私のロードバイクのコンポーネントはシマノアルテグラ(R8000)となります。
つい先日新型も出ましたが、この夏に組み上がる予定の新車では、スラムに浮気をする予定。
ここ2年半ほどスプロケットは 14-30T という変速タイプを使用してきました。
ロードバイク界隈では比較的有名な改造かと思いますが、14-28T のジュニアスプロケットに、11-30T 用のロー側ユニットを組み合わせる、という変則仕様となっています。
新型アルテグラでは、現在のところジュニアスプロケットの登場は示唆されておらず。
コロナ渦で標準となるスプロケットの流通すらままならない状況なので、複数種類の供給に手が回らないという説もあれば、アルテグラとしてはこのまま廃盤となり、次期105モデルで追加される、という噂もありますね。
気になるところではありますが、次に導入予定のスラムeTapはワイドレシオのスプロケットばかり。
今のうちから 14-30T というクロスレシオなスプロケットから、標準的な 11-30T のワイドレシオに慣れておこうと思い立ちまして、折角ですのでここ2年半の率直な感想などを最後にまとめておこうと思った次第です。
シマノ純正でも用意してもらいたかったクロスレシオなスプロケット(14-30T)
1. 変則スプロケット(14-30T)とは何ぞや?
そもそもジュニアスプロケット(14-28T)についてですが、高校生以下の選手(ジュニア選手)の場合、まだ体が発達し切っていないということで、未発達の身体の保護のために重たいギアを使うことが禁止されているんだそうです。
私のようなおじさんでも、11Tでガンガンペダル回したら、確実に膝を壊す自信がありますが・汗
フロント52T / リア14Tでも、ケイデンス120でぶん回せば速度は56kmまで上がるそうですから、ジュニア競技としては安全面からもこの辺りで歯止めをかけておくというのは良いことだと思います。
さておき。
そんなジュニアスプロケットですが、私も 14-28T のままで約1年ほど使いました。
外でライドをする限りにおいて、トップ14Tでさえ下り坂でしか使うことがありませんでしたので、私にとっては全く問題ありませんでした。
逆に、上り坂だと私の脚力的には斜度10%を超えると28Tでは足りず。
そんな貧脚さんの為に考案されたのが、ロー側を11-30T のギアユニット(24-27-30T)に換装する、という改造となります。
2. 変則スプロケット(14-30T)利用の難易度
当然、シマノさん公認の使い方ではありませんので、何かあっても自己責任となります。
自己責任と言われると「難しいのかな?」と思うかもしれませんが、実はとっても簡単。
14-28T のスプロケットのロー側ユニット(23-25-28T)を 11-30T用のロー側ユニットのみ購入して交換するだけ、となります。
拍子抜けするほど簡単です。
但し、ローの最小ギアが 28T から 30T に変更となりますので、リアディレイラーのテンションアジャストボルトを調整して、ディレイラーのプーリーとスプロケットのクリアランスを確保する必要があります。
この辺りはそこまで難易度は高くありません。
3. 14-30T のメリット
まず最初に14-30Tと11-30Tとのギアを比べてみます。
- 14-15-16-17-18-19-20-21-24-27-30T
- 11-12-13-14-15-17-19-21-24-27-30T
ギアがとにかく「近い(close)」のが分かるかと思います。
例えば。
向かい風の中を走る時には「17-18-19-20-21」あたりのつながりの良さをメリットに感じることが多かったです。
「強い向かい風で、19Tだと気持ち重くて、21Tだと気持ち軽すぎる」みたいな時に20Tが気持ち良かったり。
例えば。
フラットをケイデンス85で走っている時に「17Tだと気持ち重くて、19Tだと気持ち軽すぎる」みたいな時に18Tが気持ち良かったり。
あとは言わずもがなですが、斜度10%を超えてくると私の脚では28Tではあっという間に脚が売り切れてしまいますが、30Tだとギリギリ乗り切ることができました。
この辺りのバランスの良さが、個人的には絶妙に感じました。
4. 14-30T のデメリット
では何もデメリットはなかったのか?という話なのですが、残念ながらデメリットもあります。
それは変速性能の悪化です。
本来の組み合わせとは異なるギアユニットを組み合わせることになりますので、「21Tと24Tのつながり」部分で、変速性能が落ちてしまうのです。
もしかするとディレイラー(ワイヤーテンション)の調整が上手な方であれば解消できる範囲なのかもしれませんが、私の腕では 11-30T と同レベルのスムースな変速性能を担保することはできませんでした。
具体的にはこんな感じになります。
- 11-30Tにおける24Tから21Tへのシフトアップは「チャッ」と一瞬で完了。素晴らしいです
- 14-30Tにおける24Tから21Tへのシフトアップは「カチャッ」とほんのわずかに劣るものの、一瞬で完了。比較さえしなければノーストレス。誤解を恐れずに言うと R5800系の105くらい? R8000アルテグラとの中間?くらい
- 11-30Tにおける21Tから24Tへのシフトダウンは「チャッ」と一瞬で完了。素晴らしいです
- 14-30Tにおける21Tから24Tへのシフトダウンは「カッッチャッ」とワンテンポ遅れる。しかもこの遅れは変速性能そのものというよりは、シフターを気持ち深く押し込む必要があることにより生じるラグ部分が多い印象。
通常「カチッ」とシフターを押し込む深さを「10」だとすると、21Tから24Tへのシフトダウンに関しては気持ち深く、「15」くらい押し込む必要があります。このわずかに深く押し込む部分が「カッッ」のタイムラグとなります。その後の変速そのものは「チャッ」と変速されます
こうやって書くと、「それっとシフトワイヤーのテンションをもう少し強めにすれば良いだけでは?」という話なのですが、その塩梅が難しく、私レベルだとその「追い込み」がなかなかできませんでした。
また、これはなかなか特定することができなかったのですが、ペダリング位置の関係なのか、スプロケットが回転しているスピードの関係なのか、とてもスムーズに「カチャッ」と変速する時もあったりしました。
というレベルでしたので、その辺りの癖さえ理解してしまえば、あまりストレスに感じることはありませんでした。
ロングライド終盤、疲労がピークに達した時にシフターの押し込みが足りなく、「チャッチャッチャッ」と引っかかったまま変速し切らない時があると、「いらっ」とすることはありましたね。
「レースで使うぞ!」という人には、許容範囲外かもしれません。
5. 11-30T に戻してみた感想
ということで、2年半、ずっと使い続けてきた14-30Tの変則スプロケットですが、次回スラムに変更した時に、この変則スプロケットの変速性能と比較して「R8000アルテグラよりもスラムの方が変速性能が高い!」みたいな謝った印象を持つことは避けたく、一度純正の変速性能を味わい直そうと思った次第です。
で、早速週末に清掃も兼ねてさくっと変更。
うーん。
やっぱり形状はこちらの方が美しいですね。
で、実際に使ってみた感想ですが。
アルテグラって、変速性能たかっ!
いやー、改めて「チャッ、チャッ、チャッ」とスムーズに変速するのが、めっちゃ気持ち良かったです。
シフトアップに関しては違いはそこまで感じませんでしたが、シフトダウンは感動ものですね。
アルテグラって、変速性能高いですわ、やっぱり。
気になっていた「17-19-21」のつながり部分についても、これはこれで慣れてしまえばそこまで不満に感じることもなく。
やっぱりスプロケットの歯数の並びって、よく考えられていますね。
強い向かい風では「あー、もうちょいクロスなら」と感じたりもしましたが、我慢できないほどでもなく。
で、タイトル通りの結論に至るわけです。
シマノさん、12速になったこともありますし、14-30T もしくは 14-32T を純正のスプロケットで出してみませんかね?
絶対人気出ると思うんですけどねー。
コメント
私も一時14ー28sを試そうかと思った時期がありましたが
11ー28sの中間15か17に合わせて常用きつくなったら
すかさずフロントインナーに落とす事で十分実用に耐えたので
未だにイー爺で出来るだけ迷惑にならぬよう歩道走行優先です(笑)
なるほどです。
ズボラでリア変速で対応しようとするから、というのは確かにありますねー。