立て続けにUCI規定を無視したバイクが発売されました。
UCIを無視したバイクが立て続けに登場
たまたまなんでしょうが、UCIなんて関係ねぇ、というバイクが立て続けに登場しました。
Bugatti Factor ONE

世界限定250台、価格は約418万円(税抜380万円)という、自転車としては破格のハイエンドモデルです。
スペックの詳細
まず、最大の特徴となっているのがフロントフォーク。UCI規定ではフォークの幅は「115mm以下」と決まっていますが、このバイクは147mmという超ワイド設計を採用。これにより、前輪が生む乱気流をフレームの外側へ逃がし、劇的な空気抵抗の削減を実現しています。

フレームについては、Factor ONE独自の「Vane 40」ツインダウンチューブをベースにしつつ、Bugattiのハイパーカー「シロン」や「トゥールビヨン」を彷彿とさせる専用パーツを装備。
コンポーネントはSRAM RED AXSをベースに、Carbon-TI製Bugattiロゴ入りチェーンリングや、THM製カーボンクランクを採用、徹底的に軽量化と高剛性化を実現しています。
ホイールはBlack Incの新型「Hyper 62」。ハブには専用のブルーカラーがあしらわれています。
とても素人に乗りこなせる感じはしませんね。。。
開発エピソード
このモンスターマシーンは、Bugattiの「形態は性能に従う(Form follows Performance)」という哲学と、Factorの「一切の妥協を排した速さ」が合致して誕生しました。
ちなみに、Bugattiはフランスに源流を持つ、世界最高峰の自動車メーカーですが、その歴史、性能、そして価格帯において「自動車界の芸術品」とも称されるブランドです。
基本受注生産となっており、ものによってはワンオフ(世界に一台だけ)のものもある為、価格は軽く数億円から十数億円。
通常、自転車メーカーはレースでの使用を前提にUCI規定を守りますが、今回は「Bugattiオーナーが納得する、地上で最も洗練された速い乗り物」を作るため、あえて最初からUCI規定を無視することが開発の出発点となりました。
視点が、Bugattiオーナーという点が凄すぎますね。そりゃ、車に数億円「ぽんっ」と払う人をターゲットにしているのであれば、「ちなみにこの自転車はUCI準拠していないので、レースには出れないんですよね」なんて話も気にしないでしょうし、お値段400万円にしたって、車を買う時の消費税にも満たない金額なわけで。
あまりにも雲の上の話でした。。。
Avona Velum SUB6

こちらはもう少し「リアル」な話になりますが、ドイツの新興ブランド「Avona(アヴォナ)」が発表した Velum SUB6 は、現代のディスクブレーキ仕様のロードバイクとしては驚異的な「5kg台」を実現し、UCIの重量規定(6.8kg以上)を鮮やかに無視した超軽量マシンとなっています。
Bugatti Factor ONEが「空力」の限界に挑んだのに対し、この Velum SUB6 は「軽さと実用性の融合」を極限まで追求しています。
はい。こちらの方が現実味がありそうな話題ですね。
スペックの詳細

「SUB6」という名の通り、完成車重量で6kgを切ることを目標に開発されました。
完成車重量は、サイズMペダルなしの実測値で5.92kg。ディスクブレーキおよび電動コンポーネント(Di2)を搭載しながらこの数値を叩き出しています。
ちなみに、フレーム重量は798g(塗装済み、サイズ54cm)だそうですから、スペシャライズドの Aethos2よりは重いんですよね。
高弾性(High-Modulus)カーボンを採用し、軽さだけでなく剛性と快適性のバランスを最適化しているとのこと。
アセンブルされているホイールはFaserwerk Bergreif SL。ペア重量でわずか 987g。Vonoaカーボン製ストレートプルスポークと、超軽量なNonPlus Primaroハブを組み合わせているそうです。
S-Works Aethos2の完成車重量が、6.05kgとなっていますが、アセンブルされているホイールがRoval Alpinist CLX III(ペア重量1,131g)となっていますので、Velum SUB6との違いとしてはこのホイール重量差は大きそうですね。
タイヤクリアランスは軽量バイクであっても妥協することなく、時流を意識した最大 35mmを実現。現代的なワイドタイヤに対応しています。
開発エピソード
Velum SUB6 の開発を主導したのは、ARC8の共同創設者の一人であり、著名なバイクデザイナーの Jonas Müller(ヨナス・ミュラー) 氏です。彼がこのバイクに込めた哲学は、単なる「軽量マニア」の追求とは一線を画しています。
1. 「ホリスティック(包括的)」なパフォーマンス
開発チームは、単にパーツを削って軽くするのではなく、「空気抵抗」「転がり抵抗」「駆動効率」のすべてを合算した「現実世界での速さ」をシミュレーションしました。 例えば、数グラム重くなったとしても、空力に優れた一体型ハンドルバーを採用し、摩擦抵抗を減らすためにワックス加工されたチェーンを標準装備するといった選択がなされています。
2. ディスクブレーキ時代への回答
かつてのリムブレーキ時代には5kg台のバイクは存在しましたが、ディスクブレーキ化と空力設計の導入により、現代のフラッグシップ機でも6.8kg〜7.5kg程度が一般的になりました。Avonaは最新のカーボン積層技術と自社ブランド「Faserwerk」の専用パーツを用いることで、「現代の安全性(ディスクブレーキ)と利便性を維持したまま、かつてのヒルクライムマシンの軽さを取り戻す」ことを証明しました。
3. 「プロ機材」という呪縛からの解放
UCIの6.8kg規定は、1990年代に「機材の安全性」を担保するために作られた古い基準です。Avonaは、現代のカーボン技術なら6kgを切っても十分な強度と安全性を確保できると考え、「プロレースに出るためのバイク」ではなく「最高のライド体験を求めるサイクリストのためのバイク」としてVelum SUB6を世に送り出しました。
Bugatti Factor ONEが「F1マシン」のような存在だとすれば、Avona Velum SUB6は「究極に研ぎ澄まされたライトウェイト・スポーツカー」のような存在と言えるかもしれません。
ちなみに、Avona Velum SUB6のお値段は9,999ユーロ。おおよそ180万円といったところでしょうか。
Bugatti Factor ONEと比べれば半額ですね・笑
ちなみに、S-WORKS Aethos 2 はヨーロッパだと14,000〜15,000ユーロで販売されているそうです。日本国内公式だと176万円の販売価格ではありますが、VATなども含めると、実はVelum SUB6が日本国内で取り扱われるようになると、Aethos2よりもお手頃価格になるかもしれません。
ドイツの新興ブランドということで、なかなか日本国内に入ってくる可能性は高くなさそうではありますが、Velum SUB6についてはその開発思想が Aethos にも通じるものがあり、とても共感できます。
今まで「レースではなく、リアルワールドで走る楽しみを追求する」バイクとして、Aethos が唯一無二の存在となっていたところ、こういった新しいバイクが登場するのは大歓迎です。
そもそも私のような週末ローディーにとってはUCI規定への準拠なんて、まったく関係ないですからね。
こういったバイクがもっと各社から登場してくれることを期待しています。

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