日かかりますので、私の場合、検査の翌週から服薬開始になりました。

(2) 初回の服薬は病院で(必ず午前中、30分は院内待機)

これは初回の服用後にアナフィラキシーにならないかを確認する為です。もし症状が出た場合は大学病院に緊急搬送となりますので、「症状が出るか確認する為30分間」院内に留め置かれる上、万が一発症した場合に備えて「初回投与は午前中に実施する必要」があります。
もし夕方に初回服用してアナフィラキシーになった場合、病院が閉まっていたりしたら対応が遅れてしまいますからね。

万が一アナフィラキシーになった時用に、こんなカードを持ち歩くことになります。

kahun2-04

なんか怖いですね・・・。

ちなみに初回服薬後の症状は、主な副作用にもあった「のどのかゆみ、口の中の不快感」が出ました。

kahun-02

ちなみにシダキュアはこんな感じ。
一錠ずつ分かれています。

kahun-03

ぺりっ、とめくると薬が出てきます。
錠剤ですが崩れやすいので強くつまんだりしないように。

kahun-04

こんな感じ。
この錠剤を舌の下に1分間含んで保持、その後飲み込みます。

服用後30分は飲食禁止。
服用後2時間はアルコール摂取禁止だそうです。

(3) 最初の一週間は少量から投与

最初の一週間は慣らしということで、投与量が少なめでした。裏を返すと一週間後には新しい薬をもらいに行く必要があるわけで、通院間隔が短いです。
血液検査で通院、翌週初回投与、そのまた翌週薬をもらいに行く、ということで三週間続けて通院が必要になりました。

服薬開始から3日目まではのどの痒みや口の中の不快感が出ましたが、4日目以降はほぼ体の反応は出なくなりました。

(4) 通常量の投与で慣らし運転(二週間)

その後ずっと続けていく量になるのがここから。
リスクは小さいそうですが、稀に服薬して一定期間経ってからアナフィラキシーになることもあるそうで、その後二週間は慣らし運転期間になります。薬も二週間分しかもらえませんでした。

アレルゲン成分の量が増えたことで、その後数日はのどのかゆみや口の中の不快感が再び出るようになりましたが、3〜4日後には再び症状は落ち着くようになりました。

(5)1ヶ月毎に薬をもらいに通院

ここまで来ると、アナフィラキシーのリスクもほぼなくなるそうで、薬もどばっ、と1ヶ月分もらえるようになりました。

kahun-01

ここまで来ると、通院間隔も空きますので、面倒臭さが軽減されます。

私の場合、起床後すぐに服薬、犬の散歩に行ってから子供起こして朝食、みたいな生活リズムになりますので、朝起きてすぐに服薬することを忘れさえしなければ、あまりストレスに感じることもありません。

最初の1ヶ月は頻繁に通院しないといけないので、そこが一番のハードルかもしれないですね。

これから最低で3年間服薬を続けて行くことになりますが、まずは来年の花粉シーズンが楽しみになってきました。

花粉の飛散時期が楽しみ、というのも人生で初の経験ですが・笑
症状がどこまで軽減されるのか、今から期待したいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました