ちょいちょい「革新的」と呼ばれるタイヤレバーが発売されたりしていますが、ちょっと従来とは異なるギミック感溢れるタイヤレバーが登場しました。
従来のタイヤレバーを全て過去のものにする次世代ツールが登場(Smart Lever)
Smart Leverは、「タイヤレバーを過去のものにする」というコンセプトで開発された、次世代型の自転車タイヤ専用ツールです。

Smart Leverとは何か
Smart Leverは、英国で設計・製造されたステンレス製ハンドルのタイヤツールで、接触部にはホイールを傷つけない複合素材のパーツが使われています。
通常のプラスチック製タイヤレバーとは異なり、「レバーを差し込んでグイっとこじる」だけではなく、テコとローラー機構を組み合わせてビードを内側と外側から同時にコントロールできるのが特徴となっています。
この「テコの原理だけじゃないんだぜ」という点が新しいです。
製品コンセプトはシンプルで、「きついタイヤでも、誰でも、素早く、手を汚さずに着脱できる本格ツール」というものです。
仕組みと構造の特徴
Smart Leverは、ステンレス製の細身のハンドルに、両端へ可動式のコンポジットパーツが組み合わされた構造になっています。
一方の端は従来のタイヤレバー同様の「スプーン形状」で、タイヤをリムから外す際に使用します。
もう一方の端には、「シュー」と呼ばれるL字状のパーツとローラーが組み合わされており、ビードを持ち上げながらリムの外へ“押し出していく”ためのメカニズムとして機能します。
接触部は交換可能な複合素材でできており、カーボンリムを含むあらゆるリムで使用できるよう配慮されています。
全長は約140mm、厚み23mm、最大幅57mmと、サドルバッグにも収まる携帯性を確保しつつ、本格工具として十分な剛性を備えています。
タイヤ装着時のSmart Leverの動き

Smart Lever最大の特徴は、「タイヤ装着」を劇的に楽にすることです。
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シューをリム内側からビードの下へ滑り込ませる
Smart Leverのシューを、リムの内側からタイヤビードの下に差し込みます。
この時点でシューはビードの下側にしっかり“かみ合い”、ツールはリムエッジに固定されます。 -
ローラーでビードを持ち上げつつ前進
ローラー部分をビードの外側に当て、親指で押し出すようにSmart Leverをホイール周囲に沿って前へ送っていきます。
これにより、ビードは内側から持ち上げられながらリムの外側へ滑らかに乗り上がり、多くのタイヤはこの“押して回す”動きだけで装着が完了します。 -
さらにきついタイヤへの対応
それでもきつくて進まない場合、シューはすでにビードの下でしっかり固定されているため、そのシューを支点にしてハンドル下側を押し下げることで、外側からもビードをこじり上げることができます。
「内側から持ち上げる+外側からこじる+前へ送る」という3つの動作を組み合わせることで、従来なら“無理ゲー”だったほどタイトなタイヤでも、少しずつ確実にリムに収めていけるよう設計されています。
この連続動作のおかげで、手の力が強くないライダーや寒い日の作業でも、指先の痛みや疲労を最小限に抑えながら作業できるのがポイントです。
レバーを滑らせて嵌合されるという考え方は、TYRE GLIDERと同じかと思うのですが、潤滑性を高める為にローラーを採用していたり、「ぐいっ」と押し込み易くする為にハンドル部分のポジションを変更できたりと、かなり考え抜かれたデザインになっている点が新しいですね。
タイヤ取り外し時のSmart Leverの動き
タイヤを外すときは、まず“従来のタイヤレバーと同じ動き”からスタートします。
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スプーン側でビードをリム外へ起こす
Smart Leverのスプーン形状の端をタイヤとリムの間に差し込み、通常のタイヤレバーのようにビードをリムの外に持ち上げます。 -
ハンドルを90度回転させてテコを強化
一度ビードが外に出たら、ハンドルを1/4回転(90度)させます。
これにより、ツールの構造を活かして、リム外側を支点にさらに大きなテコ比でビードを押し出すことができるようになります。 -
小さなストロークで少しずつ周回
ハンドルをホイール側へ押し入れ、戻し、少し前へ送る――この動作を小刻みに繰り返すことで、ビードが段階的にリムから外れていきます。
一定範囲が外せたら、そのままSmart Leverをホイール一周分スライドさせることで、タイヤ全体を外せます。
ステンレス製ハンドルのおかげで、一般的な樹脂レバーよりも高い剛性があり、変形やねじれを気にせずにしっかり力をかけられる点も、現場での信頼性を高めています。
対応するタイヤ・リムの種類
Smart Leverは、現代の多様なホイール・タイヤ規格をカバーするよう設計されています。
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クリンチャー(チューブ入りタイヤ)
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チューブレスレディ / フルチューブレス
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ロード、MTB、グラベル等あらゆるジャンルのタイヤ
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フックド(有フック)リム、フックレス(フック無し)リム両方に対応
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リムエッジの幅が異なる各種ホイールにも対応
Smart Leverは“リムフック”に頼らず、ビードの下へ滑り込むシューでツールを固定するため、フックレスリムでも使用可能です。
チューブ入り・チューブレスを問わず、きついビードで苦労しがちな最新のホイールセットにこそ効果を発揮します。
オプションの「Bead Lever」との連携

タイヤの着脱で特に厄介なのが、「ビードがリムサイドに固着して一切動かないケース」です。
Smart Leverは、こうした状況に対応するためのオプションとして「Bead Lever(ビードレバー)」を用意しています。

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Smart Leverハンドルにボルトオンして使用
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タイヤをしっかりクランプし、ビードをリムサイドからこじって外す専用ツールとして機能
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ステンレスボディにプレスタバルブコアリムーバーを内蔵し、チューブレス作業とも相性良好
シーラントでビードが固着したチューブレスタイヤや、ビードシートの“段差”に深くはまり込んだタイヤでも、Bead Leverを併用することで、まずビードをリム中心側へ落とし、その後Smart Leverでスムーズに外していく、という流れが可能になります。
タイヤをタオルでくるんでペンチでこじって外していたりした人間からすると、これもまたかなりスマートなツールですね。
従来のタイヤレバーとの違い
Smart Lever最大の魅力は、「構造の違いが、そのまま作業体験の違いとして実感できる点」ですね。
従来のタイヤレバーを使ったことのある方ならもうある程度イメージはついたかと思いますが、改めて従来のレバーと比較してみます。
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従来のレバー
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樹脂製のシンプルな“ヘラ”形状が主流。
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ビードを少しずつこじり上げ、一周分外すまで複数本のレバーを併用することが多い。
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タイヤ装着時は最後の数センチで強い力が必要で、チューブを噛みやすい。
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Smart Lever
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ステンレスハンドル+可動式コンポジットパーツ+ローラーという多機能構造。
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1本でレバー・支点・ローラーを兼ね、内側と外側の両方向からビードをコントロールできる。
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装着時は「押して一周させる」動きが基本で、強い握力に頼らずに作業を進められる。
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従来のレバーでは、ほぼ全ての力を指先と手首で支えながら、局所的にビードをこじるため、レバーが曲がったり、手が痛くなったり、最悪レバーが破損することもあります。
Smart Leverは、L字ハンドルと支点位置を工夫することでテコ比を高め、さらにローラーによる“スライド”動作を組み合わせることで、同じ力でもより効率的にビードを動かせるよう設計されています。
従来レバーでの装着は、「最後のところだけレバーを入れてグイッとこじる」スタイルが一般的ですが、このときチューブを噛みやすく、やり直しや再パンクの原因になりがちです。
Smart Leverは、ビードとリムの間をローラーで滑らせるように押し込んでいく構造のため、ビードの動きがコントロールしやすく、チューブを不用意に挟み込むリスクが大幅に減ります。
また、従来のレバーで上記のように、Smart Leverは単なる「高級タイヤレバー」ではなく、タイヤの着脱という行為そのものを設計レベルから見直した、まったく新しい発想のツールです。
従来レバーで苦労してきた経験があるローディーほど、その違いとメリットをはっきり実感できる製品と言えるでしょう。
ちょっとこれは欲しいですねー。
日本からでも公式サイトで購入は可能となっているようですが、ビードレバーとセットで購入しようとすると、送料込みで1万円超となりますので、ちょっと値は張りますね。
ただ、これは個人輸入してでも欲しくなるツールですね。














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