シマノは13段化に向けてフリーハブを刷新するのか

この記事は約6分で読めます。

海外メディアで、シマノが13速に対応した新しいフリーハブ規格を準備している可能性が報じられ、ロード・グラベル界隈で大きな話題となっています。

シマノはどうするのでしょうか。

シマノの13段対応フリーハブが海外でリーク

シマノは13速に向けて新しいフリーハブを用意している模様

海外のECサイト「Bike-Discount」に掲載されたDT Swissのホイール(DT G 1800 Classic)の製品仕様欄に、未発表のフリーハブ規格である「Shimano 13-speed」という選択肢が一時的に表示されたことが話題になっています。

すでにスラム(SRAM)やカンパニョーロ(Campagnolo)は13速グループセットを展開しており、シマノの13速化は「いつ発表されるか」という段階に入っていました。シマノ側は公式なコメントを出していないものの、過去のアプリ更新(E-Tube Project内での13速表示)や特許情報からも13速コンポーネントの開発は確実視されています。

ここで最もユーザーの関心を集めているのが、「13速化に伴い、新たなフリーハブ規格が必要になる可能性がある」という点です。

過去のシマノにおける11段→12段変更時のフリーハブ対応

シマノが過去に11速から12速へ移行した際、ロード部門とMTB部門で大きく異なるアプローチを取りました。

ロードバイク(12速化)

ロードバイクの12速化に際しては、従来の11速用フリーハブ(HGスプライン)との後方互換性を維持しました。新設計の12速スプロケットは裏側の凹凸加工(Spline L2)などを工夫することで、既存の11速HGフリーハブにもそのまま装着できる仕様となりました。

ユーザーが所有する既存のホイール資産(高価なカーボンホイールなど)を無駄にさせない配慮ということで、マーケットでは比較的好意的に受け止められていた印象です。

他方、「将来の13速化に向けては、そろそろ旧式のフリーハブに見切りをつけるべきなのでは?」という声も一部では散見されましたね。

MTB(12速化)

MTBにおいては、ロードバイクとは異なり12速化に際して新規格フリーハブ「Micro Spline(マイクロスプライン)」を導入しました。

ワイドレンジ化を図る中で、トップギアを従来の11Tから「10T(あるいは9T)」へ小径化する必要が生じたため、従来のHGフリーボディの径では10T以下のギアが物理的に入らないため、胴径を細くした新規格への刷新が不可欠でした。

この「10Tを採用するには新しいフリーハブが必要」という点はかねてから指摘されていたポイントではあるのですが、ロードでは最小11Tを維持、MTBでは最小を10T化する、という点で大きく結論が分かれる形となりました。

ライバル「SRAM」の12段対応(XDR)

ライバルであるスラムは、12速(eTap AXSシリーズ)の導入にあたり、ロード・グラベル向けに新規格フリーハブ「XDR」を採用しました。

SRAMの対応と狙い

SRAMは MTB向けの「XD」規格をベースに、ロード/グラベル用カセット(12速)の幅に合わせて1.85mm延長した「XDR」規格を新たに制定しました。

これにより最小ギアは10Tを実現。シマノの「後方互換性を優先する」という考え方とは大きく方向性を違えることになりました。

当時はそこまで意識されていなかったような印象ではありますが、フロントシング(1x)を念頭に置いた場合、リアスプロケットをいかに「ワイド」に設定可能とするかが重要になりますので、その後のMTB/グラベル界隈でのSRAMの躍進を見るにつけ、実はこの辺りの思想の違いが、両社の「経営判断」の違いがその後のマーケット情勢につながった、と見ることもできますね。

マーケットおよびユーザーの反応

ちなみに、SRAMのXDR化(12速化)に伴いホイールのフリーボディ交換(またはホイール自体の買い替え)を強いられたSRAMユーザーからは、発表当初はコスト面での不満や「また新規格か」という不満の声が上がりました。

ホイールは「資産」ですから、そりゃそうですよね。。。

他方、SRAMはサードパーティのホイールメーカーへライセンスを積極的に提供したため、DT SwissやZipp、MAVICなどの主要メーカーが迅速に対応ボディを供給しました。その結果、トップ10Tによるメリット(フロントシングル化の使い勝手の良さや軽量化)が広く認知され、現在ではロード・グラベル市場における標準規格の一つとして完全に定着しています。

この「不満が出ることが分かりきっている」ことに対して、「どのタイミングで踏み切るのか」はとても判断が難しいポイントですよね。

シマノ13段化(新フリーハブ)が与える影響

仮にシマノが13速化に伴って完全に新しいフリーハブ規格を投入した場合、マーケットやユーザーにどのような波紋が広がるでしょうか。

短期的な反応:コスト面への不満と「規格疲労」

12速化(ロード)でHG互換を維持したシマノだけに、ユーザーからは「今度は新しいハブを買わなければいけないのか」という失望や抵抗感が一定数生じると予想されます。

特に高額な完成車やサードパーティ製ホイールを所有している層にとっては、フリーボディ交換の可否(手持ちのホイールが対応できるか)が最大の懸念事項となります。

中長期的な反応:フロントシングル(1x)派からの熱狂的格好の選択肢へ

13速化の最大の恩恵は「ワイドレンジとクロスレシオ(細かいギアつながり)の完全な両立」にあります。

これまでフロントダブル(2x)が主流だったシマノのロード・グラベル環境において、13速+新フリーハブによる本格的な1xコンポーネントが実現すれば、特にグラベルレーサーやエアロロード市場からの評価は一気に高まる可能性があります。

ホイール・サードパーティメーカーへの影響

DT Swissの製品ページから情報が漏れたことからも分かる通り、主要ホイールメーカーはすでにシマノの13速対応に向けて動いています。

SRAMのXDR導入時と同様に、既存の主要ハブ(DT Swiss、Chris King、Roval、CADEX等)向けに「交換用13速フリーボディ」がスムーズに供給されれば、市場の受け入れ拒否感は最小限に抑えられると考えられます。

シマノの13速化と新フリーハブ規格の採用は、ユーザーに「互換性の切り捨て」という一時的な負担を強いるリスクがある一方で、シマノコンポーネントの1x化および変速性能を次世代へと引き上げる大きなブレイクスルーとなる可能性を秘めています。

なのですが、タイミングとして「それって今なの?」と思わないではないわけで。クランクリコール問題なんかもあったので大変だったのでしょうが、ちょっと「遅くない?」と思ってしまいます。

リムブレーキからディスクブレーキに変える際には、必然的にホイールもディスクブレーキ対応への刷新が必要になります。
コンポーネントだってリムブレーキ用からディスクブレーキ用に変更する必要があります。

フリーホイール、ホイールの刷新は、このタイミングで行うのがベストだったのではないでしょうか。

その点からは、SRAMは「まずまず良いタイミング」だったように思うのですが、シマノはちょっと遅かった感が否めません。

ワールドワイドではSRAMの追い上げが続いている中、シマノは10T化、13速化によりどこまでシェアを取り戻すことができるのでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました