私の大好きなカテゴリに「ロードバイクと食べ物の関係性」というものがあります。
国内だとこういったネタが記事にされることがほとんどないのですが、海外のロードバイク関連サイトだと、新しい論文研究が発表されると取り上げられていますね。
そもそも、国内だとこういったスポーツ科学的な領域の研究が海外程行われていないんだろうな、と・・・。
今回取り上げるのは、ロードバイクにおけるトルク量を7%アップさせる食べ物についてです。
7%って、結構大きいですよね?
■ ローディーを硝酸塩でパワーアップさせる
1. ビーツに含まれる硝酸塩が筋肉のトルクを向上させる
みなさん硝酸塩ってご存知ですかね?
普段はあまり意識しない成分な気がします。
特にビーツに多く含まれる成分となります。
実は、この硝酸塩に関しては昔から筋肉のパフォーマンスを向上させる効果があると言われていたのですが、この度自転車においてどの程度のパフォーマンス向上効果があるのかを検証した研究が発表されました。
英国エクセター大学の研究チームが、「骨格筋が食事性NO₃を急速に取り込み、最大間欠性筋収縮時のトルク産生を高める」ことを “初めて “明らかにしたんだそうです。
ちょっと難し過ぎます・・・。
2. 実験内容
では分かりやすく実験内容をば。
- テストは無作為に選んだ10人の健康なボランティアによって実施
- 硝酸塩の効果を計測する為、硝酸カリウム水溶液を摂取して実施
- プラシーボ対策として、塩化カリウム水溶液を摂取したパターンも計測
- 60回の実験を実施
その結果、プラシーボ対策の塩化カリウム水溶液に対して、硝酸カリウム水溶液を摂取した方が、筋肉のトルク量が7%大きくなったそうです。
例によってサンプル数が10人ということで、もう少し大規模な研究成果だと良かったのですが、7%の差というのは誤差というには大きな数値ですから、一定の成果があることは事実なんだろうと思います。
3. そもそも硝酸塩とは何か
実は、硝酸塩に筋肉のパフォーマンスを向上させる効果があるという点については、数年前から研究が行われているそうです。
で、そもそも硝酸塩って何?という話なのですが、その辺りは農林水産省のサイトがわかり易いですかね。
- 硝酸塩は、土壌を含む自然界に広く分布しています。植物は、窒素を硝酸塩やアンモニウム塩の形で根から吸収し、これと炭水化物からアミノ酸やタンパク質を合成します。
- 吸収される硝酸塩などの量が多すぎたり、日光が十分に当たらなかったりすると、吸収された硝酸塩などがアミノ酸、タンパク質に合成されないで、植物体中に貯まると言われています。
硝酸塩でググるとよくヒットするのですが、この硝酸塩は発癌性物質を産むのでは?という指摘があったそうで、野菜に含まれる硝酸塩を無効化するにはゆがいてから食べた方が良い、みたいな指摘もあったりするそうです。
硝酸塩は、通常摂取する程度では、それ自体は特に人体に有害なものではありません。しかし、ヒトの体内で還元され亜硝酸塩に変化すると、メトヘモグロビン血症や発ガン性物質であるニトロソ化合物の生成に関与するおそれがあるということが一部で指摘されています。(中略)硝酸塩の摂取と発がんについての研究も各国で実施されているところですが、FAO/WHO合同食品添加物専門家会合(JECFA)※1は、硝酸塩の摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠にはならないと言っています。
科学理論上、発癌性物質の生成に影響を与える可能性はあるものの、現時点で野菜の接種と発癌リスクとの関係性を証明できるようなものは何もないそうです。
ちなみにビーツに硝酸塩が多く含まれる為、海外のこの手の実験ではよくビーツが取り上げられるようなのですが、実際の実験に際しては濃縮したジュースだったり、今回の実験のように水溶液が使われたりしますので、「ビーツを食べたらパワーアップ」というのは、少し言い過ぎなんですよね。
日本で日常的に摂取かのうな野菜で、硝酸塩が多く含まれるのはこの辺り。
- 青梗菜
- 小松菜
- ほうれんそう
- レタス
- 春菊
葉物野菜に多いそうです。
個人的にはどれも好物な野菜ですね。
4. 日常で効果的な硝酸塩の接種方法について
で、この手の実験ものにありがちなオチとして、「当該成分摂取で効果が出るのは分かるが、その量はどうやって摂取したら良いのか?」という話ですね。
以前カフェインの効果についての記事をまとめたことがありますが、その場合スタバのグランデを飲む必要がありました。
ちょっと、ライド前にグランデを飲むのはしんどいです・・・。
切り口が異なる実験研究ではありますが、「Australian Diabetes, Obesity and Lifestyle Study (AusDiab)」におる研究結果では、男女3759人で調査を行ったところ、硝酸塩を多く摂取する人は、あまり摂取しない人に比べて膝関節伸展筋力の測定値は11%高かったそうです。
そして、この実験において、最もパフォーマンスが向上すると測定された際の摂取量は「1日90mg」だったそうです。
例えば、ほうれん草だと、葉が6~8枚ついているやや大きめの一株(可食部が約45g)で目標は達成されます。
お?
ほうれん草サラダとか好きですが、その位の量なら普通に食べられそうです。
サラダが好きでない人には、ちょっと多いですかね。
おひたしにするとペロっと食べられる量ですが、逆に日を通してしまうと硝酸塩も減ってしまうそうなので、食べ方にも要注意。
ま、レース前にほうれん草サラダをもりもり食べるとうのも微妙な気はしますが、サラダは体に良いし、言うことないよね、位の気持ちでいれば良いかもです。
ポパイのほうれん草には科学的な根拠もあったわけですね。
コメント
食事に限らず一番大事な事はバランスだと言うのは理に叶っていますが
その為の物であるはずのサプリメントには?と思えるものが多くあって
しじみ300個分の力などとうたうものまで…過剰摂取にならないか?
長嶋一茂氏も30種類のサプリメントを飲んでいるが効果はわからない
などと言っておりましたがお守りと同様多すぎるとありがたみが少ない
何事もほどほどがよろしいようで特に豆類は食べ過ぎて痛い目に合う!
>老爺さん
私もサプリメントの類はあまり好きではないんですよね。
お腹を壊したときにエビオス飲むくらいでしょうか^_^
ほんと、何事も程々に、ですね。