自転車で15分の高強度トレーニングをすると記憶力が改善する模様
自分が自転車に乗ってるからということもありますが、自転車に効果に関する実験記事がとても気になってしまいます。
以前も、10分間のスプリントで筋肉が強化されるよ、という記事を見つけたり。
普通に考えれば体を動かすことが健康につながるというのは当たり前のことなわけですが、今回は身体的な健康というだけではなく、記憶力の改善、強化にもつながるよ、という実験結果を見つけましたので紹介したいと思います。
実際の研究は Scientific Reports というところで発表された実験結果になります。
1. 被験者
まず今回の被験者はこちら。
- 18歳から35歳までの健康な若い男性21名(アスリートレベルの被験者は除外)
- 全ての被験者は右利き
- 全員非喫煙者
- 被験者のVO2MAXレベルは40〜65ml/kg/min
- 最終的にコンプライアンス上の問題、技術的な問題により6名が除外され、実験結果は平均年齢23.7歳から抽出
若干年齢層が若いのが気になりますが、ごく一般的な男性で実験した模様。
女性に当てはまるのか?は何とも言えないのは残念ですが。
2. 実験方法
実験前の条件整備はかなりきちんと実施していたようです。大変ですね。
- 2週間間隔で3回の実験を実施
- 実験実施前の1週間に関しては、被験者は定期的な運動スケジュールを徹底。Fitbit Chargeで状況確認
- 実験直前の48時間に関しては激しい運動を避ける
- 実験当日は標準的な朝食を食べる(ブラックコーヒーまたは紅茶、オレンジまたはリンゴジュース、パン、ジャムを含む標準的な朝食)
実際の実験内容がこちら。
- ケイデンスは60〜80rpm
- 運動強度の種類は、中強度(最大心拍の70%)で20分と高強度(同80%)で15分の2タイプで実施
- ウォームアップ3分、中強度(20分)or高強度(15分)のサイクルトレーニング、クールダウン3分
- 30分間の休憩
- 記憶力テストを実施。テストの内容は単純なもので、画面に表示されるドットのパターンに関連する正しいボタンを押すもの
高強度ってどの程度なんだろと思ったのですが、最大心拍の80%となると、週末ローディー的にも「そこまで高強度ではないんですね」という内容でした。
記憶力テストの内容ですが、以下のような画面を見て、対するボタンを左手(利き手と逆)で押下するものだそうで、12回のボタン押下を10回繰り返すそうです。
ちなみに、可能な限り早く正確に押して下さいね、という指示はあったそうですが、制限時間は設けられなかったそうです。
最初は高強度(最大心拍の80%)でも30分のメニューを実施したそうですが、全ての被験者が完遂できるものではなかったそうで、何名からの被験者に関しては逆にスレトスレベルが上がりすぎてしまい、記憶の定着を妨げる恐れが出てきたそうです。
やり過ぎは禁物ってことでしょうか。
3. 効果
結果として、安静時に比べて中強度、高強度の運動実施後の方が記憶力が高まることが確認されたそうです。
また、中強度よりも高強度の運動の方がより高いパフォーマンスが発揮されました。
また、今回の研究においては、血液検査とMRIスキャンも実施したそうで、記憶と運動過程に関連する脳の一部である海馬と尾状核が、より高強度のサイクリングセッション実施後に明らかに反応していることが確認できたそうです。
限られたサンプルにおける実験結果ではありますが、MRIの結果などからも一定の信頼性はありそうな実験なのではないかと思います。
但し、実験内容的に「高強度の運動を続けると記憶力を高いままで維持し続けることができる」といったものではないので、自転車を続けると良いことあるよ、とまで言い切ることはできなさそうですね。
どちらかというと、学生さんがテスト前に15分間の高強度トレーニングを行なって、がつんと勉強の追い込みを実施してから本番に臨むと高得点を叩き出せる、みたいなノリでしょうか。
とはいえ、脳に良い影響を与えてくれるということですから、短時間であってもトレーニングセッションを行うことは良い結果につながるそうですので、面倒臭がらずにローラー台に乗り続けないとですね。
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