先日発覚した、マビックキシリウムエリートUSTのラチェットスプリング破損問題。





交換用パーツであるラチェットキットもあちこちで欠品中。
オンラインで見つけた!と思ったら一瞬の差で掻っ攫われたようで、オーダーキャンセル。





コメント欄で「ばね単品で探してみては?」とのアドバイスをもとに、あちらこちらのオンラインサイトを漁り、FTS-L ラチェット用のスプリングを購入したお話となります。


そりゃもう、一筋縄で行きませんでした・・・。
 





■ マビックキシリウムエリートUST 用のラチェット(FTS-L)スプリングを購入



1. なぜかとんでもないサイズのスプリングが到着

ほんと、びっくりする位ばねの販売サイトが沢山あります。
世の中、こういった細かな工業部品で支えられているんだな、というのを改めて実感。

中にはオーダーメイドで注文できるサイトもありましたが、そうすると100本単位で作成、金額もそれなりになってしまいますので、あまり現実的でもなく。

もしかしたら、オーダーメイドでぴったり同じものを作ったら、メルカリで飛ぶように売れたり?とか思ってしまいましたが、ちょっとリスクありますね・汗


さておき。


晩御飯も終わり、少しほろ酔い気分で PC に向かい、サイズが近いやつはこれかなー、なんて軽いノリで注文実施。

数日後、届いたのがこちら。


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こちらのサイト、ばねを1本から注文できますし、送料も良心的。
折角だからと5本注文。
これで一生困ることもないかな?なんて思いながら開封。


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どうしてこうなった・・・泣



何から何まで違うやないかいっっ!






2. 改めてばねの構造をおさらい

おそらく何かの数値を勘違いして発注した模様。

失意の底に沈みながらも、二度と間違いを犯さないよう、改めてバネの構造を再確認します。


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SPRING NETさんの公式サイトより拝借


圧縮バネを確定する要素は「外径」「自由長」「全タワミ」「密着長」「最大荷重」があります。
より厳密には、バネの強さを表す「ばね定数」もあるわけですが、そもそも FTS-L ラチェットスプリングのばね定数がどの程度なのかが分かりませんので、こちらは諦めるしかありません。

あくまでも、外形が同じであれば使えるよね?という割り切りです。





3. FTS-L ラチェットスプリングの仕様

我が家にあるラチェットスプリングを計測すると、各仕様はこんな感じ。


外径 3.2mm
線径 0.3mm
自由長 5mm
密着長 1.5mm



できるだけこの仕様に近いばねを探してみます。 



4. 圧縮スプリング(12-0330)を購入

で、これがまー、なかなか似たようなサイズがありません・・・。
何とか近そうなものを見つけたのが SPRING NETさん


外径 3.0mm
線径 0.3mm
自由長 7.5mm
密着長 2.8mm



自由長が大分違います。
長さは適当にカットすれば良いのですが、そこで問題になるのが「ばねの巻き数」。
長さを揃えたら、巻き数が足らずに「すかすか」なバネになってしまっては困ります。

どうやって確認したら・・・、と思っていたら、こちらの SPRING NETさん、CADデータも公開してくれているじゃないですか。

いやいや、CADツールなんて持っとらんがな、と思いつつフリーで使えるソフトを探してインストール、四苦八苦しながら表示してみました。

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お?

長さをラチェットスプリングに合わせて2/3くらいにカットしたとしても、巻き数はそこそこ似たような感じになりそうです。


ということで、こいつ(12-0330)を発注してみました。

で、待つこと数日、到着した商品を見てビビります・・・。



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バネ頼んだだけなのに、なんでこんなに大きいのさ!


前回注文時の失敗が頭を過ります。
また間違ってとんでもなく大きなバネを注文していたり・・・?


どきどきしながら開封。



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おお。
カタログを同封してくれていたんですね。

ただ、そうはいっても、まだ箱がでかいのでびびってましたが、今回は大丈夫でした。


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左がラチェットスプリング、右が今回したバネ。

ちょっとだけ外径が細いようです。
今回もうまく合わなかったらどうしよ・・・。






5. 交換&装着してみた

そのままラチェットに押し込んでもバネははまってくれませんでした。
やはり外径がわずかに小さいようです。

バネをぐいぐいラチェット部品に押し付けながら、ピンセットを使って押し広げながら差し込んだところ、何とかはまってくれました。


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横から見たところ。


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ようやくここまで辿り着くことができました・・・。

ちなみに、このままの状態でハブに装着してみても、バネの密着長が大き過ぎてフリーボディーを装着することができませんでした。

ということで、自由長をラチェットスプリングと同じ長さにカットしてみます。


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お。
左が純正、右が今回購入したスプリング。
こうやって並べてみると、結構近いですね?


早速ハブに装着してみました。


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なかなか良さげです。
純正のみ装着した時と、今回注文したスプリングのみ装着した時でラチェット音を比較してみましたが、若干今回注文したスプリングの方がラチェット音は大きくなりました。
バネの強さは今回注文した方が強いようですね。

ただ、そこまで違和感を感じるほどではありませんでしたので、今後はこの組み合わせで使ってみようと思います。


結果として、今回注文したバネ(12-0330)でも、長さを2/3にカットすれば使えることが分かりましたが、若干外径が合わない部分もありますので、

  1. 線形が0.23mmと細い(イコールバネの内径が大きくなる)バネ(12-0320)にする
  2. 外径が3.5mmとワンサイズ上(但し線径も0.35mmと少し太くなる)バネ(12-03530)にする

という選択肢もありそうです。
どうせなら、複数購入して比較してみれば良かったですね・・・。

ちなみにお値段ですが、今回注文したサイトはいずれも1本あたり百数十円。
大量に注文すればお値段はお安くなりますが、さすがにスペア考えても2〜3本あれば十分ですよね。
送料がかかりますので、結局は千円前後にはなってしまうのですが、注文ミスの分と合わせても2000円行かないで済みましたので、純正のラチェットキットを購入するよりは安く済みました。


ともあれ、FTS-L ラチェットのスプリングが破損したり紛失してしまった方は、少しでも参考にして頂ければと思います。







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