チネリからスーパーコルサが量産モデルとして完全復刻

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まじですか。
このディスクブレーキ全盛期に、がっっっっつりオールドファッションなリムブレーキ専用モデルが新発売です。

2026年モデルですよ?

チネリからスーパーコルサが完全復活

チネリが2026年モデルとして再リリースしたスーパーコルサは、「伝統的なレーシングスチールフレームを現代にそのまま蘇らせた」ような位置付けのフレームセットとなっています。

モデル概要・コンセプト

よくやるマーケティング手法ではありますが、チネリからは2025年末に12本限定でピンクコレクターズモデルのフレームセットが発売されていました。

限定モデルで様子を見たり、マーケットにアピールをした後に量産モデルを発売するやり方ですね。
12本限定ですから、あくまでも話題を呼ぶ為の販売だったと思いますし、限定モデルと今回の量産モデルで販売価格が同一ということを考えると、チネリとしては昨年時点で量産を計画していたのでしょうね。

今回2026年モデルとして発売されていますが、内容的には1951年に誕生した名車スーパーコルサをベースにした復活モデル。

いやー、このご時世に復活させるその心意気やよし。

チネリ会長ヴィクター・ルイスいわく「スーパーコルサはチネリの“魂”」と位置付けられており、イタリアン・スチール伝統の象徴的存在として再定義されています。

格好良いっす。

フレーム構造と仕様

以下が仕様となっています。

  • 素材はコロンバス製ダブルバテッドSLスチールチュービングを採用。

  • 1960年代から続くレーシングジオメトリーを継承し、レース志向のポジションとクイックなハンドリングを志向。

  • 代表的なディテールとして、スローピングフォーククラウン(ブレード長を短くして横剛性を高める設計)と、ファストバック形状のシートステー(シートラグに直接接合し、リアの剛性向上を狙った構造)を採用。

  • ブレーキはキャリパーのみ対応、現代主流のディスクブレーキやエアロ形状ではなく、あくまでクラシカルなロードバイクの文脈に置かれています。

もうね。
リムブレーキ専用という時点で堪らないのですが、ジオメトリを見ても、現代の「少しリラックスしたオールロード」なんて眼中にない、がっちがちのレーシングジオメトリーとなっています。

私が現在乗っているケルビムのフレームとも比較してみましたが、ほぼ同サイズで比較すると、よりロースタック、ロングリーチとなりますねー。

これは、「ちょっとクラシカルスタイルなロードバイクが欲しいな」といった軽い気持ちで買うバイクではありません。

がしがし飛ばすぜ!という人が買うべきフレームですね・笑

規格・ジオメトリー関連

その他の細かなパーツ、規格についても列挙してみます。

  • フォークは1インチのねじ切りコラム、伝統的なスレッドヘッドセットを使用。

  • ボトムブラケットはITA 70mmシェル規格を継続採用。

  • ダウンチューブにはシフターボスが備わり、ダウンチューブレバーやケーブルルーティングに対応するオーセンティックな仕様。

  • タイヤクリアランスは700×25mmまで、グラベル/オールロードトレンドとは一線を画す、純ロード寄りの設計。

  • リアブレーキは内部ルーティングながら、スチールフレームの強度・剛性を損なわないよう配慮

いやー、まさかの最大タイヤ幅は25mmです・笑

既に長らくロードバイクに乗っていて、リムブレーキ対応モデルのホイールをいくつか持っています、という人であれば何も困らないのですが、これを機にリムブレーキに手を出すぞ!みたいな人には、ホイールとタイヤの選択肢で悩むことになるかもしれません・・・。

生産体制とサイズ展開

生産はすべてミラノの工房で職人によるハンドメイド。
素晴らしいです。

フレームサイズは48〜64cmまで1cm刻みの17サイズ展開で、細かくポジション合わせが可能となっています。
詳細なジオメトリについては公式サイトを見ていただければと思いますが、かなり細かく設定されています。

せっかくのクロモリフレームなら、フレームオーダーしたいよ、という気持ちも分かりますが、ここまで細かくサイズが用意されていると、おそらくほぼ全てのローディーのポジションにマッチさせることが可能かと思います。
17サイズ展開なんて、カーボンフレームでは実現できない細かさですね。

公称重量は、ミディアムサイズでフレーム1830g・フォーク670g(未カット状態)ですから、クロモリフレームとしては重すぎることも軽すぎることもない、というレベルですかね。

歴史的背景と立ち位置

チネリの“魂”と称されるスーパーコルサですが、創業者チーノ・チネリとフレームビルダーのルイジ・ヴァルサッシナが1951年に開発し、イタリアの名選手ファウスト・コッピのために設計されたレーシングフレームにルーツを持ちます。

ですから、今回復刻されたフレームのジオメトリもしっかり「攻めた」レーシングジオメトリとなっているわけですね。​

チーノ・チネリの設計思想として「フォーク/メイン三角/リアステーという3要素の完璧な機能的調和」を目指したフレームとされ、そのコンセプトが2026モデルにも引き継がれています。

チネリおよびチュービングメーカーのコロンバスを傘下に持つグルッポSrlは、2021年にアソビ・ベンチャーズ(ヴィクター・ルイス)による買収を受けており、今回の復活もその新体制のもとでのブランド再構築の一環と位置づけられているようです。

カーボン全盛の現在においても、スーパーコルサは「最新レース機材」としてではなく、「イタリアン・スチールの伝統を体現した実用レーサー」として訴求されています。

ただ、個人的にはタイヤクリアランスが25mmというのは、少しやり過ぎだったのでは?と思わないではないですね。
シンプルにホイールとタイヤの選択肢、入手性を考えると28mmくらいにしておかないと、懐古趣味のオールドユーザーしか手を出すことができませんから。

せっかく完全量産として復刻させるのであれば、新規ユーザーにも訴求し易いように、一手間かけてもらえるとよかったかなー、とは思います。

ただ、オールロード一色になりがちな現在のロードバイク業界に、このような形でチネリが一石を投じたのはとても興味深いですし、応援したくなってしまいました。

リムブレーキ復興、最新技術を採用したホイールの発売とか、この後に新製品が続いてくれないですかね?

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