真冬のライドを快適にする為に、最も注意すべき点は末端の冷え対策。
ここ2年ほどは、シマノの ウィンドストッパーインサレーテッドグローブを使っていました。
今は廃盤となっており、インフィニウムインサレーテッドグローブが後継品となっています。
対応する気温が5℃以下ということで、関東圏だと真冬のライドでも手が冷えることは一切なく、峠の下りにも耐えられるということでとても気に入って使っていました。
ただ、対応気温が5℃以下ということもあり、もう少し上の気温帯(5℃〜10℃)のグローブも欲しいと思っていた為、今回新たにシマノのインフィニウムレースグローブを購入しましたので、そちらのレビューをご紹介したいと思います。
■ 防寒性も高くハンドリングを阻害しない快適なグローブ(シマノ インフィニウムレースグローブ)
1. ウィンドストッパーとインフィニウムの違い
ゴアテックスといえば、高い防風・防水性を謳う製品群で、主にアウトドア分野で圧倒的な存在感を放っています。
アウトドアよりもより日常に近いファッション分野なども念頭に、防水性を省いた製品用に「GORE WINDSTOPPER」という製品群を展開していたのですが、今は「GORE-TEX INFINIUM」ということで、ラインナップが変更されています。
ウィンドストッパーの時にはシンプルにゴアテックスから防水性を省いた、という印象でしたが、インフィニウムでは防水性を省くと同時に、より柔軟性や軽量性を追求した素材へと特化した印象です。
私が持っているウィンドストッパーインサレーテッドグローブですが、やはり「ごわつき」がありますし、重量もあります。
対応する気温帯が違うこともありますので、そのまま比較するのもフェアではありませんが、この辺りがインフィニウム生地になることでどこまでの違いがあるのか比べていきたいと思います。
2. シマノ インフィニウムレースグローブ レビュー
まずはシマノ公式の謳い文句から。
防御性とコントロール性を追求した3Dフォームフィッティンググローブ。
特徴
- 通気性に優れたゴアテックスINFINIUM™防風ファブリックが、暖かさと防御性をバランスよく両立。
- 手の甲部分に厚めの断熱材を加えて保温性を高め、手のひら部分は薄めにしてダイレクト感のあるグリップ力を強化。
- 着脱が簡単なスリップオンデザインと長めのカフ。
- 暗がりでも目立つリフレクター。
- シリコンプリントを施したパームグリップ。
- ロープロファイル設計のソフトな親指部分は汗の拭きとりに便利。
- タッチパネル対応。
対応する気温帯は5℃〜10℃となっています。
(1) 外観
まずはぐるっと外観から。
サイズはSサイズとなりますが、私の手にはぴったりです。
本当にこれで5℃まで対応できるの?とちょっと不安になくらい、生地のごわつきは少ないですし、かなり手にフィットしてくれます。
(2) 重量
まず最初に驚いたのが、手に取った時の軽量さ。
ほんと軽いです。
ロードバイクのパーツとは異なり、ウェア類に関しては軽くすることで上りが楽になるぜ!みたいな話ではないのですが、シンプルに軽いウェアは着心地が良く、長い時間身につけていると疲労感の差にもつながってきます。
軽量ウェアの着心地の良さって、意外と侮れないんですよね。
まずは5℃以下に対応するシマノのウィンドストッパーインサレーテッドグローブから。
97.8g。
高い防風性と保温性を誇る製品ですので、重量級なのは仕方ありませんね。
そうは言っても関東圏の冬場だと朝の走りだしのタイミングでも5℃を超えているようなこともありますので、ここまでばっちり防寒性なくても良いのかな? 代わりにもうちょい軽めでフィッティングの良いグローブを買っても良いかな?というのが、今回新しいグローブを導入した動機となります。
もう一つ参考までに、15℃帯のパールイズミのグローブについても。
56.0g。
こちらもエアロでタイトフィットなグローブではありませんので、そこまで軽量な部類ではありませんが、真冬用のグローブに比べれば軽いですね。
購入からもう6年以上経っている気がしますが、まだ現役です。
やはりパールイズミ製品はタフですね。
で、今回の主役がこちら。
46.7g。
おお・・・。
半分以下でした。
そりゃ軽いわけだ。
パールイズミの15℃対応品よりも軽いとは思いませんでした・・・。
(3) 着脱のしやすさ
着脱のしやすさですが、袖口からの冷気をシャットアウトするよう、長めかつタイトなカフとなっていますので、少し窮屈ではありますが、慣れればするっ、と着脱可能。
冬場ということもあって手が汗ばんでいたりすることもありませんので、引っ掛かりもなくあまりストレスなく着脱が可能です。
(4) 防風性
防風性についてはさすがゴアテックスということで、かなり高いです。
袖口から冷気が侵入することもなく、防風性に関しては何も言うことはありません。
(5) 保温性
肝心の保温性について。
裏地は起毛素材となっており、手の甲に保温性の高い素材が配置されています。
着用した瞬間に暖かさを感じる素材となっています。
実際に使用してみた感覚からすると、製品の公称通り「5℃〜10℃帯」で使う製品だな、と思います。
- 風が強くない日(風速1〜2メートル程度)の気温5℃、30km/h 程度のスピードで走る限りにおいては、手の甲に一定の冷たさを感じるものの冷たさでしびれが出たり、指先がかじかんだりすることはない
- 向かい風が少し強かったり、日陰を30分以上続けて走ると、5〜6℃程度だと少し指先が冷たくなってかじかんでくるが、停止時に暖かい息を吹きかけながら走ることでギリギリ我慢できる
- 12℃程度であれば、暑さを感じることもなく走れる。個人的には15℃くらいまでなら(強度が高い走りや峠の上りでなければ)許容範囲
風の強い日や日陰(手に当たる空気が冷たくなりがち)を長く走るのであれば、7℃以上は欲しい感じはしましたが、ほぼ公称通りな感じですね。
(6) グリップ性
これはピカイチですねー。
とにかくブラケットが握りやすいですし、シフターの操作、ブレーキングと真冬用のグローブとしては破格な使い心地でした。
もう1つ関心したポイントがこちら。
人差し指と中指にシリコンのラインが配置されている為、シフター操作やボトルの取り出しの際に程よい「引っ掛かり」が生まれるのですが、これが想像以上に使い勝手が良かったです。
フルフィンガーグローブは、どうしても指を使って何かをする時の操作感が低下しがちなのですが、このシリコンの滑り止めがあるだけでかなり操作感が向上します。
手のひらのシリコンプリント共々、グリップ性を高める良い配慮だと思います。
(7) タッチスクリーン対応
最近のグローブはほとんどがそうだと思いますが、親指と人差し指はスマホのタッチスクリーン対応。
個人的に、スマホで写真撮影をする際には親指を使うことが多く、ガーミンのサイコンを操作する際には人差し指を使うことが多いのですが、感度はとても良好でした。
特にガーミンの画面を横にスワイプして画面を切り替える際に、人差し指のタッチスクリーン対応部分が若干「引っ掛かり」が生まれるタイプの生地だったこともあり、とても操作感が良かったです。
操作ミス(反応しない)の率は結構低かったですね。
ということで、防風性、保温性に関しては期待通りの内容だったのですが、軽量だったり生地の柔軟性が(防風・冬用のグローブとしては)かなり高かったりと、着用感も高く、かなり良いお買い物になったと満足しています。
早朝や長い峠の下りがない限りは、関東圏の冬場はこのグローブがあれば乗り切れそうな気がしています。
コメント
自分は……末端の痺れには耐えきれず、とうとうBARミッツに手を出して仕舞いました。
防風性は確かに凄くて、年末の氷点下で夏用指切りグローブで大丈夫☺でした。 追加で買ったROCKBROSの類似品はファー(笑)まで付いていて、コイン入れポケットまで付いて居ます。 使用感は、20分も走ると手が蒸し蒸しするので、手を抜き冷やします。 BARミッツの取説には、僅かながら、空力upと書いて書いてあって…空力マニアには嬉しかったです。
シンプルイズベストが信条ですがシマノのグローブシンプルでいいですね!
私も昨年の秋に手のひら側がボロボロでくたくたになってしまってたので
何時も立ち寄るショップっで物色していたら4,400円の物が1,400円・・・
ブラックのシンプルデザインでホイールでは有名なマビックの製品でした。
滑り止めのシリコンが横ではなく縦にそれぞれ一本入っているものですが
今の季節でも十分な働きをしてくれております(極寒の日は出かけないし)
>♪さん
おー、バーミッツ。
時々見かけることがありますが、やはり防寒は完璧なんですね。
関東圏の冬場だと、早朝や夜走らない限りそこまでは必要ないと思っているのですが、峠の下りなんかでは「欲しい!」と思ってしまいます。
20分で手が蒸れるというのは、もうすごいとしか言いようがないですね(^_^)
>老爺さん
マビックって、シューズとかウェアが時々激安になっていることがありますよね。
それでいて作りもしっかりしているようなので、とても魅力的です。
シマノも気をつけていると時々お安く出てくれるので好きです。
昔はパールイズミ一筋でしたが、最近はついついお値段に負けてシマノに流れがち・・。