シャマルウルトラ(USBハブ)のグリス適量について

この記事は約18分で読めます。

前回シャマルウルトラを分解してグリスアップを行った、という記事を書きました。
今回実際にやってみて、カンパニョーロのUSBハブの分解清掃は慣れてしまえばそこまで難しいものではないな、いうことがよく分かりました。

メンテナンスの容易さに関しては、マビックの方が簡単だな、とは思いますが。
ただ、マビックは1,000km毎にグリスアップを行う必要がありますが、カンパニョーロのUSBハブの場合は、一度グリスアップを行うとマビックの10倍(10,000km)は大丈夫だというのですから、トータルではカンパに軍配が上がるのかも?

で、今回悩まされたのがグリスの適量について。

お陰様で、今回だけで5回位は分解して組み立て、を繰り返してしまいましたよ。
今では分解作業も、すっかり手慣れたものです・汗

■ USBハブに塗布するグリスの適量とはどのくらい?

1. ペダル(クランク)とホイールが共周りしてしまう

前回の分解清掃直後、ホイールをフレームに取り付けて回転を確認したところ、ホイールを逆回転させるとクランクもつられてくるくる回り始めてしまいました。

共周り、というやつですね。

マビックのホイールでオイルが切れてくるとゴムシールとの抵抗が大きくなり過ぎて時々起こる現象だったりするのですが、カンパのホイールでもあるのですねー・・・。

2. 共周りする原因

で、共周りになる可能性のある原因としては、以下あたりでしょうか。

  • フリー内部のグリスが多すぎる
  • フリー(ラチェット)に塗布したグリスの粘度が高すぎる
  • 玉当たりの調整が強すぎる(きつく締めすぎ)


基本的にフリー状態(ラチェットが寝た状態)であるにも関わらずフリー内部での抵抗が大きすぎることが原因となるはずです。

カンパのホイールは、玉当たりの調整はフレームに組みつけた状態でもできますので、ホイールのガタが起きるところまで緩めてみて、それでもクランクが共周りするかを確認すれば、まず最初に選択肢から除外することができます。

cmpgrup-17

こちらの部品ですね。
こちらを2.5mmアーレンキーで緩め、フレームに取り付けた状態でホイールを回転させます。

やはりクランクがくるくる回りますね・・・。

となると、グリスに原因がありそうです。

3. グリスの適量について

マビックの場合、純正のオイルがありましたので、何も迷うことはなかったのですが、カンパの場合、純正のグリスは販売終了しています。
その為、正解は人の数だけいるようで、悩ましいです。

(1) そもそも使うグリスの種類によって違う

当然、グリスも製品によって粘度が全く異なります。
色々調べてみると、意見はいろいろあるようで。

  1. ベアリングとフリー(ラチェット)で異なるグリスを使う派
    ベアリングにはシマノのプレミアムグリスやセラミックスピードのグリスを使い、フリーにはフリーハブグリスやフィニッシュラインのテフロングリスを使う、という使い分け派
  2. 深く考えずに使う派
    シマノのプレミアムグリスは万能だから、ベアリングにもフリーにもこれ一択という人
  3. カンパグリスに使いものを使う派
    純正のカンパグリスに近い成分らしい、ワコーズのスーパーマルチグリスやモーガンブルーのカンパグリスを使う派


いやー、何が正解やねん、という混沌とした状況です。
個人的には、「やはり純正に近いものが良いかな」という人間ですので、上記だとワコーズのスーパーマルチグリスか、モーガンブルーにしようと思っていました。

ただ、ワコーズのスーパーマルチグリス、おそらく一生かかっても使い切れないボリュームなんですよね・・・。

ということで、私はモーガンブルーのカンパグリスを使いました。

(2) モーガンブルーカンパグリスの場合

で、これはもう試行錯誤の世界でした。

  • まずはラチェット周りのグリスの量を減らしてみるも、共周りはあまり改善せず(少しずつ試してみて、これだけで2回分解、組み上げを繰り返す)
  • 一度全部のグリスを拭き取ってみたところ、共周りはしなかったもののやはりラチェット音は大きい。そりゃそうだ。この状態はよろしくない
  • 必要最小限のグリスに留めてみるも、組み上げてみると共周りは解消せず。ある程度慣らしが進むと解消されるという意見もある為、ローラー台で90分くらい回してみる。確かに共周りは改善されたもののゼロにはならず
  • 頭にきたので、一度全て分解してみる。改めて分解して見てみると、ベアリング周りのグリスが少ないかも? 慣らしが進んだ結果、グリスが満遍なくベアリング周りに行き渡る形になったが、その結果肝心のベアリング周りのグリス量が少なくなった模様。再度ベアリング周りにグリスをたっぷり追加。ラチェット周りのグリスは必要最小限に留めて組み上げる


この状態でホイールを逆回転させてみたところ、クランクはまったく共周りせず!

やった!と思ってリアホイールをぐいぐい左右に動かしたところ、めっっっっちゃガタつきあり・汗

おおーい・・・。

冷静に玉当たり調整を行った後、ドキドキしながらホイールを逆回転。

共周りゼロ!!

いやー、長かった・・・。

計5回分解、組み上げを繰り返してようやく適量に辿り着きました。

最後の方はイライラMAXで、写真撮影する余裕もなかったので、実際のグリス量の記録がないのが悔やまれますが。

モーガンブルーのカンパグリスの場合、適量はこんな感じでしょうか。

  • ベアリング周りには溢れるくらい、たっぷりグリスを詰め込む。シーリングゴムをはめた後に、溢れたグリスを拭き取る位の感覚で
  • ラチェット周りは最小限に。ラチェットの爪の根本に少量と、ラチェットリングに少量を伸ばして塗る感じに


特にラチェット周りのグリスに関しては、カンパの公式サイトにあるマニュアルを確認して、記載されている上記二箇所にのみ適量塗布するのが正解だな、と思いました。

事前にマニュアルは確認してはいたものの、どうしても沢山塗りたくなってしまうんですよね・・・。

その意味では、ベアリング周りにはたっっっっぷりグリスを詰め込めば 10,000km 走行までメンテ不要だとしても、ラチェット周りだけはグリス少量にする代わりに、もう少しこまめに清掃&再塗布をするようにしても良いかもですね。

その辺りはおいおい確認してみようかと思います。

コメント

  1. より:

    固着したら大変な箇所は、銅グリスで完全予防可能です。 固着は電位差から来る、ほとんど溶接に近いかじり付き現象の前触れなので要注意です!!。( ˶°⌓°˶)!!

タイトルとURLをコピーしました