先日購入したワイヤレスイヤホン、Cleer ARCについてのインプレをまとめてみたいと思います。
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■ Cleer ARCワイヤレスイヤホンはロードバイクでもおすすめできるイヤホン
1. ロードバイクにおけるイヤホン遍歴
この辺りについては、過去の記事でまとめていますので、そちらをご参照頂ければと思います。
基本的にNO MUSIC NO LIFEな人間なもので、ロードバイクでも音楽が楽しめないと嫌な人間です。
普段から音楽は大好きなもので、ヘッドホンでも聞いたりしますが、出勤含め色々な場所で聞くことができるよう、イヤホンで音楽を聞くことが多いです。
カスタムIEMにも手を出している位「良い音」を求める人間ではありますが、ロードバイクで聞く際に「音質が何よりも一番」なんて言うつもりはありません。
全てはTPOの中で最も良いものは何か?が大切ですからね。
2. ロードバイクにおけるイヤホンの条件
今回の Cleer ARC ワイヤレスイヤホンをレビューする前に、ロードバイクにおけるイヤホンに求められる条件を整理してみたいと思います。
これは過去の記事でも書いていますが、その後色々と思うところもあり、今回ちょっと加筆してみました。
- 装着感:
これは「装着感が良い」「軽量で長時間使っていても負担が少ない」といった意味だけでなく、「ヘルメットのベルトやメガネ、スポーツマスク等との干渉が少ない」といったロードバイクならではの要件も加わってきます
また、「負担が少ない」という点についても、「重量が軽いことによる耳への負担の少なさ」だけでなく、「骨伝導イヤホンであればその機構から来る肌ストレスの大小」だったり、最近のイヤホンは色々な装着方法がありますので、長時間装着し続けることによる「痛みの発生」の有無といった点も含まれています
また、スポーツマスクや buff との干渉の有無、冬場であればバラクラバをかぶった状態での使用可否といった点も地味ではありますが気になるポイントになります - バッテリー保ち:
バッテリーが何時間保てば良いかはその人のライド距離、時間によって異なるとは思いますが、例えば AirPods Pro のように「4時間半」と言われてしまうと「ちょっと足りないかな・・・」と思うローディーが大多数ではないでしょうか。私の場合は、ライド時間は長くても5〜6時間程度になりますので、一つの目安は「5時間以上問題なく保つか」といった点になるかと思います - 防水性:
ライドでは汗もかきますし、不意の雨に降られるケースもありますので、一定の防水レベルは欲しいところ。ではどの程度か、という話ですが、よく生活防水と呼ばれる「IPX4(あらゆる方向からの水の飛沫を受けても有害な影響を受けない)」だと、直接水をかけたらダメだよ、というレベルになりますので、雨に降られるケースを考えると、「IPX5(あらゆる方向からの水の直接噴流を受けても有害な影響を受けない)」であれば直接水がかかっても(ある程度緩い水流までではありますが)大丈夫と言う事になりますので、最低でもIPX4、できればIPX5以上は欲しいところです - 音量・音質:
ロードバイクに乗っていると常に風切り音にさらされることになりますし、幹線道路を走っていれば自動車の走行音に囲まれてばかりですので、ある程度ボリュームを取れるものでないと「何も聞こえない」ことになってしまいます。また、そんな環境で「音質が良くないと」なんて言っても意味なくない?という話ではありますが、ある程度静かな環境で走ることもありますので、音質は少しでも好みにあったものであって欲しいところです - 操作性:
ライド中、特に冬場はフルフィンガーのグローブを装着しますので、ボタン類の位置が特定し易いか、押し易いかは重要だったりします。
基本、プレイリストを作っていますが、それでもその日の気分によって「この曲は違う!」となることも多いので、曲送りがし易いかどうかは結構重要。あとはボリューム操作、一時停止くらいですが、グローブをしたままで操作できるかは重要になります
3. Cleer ARCワイヤレスイヤホン に期待すること
現在ロードバイクで最も使用頻度が高いのは Shokz OpenRun Pro になるのですが、普段のライドで使用する分には、装着感以外はほぼ満点だと感じています。
音質は、通常のイヤホンと比較すると物足りませんが、ライド中に風切り音があり、周囲を車が走るような環境で使うことを考えると必要十分だろうな、と感じています。
以前の記事でも書きましたが、骨伝導イヤホンであるが故に、地味に感じるストレスがあります。
- 昼食休憩時、ヘルメットを脱ごうとするとヘルメットのベルトと OpenRun Pro のワイヤーループがひっかかってイラっとすることがある
- 真冬のライドでバラクラバを被ってしまうと、OpenRun Proが滑ってズレやすくなってしまう
- 長時間のライドでは、骨伝導イヤホン特有の振動で、肌が若干ピリつく(過去のモデルと比較するとかなり軽減されましたが、ゼロではない)
装着感に関して抱いている不満点はこんなところでしょうか。
1点目は、ほんと重箱の隅を突くような不満点なので、実はあまり気にしていませんでした。
過去形になっているのは、その後購入した ambie TW-01 の装着感がめちゃめちゃ良かったことから、比べてしまうと「ちょっとストレスかも」と感じることが増えてきた為です。
より良いものを体験してしまうと、それまで気になっていなかったことが気になるようになってしまうんですよね。
2点目に関しては、バラクラバを使わずに、キャップとネックチューブの2枚使いをすることで問題は解消したのですが、骨伝導イヤホンの後頭部に来るワイヤー部分が邪魔であることに変わりはないのと、厳冬期意外の初冬くらいの季節だとやはりバラクラバの方が使い勝手が良いこともあり、冬場は ambie TW-01 を使っています。
3点目の骨伝導イヤホンに起因する「肌ストレス」ですが、AEROPEX や OpenRun Pro になってかなり改善はされました。
ライド中の実使用ではそこまでストレスに感じることはないのですが、これまた ambie TW-01 を使ってしまうと、「そもそも肌ストレスがゼロって素晴らしい」と感じてしまうことに。
こればかりは骨伝導イヤホンを使う限りは避けて通れないものなので仕方ないのですが、Cleer ARC はオープン型のイヤホンということもあり、この辺りは ambie 同様「ストレスゼロ」になるはずです。
4.実使用レビュー
既に数回のライドで使用してますし、ジョギングや日常の中でも使い込んでいますので、色々と感じたところをまとめてみたいと思います。
(1) 装着感
まずは装着感。
ambie TW-01 に関しては、この点は100点満点でしたので、どこまで迫ることができるのか。
- 装着感はとても軽い為、外れたりしないか?と少し不安に感じる位。実際には上手く耳に引っかかっている感じで、頭を上下左右に振っても外れる気配はなし。ライドで使ってみたが、5時間程度であれば耳に痛みが生じることもなかった
- ジョギングで1時間ほど使ってみたが、外れそうになることもなく、軽い装着感の割にはしっかりフィットしてくれている印象
- 眼鏡のツルと干渉する感じもあまりなかった
- バラクラバでの使用も全く問題なし。外からだとイヤホンをつけているかどうかも分からないですね
- マスクの類を使うと、つけ外しの際にイヤホンのフックと干渉する為、マスクの取り外し時には注意が必要
- ヘルメットのベルトとの干渉はなし
耳周りが最もすっきりするのは間違いなく ambie TW-01 ですが、軽い装着感や他との干渉レベルで言うと、 ambie TW-01 と OpenRun Pro との間くらいの評価ですかね。
(2) バッテリー保ち
お次がバッテリー保ち。Cleer ARC のバッテリー寿命は一回の充電で最大7時間。ケースと併用することで最大18時間まで使用可能ですが、ケースがそこそこ大きいので、ライド時にケース毎持っていこうとは思いません。
7時間以内のライドでケースは持って行かずにイヤホン単独で使うのが現実的ですね。
先日、満充電してから約4時間のライドに出かけた際の before / after がこちら。
アプリで充電状況が確認できますが、こちらがライド前。満充電ですね。
で、こちらがライド4時間(=音楽再生時間は停止時間など考えると5時間近く)、途中の昼食休憩では電源オフにしませんでしたので、途中音楽再生はないものの待機時間がおそらく30〜40分ほどあった際の残容量。
左右で結構違いが出ていますね。
右が早く減っていますが、残容量からすると公称通り6時間は問題なく使えそうです。
また、急速充電にも対応していて、10分の充電で1時間使えるというのも、日常使いではとても便利ですね。
(3) 防水性
ambie や OpenRun Pro の防水等級は IPX5ですが、Cleer ARC は一段下がってIPX4。
あらゆる方向からの水の飛沫を受けても有害な影響を受けないレベルではありますが、直接水をかけるのはNGというレベル。
雨の中を走ったらアウトだと思いますが、汗がかかるくらいであれば問題ないレベルですね。
ただ、冬場でバラクラバの中で使用すると、そこそこ汗がたまるんですよね。
こちらが2時間ほどバラクラバの下に装着して走った後の状態。
直接肌に当たらないイヤホンの外側にも汗の飛沫がついています。
直接汗が当たる内側はこんな感じ。
スピーカーユニットは直接肌に当たりませんので飛沫はありませんが、耳の後ろ側に回しこむツルの部分はしっとり汗で濡れていますね。
ちなみに、ジョギングでイヤホンが外気に触れている状態で走ると、ここまで濡れることはありませんでした。
夏場、もっと激しく汗をかく季節での使用はあまりおすすめできないかもしれませんね。
(4) 音量・音質
今回の Cleer ARC に最も期待していたのが音質。
まずは音量レベルから。
結論からいうと、音量レベルは ambie TW-01 と近かったです。
ライド時に音楽を楽しむレベルとして、AEROPEXだとこれくらいの音量設定で使っています。
同じくらいの音量を取ろうとすると、ambie や Cleer ARC ではこれよりも2レベル上にする必要がありました。
ambie と Cleer ARC はオープン型ということもあり、音量レベルは似たような傾向がありますね。
ただ、音質にも関わる点ではありますが、同じボリュームにした時、音の「厚み」に関してはCleer ARC が圧倒的だったりします。
その為、人によっては Cleer ARC の方が ambie よりも小さな音量で十分という人もいるかもしれません。
続いて音質。
これはもう、誰に聞かせても「圧倒的に Cleer ARC が上」と判断すると思います。
そりゃもうドライバーユニットの大きさからして圧倒的に違いますから、ambie TW-01 と Cleer ARC を比較することにあまり意味はないな、と思っていますが。
ambie TW-01 は、「イヤホンを耳から離して音楽を聴いている」という表現が近いと思いますが、Cleer ARC は「小さめのスピーカーを耳の近くで聴いている」という表現が近いと思います。
高音が〜とか、低音が〜とか、いちいち細かなことを言うまでもなく圧倒的に Cleer ARC が上でした。
- OpenRun Pro になって音の解像感がかなり上がったと感心していたものの、Cleer ARC にすると「この曲、ここにベースライン入ってたんだ」とか「ここでシンセの低音が鳴ってたんだ」とか、それまで聞き取ることのできかなった音が色々あったことに気づく
- 低音に関しては、バスドラム、ベース、打ち込み系の重低音と、OpenRun Pro では諦めていた音が綺麗に鳴らされていて、ノリノリで音楽が楽しめる
- 他方、ライド時、幹線道路を走っている時などは低音域は環境音でマスクされて聞こえなくなるが、これは OpenRun Pro でも Cleer ARC でも同じ。いくら低音域を表現できるようになったからといって、環境音が大きいところではどちらも似たようなもの。但し、車通りが途切れた時や、車通りのない場所などでは Cleer ARC は低音域から高音域まで、楽しく音楽が聞ける
- 昔使っていたエレコムのイヤースピーカーだと、4時間程度のライドでも終盤になると「聴き疲れ」が出ていたが、Cleer ARC は比較的疲れにくい模様
今まで、ambie でも OpenRun Pro でも、ライド時に環境音や風切り音がある中で音楽を聞くことを考えた場合、十分に音楽を楽しめるレベルにあると感じていましたが、Cleer ARC は明らかに二つほど上のレベルの音質でした。
但し、環境音の多い場所では、ぐぐっと差は縮まりますので、幹線道路のように煩い環境でも良い音で音楽を聴きたいと考えているのであれば、Cleer ARC にしても解決にはならないと思います。
はっきり言って、その場合は条例違反を犯してカナル型のノイズキャンセルイヤホンを使わない限りは問題は解決されないと思います。
その意味では、ロードバイクで「合法的に」音楽を聴きたいと考えた場合、現時点での最高音質を実現しているのがこの Cleer ARC なんだと思います。
音質とは別の話にはなりますが、オープン型ですので、上記音量レベルで走る限りにおいては、後ろから近づく自動車の走行音だったり、横を流れる川の音、鳥の鳴き声といった環境音はしっかり聞き取ることができますので、ライド時に「環境音が聞き取りづらい」ということでヒヤッとすることはありません。
ライド時の音楽に関しては、ある程度の割り切りが必要なわけですが、その中にあっては最高のイヤホンの一つであることは間違いないですね。
(5) 操作性
最後に操作性ですが、こちらは物理ボタンのある OpenRun Pro の方が使い易いです。
Cleer ARC はタッチ操作になりますので、少し慣れが必要ですし、そもそもタッチ操作って個人的にあまり好きではなかったりします。
ただ、タッチ操作の中では比較的使い易い方ではありました。
- タッチの感度はとても高い。意図せずに指が軽く触れただけでも反応してしまう
- 他方、感度が非常に高い為、冬用グローブでも使い易い。スマホ対応の冬用グローブをして、バラクラバの下に装着した Cleer ARC をタッチ操作で一時停止(シングルタップ)、曲送り(ダブルタップ)、ボリューム変更(シングルタップ後に長押し)が問題なくできるレベル。ボリューム変更は失敗率が3割くらいありますが、曲送りくらいであれば、9割以上の確率で操作できました
これはロードバイクではないのですが、ジョギングをする際にはスマホ対応「していない」グローブを使って走っています。
アシックスの陸上競技用のグローブですね。
こちらのグローブは、生地が「荒め」ということと、Cleer ARC の感度が高いからだと思いますが、ジョギング中にグローブをつけたままでもタップ操作ができました。
成功率も9割くらいの確率。
それはそれですごいですよね・・・。
感度が高すぎることもあり、イヤホンの位置調整をしている際に意図せずに肌が触れてしまい音楽が停止されるということもありますので、好き嫌いは別れそうですが、ローディー的にはむしろ使い勝手は良いかもしれません。
操作性に関しては、OpenRun Pro よりは劣るものの ambie TW-01 よりは上ですね。
5. サマリ
で、結論はどうよ?という話ですが。
【PROS(良い点)】・装着感はかなり良い。ライドを全く邪魔しないのに不意に落ちる危険もほぼない
・バッテリーは週末ライドレベルでは必要にして十分 ・ライドで使うイヤホンとしては、おそらく現時点では最高音質。音質に関する不満はまったく無し。室内で使う分では他のイヤホンと十分戦える位ハイレベル |
【CONS(イマイチな点)】・タッチ操作には慣れが必要 ・防水性がIPX4 ということもあり、夏場の利用は少し躊躇われる |
ロードバイクでの使用だけを考えた場合、何がおすすめか?と問われると、OpenRun Pro が最も無難な気はしていますが、屋内でも普段使いしたいという人には、Cleer ARC をおすすめしたいですね。
ちなみに、室内でのながら聴きがメイン、とにかくストレスフリーが良いという人には、ambie TW-01 が一番ですが、ambie については故障リスクがまだまだ高そうなのがネックですね。
もともと音楽好きで、骨伝導イヤホンの独特の聞こえ方に不満を感じているという人であれば、とても自然な聴き心地を実現している Cleer ARC はおすすめです。
今のところ、全ての点で優っているイヤホンは存在しないということもあり、今後も OpenRun Pro と Cleer ARC を使い分けていくと思いますが、耐久性に対する不安から、ambie TW-01 は室内利用メインへとシフトしていきそうな気がしています。
個人的には、ambie TW-01 の付け心地で Cleer ARC の音質を実現し、防塵防滴性や耐久性、バッテリー保ちは OpenRun Pro 並みとなったら完璧なんですけどね・・・。
そりゃ無理か。
コメント
普段使いやジョギングでも兼用するとなるとスマートメットは失格ですね!
使う場面でベストな物を使い分けていると言えば奥様にも面目が保てます。
昔(年寄りなのでどうしても昔話が多くなるのはご容赦下さい)散歩の際
ソニー信者なのでソニーのイヤフォン型ウオークマンを使っていましたが
もう一度最新のものを買ってトレッキング用にしようかと・・・どうする?
詳しい説明大変参考になりました。
本日ソニーからちょうど新しいオープンイヤー型が発表されましたね。私もこの辺りをいくつか使っているのですが、次から次へとよさそうなものが出てきてうれしいけどお財布が。。
>老爺さん
私もウォークマン、CDウォークマンと、ソニーにはお世話になりました。。
プールでも使えるメモリー付きのイヤホンとか、唯一無二でしたね。
是非新しいものにチャレンジで!
>中年チャリダーさん
出ましたね!
ジャンル的にはCleer ARCと真っ向勝負な感じです。
かなーり気になります。。。(流石に買えませんが)