来年はロードバイクを購入しようと決めているのですが、未だにどの車種にするかで悩んでいます。
特にコロナを受けて各社供給が逼迫している状況にもあり、悩みは深まるばかり。

次のバイクで悩んでいる点の一つとして「今と同じくカーボンフレームにするか」「思い切ってクロモリフレームにするか」という点があります。

現在の愛車であるピナレロGAN S はレーシングモデルとなっているのですが、私の乗り方からするともっとエンデュランス寄りのバイクでも良いかな、と思っています。
そうなると、各社のエンデュランスモデルのカーボンバイクを選択するのが無難なわけですが、「それなら思い切ってクロモリもありなのでは?」と思うところもありまして。

現在乗っているミニベロ、DAHONスピードファルコがクロモリなのですが、この乗り味がとても気に入っているということもあります。


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今回は、ずっと気になっていた Muller のクロモリロードバイクに試乗する機会がありましたので、その試乗レビューとなります。
 





■ Mullerの各種クロモリロードに試乗してきた!(Muller MSP / MSPd / stiletto / MT853)



1. 久しぶりの試乗会!(但しめっちゃ強風)

個人的にも久しぶりの試乗会ですし、世間的にも試乗会開催は2年ぶりといったところが多いようですね。

超楽しみにしていた試乗イベントだったですが、天気こそ快晴でしたが、めっっっちゃ風が強かったです。
こちらのサイトで確認したところ、イベント当日の最大瞬間風速は10〜11m/s。
体感でいうと、「傘が折れそうでさせない」「風に向かって歩きつらい」といったレベル。
向かい風のコースを走ると、頑張ってペダル回しても時速22〜23kmしか出せず。
逆に追い風コースだと軽く回すだけであっという間に時速30kmオーバー。

これって、試乗には向かない天候なのでは・・・汗

ということで、そんな環境下にあったということも踏まえて話半分にお読み頂ければと思います。 



2. Mullerについて

Mullerは金属フレームにこだわり続ける日本のブランドなのですが、場所が三重県ということもあり関東在住の人間からするとなかなかお目にかかることのできないフレームだったりします。

私も走っていてMullerのバイクに出合ったことはありません。

ブランドコンセプトやこれまでの歴史については公式サイトを見て頂くのが一番かと思いますが、個人的に結構心に響くワードがある会社さんですね。

以下何点か抜粋です。


  • 風を切って爽快に走り抜けること。自転車の魅力はその一点に尽きると考えています。現在のシーンでは細かなスペックや、新しいテクノロジーに目がいってしまいがちですが、普遍的な自転車の魅力はこの先も変わることはないでしょう
  • たとえるなら職人が作り上げた機械式の腕時計なのかもしれません。どれだけ時が経っても調整を重ねながら使い続けられる。
  • カーボン自転車に乗り尽くして、最高級バイクを乗った後、僕はいったい何に乗ったらいいのか?僕の物欲は尽きない。そういう方がいらっしゃいました。そんな時、金属フレームで、更に上を行くバイクができるのではないかと。そうやって、研究に研究を重ねて、出来上がったバイクがMULLERでした。

個人的に、超ストライクなブランドコンセプトですねー。
2年ほど前から気になっていたのですが、コロナ渦の影響もあり全く目にする機会もなく。
そんなわけで、とても今回の試乗会を楽しみにしていました。 



(1) MSP
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最初に試乗させて頂いたのが、MSP。



美しさと機能美を両立したスパイラルクロモリチュービングを採用したMSP。パイプの外周を取り巻く6本のスパイラルリブを施すことによって、路面からの振動を分散させ、軽量でありながら剛性に優れる乗り味を実現しました。そのなかでもスチールチュービングのもつしなやかさは失われることはありません。あくまでも金属の可能性を追求するMULLERだからこそ生み出すことができたバイクです。金属フレームだからなし得た進化と、ロードバイクの流れを融合したMSPは、低速から高速域まで、踏み込んだ力を気持ちのよい加速へと返還してくれる、次世代のメタルマテリアルフレームといえるでしょう。ロングライディングもヒルクライムも楽しませてくれるモデルです。


スパイラルクロモリチュービング、というのが一番の特徴ですね。


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見ていてうっとりしてしまいます。
ヘアライン加工のクロモリとなっていまして、色はシルバー。
外で撮影すると周囲の色が映り込んでしまい、正確な色合いをお伝えすることができないのが残念ですが・・・。

どうやら4°CREST(クレストヨンド)のコーティングが施されているようで、フレーム肴にお酒が飲めるレベルでした。


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実際に試乗してみたインプレはこんな感じ。

  • 試乗車についていたホイールはシャマルミレ。タイヤはパナレーサーのレースA EVO3 の28c。リムブレーキモデルかつフレーム重量1.8kgというスペックで28cのタイヤ履かせますか!?と正直驚きだったですが、これがまーシャキシャキ気持ち良く走ってくれる
  • 停車時に持ち上げると「あ、やっぱり重い」とテンション下がるのですが、実際に走り出してみると重さなんて全く感じない軽快な走り
  • タイヤが28cということもあるかと思いますが、路面の細かな凹凸を綺麗にいなして吸収してくれるところはクロモリの良さが感じられた。25cチューブレスレディーを履いたカーボンフレームと比較しても、「MSPの方がほんの少し快適性は上かも?」と感じられるレベル
  • 私の現在の愛車は T700カーボンを採用したフレームとなっていますのでそこまで剛性が高くないのですが、私にとっては全く不満のない剛性感。むしろ私には過剛性かも?と思うこともある位なのですが、そんな私のような脚力では Muller MSP の剛性に不足を感じることは一切なし。ダンシングでぶんぶんハンドル振ってみても、全くヨレることなく、気持ちよく加速してくれる
  • 漕ぎ出しは「早い」「軽い」と感じる程ではありませんでしたが、特に不満を感じるほどの差はなし。この辺りはシャマルミレが良い仕事をしているかも?
  • 強烈な向かい風でも、淡々とペダルを回すときっちり進んでくれる。愛車のピナレロ GAN S よりも、強い向かい風での推進力は上かも? これがクロモリのしなりってやつ?
  • 試乗コースは、斜度3〜4°程度の坂しかなかった為、上り坂での「重さ」について確認することはできませんでした。ただ、その程度の坂でも勢いをつけずに登ると「重い・・・かな?」と実感できるレベルでしたので、峠道などでは今よりも1枚以上軽いスプロケットを用意した方が良いかも

乗ってて楽しく、踏み込むとするするっと加速してくれる気持ちの良いバイクでした。




(2) MSPd
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続いてMSPd。MSPのディスクブレーキモデルですね。
こちらも全く同じシルバーモデルなのですが、周囲の映り込みで色味が全く分かりませんね・・・。
ある意味カメレオンカラー。

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ディスクブレーキモデルということで、フォークが若干太くなっているそうです。
スルーアスクル化されていることもあり、リムブレーキモデルと比べると硬さを感じるかな?と思って試乗してみました。


  • 試乗車についていたホイールは DT Swiss PR1600 Dicut。タイヤはパナレーサーのレースC EVO3、28c。軽量なホイールというわけではありませんが、これまたシャキシャキと気持ちの良い走りをしてくれる
  • 気になっていた硬さについては、ほぼ気づかないレベル。よーく注意してみると、スタンディングでハンドルをぶんぶん振って加速する時に「少しフォークが固く感じるかな?」というレベル。何も言わずにブラインドでリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルを乗り比べたら間違える可能性があるくらいの僅かな差。試乗時にブランドマネージャーのザックさんに色々と聞いてみたのですが「ほとんど気づかないレベルだと思いますよ」とのコメントでしたが、その通りでした
  • 乗り心地や加速性、巡航維持に関してもリムブレーキモデルとの違いは分からないほど。但し、停車時に手で持つと気持ち重さを感じましたが、公式ではフレームの重量差はリムとディスクモデルでありません。そもそもホイールがリムモデルよりも重量級でしたし、コンポの違いもありますので重量差はフレーム以外からくるものと考えるのが正しそう

正直、クロモリフレームに乗るならリムブレーキモデルかなー、と思っていましたが、ここまで違いが感じられないのであれば、各社から出される最新のホイールやコンポを楽しむ為にディスクブレーキモデルを選ぶというのもありかもしれません。 



(3) stiletto
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お次がスティレット。
色気でいったらNo.1モデルですね。
何せフレームの色は赤が一番好きですから、外見だけでいったら大本命。
次はもう少しゆったり長距離走る乗り方に振っても良いかな?と思っている為、ライドスタイルからしてもアリなモデルです。




エレガントな1インチラグフレーム。モノステーを採用したことにより、しなりを加えた奥深い走りをする。 クラシックな雰囲気とエレガントさを融合。後ろからのシルエットはピンヒールのようにセクシーなので名前は「STILETTO」。

タイヤは28Cまではける幅を持たせ、走りは、Tange prestigeパイプを採用しているので見た目に反してきびきび走る。仕上げはラグメッキに希望の色を1色塗る、オンリーワンのバイク。

持つ喜びと、快適に走る喜びを、「STILETTO」と共に叶えて欲しい。


公式によると、MSPがサイズ52で1.8kgであるのに対して、stiletto はサイズ53で1.73kgと若干軽量に仕上がっています。



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細身なパイプだけあって、見た目もすっきり。


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塗装の艶も美しく、これまたお酒が飲める系のフレームですね。


  • ホイールは無銘。手組みのホイール? タイヤはパナレーサーのレースD EVO4の25c。本日初の25c。
  • 大きめの段差、細かな凹凸、いずれにおいても振動吸収性は本日No.1。漕ぎ出しは若干ゆったり目、ぐいぐいペダルを踏み込んでも、MSPと比べるとワンテンポ遅れて加速していく感じ。但し、その分足あたりがとにかく柔らかくて快適
  • ケイデンスセンサーをつけて走ったわけではないので正確な数値は分かりませんが、ペダルを回すテンポとフレームのしなりとが「合うポイント」と「合わないポイント」がある。合わないポイントで漕ぎ続けても特に問題はないが、ある一定の合うポイントでペダルを回すと、フレームのしなりが推進力を上乗せしてくれる感じ。ぐいぐい加速する印象はないけれど、ポイントが合うと比較的楽にスピードを維持できる
  • 強烈な向かい風でも、淡々と軽いギアで回し続ければするーっと進んでくれる

なんでしょうね。
これぞクロモリ、といった感じでしょうか。
重量級のローディーだったり、剛脚ローディーにはハマらないかもしれませんが、脚力のない軽量級ローディーであれば、淡々と長距離を楽に走れるフレームではないでしょうか。

個人的には、もう少しだけ反応性が高いと乗っててより楽しく走れそうな気がしますが、とにかく長距離を楽に走るのであればどんぴしゃなフレームな気がします。

この日のお目当てはこの3つだったのですが、ここで CEO兼設計士の手塚さんにお声かけ頂き、あれやこれやと会話していると、「MT853は乗った? 絶対乗った方が良いよ!」とのおすすめが。

そりゃもう乗るしかないですね、ということで最後にもう一台おかわりが入りました。 




(4) MT853
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ホワイトカラーが美しいMT853。


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Muller独特のこの字体は結構好みだったりします。

ちなみにこちらのMT853、まだ公式には載っていないようです。
手塚さん曰く「早く発表しないとねー、でも今でも注文は受け付けられるからねー」とのことでした。

以前ラインナップされていた車種だそうで、公式の History のページを見ると紹介文がありました。




レイノルズ社のスチールの中で最高級の853マンガンモリブデン鋼を採用し、焼き入れ効果の高い真鍮ロウ付けで組上げ、フィレットブレイズ加工で仕上げた、高度な職人技が光るレーサーモデル。
このモデルの特徴は低速から高速まで淀みなく続く息の長い加速と、超高速域での路面に張り付くかのような安定感、そして、しなやかな乗り心地。
非常に完成度が高く、ビギナーからプロレベルまで対応します。


実際に乗ってみたインプレはこんな感じ。


  • ホイールはレイノルズ。残念ながら渡しはレイノルズのホイールに明るくない為、どのモデルなのかは分からず・汗 カーボンのミディアムハイト。タイヤはパナレーサーのレースD EVO4の25c。
  • コンポーネントはカンパのヴェローチェ。エントリーグレードだったかと思いますが、持った時に明らかに他の3モデルよりも軽かったです。その理由はおそらくですが、この日の試乗車についていたフォークがカーボンフォークだった為かと思います。製品版ではスチールフォークになるそうですから、MSPなんかとそれほど変わらない重量になるかな? 過去のMT853 は公式では1.77kgだそうです
  • 手塚さんもザックさんも口を揃えて「振動吸収性が良くて快適」「MSPよりもさらにパリッとした走りができる」とのことでしたが、実際に乗ってみるとまさにその通りでした。ぐぐん、とペダルを踏み込んだ時の反応はMT853の方が一枚上手。大きな段差だとあまり違いを感じませんでしたが、細かな段差、路面の凹凸についてはMT853の方が綺麗に吸収していなしてくれた印象でした。ホイールの違いもあるとは思いますが、MSPが28cのタイヤだったのに対して、MT853は25cでしたので、この差はフレームセットの違いだと思います。但し、試乗車がカーボンフォークでしたから、スチールフォークになるとどんな味付けになるかは未知数
  • 振動吸収性の高さがある分快適なのはその通りなのですが、むしろ快適性以上に路面追従性の高さを感じました。その分、若干の凹凸ならスピードが落ちることなくきっちり推進力を維持してくれる印象

はい。
明らかに一番高評価だったのはMT853ですね。



3. Muller試乗会サマリ

ということで、気づけば1時間半ほど経っていました。
もう、最後の方は体も冷えまくってました・・・。

以下サマリとなります。

  • 私の身長は170cmなのですが、この日はたまたまいくつかのフレームサイズがあったのですが、トップチューブ長については520が最適でした。と思って Muller 公式を見てみたら、MSPだとサイズ48が517、サイズ50が523でした・・・。ザックさんにトップチューブ長をメジャーで測ってもらって「520だねー」と教えてもらったのですが、これ、どっちです・・・?
  • MSPとMPSdの違いがあまりなかったことに正直驚き。リムブレーキモデルかな、と思っていたのですが、ディスクブレーキモデルしかない SRAM RIVAL ETAP AXS の無線は魅力だよなー、なんて思っていたので俄然この組み合わせが魅力的に感じてしまいました
  • MSPとMT853 は比べてしまうとMT853が楽しくて軽快な走り、それでいて振動吸収性も高くて路面追従性も高いと言うことでMT853一択。他方、それは前後で乗り比べしたから分かるレベルでもあって、ずっとMSPに乗り続けたらそれはそれで不満なんてないんじゃない?というレベルの差かな、と冷静になった今は思います。何より、フレームの美しさはMSPがダントツでしたし
  • stiletto は魅力的なモデルでしたが、これ一台、とするには若干の物足りなさを感じたのも正直なところ。がしがし走るMT853とstilettoを乗り分けたら最高なんでしょうねー

正直、どのモデルを買っても楽しいロードバイクライフが送れることは間違いないな、と思ってしまいました。
実際に次のロードバイクを買えるのは年明け春になってからですので、もうしばらく試乗会で頂いたカタログを眺めながら悶々と悩んでみたいと思います。


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