リアルタイムに疲労の蓄積度を確認する
パワーメーターを導入してから気付けば数ヶ月が経過していますが、遂に当初思い描いていた使い方ができるように。
ライド途中で「自分はあとどれ位なら走れるんだろうか」ということを推測する、負荷のリアルタイムマネジメントです。
TSS(トレーニングストレススコア)の定義はこちらだそうです。
トレーニングストレススコア® (TSS)とは、トレーニングにより身体にかかった負荷量を数値化したものです。
TSS®は標準化パワー® (NP)、強度係数® (IF)と走行時間によって計算されます。
TSS®を知ることで、体が回復するにはどれくらいの期間が必要かなどの目安を確認することができます。
本来的には「負荷を数値化したもの」であり「リカバリーにどの程度の時間がかかるか」を知る為の目安となっています。
ただ、TSSは体にかけられた「負荷の総量」になりますので、例えば「TSS=300の体感疲労度がどの程度のものなのか」をきちんと理解しておけば、その辺り(TSS=300)に収まりそうな走り方を心がければ、足が売り切れることもなく走りきることができる、ということになるはず、と考えたわけです。
ガーミンによる数値の目安はこんな感じです。
TSS®のスコア基準:
150以下 – 次の日には回復します(低い)
150から300 – 次の日まで疲れが残りますが、翌々日には回復します(中)
300から450 – 二日後も疲れが残る可能性があります (高い)
450以上 – 回復には数日かかります (非常に高い)
前回のライドで、実際にどんなもんかを体感してみましたが、TSS=290だと、おおよそここに書いてあるような内容プラスαかな、と実感することができました。
(TSS=290だと、翌日には回復しない。2日後にも少しだけ残ったが3日目に引きずることはなかった)
FTPを設定してから、きちんとTSSを確認できたライドがまだ一回ということですので、ころから回数重ねていく必要があるわけですが、せっかくですので、ちょいちょいTSSを確認しながら、体の疲労度と会話するライドに出かけてみることにしました。
ガーミンエッジの画面がこちら。
パワーTSSという数値がそれですね。
今まで疲労度マネジメントには「何となく」心拍数を使ってきました。
ただ、頑張って登りで漕いで、有酸素トレーニング効果が「5.0」とか出てしまうと、それ以上はもうどうにもならないわけで、疲労の蓄積度を見るという点からは少し無理がありました。
さて実践編です。
途中に峠とかがあると「残りどれくらいなんだろう」という計算がし辛くなってしまいますので、まずは初回ということもありこの日は平坦基調なコースを選択しました。
また、疲労度の状況を確認するのが目的でもありますので、今日はペースは普段よりもゆっくり目で走ることにします。
まずは1時間経過後。
仮にこのまま5時間走ったとすると、TSS=230。
それならまだまだ余裕ですね。
「所要時間」の項目が、イマイチよく分からない数値になっていますが、ひとまず今日は無視することにします・・・。
玉川兄弟。
小学生の頃に社会の授業で習いましたねー。
何となくここに来る度に写真撮ってしまいます。
2時間経過。
5時間走った場合はTSS=227。最初の1時間と同じようなペースですね。
もしここでライドを切り上げたら、翌日にはほとんど疲労は残らないだろうな、という感覚です。
息子くんとミニベロでポタリングしてきました、くらいですね。
玉川上水で記念撮影。
お次は3時間経過後。
多摩湖に到着ですが、記念撮影は失念・・・。
5時間ライドに逆算するとTSS=241。
多摩湖周遊のサイクリングロードはこの日は空いていたもので、気持ち良くなって少しスピード上げてしまいましたので、TSS蓄積も少しペースアップしていますね。
実際の走りと綺麗に追随して数字が変わっていることが実感できます。
翌日に疲労が残る境界線がTSS=150。
では疲労感はどの程度なのか、と自分の体に問いかけてみると、確かに今ライドをやめたら翌日に疲労が残るかと言われるとそこまでではないかなー、という感触です。
仮に今ライドを止めたとしたら、少し物足りなさが残る感じ、といったところでしょうか。
夕方にちょいとジョギングでも行って来ようかな、と思う位の疲労感ですね。
続いて4時間後。
多摩川原橋の上でぱちり。
5時間換算だとTSS=228。
ここまで一部市街地を走る必要があり、ゆったり目に走る時間があったことと、東八道路が気持ち追い風だったようでペダルを軽く回せたことも手伝ってTSSの蓄積は再びペースダウン。
翌日に疲労が残るTSS=150は余裕で超えています。
ちなみに走行距離はこの時点で92km。
確かにそこそこ走ったかな、という距離ではありますが、平均速度が23km/hというゆっくり目のペースだったこともあり、今止めるのはまだ物足りなさがある感じですね。
確かに翌日疲れは残るかなー、という感覚ではありますが、
午前中の打ち合わせでうつらうつら睡魔に負けてしまうほどではありません。
ここから尾根幹に突入。
尾根幹を折り返して5時間目。
さすがに尾根幹で少し登りも出てきましたのでTSSのカウントもペースアップ。
この時点で走行距離は116kmほど。
疲労は翌日には残るものの、2日後までは残りませんよ、という数字。
週末のライドは平均すると100〜120km程度が多いこともあり、ここでライドを止めても特に不満はなし。
今週も走って気持ち良かったなー、と満足感に浸れる感じですね。
ということで、この日はこのまま自宅へ向かってライド終了です。
最終的なTSSは284.5でした。
前回の和田峠ライドが290でしたから、同じような結果に。
ただ、走行距離、獲得標高は全く違うライドでしたので全く異なるタイプのライドとしてとても参考になりました。
TSS | 284.5 |
---|---|
トレーニング効果(有酸素) | 2.7(現状維持) |
トレーニング効果(無酸素) | 0.8(効果なし) |
今回は平坦基調なコースでゆったり目なペースで走りましたので、心肺へのトレーニング効果は非常に平凡な内容に。
そりゃそうだ。
それでもTSSとしては前回の和田峠と同じような内容に。
面白いもので。
で、翌日以降への疲労度に関してはこんな感じに。
- 翌日・・・倦怠感あり。ただ心肺へのトレーニング効果がそれ程ではなかったからか、「疲れたなー」といった明らかな疲労感はない。足も若干重い。ただTSSは似たような内容ではあるものの、前回の和田峠ライドに比べると足への疲労は少なめ
- 2日後・・・体のだるさはほとんどなし。脚部筋肉への疲労感もほぼなし。
- 3日後・・・平常運転。
これまた興味深い結果に。
翌日以降への疲労感に関しては、私の場合はTSSだけではなく心肺のトレーニング効果の数字も合わせ技で見ると良さそうですね。
今回は全体的にゆっくり目で走ったこともあり、前回よりはTSSの指標に近い実感になりました。
ただ、ライド中の「まだ足は残っているのか」というマネジメントに関しては、TSSをきちんと見ていけば良さそうです。
今の所、ライドに出かける時の私の「貯金残高」としては、TSS=300くらいはありそうですので、「TSS=300を使い切らないで帰って来れる」ようなペースであれば「足は売り切れない」ということになりそうですね。
これは分かりやすいです。
あとは、頑張ってパワートレーニングを重ねて、TSSの「消費速度」を抑えていくような脚力をつけていくことを目指せば良いわけですね。(この考え方で合ってますかね?)
ということで、レースを目標にしていない週末ローディー的なパワーメーターの使い方がようやく定着したような気がします。
コメント
良い感じにパワーメーター使えて何よりです。
NP×時間がTSSなのでペースで見るならNPが適切です。平坦・坂などの傾斜や風を織り込んでの値になりますからどこでも使えます。
今おとーさんはローディとして心肺能力が低く、体重辺りの筋力が高いため5分間気合いを入れるVO2Maxはデータ取れるけれど、気合いを入れずに20分以上走るFTPは苦手(FTPから下は殆どペースを変えず2時間以上走れる強度)ですが、データ取っていれば心肺能力は直ぐに上がるし早く適応できると思います。
あとは3ヶ月分パワーメーターでのデータが貯まったならTrainingPeaksでお試し期間の無料解析をすると体力CTL・疲労度ATL・調子TSBが自動計算されるので数字好きなら試して見るのも面白いです。
適切な分析ありがとうございます・笑
まさにそんな感じなんですよね。
これまでの自転車人生、如何に楽してのんびり長距離走るかを考えてきたので、その結果が今の状況なんだと思います。
今はFTPに近い値で走るとすぐに息が上がる、ということがよーーーく分かってきましたので、少しずつローラーで練習している感じです。
TrainingPeaksも気になっておりますので、まずはデータを溜めて時期を見て覗いてみようかな、と思います!
勘違いしているようですが、息が上がるのはFTPより高い値で、心肺的には息が上がらずにずっと走れる値がFTPです。その日の体調によって微妙に差があるので範囲を示す閾値(スレッショルド)という言葉が入ります。だから欲さえかかなければ、FTPが測れないってことは無いんです。
2km以上の遠泳やマラソンをやっていない限り、1時間全く休みなくペース保って動き続ける経験は無いので初期の値は低くて全然問題無いです。逆に遠泳やマラソンやっているとハイペースの時間を徐々に延ばす練習では殆ど成長できず、低いペースのベースづくりとPTバイブルのメニューのようにインターバルメニューのほうがずっと有効なのも納得できます。
むむむ。FTPと心拍ゾーンの関係ってどの位なんですかね。
FTPに近づくと、心拍ゾーンだとゾーン4(最大心拍数の85%〜90%くらい)になるんですよね。(すみません、ゾーン4で「息が上がる」という表現は言い過ぎですかね・・・)
ゾーン5になると、確実に1時間は走れないのですが、確かにゾーン4だと休みなしでどの程度の時間走れるかって分かってないです・・・。
先日の和田峠ライド(5時間ちょい)だと、全体の44%がゾーン4でしたので、休み休みであれば2時間超走れるわけですが、果たしてこれがノンストップだと・・・。
実はジムのプールだと1時間休みなく泳げたりする(2km以上ですね)のですが、ペースはゆっくりなんですよね。ペースは一定だけど、ゆったり目。
ひとまず、FTP近辺のインターバルトレーニング続けてみて、数値の変化を確認してみようかと思います。
FTPは心拍ゾーンペースでは4です。まずはぎりぎり4になる辺りで試して見てください。
データ記録でパワーはゼロを含む平均に、自動オプションの自動ポーズはオフにし、ローラーか周回路や峠で信号停止無い所を連続で20分以上走行、ベスト20分値に0.95掛けで。
楽に走るためのパワメのはずなのに、見栄でFTP値を無理上げしたら、TSSが低めに出るし練習メニューもおかしなことになります。おとーさんは実力あるから伸びるはずなのに無理な値で消耗し続けるのは大変勿体ないと切に思ってます。
あと足が付いたり壁に触れるプールじゃ遠泳にならないので、1時間休みなく泳げるならぜひオープンウォーターの大会出てみてください。
ゾーン4で良いんですね。
その辺りで頑張ってみます。
オープンウォーターはなかなか機会がなさそうですね。。。
たかにぃさんご指摘のように、FTPは常に最新化が必要ということですので、また機会を見つけて記録を試みてみたいと思います。