2年以上前からあれやこれやと検討してきた新しいロードバイクの発注ですが、遂に決着となりました。

いやー、長かった・・・。

結論としてクロモリフレームをビルダーさんにお願いする、ということになったのですが、何がどう転がってそんな結論に至ったのかもまとめてみたいと思います。





■ 紆余曲折を経てクロモリフレームをオーダーすることに決断(ケルビム)



1. ケルビムに決定するまでの過程

現在乗っているのはピナレロ GAN S。2018年モデルとなります。


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約4年乗り続けてきました。
ピナレロの中ではレースモデルに位置付けられています。

当時も「エンデュランスモデル」のロードバイクを買うつもりだったのですが、ピナレロに一目惚れしたのと、レース向けモデルなんて若いうち(って、当時でも既に四十路超えで若くはないですが)に乗っておかないと、先々乗る機会なんてないだろうな、ということで、何事もチャレンジと購入に至りました。

そんな経緯がありましたので、次は所謂エンデュランスモデルにしようと考えていました。



(1) カーボンバイクとの縁がなかった
エンデュランスモデルとしては、過去に色々と試乗もしてきました。

TREK Domane SL6 DISCとか。





ビアンキの INFINITO CV DISCとか。





キャニオンの ENDURACE CF SL  DISC 7.0 とか。





この中で最も気になっていたのがビアンキの INFINITO CV DISC。
ある時までは8割くらいまで「次はビアンキかなー」と決心が固まっていた時期もありました。

ただ、もともと購入タイミングは 2022年の春と決めていたこともあり、あれやこれやと考えながら時間を過ごしていたところ、ビアンキから2022年モデルが発表。

INFINITO CV DISC はこんなカラーに・・・。


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公式サイトより拝借


はい。


めっっっっっっちゃ好みではありません・泣



ここでビアンキは落選することに。


それならスペシャライズドの ROUBAIX かなー、と考えていた時に目に入ったのが AETHOS。


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公式サイトより拝借




コンセプトから何からかなーーーーり共感。
インプレ記事などを読み漁り、「これじゃね!?」と気持ちは盛り上がったのですが、いかんせんフレームカラーが好みではありませんでした。

コンセプトはどストライク、ジオメトリも自分に合っていそうとかなーり惹かれたのですが、最後の最後、フレームカラーのせいで踏ん切りがつきませんでした。
そうこうしている内に、2022年モデルから一斉値上げが発表され。

一気に気持ちが冷めてしまいました。

こんな感じで、「あともう一つ」のところでご縁がなかったんですよね。 




(2) クロモリフレームに惹かれる
そんな中、「自分の乗り方だったらクロモリフレームもありだよなー」と考え、過去の書籍をブックオフで買い漁り、ブログも色々と読み漁っていました。

そして出かけた試乗会。





この試乗会を経て、気持ちは半分以上クロモリフレームに傾き始めました。
試乗した Muller はデザインから乗り味からかなーり好みだったのですが、唯一心に引っかかったのが基本的には「サイズオーダーではない」点でした。



(3) 自分の体に合ったフレームを体験してみたい(フレームオーダー)
この金額を出すのであれば、サイズオーダーできるビルダーのフレームにも十分手が届きます。
現在乗っているピナレロをベースにジオメトリ選択すれば良いとは思いつつも、折角であれば自分の体に合わせて作られたフレームというものを体験してみたい、という願望もありました。

既成サイズであっても、対面であれこれと相談しながらであれば心配するには及ばなかったのかもしれませんが、Muller は場所が三重県ということもあり、オーダーする場合は県内の取り扱いショップ経由での発注になります。

そこでコミュニケーションがうまく行かずに想定と異なる結果になることは避けたいところ。
自分に合ったクロモリフレームのサイズが明確であれば「アリ」かとは思うのですが、クロモリフレームの一本目としては若干不安要素が拭えませんでした。

それなら自宅から比較的近い場所に超有名なビルダーがいたじゃない、ということでケルビムにお邪魔することに。





結果、どストライク。
ケルビムさんにお願いすることを決意しました。 



2. 事前準備(新車に求める条件を整理する)

先達に学べということで、過去にフレームオーダーを行った方のブログを読み漁ります。
そこで多くの方に共通している点が、「こだわり」なんですよね。

新しいバイクではこんな走り方をしたい、こんなカラーのフレームにしたい、といったそれぞれの考え方がはっきりしていて、とにかく勉強になりました。

ということで、自分なりにどうしたいのか、どんなパーツ構成でいきたいのか、自分なりの考え方を整理することに。



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職業柄、悶々と考えながらマインドマップで整理することに。
ちょっと気恥ずかしいのでブログ用には内容ぼかしてますが。。。

こちらをプリントして持参、テーブルに広げて会話したところ、やはり話は早かったですね。

「ここまでまとめて来られた方は初めてです・・・」と言われてしまいましたが・汗 



3. ケルビム訪問そして発注へ

事前に訪問日時をメールですり合わせさせて頂いた後、訪問。
途中事故に合うというオマケつきでしたが・・・。

以下、当日の会話の流れですが、かなーり舞い上がっていたので、細かな順番は異なっているかもしれませんが、ざっくりこんな流れでした、ということで。 



(1) フレーム選択
まずはベースとなるモデルですが、リムブレーキモデルを考えていましたので、R-2 か Sticky が選択肢となりました。


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この辺りは試乗していたこともあり話は早く、今回は Sticky ベースでオーダーさせてもらうことに。 



(2) フレームカラー決定
フレームカラーについては、赤色!ということは決定していました。
今のピナレロ GAN S も赤ですし、基本赤が好きなんですよね。

何なら赤一色で良いかな、と思っていた位でして、あとは当日カラーサンプル見ながら相談させてもらおうかな、位だったのですが、展示されていた 2022年モデルの Sticky に一目惚れ。


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正確を期すなら、このカラーについては先日開催されたハンドメイドバイシクル展の展示で事前に確認はしていました。
(現地に出かけることはできなかったのですが、ネット記事などで認識していました)

Webで見た時には「良い色だね」位の軽い感じだったのですが、実際に実機を見たところもともとイメージしていたカラーにかなり近かったこともあり、「それなら下手に素人がこねくり回すよりも、このまんまで良いかも?」と決断。

ケルビムのロゴも、昔ながらのロゴも悪くはないのですが、こちらの新しいバージョンがかなりお気に入りだったこともあり、その場で即決となりました。 



(3) 細部の条件決定
その他、細かな点について相談しながら決定していきます。

  • ステム(スレッド or アヘッド)
  • フォーク(カーボン or クロモリ)
  • ケーブルの内装有無
  • シートステー集合部の形状

ケーブルを内装にするか否かについてはかなーーーり迷いましたが、最後は見た目重視ということで内装式にしてもらうことに。 




(4) コンポーネントの決定
コンポーネントについては、クロモリオーダーすると決めた時に心は決まっていました。
スラムのeTapでいこう、と。

シマノも最新のコンポでワイヤレス化してきましたが、リムブレーキモデルに関してはシフターとディレイラー間はワイヤレス化されることはありませんでした。

折角のクロモリフレームですから、できるだけ穴は開けたくありませんし、見た目もすっきりさせたいということで、完全ワイヤレス化が可能なスラムを選択することに。

その他、載せ替えで持参するものと、今回の発注と合わせて新規注文するものとを明らかにしていきます。
この辺りも事前に整理していたこともあり、話はスムーズに進みました。

基本的にジオメトリに関連しそうだったり、フレームと密に関係するパーツ(ステム、ヘッドパーツ、シートポスト)はケルビムさん経由での購入を考えていたのですが、事前に目をつけていたシートポストが取り扱いがないということで、自分で購入して持ち込みすることに。

ちなみにスラムのコンポに関しては、事前にショップ経由で色々と問い合わせたところ、国内で買おうとすると年内は揃えることができないことが分かっていたため、海外から取り寄せ、持ち込みさせて頂くことになりました。

コロナの影響も強いとは思いますが、特にスラムに関しては国内販売代理店が変更になり、国内在庫がない状態からスタートしていることもあり、笑ってしまう位国内では入手できなくなってしまいました。

今のところ、フレームが組み上がる前には揃う予定となっていますので、これ以上納期に変更が入らないことを祈りつつ、気長に待ちたいと思います。 



(5) 採寸
続いて、体の採寸となります。
身長と体重は自己申告。
股下、上体、肩幅、腕の長さ、肘から上の長さと採寸していきます。

これら各採寸結果から、サドル高等の適正位置についての予測値を出すそうです。

よくあることらしいのですが、左右で腕の長さが違ったりして新鮮な発見でした。

また、おすすめのハンドルバーサイズは肩幅+20mmだそうで、私が現在使っているハンドルバーの幅がどんぴしゃサイズだったのも嬉しかったですね。 



(6) 専用器具を使った寸法決定
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続いて、現在のピナレロ GAN Sのポジション、体の採寸結果から予測されるポジションを参考にしながら専用のバイクに乗ってポジションの確認をしてもらいます。

これは面白かったです。
私も今まで自分で動画を撮影したり、マニュアルに沿ったポジション調整は行ってきましたが、やはりペダルを回している時の姿勢をリアルタイムで確認してもらいながら、ポジションを微調整、サイドポジションの確認、という一連の流れがとてもスムーズに実施できるのは素晴らしいですね。


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そもそも自分が所有しているバイクで確認する場合、サドル高、サドル後退量、サドル・ハンドル高低差までは調整可能ですが、サドル・ハンドル間距離も調整しようとするとステムを交換好感する必要があるわけで、なかなか自己流では限界があります。





微調整を繰り返しながら出てきた結果がこちら。
現在乗っているバイクから、今回の計測結果がどのように違うかが分かります。 


サドル高 +3mm
サドル後退量 ±0mm
サドル・ハンドル高低差 -23mm
サドル・ハンドル間距離 +5mm


サドル高はもうちょい高くできるということで +3mm。
ちなみに、現在のサドル高についても、自分としては結構ギリギリまで高くしていた認識だったのですが、このわずか 3mmの違いで、かなーりペダルが回しやすくなりました。

サドル後退量については、きっちりマニュアル通りに計測していたこともあり、誤差ゼロという素晴らしい結果に!
いやー、我ながら誇らしいです・笑





サドル・ハンドル高低差については、最近は「エンデュランス化」を進めて一番高い位置にハンドルをセットしていたこともあり、ある程度覚悟はしていましたが・・・。
ここまで違いがあるとは驚きです。
サドルを3mm上げることを考えると、シムを2枚抜くことができるわけで。

サドル・ハンドル間距離については、もう少しハンドルを遠くしても良い、という結果になりました。
これはハンドルを下げると必然的に距離が長くなりますので、ハンドルを下げれば結果オーライとなるか、逆に遠くなりすぎるのでステムを10mm短いものにするか、調整が必要そうです。

「今回の結果を今乗っているバイクにも反映されますか?」と聞かれたので、即答でお願いしておきました。
但し、劇的に変えすぎても、という配慮からでしょうか、サドル高を調整して頂いたうえで、ハンドル高についてはシム一枚分(10mm)下げるに留めていただいたようで。

帰路新しいポジションで走って帰ってきたわけですが、かなり快適になりましたね。

今回は上記で算出された結果をもとに専用のフレームを製作いただけるわけで、めっちゃ楽しみであります。 



(7) タブレット上でフレーム仕様の確認・微調整
上記結果を受けてフレームの仕様をビルダーの方に決定頂きました。
今回、シートポストの突き出し量を一定程度確保したいとの思いもありましたので、完全なホリゾンタルフレームにするよりは、若干スローピングにした方が良いよね、という話に。

タブレット上でトップチューブのスローピングの具合を変更しながら数パターン違いを確認。
店頭にあるフレームを指差しながら、「これくらいだと、あそこにあるフレームが近いですねー」と教えて頂けるので、とてもイメージがつき易かったです。

で、結果がこちら。


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詳細はおいおい見ていくことにしましょう。 



4. フレームオーダー完了!

ということで、無事フレームオーダー完了です。
所用時間は2時間ちょい、といったところでしょうか。
コンポーネント・パーツ類を事前に決めておいたり、自分の希望する内容を整理しておいたこともあり、途中で悩む事もあまりなく、比較的スムーズに進められたのではないかと思います。

一番悩んだのは、ブレーキケーブルを内装にするかどうか、ですかね。
あとヘッドパーツをクリスキングで奮発するか、ケルビムさんで標準的に使うタンゲのどちらにするか、も悩みましたが、色々と会話・相談しながら決定することができました。

基本的に、悩んでいる点については、それぞれのメリット・デメリットを指摘して下さるため、自分なりに考えて結論を出し易いと感じました。
やはりプロのアドバイスは違いますね。

こちらは後日送って頂いたカラーイメージ図。


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完成は晩夏になるとのことですが、今から楽しみでなりません。

 



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