ついにキックスターターに登場です。
空気抵抗を個人で測定可能となるトラッカーが発売(Wasted Watts)

フランスのスタートアップ企業である「Aeroscale(エアロスケール)」社が、サイクリスト向けの革新的なデバイス「Wasted Watts」を発表し、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」にて先行予約を開始しました。
昨年「今年の秋にはこんなんが出るぞ!」というアナウンスが行われ、公式サイトがオープンした時には非常に興奮していたものですが、その後ずるずると発売が遅れていたので少し心配したのですが、遂にキックスターターで募集が開始されました。

プロのワールドツアーチームでもテスト・活用されてきた先進技術が、ついに一般のホビーレーサーやシリアスライダーの手の届くプロダクトとして形になりました。
「Wasted Watts」とは?
従来のサイクルコンピューターは、「自分がどれだけのパワー(ワット数)を出しているか」を教えてくれました。しかし、「そのパワーのうち、どれだけがスピードに変換されず、無駄(Wasted)になっているか」を知る術は、高価な風洞実験室やベロドローム(屋内競技場)を予約するしかありませんでした。
「Wasted Watts」は、実際の公道を走りながら「空気抵抗」「転がり抵抗」「ドライブトレインの摩擦抵抗」などによって失われているエネルギーをリアルタイムで計測・可視化してくれる、まさに“持ち運べる風洞実験室”とも言える革新的なデバイスです。
どのようにして「消えたワット数」を測るのか?
システムは主に、自転車の前後に取り付ける2つのコードレスなモジュールと、専用のスマホアプリで構成されています。
フロントモジュール

飛行機などにも使われる「ピトー管(流速計)」を搭載したフロントモジュール。
単なる走行速度(対地速度)ではなく、ライダーが実際に受けている「空気の速さ(対気速度)」と風向きを正確に捉えます。これにより、向かい風や追い風、横風の影響を明確に分離します。
リアモジュール

こちらはこのシステムの「頭脳」となっているリアモジュール。センチメートル単位の超高精度で高度変化を認識できる「RTK GPS(リアルタイムキネマティック)」技術を採用。さらに、後輪のわずかな回転変化をマイクロ秒単位で追跡する磁気スピードセンサーが付属します。
リアモジュールでは、ライダーが踏み込んでいるパワーメーターの数値と、極めて正確な速度・高度の変化を常に比較することで、物理学の「エネルギー保存の法則」に基づき、計算が合わない「消えたエネルギー」の正体を、特許取得済みのアルゴリズムで逆算します。
これにより、わずらわしい事前のキャリブレーション(校正)や体重の入力、タイヤの摩擦係数の予測といった「儀式」を必要とせず、公道でわずか「7秒」でリアルタイムのデータフィードバックを開始します。屋外での計測精度はなんと「1〜3ワット未満(ベロドローム等のクローズド環境では+/-0.5ワット)」という驚異的な数値を誇るとのこと。
どのように活用できるのか?

リアルタイムに「無駄にしているワット数」がスマホ画面やサイコンの画面上で確認できるため、以下のようなあらゆるセッティングの「答え合わせ」がその場で可能です。
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フォーム(ポジション)の最適化 「頭を少し下げたら、無駄なワット数が15W減った」「疲れて姿勢が崩れた瞬間に抵抗がどれだけ増えたか」が分かります。
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機材・ウエアの比較 2つのヘルメット、異なるホイール、どちらのエアロソックスが本当に速いのかを、風洞ラボに行かずに実戦環境でテストできます。
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最適なタイヤ空気圧の割り出し 路面(綺麗なアスファルトや荒れたグラベル)に応じて、転がり抵抗が最小になる「本当のベストな空気圧」を数値で導き出せます。
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チェーンや駆動系のメンテナンス効率 チェーンの清掃や、異なるチェーンオイル・ワックスによって削減できた摩擦抵抗も可視化します。
ロードバイク界隈では、フレームやホイールといった製品を筆頭に、「xx ワット削減に成功」といった売り文句が飛び交っています。
ほんまかい?と思ったら、このモジュールを取り付けて個人でも検証することが可能になるわけで。
これはなかなかに画期的なデバイスになりそうです。
製品仕様と価格
開発を率いるのは、自身もかつてエリートサイクリストであり、物理学の博士号(PhD)とMBA、そしてSTMicroelectronics(大手の半導体企業)で15年のキャリアを持つディープテックのエキスパート、Manuel Sellier氏。半導体レベルの精密さをサイクリングの世界に持ち込んで開発されました。
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Kickstarter 先行価格: 1,899ドル (正規小売予定価格:2,499ドル)
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RTK GPS利用について: 超高精度な高度・位置情報を得るためのRTK補正サービスが利用されます。Kickstarterの初期バッカーにはこの通信フィードへの「生涯無料アクセス」が特典として付与されます(ローンチ後の一般購入は月額9.99ドルのサブスクリプションを予定)。
すでにKickstarterのプロジェクトは開始初日で目標金額(約1万ドル)を大きく上回る400%以上の資金調達に成功しており、世界中のシリアスサイクリストから熱い視線が注がれています。
記事のまとめ
「Wasted Watts」は、これまでプロチームや一部のトップアマチュアしかアクセスできなかった「エアロダイナミクスの最適化」を、すべてのサイクリストの日常の道路へと解放する製品。
「高いホイールを買ったから速くなった気がする」という曖昧な世界から、「この機材とこの姿勢で〇〇ワット削減できた」という完全なデータドリブンの世界へと足を踏み出すことが可能になります。
ただ、一番お安いリワードでも約30万円・・・。
画期的な製品であることは分かりますし、RTK GPSの月額利用料が不要になることを考えると破格なプライスタグがつけられていることも分かるのですが。
所詮週末に趣味で走るだけのローディーに必要なのか?と問われると・・・。
ま、パワーメーターにしたって自己満足の世界なわけで、週末ローディーが買って何が悪い!と言い切ったもん勝ちなわけで。
ただ、今回は先立つものがないので、指を咥えて眺めるだけにしたいと思います・泣

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