カーボンハンドルに交換(onebyESU(ワンバイエス)ジェイカーボン グランモンローSL )

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曰く。
ロードバイクのアップグレードにおいて、最も費用対効果が低いのはハンドルのカーボン化である。

以前どこぞの記事でそんな解説を見たことがあります。
最もコスパが良いのが、タイヤのアップグレード、ホイールのアップグレードだったと記憶しています。(どこか海外の記事だったと思うのですが出典は失念・・・)

その記事を鵜呑みにしたわけではないのですが、他に手をつけたい(お金をかけたい)ものがあれこれとあったことから、後回しになっていたのですが、今回遂にハンドルのカーボン化に踏み切ることにしました。

ハンドルをカーボンハンドルに交換(onebyESU ジェイカーボン グランモンローSL)

1. カーボンハンドルの効果

そもそもハンドルをカーボンにするメリットは何か、ということなのですが、一般的には以下の2点が挙げられるかと思います。

  • ハンドルの軽量化
  • 振動吸収性向上による上体疲労の軽減効果

(1) 軽量化

アルミハンドルの多くが300g前後であるのに対して、カーボンハンドルになると200g前後のものが多くなり、100g程度の軽量化が実現できます。

但しそれはあくまで一般論。
TNI の軽量アルミハンドルだと230gという超軽量だったり、カーボンでもエアロハンドルだと250g程度だったりと、一概に「カーボンにすれば軽量化できる!」というものではありませんが、同一形状・同種の目的でハンドルを作った場合であれば、カーボン素材の方が軽量化が可能になります。

例えば 3T の Superergo Pro(アルミ)だと、420mmサイズで 279g。

同一シリーズのカーボンモデルである Superergo Team だと、420mmサイズで 200g。

重量を30%削減可能となりますが、お値段にして4倍となります・・・。
ロードバイクのパーツ、コンポーネントで 80g の軽量化と考えると「まーそれ位お金かかるよねー」という話かとは思いますが、コスパが良いか?と問われると微妙ですよね。

私が現在使っているハンドルは、ピナレロ GAN S 購入時に付属していた MOST のハンドルバー。

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アルミ製でかつエアロハンドルということもあり、公称 315g とそこそこ重量級となります。
その為、エアロだろうが何だろうが、カーボンハンドルに交換すれば一定の軽量化は実現できそうです。

(2) 振動吸収性の向上

もう一つが振動吸収性の向上です。
ただ、この点に関してはあまり安直に「カーボンにすれば振動吸収性が向上する!」と捉えない方が良さそうです。

ショップの記事だったり、専門サイトのレビュー記事などを読むとどこもかしこも「カーボンにより振動吸収性アップ!」と喧伝しているところが多いのですが、個人ブログの購入記事を読むと「振動吸収性が向上するかは、ハンドル次第」という冷静な評価が多いです。

カーボンと一口に言っても、剛性重視だったり軽量化重視のハンドルであれば、そこまで振動吸収性は重視していないわけで。

エアロハンドルでボリュームUPになってしまうところ、高剛性のカーボンを使って軽量化を実現させました!みたいなハンドルだと、振動吸収性の向上なんて二の次ですから、そりゃ当然ですよね。

私が見た中では 3T のハンドルラインナップがとても分かりやすかったです。

  • SUPERERGOシリーズ:快適性重視
  • SUPERLEGGERAシリーズ:軽量性重視
  • AEROFLUX:エアロ

SUPERERGO シリーズは快適性を重視しているだけあって、振動吸収性が高い、みたいな記事も多いのですが、SUPERLEGGERAシリーズは軽量化を重視しつつ高剛性を実現させている為、硬いという意見が多いようです。
そりゃカーボンフレームだってカーボンの種類によって剛性は全然違いますから、当然と言えば当然ですよね。

2. カーボンハンドルに求める条件

実は、今使っている MOST のアルミエアロハンドルがとても気に入っています。
ハンドルのカーボン化に踏み切れなかった最大の理由が「今のハンドルもめっちゃ気に入っている」という点だったんですよね。

  1. エアロハンドルとなっている為、トップがフラットになっていて、ハンドルトップに手を置いた時に手のひらを置き易い
  2. ケーブルが完全内装化になっておらず、ケーブルを這わせる為の溝が切られているタイプとなっている為、ケーブル交換時のメンテナンスがやり易い

1点目については、試乗などで丸ハンドルに乗った時に痛感するのですが、丸ハンドルのトップ部分に手をつくと路面の凹凸でハンドルに突き上げが来た時に、手のひらが痛くなるんですよね。丸いハンドルで手に食い込んでくる感じがとても嫌いでした。

2点目についてですが、見た目はケーブル内装の方が綺麗に仕上げられるのは分かっているのですが、正直ハンドル裏の溝に沿わせるやり方でも、見た目はとても綺麗に仕上げられますし、手で握った時にも特にケーブルがうまいこと溝の中に収納されていて不快な凹凸を感じることもなく、デメリットよりもメリットの方が多いと感じていました。

ただ、アルミハンドルだとこのタイプは多いのですが、カーボンハンドルになると穴を開けて内装化するものばかりで、溝切りタイプってあまり見かけないんですよね。

以上を踏まえて、カーボンハンドルに求める要件はこんなところでした。

  1. 必ずしもエアロハンドルである必要はないが、ハンドルトップはある程度フラットな形状で手を置き易いもの
  2. 素材はカーボン。剛性はそこそこで振動吸収性が高いもの
  3. 重量は今より軽量になるなら十分
  4. 現在使っているハンドルがドロップ/リーチが 125mm/80mm というオーソドックスなものとなっているので、もう少しショートドロップ、ショートリーチなものならベター
  5. ケーブルは内装式よりは溝切りで溝に這わせるタイプならベター

ということで、カーボンハンドル探しの旅が始まりました。

3. 購入候補となったカーボンハンドル

まず最初に購入候補となったのが、3T の SUPERERGO TEAM。

 

ショートリーチに加えブレーキブラケット取り付け部の形状を変更し、さらに扱いやすくなりました。ハンドルトップ部は卵形で握りやすくロングライドでも手に疲労を貯めません。

 

ハンドルトップの形状に工夫があるようで、購入した人のレビューなどを見るとなかなかに「置き心地」は良さそうな雰囲気。
重量も200g(420mmサイズ)と十分軽量。

<ドロップ/リーチが 119mm/77mm と今よりはショートドロップ&ショートリーチとなるのも希望通り。

今見ると在庫のあるショップもあるようですが、昨年購入検討時にはどこのショップにも在庫はありませんでした。
お値段もそこそこ、在庫もない、ということからなかなか購入判断に踏み切れなかったんですね。

次に気になったのが TNI のErgo Sweep Carbon。

 

 

トップが6°後ろにスィープしており、引いた時に力が入り易い。

 

また、エアロライディングポジションを維持し易くしている。

 

下ハンドルが外側に3度広がっているので、下ハンドル幅が上ハンドルより1cm程長く、左右に振る時バランスがとり易い。

 

 

何よりお値段がカーボンとは思えない良心的価格。

重量は 202g(400mmサイズ)と合格点、ドロップ/リーチが 123mm/73mmと今よりショートになります。
ただ、こちらも400mmサイズが在庫がなく、発注タイミングを逃していました。

やっぱりコロナ影響なのか、どこもかしこも在庫がありません・汗

逆に時間がじっくりあるということで、あれこれと調べていたところ何とも私の要件どんぴしゃなハンドルを見つけてしまったんですね。

それが今回購入した、ワンバイエスのジェイカーボン グランモンローSLでした。

4. onebyESU ジェイカーボン グランモンローSLを購入

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こちらが今回購入した、ジェイカーボングランモンローSL。
名前が長い・・・。

以下が公式の説明文。

 

 

薄く設定したトップは手前に5mmベントさせるとともに左右に向かって5mmせり上がらせ、ショルダーはジェイカーボンネクスト譲りの快適なホールド面を持つ。
テープの段差を設けたセンターは31.8mm真円径の長さを116mm取り、アクセサリーをマウントし易く設定。
フィットゾーンの設定で操作性を高め、ドロップ部分の断面形状の外側斜め45°を最大3mm削ることで、ドロップポジションでの掌部分(手根部の小指球部分よにより高いグリップ感を得られるように工夫。リラックス効果を発揮するようにドロップ部分はエンド方向にハの字を切るフレア形状。

 

何ともギミック満載ではないですか・・・。
とにかく快適性を上げる為にあれやこれやと工夫を凝らしているのがよく分かります。

ちなみにフィットゾーンについての解説がこちら。

 

 

フィットゾーンはドロップハンドルのブラケットポジションで指掛けをサポートし、ブラケット下の指掛けの握り込みに対応。小指を掛けつつブレーキ操作を行える事は上半身が安定しヒルクライムでのパワー伝達、コーナーなどでのハンドリング性を格段に高めてくれる。
障害物の多い中でブレーキ操作が頻繁な街中走行や、下のコーナーリング、悪路やシクロクロスなど、繊細なコントロールが必要な場面で大いなる威力を発揮する。

 

これ、活字で伝わりますかね・・・?

百聞は一見にしかず。

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ブラケット取り付け下部の凹みがフィットゾーン。

これにより様々なブラケットポジションが実現可能になります。

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ドロップ/リーチが 120mm/68mmとなりますので、今よりかなりリーチは短くなることに。
今と同じようなポジション実現するためには、ステムを10mmは長くしないとダメですね。

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今まで使っていたハンドルと並べると、これだけ違いがあります。
こりゃすごい。

また、今回こだわりたかったケーブルの溝ですが、カーボンハンドルには珍しくインナーケーブルではなく溝切りタイプとなり、ここも購入の決め手となりました。

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お陰で、今回ハンドル交換に際してシフトケーブル、ブレーキケーブルの交換をせずにハンドルだけ交換することができました。
こりゃ楽ちん。

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若干フレアとなった形状。
面白いのは、全体的にフレアになっているのではなく、ハンドル手前部分のみフレア形状にしている点です。
ブレーキに手をかけた下ハンポジション時にはフレアにはならず、下ハン手前部分に手を置く時だけフレア形状を感じるわけです。
これも面白いですね。

気になる体重測定。
今回購入したのは400mm。

まずは今まで使っていた MOST のエアロアルミハンドル。

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305.8g。
公称315gですが、公称は420mmサイズですかね?
少しだけ軽量でした。

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ジェイカーボングランモンローSLは 203.4g。
約100gの軽量化となりました。

5. カーボンハンドルを取り付け

ということで、ハンドルを交換してみます。
今回は 12mmリーチが短くなりますので、ステムも10mm長いものに交換します。
ハンドルが左右に向かって5mmライズしていることもあり、ほぼブラケットポジションに変更が入らなかったこともあり、ケーブル交換せずに交換することができました。

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ケーブル内装式だとケーブルは問答無用で全交換になりますから、やはり外装式の方が便利ですねー。

出来上がりはこんな感じに。

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ショートドロップになったこともあり、やはり少し雰囲気が変わりましたね。

ライド時のインプレッションなどはまた次回改めて。

 

コメント

  1. たかにぃ より:

    ロードバイクのハンドルで重要なのは、ポジションが取り易いかと充分な強度があるかです。
    振動吸収はフォークがメイン、微細なものはバーテープでカバーできるので、ハンドルの効果は低いです。また、昔は重量が分かり易い指標でしたが、精度の高い解析が出来る今は、ヒルクライムですら軽量化はエアロほど速さに寄与しないことが分かりましたので、拘るポイントから外れます。
    そうして見ると、無理なくエアロな姿勢で走るためには、下ハンが疲れないとか、斜度20%以上の急坂で低い姿勢のままフロントの浮き上がりを抑えられたり、加速時に引きつけてペダル荷重を増すことが出来る強度が必要なわけです。

  2. おとーさん より:

    >たかにぃさん
    なるほど、おっしゃる通りかと思います。
    ただ、最近は「もっと気楽に」という感覚が強くなってきていまして、「剛性」「エアロ」といったものよりも、「快適性」を重視するようになってきました。
    この後記事にまとめようと思いますが、幸いなことに最も重要なポジションについては問題なかったことに加えて、ブラケットポジションでの振動吸収性についても、明らかにアルミハンドルよりは快適性がUPしました。
    私の場合、ライドの8〜9割はブラケットポジションですから、今のバイク(フォーク)を使い続ける限りは、ハンドルでしか振動吸収性を上げることができないんですよね。(当然、太めのチューブレスタイヤで空気圧を下げた方が快適性UPの効果は高いですが、そこに加えて、という場合ですね)
    斜度20%以上の坂に出かけることも最近ではあまりないこともありますが(笑)、幸いなことに今回のハンドルでは私レベルでは剛性は十分そうですし、なかなかに良い買い物ができた気がします。

  3. たかにぃ より:

    勘違いされているかもしれませんが、快適にロングライドを行うための剛性やエアロですよ。剛性は復元力ですから硬さとは関係なく、楽な姿勢を維持する快適性には不可欠です。
    今の主流が「軽量化」から「エアロ」に移ったのも、コロナで自転車ライト層が増え、いかにして楽に長距離を走ることが出来るか解析された結果です。
    コンペティションモデルより重いエンデュランスモデルのほうが、疲れずに乗り続けられるのは、フレーム剛性が高く速度が維持しやすいためです。(操作性や反応は鈍い。)

  4. おとーさん より:

    >たかにぃさん
    おっしゃる通り、私の理解が不足しているかもですね・・・。
    剛性と硬度は異なるもの、というのは理解しているのですが、剛性が上がると変形し辛く、かけた力の反作用が足や体に返ってくる力も大きくなり、体に負担がかかる=「硬く感じる」という理解なのですが。
    「剛性」・・・曲げやねじる力に対する変化のしづらさの度合い
    「剛性が高い」・・・変形が小さい為に「硬く」感じる
    「剛性が低い」・・・変形が大きい為に「柔らかく」感じる
    ハンドルに関しては、剛性が高いと変形し辛い為、路面から伝わる衝撃がそのままハンドルを通して上体に伝わってくる為「硬く疲れやすい」となり、剛性が低いと変形し易くなる為に路面からの衝撃をある程度「いなして」くれる為「疲れにくい」となるという理解だったのですが、この理解が間違っている感じですかね・・・?

  5. より:

    こんばんわ。沢山あるハンドルバーの中で、同じのを選ぶなんて、気が合いますねぇ(笑) 私は去年の末にコレに交換したんですよ。でも幅は360ですけどね。サンエスさんの製品は結構好きでして、妻もサドルとか使ってます。

  6. おとーさん より:

    >ぶさん
    何と!
    ちょっと嬉しいですね^_^
    まだ数回しか乗れていませんが、かなり気に入っています。
    昨年サンエスさんのカタログを頂いたのがきっかけで今回購入に至ったのですが、そうなると他のパーツも気になってしまいます。

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