現在愛用しているタイムのロードペダル、XPRESSO4 はクリートの固定に板バネを使っています。
この板バネのテンションは3段階で調整可能となっているのですが、購入から今まで、最も弱いテンションで使い続けてきました。
購入から一年が経過したこともあり、物は試しと調整してみて、自分の好みを改めて探ってみようと思ったのですが、まさかあんな悲劇が待っていようとは・・・。
タイム XPRESSO4ペダルの固定力を調整してみる
1. タイムの板バネのテンション調整は3段階
シマノのペダルなんかでも、ビンディングの固定力を調整できる機構が備わっていたりしますが、タイムのペダルに関しては、正確には「固定力の調整」とはまた微妙にニュアンスは異なるようです。
こちら直訳のマニュアル。
「膝を曲げたときのペダルの感覚を調整するメカニズム」となっていて、クリートを固定するテンションの調整とは微妙に異なります。
タイムのペダルはフローティング機構を備えており、クリートを装着した状態でも微妙に「ぐにぐに」と動かすことができるようになっています。
これが膝に優しいと言われる所以ですね。
この「ぐにぐに」動く感触につき、板バネのテンションを強くすることで「ぐにぐに動きづらくさせる」ことができるようになるわけです。
結果的に、クリートの脱着の強さも比例して変わりますので、「クリートの固定力を調整する」という表現もあながち間違いではないのですが、クリート脱着時だけでなく、装着した際のテンションについても変更されるという点で異なる特色となっており、むしろこのテンション調整に関しては後者の方に主眼が置かれているようです。
2. テンションの調整方法
テンションの調整方法は至ってシンプルです。
ペダルの軸部分にマイナスのネジ山が切ってありますので、マイナスドライバーで変更するだけ。
この赤丸で囲った箇所ですね。
板バネを抑えているのは三角柱の部品。
この三角柱ですが、三角形が「正三角形」ではなく、三辺それぞれ異なる長さとなっており、敢えていびつな形状となっています。
その結果、三辺それぞれで板バネを押し込む力が変わるようにできているわけですね。
実際の動きはこんな感じ。
シンプルな機構ですが、よく考えられていますね。
3. 私の好みは最弱だけど、最強で固定されしまうハメに
試しに3段階それぞれで変更してみて、ローラー台に乗って比較してみました。
- 最弱の1段階目だと、クリート装着後にシューズを左右に動かすとスムーズに「うにうに」動かすことが可能。とはいえ、ペダルを回している時はシューズがペダル上で左右にずれたりしません。私の場合、FTPの2倍くらいのトルクをかけてペダルを回しても、左右にずれるような感覚はなし。意図して動かしてみると軽い力でうにうに動くので、とても不思議な感覚
- 2段階目にすると、「うにうに」うごくというよりは「ごりっ、ごりっ」と動く感じになり、明らかに固くなります。クリートの脱着に関しても気持ち固くなりますが、タイムの売り文句である「クリートの脱着が軽い力でできる」点をスポイルするほどではありません。以前使っていたシマノのSPDペダルは、クリートの固定力を変更すると明らかにクリートの脱着が固くなり、最強にすると個人的には「これは外し辛くてかなわん」と感じるほどでしたが、タイムの場合はそこまで顕著な変化はなし
- 最強の3段階目は、1段階から2段階の変化に比べると穏やか。2段階目よりは少し固くなったかな?くらいですね
ということで、各段階試した結果、「これなら最弱のままでも良いかな?」というのが個人的な感想でした。
また元に戻すか、と右側のペダルを1段階目に戻し、左側のペダルを変更しようとした時に悲劇が起きました。
マイナスドライバを回しても、板バネを抑える軸がぴくりとも動きません。
お?と思い、ネジ山を確認してみると、まー、綺麗にネジ山を「なめて」いるじゃないですか・・・。
もうね、「なめる」という表現が可愛いくらいで、ネジ山が消失していました。
ドライバーの先端でつんつんしてみたところ、このネジ山はプラスチック部品となっているのですが、相当「柔らかく」なっていました。
右側は問題なかったことを考えると、左側は紫外線やら雨風やらで劣化が進んだ結果、もろくなってしまっていた、といったところでしょうか。
ネジ山をなめてしまった時って、「ぐりっ」と不自然な感触が手に伝わってきて「やっちまった!」ということがすぐ分かるものですが、あまりにも劣化が進んでいたからか、綺麗にネジ山がドライバーの先端でこそげ落とされてしまい、この「やっちまった感」すらありませんでしたね・・・。
タイムさん、もうちょい強度のある部品にしてもらいたかったです・・・。
こうして、テンションの確認を行って自分の好みが「最弱」だと分かったにも関わらず、今後は「最強」のまま使い続けることを余儀なくされてしまったのでした・泣
ほんと、勘弁です。
ということで、タイムペダルのテンション調整を行おうと思われる方は、劣化が進む前の早い段階で調整しておくことをお勧め致します。
コメント
ペダルの後端にロックの爪がありますが、それを開いた状態で維持するためのつっかえ棒があります。そのつっかえ棒を倒すとバネのテンションがほとんど無くなって回せると思います。
最後に爪を起こす時にカーボンバネを押すと割れる恐れがあるので、それこだけ気を付けて爪を起こせばOKです。
>かもさん
アドバイスありがとうございます!
ちょっと週末に試してみたいとおもいます。