マビックはリムブレーキをまだ見捨てない。
マビックからリムブレーキ対応の新しいホイール(コスミックS40)が発売
マビック COSMIC S 40(コスミック S 40)の位置付け
マビックから新しいホイールが発売されました。
おそらく主なアピールポイントとしては、「1000ドルを切るカーボンホイールが発売された」という点になるかと思います。
また、マーケットにアピールしたいのはディスクブレーキ対応のコスミックS42ディスクになるかと思いますが、個人的にはリムブレーキ対応の新ホイールをラインナップしてくれたことを評価したいと思います。
アルミホイールのキシリウムシリーズも、ローエンドのキシリウムSとその上位グレードに位置するキシリウムSLのラインナップで構成されていますが、今回の発売により、コスミックシリーズもコスミックSとコスミックSLの上下ラインナップが明確に設定されることになりました。
ちなみに、コスミックシリーズの場合、コスミックSLの上にはコスミックSLR、コスミックアルティメットとより多くのハイグレードが用意されていますが。
コスミックS 40 のスペックについて
それでは、すでに発売されているコスミックSLと比較してみたいと思います。
ホイール | COSMIC S 40 | COSMIC SL 40 |
価格(米国) | $999 | $1,550 |
重量(ペア) | 1,764g | 1,600g |
重量(前) | 784g | 705g |
重量(後) | 980g | 895g |
リムハイト | 40mm | 40mm |
リム内幅 | 19mm | 19mm |
スポーク本数 | F18 / R24 | F18 / R24 |
スポーク | ラウンド形状 | フラット形状 |
フリーハブ | FTS-L | ID360 |
主な相違点はこんなところでしょうか。
- コスミックSLは価格にして1.5倍、重量は約10%ほど軽量化
- スポークの形状はよりエアロに(フラット形状)
- ハブはID360に対応。よりクイックな「かかり」を実現
ディスクブレーキモデルとリムブレーキモデルの違い
同じく1000ドルを切るエントリーグレードとして発表されたディスクブレーキモデルとも比較してみましょう。
ホイール | COSMIC S 40 | COSMIC S 42 DISC |
価格(米国) | $999 | $999 |
重量(ペア) | 1,764g | 1,606g |
重量(前) | 784g | 775g |
重量(後) | 980g | 885g |
リムハイト | 40mm | 42mm |
リム内幅 | 19mm | 21mm |
スポーク本数 | F18 / R24 | F24 / R24 |
スポーク | ラウンド形状 | ラウンド形状 |
フリーハブ | FTS-L | ID360 |
ディスクブレーキに対応したコスミックS42ディスクに関しては、
- リムハイトはディスク版の方が高い
- リム内幅もディスク版の方が広い
- スポーク本数もディスク版の方が(フロントホイールは)多い
にも関わらず、重量は1660gと、リムブレーキ版よりも軽量だったりします。
一般的に同グレードの場合、リムブレーキモデルの方がディスクブレーキモデルよりも軽量になる傾向にあるのですが、コスミックSに関しては逆転しています。同じコスミックSの名前を冠していても、明らかにディスクブレーキモデルは新しい技術が反映されているのに対して、リムブレーキモデルは旧来の技術をそのまま踏襲した形で投入されているだろうことがよく分かりますね。
リムブレーキ対応の新ホイールを発売してくれたことは評価するものの
どうでしょうか。
正直新しいホイールと言われても、あまり心躍る内容ではありませんでしたね。
しかも、私のようにSRAM eTap AXSのコンポーネントを使っている人間にとっては、ハブの規格(FTS-L)が致命的でした。
残念ながら、コスミックS40に関しては、スラム12速対応はしていない為、そもそも選択候補にはなりえないことが判明。
「マビックからリムブレーキに対応した新しいホイールが発売されたぞ!」と喜んだのも束の間、中味的には旧来の焼き直しで、スラム愛好家には使えないホイールでした。。。
ちょっとぬか喜びではありましたが、マビックが「リムブレーキも忘れてないよ」というメッセージを発してくれたことについては、素直に喜んでおきたいと思います。
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