コスミックプロカーボンのブレーキシュー を早速交換(イエローキングからブラックプリンスへ)
先日購入したマビックのコスミックプロカーボンUST。
もともと付属していたブレーキシューが、まさかの「黄・黒混合」だったわけですが、何事も経験と、まずはそのままで使用してみました。
で、コロナの影響もあり全然走れていませんでしたが、奥様とのご近所ポタリング、ショートライドと少しだけ走ったところ、「やっぱり変えようか」となりました。
1. マビック(スイスストップ)のカーボン用ブレーキパッド
前回の記事でも書きましたが、マビックさん、どうやらカーボンホイール用のブレーキパッドを最近になって変えた模様。
マビックのコーポレートカラー(?)と言えば黄色ですよね。
デフォルトで付属するブレーキパッドが黄色なのも必然だったのでしょうが、現在は黒に切り替わっている模様。
で、あくまでもマビック謹製ではありつつも、「スイスストップ フラッシュプロ」と書かれている通り、スイスストップのパッドそのものです。
マビック独自の「何か」ってあるんですかね? (色は黒だけど実は中身はイエローキング、とか)
(1) カーボンホイール向けブレーキパッドの種類
もともと、スイスストップのカーボンホイール用のブレーキパッドは大きく分けて「イエローキング」と「ブラックプリンス」の2種類。
- シマノ/スラム用が「フラッシュプロ」でカンパ用が「レース プロ」
- 台座(?)が付いているものはフルタイプと呼ばれ、「フルフラッシュプロ」としてラインナップ
- ブラックプリンスにつは、ワイドホイール用にパッドの厚みが少し薄いフラッシュエボがラインナップ
と、細かなラインナップはありますが、基本は「イエローキング」か「ブラックプリンス」の違いですね。
(2) まずは実走レビュー
まずは余計な情報を頭に入れることなく、走ってみることにしました。
フロントがイエロー、リアがブラックと一回のライドで両方の「味」を比較しながら試せましたので、そこそこ違いを感じ取ることができたのではないかと思います。
(普通、そんなことする人なんていませんよね・・・)
- イエローキングは、少しパッドが「柔らかく」感じる。ブレーキを握り込んでいくとじわじわっとリニアにブレーキがかかっていき、強く握るとかなりの制動力に。最終的な制動力はアルミリム用のブレーキパッドと大きな違いは感じなかった。
- ブラックプリンスは、少しパッドが「硬く」感じる。アルミリム用のブレーキパッドよりも少し硬い感じ。ブレーキを握り込んでいくと、ある一点を超えると「ぐぐっ」とブレーキがかかる感じ。
- 最終的に強く握り込んだ時の制動力は、イエローキングの方が上に感じた。より柔らかいものでじわじわっと締め込んでがっちり固定してくれる感じ。ブラックプリンスの方は硬さの分だけ強く握り込んでもリム面をがっちり挟み込むというよりは少し上滑りするイメージ。
(→あくまでもイメージです。ブラックプリンスもがっつり止まりますから) - 慌ててブレーキをかけた時には、ブラックプリンスの方が短時間でぎゅっ、とブレーキが効いてくれる。イエローキングはじわじわじわっ、と少しずつブレーキが効いてくるイメージ。
(→これもかなり極端な表現にしています。比較すると、ということですね)
弱い握力でもじわじわっと効果的にブレーキがかかってくれる分、イエローキングの方が好印象。
そして、ドキドキの答え合わせ。
試走から帰ってきて、このブログ記事を書く前に公式サイトを色々と調べてみましたが、何となく自分の印象と一致している感じでした。
(3) イエローキングとブラックプリンスの特徴
まずは公式サイトに記載されているそれぞれの特徴を並べてみたいと思います。
イエローキング
High performance compound for carbon wheels. Excellent stopping power wet and dry with superior modulation and low pad wear rates.
イエローキングの特徴としては「ウェットコンディションにおいても高い制動力」を「優れたブレーキ調整」で実現しつつ「パッドの減りも少ない」点だそうです。
公式にある得点表がこちら。
上から順に「ブレーキの制動力」「耐久性」「ブレーキ調整(コントロールのし易さですかね)」だそうです。
これだけ見ても分かりづらいので、ブラックプリンスと比較してみましょう。
ブラックプリンス
Excellent modulation, cooler temperatures and great wet weather brake performance. The Black Prince brings the feel of braking on alloy wheels to carbon wheels.
ブラックプリンスの特徴は、「高いブレーキ調整」を実現しつつも、より「発熱量を抑え」つつ「ウェットコンディションでもばっちり」な点だそうで、アルミリムのホイールと同様のブレーキング感覚を実現してくれているそうです。
で、気になる得点表がこちら。
イメージ的には、ブラックプリンスの方が制動力も高く、耐久性も高いという印象があったのですが、むしろ逆なんですね。
良し悪しというよりは、それぞれに特徴があるわけですが、なぜマビックはここにきて標準付属のブレーキシュー をイエローキングからブラックプリンスに変えたのでしょうか。
新しい黒パッドが、実は中身はイエローキングだよ、とか言われてしまうと赤っ恥なのですが、ブラックプリンスと信じることにします。
(4) ウェットコンディションにおける制動力
ここから先は色々なブログでも書かれているような内容ですが・・・。
ま、個人的な勉強も兼ねて。
イエローキングとブラックプリンスが、停止までに必要な距離を比較しています。
こちら、ウェットコンディションにおける、時速60kmから停止までに必要な距離だそうです。
そもそもウェットコンディションで走ることが少ないのですが、そんな状況で時速60kmまで加速することがありませんが・・・。
制動力はイエローキングの方が上だよーと言いつつ、停止までに必要な距離はブラックプリンスの方が短いという、面白い結果になります。
(5) 加熱性
続いて加熱性ですが、ブレーキパッドの摩耗というよりは、リムへの攻撃性ですかね。
高速で走っている時にブレーキングをかけた場合、ブラックプリンスの方が温度上昇は低いそうで。
カーボンホイールへの攻撃性という意味ではブラックプリンスの方が良いんですね。
(6) ブレーキ調整
お次にブレーキ調整。
こちらは面白い結果になりまして、それぞれの特徴が出ています。
ブレーキレバーを握り込んだ時の力に応じて、どれだけブレーキが強くかかるか、を比較した表になるのですが、弱く握り込んだ初期段階では、イエローキングの方が強い制動力がかかっているようです。
但し、強く握り込んだ段階では、ブラックプリンスの方が強い制動力が生まれています。
私のように街中ライドが多かったり、早くても時速40km台でしか走らないような人間の場合、そこまで強くブレーキをかけることはありません。
だからこそ、「イエローキングの方が好印象」という結果につながったのかもしれませんね。
2. カーボンホイール用ブレーキパッドの「削れ具合」
わずか二回、それもショートライドと「ベリー」ショートライドの二回、合わせても100kmいかないくらいしか乗っていませんが、ブレーキパッドがどうなったか確認してみました。
まずはフロントにつけていたイエローキング。
ほほーう。
けっこう削れてますね。
ブラックプリンスと並べてみます。
前後揃えて並べれば良かったですね・・・。失敗。
で、削りかすだけ集めてみました。
上がイエローキング(フロント)、下がブラックプリンス(リア)です。
こうやって比べてみると、確かにブラックプリンスの方が削れているカスの量は多そう。
タイヤは後輪の方が摩耗が早いと聞いたことがあるのですが、ブレーキパットに関しては、より制動力の強い前輪の方が早いんですかね・・・?
だとすると尚更、公式サイトにある通り、耐久性はイエローキングの方が高いというのも納得です。
3. リムはどれ位黄色くなるのか
イエローキング(マビック純正の黄色パッドも含む)で有名なのは、リムの着色。
話には聞いていましたし、試乗会で試したカーボンホイールのリムを見て「これか・・・」と理解はしていたのですが、黄色くなるのはそこそこ回数乗ってからだよねー、と甘く見ていました。
どうしても写真だと分かりづらいですが、二回合わせて100kmに満たないライドでも、かなり黄色くなってしまいました。
うーん・・・。
正直、ブレーキングの感じはイエローキングの方が好みなのですが、あっという間にがっつり黄色くなってしまうのを目にすると、やっぱりブラックプリンスにしておこうかな、と・・・。
感触はイエローが良いんですけどね。
ちなみに、スイスストップだと前後2ペアで5000円前後。
でも、必要なのは前輪の1ペアだけなんですよね。少しお高くつきますが、純正だと1ペアずつ販売していましたので、最初はリアとお揃いということで純正を購入。
黄色くなったリムは、ブラックプリンス使い続けていけば黒く上書いていってくれるんですかね?
しばらく様子を見ていきたいと思います。
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