ロードバイクの最適な冬用ウェアを気温帯から考察してみる

ロードバイクって、特に冬用のウェア選びは悩ましいですよね。
ロードバイク一年目は無理やりユニクロのスポーツウェアで乗り切りましたが、走っている時は暑くなるし、停車すると汗冷えで寒くなるしで、真冬のライドは苦痛でしかありませんでした。

2年目になると、奮発して冬用ウェアを購入したことで、楽しみながら乗れるようになったのですが、そこで悩むのが「どのウェアを買えば良いのさ?」という点。


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複数のウェアを実際にライドで着比べてみて、インナーやウィンドブレーカーとの組み合わせを色々と変えてみた今なら何となく分かるようになりましたが、ライドの回数もジャージ の種類も少ない最初の頃って、本当に何着れば良いか分からないんですよね。

最近はパールイズミとカペルミュールばかりになってしまったこともあり、他社のウェアを購入することも念頭に、今回は気温帯からウェアの種類を調べてみることにしました。








1. 自転車業界におけるカスタマーエクスペリエンスとは

ここ数年巷で叫ばれているカスタマーエクスペリエンス(CX)。

従来は「如何に良い商品を作り、お客様に満足してもらうか」という点が重視されていたわけですが、ここ最近は顧客が商品を購入する際の体験にとどまらず、購入前の色々と調べたり悩んだりする段階から、購入後のアフターサポートまでを通した、商品を購入するプロセス全体をとりまく顧客体験を重要視するようになりました。

例えばショップをとても良い雰囲気にして、購入前からわくわくしてもらうようにするとか。
公式サイトに企業のポリシーや商品に対する熱い思いを語ることでブランド価値を訴求したりとか。

企業がSNSを駆使するようになったのも、CX向上を意識していたりしますよね。


翻ってロードバイク業界。

こと自転車本体に関して言うと、個人的には TREK が優れていると感じています。
公式サイトは、ブランディングに関する情報も積極的に発信していますし、顧客のユースケースに応じたカテゴリ分けも分かりやすいです。
何より、購入時もしくは購入後にパーツの見直しを行うことも念頭に、完成車に使用されているパーツに関する情報も詳細ですし、各パーツには当該個別パーツに関する商品リンクが(全てではありませんが)貼られていて、比較的簡単に内容理解ができるようになっています。

そうなると、「購入時にはここを入れ替えても面白いな」「購入後しばらくしてハンドルとステムをアップグレードしたらこうなるのか」と、楽しく想像することができるんですよね。

オンライン販売に特化しているキャニオンもこの辺りは上手ですよね。



2. 冬用ウェア表示に対する各社のスタンス

では、ウェアに関してはどうでしょうか?

有名なところでは、カフェを併設しているラファでしょうか。
もともと高級なウェアですが、この辺りの顧客体験向上に対する考え方はとてもしっかりしていますよね。


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ウェアを購入した後は、当然ライドに出かけるわけで。
ラファというウェアを基点に、ローディーを繋げたり、ローディーが集う場所を設けることで顧客体験を最大化し、ブランドへのロイヤルティを獲得するわけですね。


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公式サイトより拝借


ただ、個人的にウェアに関しては「ショップを充実させる」時代は、もう古いんじゃないかな、とは思いますが。。。

サイズを確認するには実店舗での試着が一番ですからショップの存在はとても重要ですが、それよりも公式Webサイトをもっと充実させる必要があるのではないかと。


特に私のようなぼっちローディーにとっては・・・汗



で。


ウェアに関して私が重視するのは、「機能性」「着心地」なわけですが、Amazon でお安い中華製のウェアを買うわけではなく専門ブランドのウェアとなると、ある程度この辺りはクリアしてくれるんですよね。

そうなると大切なのが、「そのウェアの対応気温」になります。
冬用として買ったのに、想像していたものよりも対応気温帯が低かったとか、冬の関東エリアでは暑すぎるとかだと、悲しいですから。


以下、有名どころのブランドについて、公式サイトを調べた結果となります。


  1. 当該ウェアが想定している気温をピンポイントで指定(0℃、5℃ 等)
    パールイズミ

  2. 当該ウェアが想定している気温帯を指定(5℃〜15℃ 等)
    カペルミュール、カステリ、ルコックスポルティフ、dhb、MAAP

  3. 具体的な気温に対する表記はなし
    ラファ:「肌寒い季節」「冬場」
    デカトロン:「冬用」「気温の低い秋冬」
    GIRO:「秋から初冬」
    GORE:機能性、素材の説明のみ

個人的に知っているブランドしか調べていませんが・汗
かなり結果は明暗分かれた気がします。


私が一番最初にパールイズミのウェアを購入したのも、むかーーーしから使っていた実体験があるから、というのもありますが、特に冬用ウェアに関してはこの気温指定が明確にされている点が一番の安心材料だったから、というのも大きな理由だったりします。





サイトを見てみると、対応気温帯、フィットレベル、お値段と一覧化されていて、各社比較してみても最も分かりやすいです。


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公式サイトより拝借


そもそもパールイズミには「カラータグシステム」という明確な考え方があります。



5つのアイテム、トップス、タイツ、アンダーウェア、グローブ、シューズカバーを外気温に合わせてセレクトすることで簡単にコーディネートできるシステム。
アイテムにあるタグの色を揃えて組み合わせるだけで最適なコーディネートが完成する。


至って合理的ですし、とても分かりやすいです。
これがあるから、パールイズミばかり選んでしまうんですよね。

ちなみに他社で同様に分かりやすいと思ったのが、カステリ。


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公式サイトより拝借


こちらも温度帯が明確になっています。

同様に、私も愛用しているカペルミュール。


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公式サイトより拝借



特に冬用ウェアでは、「真冬用」とか言われるよりも、温度帯を明示してくれた方が買い易いです。
仮に、自分にとってはその温度帯の解釈が異なっていたとしても、他のウェアを選ぶ時には、「あれと同じ温度帯ってことだよね」という明確な基準になりますので、それより上下の温度帯にシフトすることが簡単になります。

その意味では、カペルミュールは温度帯がおおよそ揃えられているのですが、カステリはウェア毎に微妙に温度帯が細かく違ったりするので、少し選びにくいかな、と感じています。




3. 長袖ジャージ・ジャケットは大きく分けて5類型

で、今回の目的は各社ウェアブランドを褒めたりけなしたりすることではありません。
私も他社ブランドにも手を出してみたいな、という思いもありますので、上記温度帯を基準にして、「どういったウェアが」「どのような温度帯を意識しているのか」を調べてみました。

まず、とても分かりやすい商品構成になっているパールイズミで整理してみます。

 
ウェア 対応気温 裏地 防風機能 ベンチレーション
プリントジャージ 15° 裏起毛 なし なし
サーモジャージ 15° 裏起毛 なし なし
ウィンドブレークライトジャージ 10° 裏起毛 あり(薄手) 背面全体が吸湿速乾
ウィンドブレークスウィッシュジャケット 裏起毛 あり 背面の一部が吸湿速乾
ストレッチエアジャケット フリース素材 あり 左右脇のファスナー


その上で、各社ジャージを調べてみると、おおよそ季節に応じて5分類に分かれていることが分かります。

 
類型 対応する季節 裏地 防風機能 ベンチレーション
1st Grade オールシーズン 裏起毛なし なし なし(生地全体が吸湿速乾)
2nd Grade 初春 or 晩秋 裏起毛 なし なし(生地全体が吸湿速乾)
3rd Grade 初冬 or 晩冬 裏起毛 部分的 or 薄地 あり(背面全体が吸湿速乾)
4th Grade 真冬 裏起毛 あり(前面) あり(背面一部 or 両脇が吸湿速乾)
5th Grade 厳冬 裏起毛 or フリース生地 あり(前面+背面) なし or サイドベンチレーション


各社微妙にズレている点もありますが、基本的には考え方は共通しているようです。



1st Grade
オールシーズン対応のジャージは、裏起毛のない素材(そりゃそうですね)。この手のジャージに関しては対応する気温の表示はありません


2nd Grade
パールイズミだと15℃対応になるジャージから、裏地が起毛素材になります。カペルミュールでも〜15℃対応になっていますし、各社同じような気温帯になっています。
基本、肌寒くなってきた季節に着るジャージですので、関東エリアだと11月以降からですね。
特に防風素材は使用されておらず、結果的にウェア全体が吸湿速乾性の高いものになります。


3rd Grade〜4th Grade
この辺りになると各社微妙な違いが出てきます。
対応する気温帯は5℃〜10℃前後になるかと思いますが、生地は裏起毛。
これは各社共通です。

防風機能は「何らかの形で」採用されています。
パールイズミだと、薄地の防風素材が10℃対応、通常の防風素材が5℃対応になっています。
カペルミュールだと、前面の胸元だけに防風素材が使われていたり等、使う場所が部分的だったりします。

また、背面のベンチレーションにも特徴があり、パールイズミだと、背面全体が吸湿速乾素材を採用した汗抜けを良くしているものが10℃対応、背面の中心部分のみ吸湿速乾素材にして部分的なベンチレーションを実現しているものが5℃対応となっています。
 
5th Grade
こちらは厳冬期用ですね。
パールイズミだと0℃対応ですし、dhbやMAAPだと氷点下まで対応した表記になっています。生地は裏起毛素材だったり、フリース生地となっており保温性を重視した素材になっています。
また、当然防風素材が採用されていますが、4th Gradeと異なる点として、背面は吸湿速乾生地になっていないケースが多く、前面も背面も両方ともに防風生地になっています。
ただ、そのままだと内部に熱気や湿気がこもってしまいますので、ベンチレーション機能が用意されているものもあります。
パールイズミであれば、左右にファスナーが用意されており、寒い時にはベンチレーション機能を使わず、ライド中に暑くなってきた際にファスナーを解放していベンチレーション機能を活用する、といった具合になります。

その他だと、左右脇の下のみ透湿性の素材を採用していたりするものもあります。

他方、このあたりの厳冬期用になると、一切ベンチレーション機能はなく、防風生地そのものに透湿性のあるものを採用することで保温と透湿性のバランスを実現していたりするものもあります。

個人的に興味深かったのがカペルミュール。
パールイズミであれば、体にフィットするものを「レースフィット」、ロングライドや街乗りで少しだけゆったり着るものを「ベーシックフィット」と分類していますが、カペルミュールはブランドで区分しています。レース向けが「リオン・ド・カペルミュール」でロングライドや街乗りが「カペルミュール」になります。

その為、同じ「0〜10℃帯」のウェアであっても、リオン・ド・カペルミュールは背面が吸湿速乾生地となっており、ベンチレーションを意識したものになっていますが、カペルミュールだと背面も防風生地になっていたりします。
同じ気温帯であっても、がしがし漕ぐ人はリオン・ド・カペルミュール、走行速度がもう少し落ちる走り方をする人は放熱性よりも保温性を重視するよね、ということでカペルミュールブランドで対応しているようで。

この辺りの考え方って面白いですよね。



4. 冬場(月別)の最適なウェアを考察してみる

つらつらとまとめてきましたが、上記を受け、私が住む神奈川県の月別気温を例にとって、どういったウェアを選択するのが良いかをまとめてみました。 

 
最低気温 平均気温 最高気温 裏地 防風 ベンチレーション
10月 15.0° 18.0° 21.5° - - -
11月 9.6° 13.0° 16.7° 裏起毛 - -
12月 4.9° 8.5° 12.4° 裏起毛 ○(背面全体)
1月 2.3° 5.9° 9.9° 裏起毛 / フリース △(部分的)
2月 2.6° 6.2° 10.3° 裏起毛 / フリース △(部分的)
3月 5.3° 9.1° 13.2° 裏起毛 ○(背面全体)
4月 10.4° 14.2° 18.5° 裏起毛 - -


今回調べて分かったように、ウェアに「対応する気温帯」の表示がない場合には、「裏地が何か」「防風生地を採用しているか」「背面生地やベンチレーションはどうなっているか」といった機能性を確認することで、どの季節用のウェアなのかを判断するのもアリかな、と思います。

生地の厚みや裏地などは、実際にショップで手にとってみるのが一番ではありますが、海外通販だったり、実店舗での取り扱いのないブランドの場合には、上記基準を参考に選択してみると良いかと思います。





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