タイヤ空気圧のリアルタイム監視システムは必要なのか?(ZIPP AXSホイールセンサー)

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必要だと感じる人だけ使えば良いじゃん、という身も蓋も無いツッコミは無視させて頂くとして。

ZIPP AXSホイールセンサー

搭載されている対象ホイール

ZIPP AXSホイールセンサーが搭載されているのは、つい先日発表されたZippのホイール二種。フラッグシップとなる「353 NSW Tubeless Disc」と、オールラウンド性能に磨きをかけた「303 SW Tubeless Disc」に搭載されています。

いまだにリムブレーキなローディーにとっては、そもそも気にしても仕方のない製品だったりするのですが・・・。

ZIPP AXS ホイールセンサーとは?

以下が公式における説明文となります。

リム内部にタイヤ空気圧センサーが内蔵されました。
空気圧を常に監視し、Hammerhead karooをはじめ、Garmin Edgeシリーズ、Wahoo Elementシリーズのサイクルコンピュータで常に空気圧を表示させることが可能になります。

センサーから3秒ごとに送信される信号をもとに、タイヤ空気圧をサイコンやスマホアプリで確認することができるようになります。

タイヤ空気圧のリアルタイム計測は自動車業界では一般的

個人的には、「そこまで必要なの?」と思ってしまったのですが、実は自動車業界においては、タイヤ空気圧のリアルタイム計測は一般的なものとなっています。

日本以外の主要国で広がりつつあるタイヤ空気圧監視システム(TPMS)

既に世界共通的な規格として、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)と呼ばれるタイヤ空気圧監視システムが標準化されています。タイヤの空気圧をリアルタイムで監視し、低空気圧や異常な温度などを検知してドライバーに警告してくれるシステムでして、現在、アメリカ・ヨーロッパ・中国など世界各国でTPMSの装着が義務化されています。

いやー、知りませんでした。

空気圧監視システムのメリットとは?

ざざっ、と調べたところ、空気圧を監視し、常に適正な空気圧を保つことのメリットとしては以下のような点が挙げられています。

  1. 安全確保:
    低圧タイヤは、パンクリスクを増加させ、制御性を低下させ、事故につながる可能性があります。リアルタイム監視によって、空気圧低下を早期に察知し、適切な対策を講じることができます。
  2. パフォーマンス向上:
    適切な空気圧は、走行抵抗を減らし、スピードを出しやすく、乗り心地を良くします。
    状況(路面、体重、走行距離など)に合わせて空気圧を調整することで、最適なパフォーマンスを引き出すことができます。
  3. タイヤ寿命の延長:
    低圧や過大圧は、タイヤの摩耗を促進し、寿命を縮める可能性があります。
    リアルタイム監視によって、タイヤを最適な状態に保ち、摩耗を防ぎ、タイヤの寿命を延ばすことができます。
  4. トラブル回避:
    スローパンクなど、タイヤのトラブルを早期に察知し、走行中のトラブルを回避できます。
  5. 走行距離と燃費:
    適切な空気圧は、走行抵抗を減らし、走行距離と燃費(パフォーマンス)を向上させます。

確かに、こうやって並べられると至極ごもっとも、ですよね。

ただ、それって本当に「リアルタイム」である必要性ってあるのでしょうか?

結局のところ、ポイントはそこに尽きると思います。

ZIPP AXS ホイールセンサーの特徴

改めて、ZIPP AXS ホイールセンサーの特徴を再確認してみたいと思います。

  1. リム内蔵型センサー:
    従来のバルブに取り付けるタイプとは異なり、センサーがリム自体に内蔵
  2. AXSエコシステムとの統合:
    SRAMのAXSエコシステムとシームレスに連携
  3. 幅広い互換性:
    Bluetoothトランスミッターを搭載しているため、Garmin、Wahoo、Hammerheadなどの主要なサイクルコンピューターにデータを送信可能。特にHammerhead Karooでは、専用の画面でグラフィック表示と合わせて独立したタイヤ空気圧データを確認することができる
  4. LEDライト表示:
    センサーユニットにはLEDライトが内蔵されており、空気圧の状態を瞬時に確認することができる。緑色の場合は設定された適切な空気圧、赤色の場合は空気圧が低すぎることを示します。これにより、ゲージ付きのポンプが不要に
  5. 長寿命バッテリー:
    AXSシフターと同じCR2032コイン型電池を使用しており、メンテナンス性に長けている。ファームウェアのアップグレードにより、400日以上の使用が可能
  6. 専用バルブ:
    センサーが空気圧を読み取るための小さな穴が開けられた専用バルブが使用されています

なるほど。

確かにこうやって並べてみると、「リアルタイム」を前面に押すというよりは、空気圧がデータ化され、適宜計測された状態にある、ということの利点を押し出しているようにも感じますね。

機能性について

上記特徴をもとに、機能性としては以下が遡求されています。

  1. リアルタイム空気圧監視と記録:走行中のタイヤ空気圧を常時監視し、記録することが可能に。これにより、スローパンクなどの異常発生や、段差に強くヒットした際の空気圧低下を即座に検知できます
  2. 空気圧の最適化と分析: ライダーが様々な空気圧を試して調整するのに役立ちます。走行後のデータ分析を通じて、速度と空気圧の比較が可能になり、特に石畳のコースやグラベル(未舗装路)ルートで最適な空気圧を見つけるのに貢献します
  3. ライド前の空気圧確認:AXS製品おなじみの「シェイク・トゥ・ウェイク」機能を備えている為、ホイールを動かせばセンサーが起動し、即座に緑か赤でその時点でのタイヤ空気圧を判定してくれます

チューブレスタイヤの場合であれば、パンクで空気圧が一気に低下するというよりは、徐々に低下するスローパンクに早く気づけるというのは確かにメリットかもしれません。

また、ライド内の空気圧が全てデータ化されますので、空気圧とパフォーマンスの数値を比較することで、ライダー毎の最適なパフォーマンス追求にも役立つのでしょうね。

パワーメーターの数値すらライド後に確認することもないようなずぼらローディーにはあまり役に立たない気もしますが、シリアスローディーには面白い機能かもしれません。

個人的にもっとも刺さったのが、シェイク・トゥ・ウェイクへの対応でしょうか。

SRAM AXS eTap を愛用しているローディーにおなじみの機能ですが、ちょっとゆらすだけで各コンポが起動するこの機能は、結構便利なんですよね。

自宅のサイクルラックから「よいしょ」と下ろす際の振動で全て起動してくれますので、その際にホイールセンサーのランプを確認すれば、「あ、空気充填しないと」とすぐに気づくことができるわけです。

ライド前のワンアクションを減らすことができるかもしれない機能としては、とても便利かも。

ただ、私のような週末ローディーであれば、空気圧が一定減っていることはほぼ確実なので、毎回赤いランプが点灯する気がしますので、実際にはそこまで役に立たないかもですが・・・。

電動ワイヤレスの延長線上にもある拡張機能として、今後もこういった機能が増えていくのでしょうか。楽しみではありますが、どんどんシマノが置いてけぼりになっている気がします。

コメント

  1. たかにぃ より:

    今流行りのオールロードだと、グラベルに入るところで空気圧を下げ、舗装路に復帰したときに上げるので、0.1気圧単位で簡単に空気が調整できる携帯電動ポンプとセットで運用とか、ありでしょうね。
    そこまで行かなくても、古い舗装路で路面削れが多いところでは、空気圧を下げたほうが乗り心地良く速度も速くなるので、簡単に確認できるのならば路面に合わせて気軽に上げ下げとかあるかもしれません。

    • oto-san より:

      >たかにぃさん
      確かに、グラベルの場合には便利かもですね。路面に応じて自由自在に。
      そう考えると、コンポーネント/パーツの電動化は、可能性が広がりますねー。

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