■ Felt AR 2020年モデル(AR Advanced Ultegra Di2)の試乗会に参加してきた
試乗会。
それは溜まりに溜まった「新車買いたい!」という物欲を発散させるつもりで参加したのに、物欲が爆発しかねないリスクを抱えるイベントである。
そんな試乗会ですが、やっぱり近くで開催されると聞くとうずうずしてくるもので、今回はFeltの試乗会に参加してきました。
来年か、さ来年を目途にディスクロードの購入を検討していますので、いろいろなブランドを乗り比べているのですが、Feltって見かける機会もなければ試乗するチャンスもなかったので案内を見つけた瞬間に飛びつきました。
目次
1. Felt NEW AR デビュー(2020年モデル)
2. Felt AR Advanced Ultegra Di2 試乗インプレ
(1) 外観
(2) 加速性
(3) 巡行維持性能
(4) 振動吸収性(乗り心地)
3. 試乗インプレサマリ
1. Felt NEW AR デビュー(2020年モデル)
2. Felt AR Advanced Ultegra Di2 試乗インプレ
(1) 外観
(2) 加速性
(3) 巡行維持性能
(4) 振動吸収性(乗り心地)
3. 試乗インプレサマリ
1. Felt NEW AR デビュー(2020年モデル)
試乗会のアナウンスが出た段階では、試乗車は確定していませんでした。
試乗車について2/4 9:00以降に、次のURLにて発表を行う新しいロードバイクです。
(2/4 9:00までは現行モデルが表示されています。Advancedグレードのワイヤー式、Di2を準備いたします)。
この書き方は新モデルが発表されますよー、という書き方ですよね。
で、楽しみにしていたら、ばばん、と発表されました。
早いのは「当然」だそうです。
めっちゃ強気ですね。。。
ここ最近は各社ともにエアロエアロしていますが、エアロロードバイクのパイオニアとして、満を辞して登場した、といったところでしょうか。
詳細なスペックやアピールポイントは公式サイトを見て頂ければと思いますが、ポイントだけ列挙してみます。
- エアロ性能につき、前モデル比 9.6%の空気抵抗削減に成功(48km/hで10Wセーブ)
- メインチューブの形状を見直し(トランケーテッド・エアロフォイル形状を採用)
- BBシェイプの見直し(空力性能を重視し、ボリュームを抑制)
- ケーブル内装を実現しつつも、全てのハンドルを使用可能にする独自のセミインテグレーテッド・コックピットを採用。ケーブルを切断せずにステムの脱着が可能
- 各種剛性を向上
- BBペダリング剛性: +14%
-ヘッドチューブ横剛性: +11%
-フォーク横剛性: +21%
-フォークねじれ剛性: +15% - 振動吸収性を高める為に、リーフスプリングシートポスト、ダンピング・シートポストの技術により前モデル対比で112%(2倍以上)の柔軟性向上を達成
- ディスクブレーキ化
- エアロでありつつ、30Cタイヤクリアランスを実現
前作(2代目)ARは2014年にデビューしていますので、6年越しと考えるとかなりの進化を遂げているみたいですね。
2. Felt AR Advanced Ultegra Di2 試乗インプレ
で、今回試乗車となったのはAdvancedグレードのDi2モデルとなります。

カラーはDi2モデルは「ホワイトテクストリーム」
個人的には好みのタイプですねー。
(1) 外観

やはりディープリムはその存在感がすごいですね。
レイノルズAR58。
その名の通りリムハイトは58mm。
以前キャニオンのロードバイクを調べたことがありましたが、Aeroad CF SL 8.0なんかも同じホイールを採用していますね。
チューブレスレディーとなります。
前後セットで1730g。
公式のスペック表を見ると、トップグレードのAR FRDに関してはZipp 454 がセットされており、タイヤもコンチネンタル グランプリ5000チューブレスとなっていますが、今回試乗したAdvancedグレードはクリンチャーモデルのコンチネンタル グランプリ5000がセットされているようです。
考えてみるとこのタイヤを履いて走るのは初めてになります。
クリンチャーモデルもチューブレスモデルも、兎に角評判が良く、ロードバイクのタイヤと言ったらコレ、というレビューもよく見かけます。

このシェイプされた「くびれ」がとても素敵です。
ケーブルが内蔵されていますので、このすっきり感がより強調されていて格好良いですよね。

試乗車ということで能書きが書かれたプラスチックカード が巻きつけられていましたが、走ると「ばたばたばたばたばたっ」と五月蝿くてたまりませんでした・汗
このコクピットはツライチになってとてもすっきりしています。
試乗会の人に見せてもらったのですが、通常のステムをつけた場合でも、あまり違和感なく馴染んでいましたので、このコクピットは機能性も見た目も優秀なようで。
どうしてもケーブル内装式になるとメンテナンス性が下がったり、パーツの選択肢が減ったりしがちですが、その辺りにもきちんと配慮するメーカーの姿勢は素晴らしいと思いました。

独特なシートポスト形状。

後ろから見ても、とてもすっきりしているのがよく分かります。
エアロ感満載ですね。
(2) 加速性
今回の試乗会ですが、川沿いで実施されましたので、直進に関しては思う存分堪能することができたのですが、坂が一切なく・・・。路面も綺麗に舗装されていましたので、試乗で確認できるポイントがかなり限定されてしまいます。
それなら、ストレートの加速性に関してはきちんと確認してやろう、ということで Garmin Vivoactive3 Musicのライド機能をフル活用してみました。
って、Vivoactive4も登場したのですでにAmazonだと中古しか在庫してないんですね・・・。
今回試乗したARと、我が愛車のピナレロGAN S。
両方で同じコース、体感的に同じようなトルクをかけて加速されていった時に、どの程度まで加速していけるのかを比較してみました。
試乗会が午前中ということもあり、タイミングを見計らえば歩行者がいない状態で走れましたので、思う存分加速させることができます。
反面、この日は風速2〜3m程度の風が吹いていましたので、敢えて逆風になる進行方向を選んで検証してみました。
繰り返しになりますが、パワーメーターを取り付けられるわけではありませんので、ペダルを回すトルクはあくまでも体感レベル。全くの同一条件ではありませんのでその辺りは差し引いてご確認下さいね。
まず最初に体感レベルでの感想がこちら。
- Felt ARの方がぐんぐん加速している感覚はある。
- ホイールはFelt ARが前後で1730g。GAN Sが履いているキシリウムエリートUSTは前後で1520gですので、その差200gはあるのですが、格段Felt ARの方が漕ぎ出しが重たいという感覚はない。
- トップスピードもGAN SよりもARの方が上に感じた。GAN Sは一定速度に達すると、風の壁にぶつかってしまい私の脚力ではそれ以上速度を上げることができなかった。
- 体感的には加速性はFelt ARが上に感じたが、向かい風ということもあり「楽に加速できたか」と言われると微妙。どちらもしっかり足は削られた印象。これはシチュエーションが良くなかったかもですね。
で、数値面ではどうだったかということで、条件を揃えて重ねたグラフがこちら。
気持ち太めの線がFelt ARになります。

横軸(走行距離)は揃えていますので、体感で感じていたことは数値面でも実証されたことになります。
ちなみにスタートラインが時速10kmラインになりまして、縦軸は1メモリが時速10kmになります。
- 時速30km程度までは、Felt ARもGAN Sも同じくらいの加速性。ホイールはFelt ARの方が思いはずですが、エアロ性能がその差を打ち消してイーブンまで持ち込んでいる、といったところでしょうか
- 時速30kmを超えると、GAN Sは一気に加速性が落ちていきます。一方、Felt ARに関しては時速42kmくらいまでは全く同じペースで加速していきます。
- 向かい風ということもあり、GAN Sは時速38km程度で「これ以上は無理」ということで終了。それこそ本当に人っ子一人いない環境で、後先考えずにスプリントするならまだ加速できたような気はしますが、週末ローディーにとってそんなシチュエーションはまずあり得ませんので、ライドに出かけたとして「これ以上加速することはない」というアッパーリミットがこの程度でした。風の影響がない時で路面が整った幹線道路でも、時速42〜45km程度までしかスピードを出さない(出せない)人間ですので、ほぼほぼ体感通り
- 一方Felt ARは向かい風にもかかわらず時速42kmまではぐんぐん加速。その辺りで空気の壁を感じ初めて加速が落ちていき、時速44km程度で「もうこれ以上は無理」になりました。
ペダルにかけたトルクがそれぞれのバイクで本当に一定なのか、という問題はありますが、試乗していた時の実感とも合致していましたので、具体的な数値(時速にして6km/h)の妥当性はともかく結果は信じて良いかなー、と思います。
- 一定速度までは加速性はミドルグレードのアルミホイールを履いたセミエアロなロードバイクと同等レベル
- あるレベル(今回で言うと時速30kmの壁)を超えると、Felt ARに軍配が上がり、トップスピードも当然 Felt ARが上
そんなもん、調査するまでもなく予想できた結果でしょ、と言われてしまえばその通りなのですが、メディアで試乗されている現役選手だったり、レースにも出場するようなばりばりローディーでもないただのおじさんが乗っても、ここまで差が出ますよ、という1つの実例になったのではないでしょうか。
(3) 巡行維持性能
これは今回の試乗ではそこまで確認できませんでしたが、トップスピードに乗ってからの速度維持は Felt AR が上でした。ま、この辺りはホイールの差が大きく影響していそうな気がしますが。
(4) 振動吸収性(乗り心地)
こちらも舗装された路面でしたのであまり確認できませんでしたが、普通に乗り心地は良かったです。今回は致命的なミスとして、タイヤの空気圧を係の方に確認しなかったんですよね・・・。
敢えて芝生面を走ってみたり(ごめんなさい・汗)、レンガ敷きの道を走ってみたり、ちょっとしたブロックの段差を乗り越えてみたりしましたが、チューブレスレディーを履いたピナレロ GAN Sと全く同レベルの振動吸収性でした。
要するに、ロングライドでも快適に走れるだろうな、という振動吸収性は持っていましたね。
ビアンキのOltre XR3のカウンターヴェイルみたいな感動こそありませんでしたが、全くもって不満もなく、良いバイクだと思いました。
3. 試乗インプレサマリ
最後に記念品のステッカーを頂いて帰宅。

以下全体的に感じたことになります。
めちゃめちゃ私見が入っていますので「ふーん」と読み流して頂ければと。
- 乗っていて感じたことは、「キャノンデールのスーパーシックスに似てるかも」でした。キャノンデールのエアロといったらシステムシックスじゃねーか、という話なのですが、「派手さはないけど、確実に早いよね」というところがタイプとして似ているな、と
- 乗っていて「おおー!!」と感動するほどの加速性を感じることはありませんでした。確実にセミエアロなGAN Sよりは上だな、というのは分かるのですが、システムシックスに乗った時に感じたような「かなり上のレベルだな」というほどの感激まではありませんでした。システムシックスに関して、今回のように数値化して比べたわけではありませんので、あくまでも体感上の感覚に過ぎませんが。
- 乗り心地も思っていたよりも良かったのですが、今回は荒れた路面もなかったので確認できず。システムシックスなどはある程度荒れたアスファルトを走行することができたので「おおっ!」という感動がありましたが、あまりに整い過ぎた試乗コースというのも、ある意味考えものですね
- 購入候補に入るか?と言われると悩ましいですね。システムシッスクのUltegra Di2の方がお安く買えますからね。ま、ぶっちゃけここまでのエアロなバイクは私には完全にオーバースペックですが
ロードバイクって、自分の気なったバイクを試乗するチャンスって意外とあるようでなかったりしますので、今後もこまめにチェックしていきたいと思います。

にほんブログ村
コメント