皆さんチェーン清掃にはどのようなディグリーザーを使っていますでしょうか。
ほんと各社から製品が出ていて選ぶのも大変ですよね。

私の場合、幾つかチェーンクリーナーを試した後、AZのパワーゾルを好んで使っていました。




チェーンを外さずに車体に取り付けたままでも使えるので手軽でしたし、洗浄力も満足のいくものでした。

その後色々と試行錯誤を繰り返し、ここ最近は AZ のチェーンディグリーザーを使っていました。





特に不満もなかったのですが、今回はここ最近色々と話題になっている GOTAL製チェーンディグリーザーの素を使ってみました。
 





■ GOTAL チェーンディグリーザーの素は洗浄方法も含め非常に強力な洗浄力



1. GOTAL チェーンディグリーザーの素とは

そもそもGOTALというメーカーに馴染みがありませんでしたが、今年になって設立された新しい会社だそうです。

自ら「日本で一番小さな自転車用品メーカー」と謳っており、今のところ取り扱い製品はチェーンディグリーザーの素のみだそうで。
今後ラインナップを拡張できるかどうかは、チェーンディグリーザーの販売状況次第、といったところでしょうか。

チェーンディグリーザーの素については、公式ブログで詳細に説明されていますのでそちらをご確認頂ければと思いますが、ざっとまとめるとこんな感じ。

  • 水溶性の粉末タイプのチェーンディグリーザー
  • 一袋で約35回分の洗浄が可能
  • 最近増えてきたワックスタイプのチェーンルブは溶剤やアルコール、界面活性剤では分解し切れないが、チェーンディグリーザーの素はお湯とアルカリの力で分解洗浄可能
  • 各社公式にはチェーンにアルカリ性の洗浄液は使うなとあるが、GOTAL社はこれを大丈夫と判断している
  • アルカリの力を最大限に発揮させる為にお湯を使用し最大限の洗浄力を目指している
 



2. アルカリ性のディグリーザーについて

で、詳しい人は「アルカリ性はダメじゃないか!」という点について警鐘を鳴らしているようです。

そりゃそうですよね、公式で「使わないで」と言われているものを使っているわけですから。

ただ、過去振り返ると、各社が意識していた「アルカリ性の洗浄剤」というのは、自転車用のものではなく、家庭用アルカリ洗剤などを念頭に置いていたようで、「さすがにそれは強すぎてNG」という警鐘だったようです。

とはいえ、我々のような素人には、どれがOKでどれがNGかを見極めるのは難しく、この辺りは各社の見解をもとに自己責任で使うかどうかを判断していくしかありませんね・・・。


私も最初は「それなら使わない方が安全だな、今もAZのチェーンディグリーザーで満足しているし」と考えていました。



なのですが。





ここで衝撃の事実が発覚します。





私が愛用している AZ のチェーンディグリーザーもアルカリ性だったのです・汗



いやーAZさん、そこんところもうちょい説明しておいて下さいよ、と若干恨み節・・・。
公式の説明はこんな感じ。





自転車用水溶性チェーンクリーナー。環境にやさしい植物系洗剤使用。
高浸透タイプなのでチェーンの奥深くまで浸透し、チェーンの隙間の汚れを強力に落とします。防錆剤配合で、洗浄後のチェーンのサビを防ぎます。
*注意:大変強力な製品ですので、変色などの恐れがあります。アルマイト加工された箇所やアルミ部分、ホイール、塗装面にはご使用をお避け下さい。
 


個人的には「高浸透」「環境にやさしい」という点に惹かれているのですが、先人のブロガーが調べたところ、実はアルカリ性だったそうで。

分かる人には、上記の公式注意書きで「あ、アルカリ性じゃね?」とピンと来るんだそうです。
いやいや、私には分かりませんて・・・。



そこで考えたわけです。



今までも使ってたわけだし、何を躊躇するんだい? と。

そんなわけで、早速実際に使ってみました・笑 



3. 洗浄してみた

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まず、以下が公式の洗浄方法となります。



  1. 食品保存コンテナやシリコンバッグに80℃の250ccのお湯を入れ、付属スプーン1杯の洗浄剤を投入します。
  2. チェーンを入れ、蓋をせずに2分待ちます。※炭酸ガスが発生します。
  3. 蓋を閉め、左右に振りながら洗浄します。※保護手袋を装着して、火傷に注意して作業してください。
  4. 水を入れ替え、蓋を閉めて左右に振りながらすすぎます。※水が透明になるまで繰り返してください。
  5. 最後にお湯で濯ぐと乾燥時間が短くなります。
  6. 乾燥させルブ等を塗布してください。※洗剤分が残るとルブを分解します。

ということで、用意するのは食品保存コンテナ。


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百均で二百円で売っていた少し大きめのタッパー。
きちんと耐熱性のあるものを選びましょう。

軽量スプーンも必要?と思っていたのですが、袋の中に入ってましたね。


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こんな感じで粉末の洗濯洗剤と同じような感じですね。


今回洗浄するチェーンがこちら。



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良い感じに汚れています。
ちょっと触るとこんな感じに。


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ここに粉末をどぼん。



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80℃のお湯と言われていますが、沸騰したお湯をヤカンから注ぐと、何だかんだと80℃まで下がりますので、深く考えずにお湯をどぼどぼ250cc投入。


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ここではまだ蓋をしません。
2分ほど待ってから蓋をして、軽くゆすります。

するとこんな感じになります。


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汚れたお湯を見ると分かるのですが、粉塵や汚れがえげつない量出てきています。
容器にチェーンを突っ込んでディグリーザーを吹きかけてシェイクした位では、ここまで内部の粉塵って出てこないんですよね。

これがお湯とディグリーザーの力でしょうか。
こりゃすごいわ。


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再び蓋をしてシェイク。
ただ、これが結構難しかったです。

シェイクすると、高温のお湯から出る湯気と相まってタッパーの蓋がどんどん膨らんでいきます。

何回かシェイクしては蓋を開けて湯気を逃し、ということをやらないと、湯気でタッパーの蓋が外れて洗浄液が辺り一面に飛び散ることになります。

もっと強く蓋が固定できるタッパーなら良かったのかもしれませんが、ごく普通の食品用タッパーだとそこまでの固定力もなく。

この辺りは蓋の固定強度を見ながら慎重にシェイクするようにしましょう。


で、真っ黒になった洗浄液を廃棄して、再び水を注ぎます。


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一見綺麗に見えますが、この状態で蓋を閉めてシェイクすると、残っていた汚れが出てきます。



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地味に汚いです。


この作業を更に2回(計3回)すすいだ状態がこちら。


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公式ではこの後お湯を注ぐとなっているのですが、強力なディグリーザーということで、念には念を入れます。


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食器用洗剤登場。

こちらを垂らしてシェイクします。


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泡だらけ。


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すごいですねー。

ここでも泡がなくなるまで3回ほど水を入れ替えて濯ぎ&シェイクを繰り返します。


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最後にお湯を注いで軽くシェイクして完了です。


この状態で水分を拭き取ると、表面に残った汚れが取れます。


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そこそこ汚れが付着していますね。
内部にもまだ残っているかも・・・?


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一見すると、めっちゃ綺麗です。


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リンクの間もぴかぴか。

ここで天気が崩れてきた為、乾燥は室内でクーラーの近くで放置することに。


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当然ですが、机に汚れがついたりすることはありません。


3時間経過後。


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指でぐりぐり。


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はい。
全く汚れは指につきませんでした。




4. 驚異の洗浄力を確認

今回の洗浄を経て、GOTAL チェーンディグリーザーの素の洗浄力の高さが確認できました。

  • リンク内に汚れが残っていた場合、洗浄後、もしくは乾燥後に指でぐりぐりやると指に黒い汚れがつくのですが、今回はそれは皆無
  • リンク内部に汚れが残っていた場合、乾燥後、チェーンルブをチェーンに塗布し、余計なチェーンルブを拭き取る際に黒い汚れが出てくるのですが、今回はそれも無し

少なくとも、これまで個人的に行っていた、ディグリーザーとブラシを使った「徹底洗浄」と同じかそれ以上の洗浄力があることが確認できました。

ほんとすごいですわ。これ。


沸騰したお湯を使いますので、その辺りは注意が必要ですが、ブラシを使ってゴシゴシする必要もない為、慣れてくると作業性は高いのではないかと思います。

なお参考までに、私が使っているチェーンルブはドライタイプの Muc-off C3 セラミックドライルブ。





ウェットタイプのルブで、こってりオイリーなチェーンルブだと結果はまた変わってくるかもしれませんので、その辺りは各人の使用環境次第。
少なくともドライタイプのチェーンルブだと、まーすっきり洗浄できました。



私の場合「気づいたらアルカリ性のディグリーザーを既に使っていた」という経緯もあったことから抵抗なく使用に踏み出すことができました。

とはいえ、多数の使用実績のある AZ のディグリーザーと登場して日の浅い GOTAL のディグリーザーを並べて「どちらも問題なし」と言い切るわけにはいきませんので、その意味でも利用を継続して「人柱としての使用実績」を積み重ねていきましょうかね。





 




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