上り坂でBBから異音が発生したので交換してみた
現在のバイクは購入からほぼ9ヶ月。
まだ1年経っていません。
先代のロードバイクは約2年間乗りましたが、その間特にメカトラブルは発生しませんでした。幸運でしたね。
ただ、2台目に乗り換える前の月辺りに、斜度15%超の坂をスタンディングで登っている時にBBから「キリッ、キリッ」という異音が聞こえてきました。
BBの交換時期は、いろいろなブログを拝見させて頂くと大体「1万キロ」という記述が多いようですが、当時の私の走行距離はおおよそその半分の5000キロ程度でした。
ただ、期間的に約2年経っていましたし、途中小雨の中を走ったこともありましたので、グリスが切れていて交換orグリスアップの時期に来ていた、ということは十分にあり得たかな、と思います。
ただ、結局乗り換えてしまったので異音が発生していたBBもそのまま放置することに。
翻って2台目のバイクに関してですが、当然まだまだ1万キロなんて走れていませんので、さすがにまだBBの交換時期ではないよなー、と思いますが、この異音が発生する前のライドで、約1時間ほど雨中走行をしていました。
交換には早いと思いつつも、異音がするのは確実にBB周り。
ということで、一度分解してみることにしました。
初めてのBBメンテナンスです。
1. ピナレロ GAN S に使用されているBBはSM-BBR60
ちなみに私のバイク(ピナレロ GAN S)で使われているボトムブラケットは「SM-BBR60」。
実はピナレロのサイトを見てもよく分かりません。「イタリアン」としか記載がありません・汗
以前リアディレイラーがロングゲージなのかショートゲージなのかで悶々と悩んだことがありましたので、最初にピナレロの公式サイトを見て「イタリアン」としか記載がなかった時には嫌な予感がしましたが、幸いなことにボトムブラケットについては型番が分かりやすくプリントされていますし、105/アルテグラグレードのBBはSM-BBR601つしかありませんので、BBの特定は簡単にできました。
2. BB脱着用の工具を調べる
ロードバイクに乗り始めて2年半ほどになりますが、そこで学んだ1つのことがあります。
「メンテナンス用の工具はケチらない方が良い」
これに尽きると思います。
当然必要以上に高価な工具を揃える必要はないと思いますが、あまりにも安い工具には手を出さない方が良いです。
特に素人メンテナンスであればあるほど、工具の精度が低いと、メンテナンス対象部品をダメにするリスクが高くなると感じています。
ではボトムブラケットの工具を調べてみます。
最初諸先輩方のブログを覗いて回ったのですが、使用されている工具が何種類もあり頭がこんがらがってきましたので、初心に立ち戻ってシマノのマニュアルを確認してみます。
(1) TL-FC32 / TL-FC36
シマノのマニュアルを見ると、SM-BBR60については以下の工具が用意されていることが確認できます。
TL-FC25というのは、アダプターのようですね。
で、そのアダプターをがしっ、と掴む工具が2種類あるようでして、少しお安い工具がTL-FC32。
ただ、Amazonのレビューを見ると、若干否定的なレビューも。
柄の部分が短い為、もしBBが固く取り付けられていた場合、十分な力をかけることができず、外れてしまうリスクがあるようです。
BBのネジ(アダプターが引っかかる溝)はプラスチックで切られていますので、あまり何度も「なめて」しまうと、溝が潰れてしまう危険性もあるようです。
ま、相当回数失敗しないとそこまでにはならないと思いますが・・・。
もう1つの純正工具がTL-FC36。
こちらは良いお値段がしますが、その分Amazonでのレビューは高評価。
きっちり力を入れることができるようで、使い勝手は申し分ないようです。
ちなみにアダプターのTL-FC25については、BB(SM-BBR60)を購入すると、付属でついてくるようです。
こちらもちなみに、ですがSM-BBR60にはITA(イタリアン)と JIS(日本工業規格)/BSA(イギリス工業規格)があり、前者がシェル幅70mm、後者がシェル幅68mmで互換性がありませんので、BB(SM-BBR60)を購入する際には注意が必要です。
この注意は、専ら思い込みの激しい自分に向けて書いていたりしますが・汗
最近メンテナンスでやたらと失敗することが多いので、「BBの規格が分かれるってことは、BBの型番はSM-BBR60で同じでも、BBを着脱する為のボトムブラケットツールも実は2種類あったりするのでは!?」と疑心暗鬼に陥り、30分ほど無駄に時間を費やしてしまいました・汗
ITAでも、JIS/BSAでも工具は共通で問題ないようですね。
(2) バークツール BBT-59.2
で、元に戻って。
じゃあ工具はシマノの純正品買ったのか、という話ですが、今回はパークツールのBBツールにしました。
- TL-FC36は結構高い
- これらの工具は「外す」ことには問題ないが、「締める」際のトルク管理ができない
特に後者の締め込む時のトルク管理ができない点がネックに感じました。
BBの締め付けトルクは35〜50Nm。
スプロケットのロックリングの締め付けトルク(30〜50Nm)と同じようなトルクになりますが、この辺りの強さになるとまだまだ「感覚」で締めるのには不安があります。
締め込み過ぎてフレームに負荷をかけたくないですし、締め込みが弱くて走行中にBBが緩んできても嫌ですから、トルク管理はしっかりしたいな、と。
ビビりで小心者ですから・・・。
スプロケットの取り外しに愛用しているトルクレンチがこちら。
お安いので何年も使っていたら精度は落ちてくるのかもしれませんが、購入から2年ほど経ちましたが全く問題なく使えています。
柄も長く、掴み易く、滑りにくいということで、がっつり力をかけることもできます。
このトルクレンチが使えるのであれば、BBがかなり固めに装着されていても確実に外すことができそうですし、締め込む時のトルク管理もしっかりできます。
差し込み角は9.5mm(3/8)ということですので、こちらに使えるボトムブラケットツールを探したところ、それほど候補は多くはありませんでした。
私が購入したのがこちらになります。
同じパークツールの製品でも、BBの規格によって色々種類があります。
- BBT-27.2・・・FSA MegaEvo
- BBT-49.2・・・シマノ ETR BB93、Dura-Ace BB9000、STEPS
- BBT-35・・・Praxis M30 / M35
- BBT-47・・・Chris King T-47、Enduro T-47、PF30
- BBT-59.2・・・シマノ BBR60、MT-800
- BBT-69.2・・・シマノBB80、BB5700、XT BB70、カンパニョーロBB、FSA MegaExo etc
私のBBはBBR60になりますので、パークツール BBT-59.2ですね。
ちなみに、上記製品は全て差し込み角 9.5mm(3/8)になります。
Amazonでレビューが1件もついていない製品って、「本当にコレで良いんだっけ」ととても不安になるのですが、何度もパークツールのホームページで間違っていないことを確認しながらポチっとしました。
で、無事到着。
工作精度、かなりきっちりしていそうです。
トルクレンチにもきっちり装着できました。
3. BBを外してみる
では早速BBを外しにかかりますが、その前にクランクセットを外します。
その辺りの過程は過去に書いていますので、今回は割愛ということで・・・。
で、クランクを外した状態。
若干ジャリジャリしてますね。
はい。
かっちりハマります。
こんな感じ。
で、実際に外してみましたが、かなーーーーり固かったです。
この状態から、腕を固定して体重をぐぐっ、とかけてようやく外せましたので、腕の力だけだったらうまく外せなかったかもしれません。
今回はパークツールのツールを選択して大正解だったかも。
無事外れた状態。
中を覗いてみると、水滴はありませんでしたが、若干しっとりしていました。
また、細かな砂利(?)のようなものが。
これはもしかすると、フレーム内部に穿たれている穴のフチにできたバリが取れたものかも、です。
内部を覗いてみると、若干バリが残っていたりしましたので。
外されたボトムブラケット。
それほど汚れてはいませんでしたね。
ただ、思っていた以上に、安っぽいもんなんですね、BB。
確かにAmazonの値段だと、チェーンよりもBBの方が安いくらいですから、1万キロ走ったら、ベアリングのグリスアップをやるよりも、さっさと新品交換してしまっても良いのかもしれないですね。
ベアリングを抑えている部品には「これ外したらアカン」と書かれていますので、もともとグリスアップを前提にした部品でもなさそうですし。
ワコーズのフォーミングマルチクリーナーをワイプオールにとって、ちまちま拭き上げました。
見えない部分とはいえ、綺麗になると気持ち良いですね。
ちなみに、こちらに謎の「OK」マークが。
検品・・・なんですかね。
最後にBBのネジ山にグリスを塗って再装着して完了。
今回のメンテナンスはスムーズにでき、大満足です。
肋骨にヒビ入れてしまった関係から、メンテナンス後はまだ坂道で異音が解消されたかの確認はできていませんが、ローラー台回す分にはまったく問題なく動作していますので、明らかなメンテミスはなかったということで。
怪我が完治したら、峠に出かけないとですね。
コメント
同じくピナレロのBB交換しようと検索、ここにたどり着きました。
工具など発注の参考になりました。工具が到着したら、またここ見ながら作業してみたいと思います
少しでもお役に立てたようで何よりです。
工具さえ揃えてしまえば、そこまで難しい作業ではありませんが、力を加える向きだけは慎重にご確認頂ければと思います!