Zwiftがレース事業から撤退(自転車業界は今後どう変わっていくのか)

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コロナ渦を経て一大コミュニティとしてその地位を確立した感のあるZwiftですが、大きな方向転換を決断した模様です。

Zwift がエリートレースから撤退を決断

これまで実施してきたエリート向けレース

私のような週末ローディーにはあまり縁のない話ではありますが、これまで Zwift は賞金付きのエリート向けレースを定期的に開催してきました。

ざっと調べただけでも以下のような感じです。

レース名・内容 最高賞金額(1位)
2019年 UCIサイクリングeスポーツ世界選手権 プレプレイベント (確認できず)
2020年 第1回UCIサイクリングeスポーツ世界選手権 $16,913
2021年 第2回UCIサイクリングeスポーツ世界選手権 $9,600
2022年 第3回UCIサイクリングeスポーツ世界選手権 €8,000(約$8,600)
2023年 Zwift Games(最大規模の賞金総額) (確認できず)
2024年 Zwift Games Elite Finals(史上最高額賞金) $15,000

eスポーツとして業界を牽引する存在であったわけですが、これからはこうした賞金付きのレースからは撤退する模様です。

なぜエリートレースをやめたのか?

エリート向けのレースは、賞金や放送体制、厳密な検証体制など、運営にとにかくお金がかかります。
そりゃそうですよね。

その為、継続的にレースを開催するのは相応の負担となるわけですが、Esports WorldsやUSA Cyclingのeスポーツ大会が他サービスに移行したこともあって、Zwiftはこの路線から離れる決断をしたとのこと。

コミュニティ重視へシフト

Zwiftにとって、毎日誰でも参加できるコミュニティレースこそが本当の強みです。アクティブユーザー数がどの程度かは分からないのですが、累計登録アカウント数は600万以上に達しているようですし、年々確実にアカウント数は増加しています。

レースにおける公平性を守る仕組みやボット対策も強化され、楽しく安心して走れる環境も着実に整えてきていることもあり、これからは「プロが目立つ大会」よりも「誰でも参加できるレース」にスポットライトが当たりそうです。

Zwiftアカデミーは小休止

プロを目指す人の登竜門だった「Zwiftアカデミー」は2025年はお休みになる模様。
ただしサービス自体が完全に終わるわけではなく、2026年の10周年を機にさらにパワーアップして戻ってくるとのこと。

これまで実際にワールドツアー選手を生んできた実績があるサービスということもあり、コミュニティ重視という観点からは、Zwiftアカデミーの立ち位置をどうしていくのかは興味がありますね。

今後の料金プランに変更はあるのか?

マスマーケットに向けた、より身近なサービスにするということですが、世界的な物価高、円安影響を受けた価格調整など事情は様々ですが利用料はサービス開始当初からすると倍近い金額となっています。

年度 年間利用料(税込) 備考
2015年頃 約9.99ドル(月額換算) サービス開始時の月額約10ドル(日本円換算なし)
2017年11月 1,650円/月 初の値上げ対応。
2023年11月 16,500円(年間プラン) 日本向け年間プラン登場。月額1,650円は据え置き。
2024年5月 24,000円(年間プラン) 世界的な為替調整・値上げ。日本では月額2,400円に大幅アップ。

自転車ブームも落ち着きを見せてしまった昨今の業界情勢からすると、より身近なサービスにするというのであれば、もう少しライトなプランを用意する等テコ入れも必要なのでは?と思ってしまいますがどうなんですかね。

とはいえ、今までのところは着実に登録アカウント数は伸びてきています。

年度 利用者数(推定・登録アカウント数) 備考
2016年10月 約17万人 TechCrunch報告のアクティブアカウント数
2017年5月 約30万人 CEO Eric Minのポッドキャストで言及の登録アカウント数
2018年1月 約55万人 推定登録アカウント数
2024年9月 600万人以上 10周年記念で発表された累計登録アカウント数

私のような週末ローディーからすると、なかなか年間2万円以上のお金を突っ込んで継続する気にはなれないのですが、例えばスポーツジムのように、月間4回までの利用なら割安なプランとか、徐々に利用者を増やしていくような取り組みには期待したいところですね。

今回の方針変更で、今後のZwiftがどのように変わっていくのか興味深く見守っていきたいと思います。

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