Aethos 2 が発売されました。
スペシャライズドからTarmac SL8が登場した際には、「これでもうAethosの後継は発表されなくなるのでは?」と少し心配したりもしましたが、Tarmac との差別化も行われましたね。
これはかなーり気になります。
さらに進化した Aethos がスペシャライズドから発表

そもそも Aethos とはどんなバイクだったのか
2020年にAethosが発売された時には、そりゃまー驚きました。レース向けのロードバイクをがしがし開発しているスペシャライズドから、レースなんて知ったことか、ということで「ルールを破れ」というコンセプトのもとに発売されたのが初代Aethosでした。
- 超軽量設計が最大の特徴であり、フレーム重量はわずか585g、完成車重量は約5.9kgと非常に軽量
- UCIの競技規定で定められた6.8kg未満という重量制限を大きく下回っており、軽さが最高のパフォーマンスに直結している
- ただし軽量化を追求しつつも、125kgまでの耐荷重に対応し、高い剛性と反応性も確保されているため、レース性能と快適性のバランスに優れている
- フレーム設計はスーパーコンピューターによる10万回ものシミュレーションを用い、無駄を削ぎ落としながら楕円形チューブで剛性を向上。ラウンドチューブの採用で乗り心地の良さも実現している
- 他ブランドのフラッグシップロードバイクと比べても革新的な軽さと剛性の高さを両立し、速さよりも「走る楽しさ」を追求したモデル
- ケーブルは完全内装ではなく、メンテナンス性やカスタム性を重視した設計。シートポスト径も27.2mmの汎用サイズで、他社製パーツも使用可能な自由度が高い構造とされている
- 発売時にはS-Works最上位モデルに加え、限定300台のFounder’s Editionが設定されるなど、希少性も打ち出された
今のクロモリを発注する際にも、最後の最後まで悩んだのがAethosでした。何よりコンセプトが大好きでしたね。

レース度外視にもかかわらず、なかなかのお値段で登場した初代Aethosには驚きましたが、海外の記事で以下のような表現をされていたのを読んでとっても納得しました。
スペシャライズド社は、銀行員、会計士、弁護士といった層の、軽量性と快適性を重視する「普通のライダー」のニーズに応えるため、エアロ性能を犠牲にしても構わないと賭けた。スペシャライズドは「ルールなんて無視だ、自分に合った特別なバイクが欲しい」と考える顧客層に訴えかけたのである。
ターゲットセグメントを考察するにつけ、「高くても良いもの、それでいてレースにこだわるのではなく最高のライドフィールを実現してくれる最高のバイク」というコンセプトに納得したわけですが、かなり挑戦的な製品コンセプトでしたね。
当時の海外記事では、その後の売れ行きなど踏まえて「初代限りでアップデートされないのでは?」と揶揄されることもあったのを記憶しています。
新型 Aethos の違いについて

そして今回発表された新型Aethosですが、今回は以下のような点が変更されています。
ジオメトリーの刷新
スタックハイトが15mm増加し、よりリラックスしたアップライトな乗車姿勢が可能に。BBハイトは3mm低下し、低重心化でコーナリングの安定性を向上させました。初代Aethosは何やかんや言っても、レース寄りのジオメトリになっていたのですが、今回はよりエンデュランス向けを意識した変更となっています。
また、ヘッドチューブアングルが0.5度寝かされ、ハンドリングはよりスムースで予測しやすくなりました。ホイールベースが7mm延長され、高速域での直進安定性を高めています。
総じて、「快適性」を高める点に主眼が置かれている模様。
タイヤクリアランスの拡大
これはご時世ですね。最大35mm幅のタイヤに対応可能となり、荒れた路面や軽いグラベルにも対応できる多用途性を獲得。舗装路からラフな路面まで幅広い環境で快適に走行可能になりました。
フレーム重量の維持と素材改良
ジオメトリーの大幅変更とクリアランス拡大にもかかわらず、フレーム重量はS-Worksモデルで595gの超軽量を維持。新次元のカーボンレイアップ技術と、シートクランプ・ディレイラーマウント等の細部まで軽量化した設計によって実現しています。
完全内装ケーブルルーティング採用
初代ではメンテナンス性を維持する為と見送られたケーブル類の完全内装化ですが、時代の流れには逆らえないということで。
新しいRoval AlpinistコックピットとTarmac SL8のヘッドセットレイアウトを採用し、ケーブルはフル内装に。これにより見た目がすっきりとし、空力と美観を向上させました。
これにより、機械式ドライブトレインのケーブルポートは廃止され、電子式専用になっています。
これはちょっと残念ですねー。。。個人的には電動コンポ専用になるのは別に構わないのですが、ブレーキホースについてはメンテナンス性の観点から完全内装でない方が好きなのですが。
確かに初代Aethosも電子式コンポーネント専用だった為、SRAM eTap AXSと、シマノのDi2対応モデルのみ発売されていましたが、2024年モデルになって機械式105に対応したモデルが追加されました。
Aethos2 に関しては、機械式105に対応したモデルは発売されないのでしょうか・・・。
最新規格の採用
SRAMのUDH(Universal Derailleur Hanger)を搭載し、将来のドライブトレインとの互換性と補修容易性を向上しました。
初代Aethosの良さとされた「滑らかな加速感」「路面の凹凸をいなす快適性」は維持しつつ、より長距離ライドを可能とするエンデュランスモデルへと進化したようですね。
モデルラインナップ
先にあった「銀行員、会計士、弁護士」を意識した製品コンセプトということもあり、まずはミドルグレード、ハイグレードのみがラインナップされました。
| モデル | フレーム | メインコンポ | 完成車重量 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| S-Works | FACT 12r / 595g | Dura-Ace Di2 / RED AXS | 6.05/5.98kg | ¥1,760,000 |
| Pro | FACT 10r / 705g | Ultegra Di2 / Force AXS | 6.73/6.71kg | ¥1,100,000 |
| Expert | FACT 10r / 705g | Ultegra Di2 / Force AXS | 7.12/7.05kg | ¥792,000 |
ちなみに、以下が初代 Aethos発売時の情報となりますが、最初は限定モデルが出たり、S-WorksとPROモデルのみラインナップされるなど、今回以上にラグジュアリー感を演出していましたね。
| グレード | コンポーネント | 主な仕様・特徴 |
|---|---|---|
| S-WORKS AETHOS FOUNDER’S | Dura-Ace Di2(世界限定300台) | フレームFACT 12r, 5.9kg |
| S-WORKS AETHOS | Dura-Ace Di2/RED eTAP AXS | フレームFACT 12r, 約6.0-6.26kg |
| AETHOS PRO | Ultegra Di2/Force eTap AXS | フレームFACT 10r, 約7kg |
2021年モデルで、SRAM RIVAL を採用したCOMPモデルが追加されましたが、当初は電動コンポのみに対応していました。
2024年になってようやく機械式モデルが追加されるなど、手の届きやすいモデルが増えました。
| グレード | コンポーネント | 主な仕様・特徴 |
|---|---|---|
| SPORT | 105機械式(12速) | 入門グレード |
| COMP | 105Di2(12速)/ RIVAL AXS | ミドルグレード |
| EXPERT | Ultegra Di2/Force AXS | 上級グレード |
| PRO | Ultegra Di2/Force AXS | ハイグレード |
| S-WORKS | Dura-Ace Di2/RED AXS | 最上位グレード |
初代の流れに倣うのであれば、来年あたりには SRAM RIVAL、シマノ 105 Di2モデルが追加投入されそうですね。
海外では早速ショートインプレッションが上がり始めているようですが、快適なライドフィールは上手に継承されているようです。
個人的には、次に買いたいロードバイク No.1 になりそうです。


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