夏場のロングライドで怖い、脱水症状と水分過剰
夏場のロングライド。
なんでそんな修行みたいなことするんでしょうね。
今年は暑さにやられて、最高気温が30℃であれば迷うことなくライドに出かけますが、最高気温35℃と言われてしまうと、室内でスピンバイク漕ぐかなぁ、と日和がちですが。
先日路上体感気温40℃の中ライドに出かけた時に、めまいと軽い吐き気を覚えた為、塩タブレットを食べたら体が楽になりました。
その時の症状が水分過剰によるものだったのかは分かりませんが、可能性は高いかな、と。
脱水症状にならないように水分補給は心がけていましたが、塩分補給はあまり意識していませんでした。
漠然と頭に入っていた「水分過剰」を避ける為に、塩分摂取をどう考えるべきなのか調べてみました。
1. 夏場に気を付けるべき症状
まず最初に夏場に気を付けるべき症状としては以下の2点が挙げられます
(1) 脱水症状
脱水症状は、体重の2%以上の水分が失われた状態と定義されます。脱水症状になると、まず疲労感を覚えたり頭痛がしたりしますが、血流量と発汗量が減少し、体温(深部体温)が上昇してしまいます。そうなると体は熱を冷まそうとして、血液を皮膚へ送ることで体温上昇を抑え、発汗量を増やそうとします。その結果、筋肉や臓器に酸素濃度の高い血液を送るために必要な血流内の水分が減ってしまい、危険な状態になってしまいます。
(2) 水分過剰
水分過剰は、運動を長時間行った際に、汗から失われた電解質が補われないままに水分摂取を続けた結果、血中ナトリウム濃度が大幅に低下してしまう症状です。低ナトリウム血症(俗にいう「水中毒」)がその一つ。水分過剰は、マラソンや自転車のように長時間に渡る運動を行う際に問題となります。
低ナトリウム血症の症状としては、頭痛や吐き気、嘔吐などがあり、重度になるとけいれんや意識障害が起こります。
正常な腎臓であれば、1日に10リットルの水分を適切に排出できるそうで、水中毒になることは通常はないと言われています。
でもそれって、ロングライド100km・5時間と仮定して単純に割り戻すと、2リットル程度でしかないんですよね。
5時間で2リットルって、涼しい季節のライドでも普通に飲みますよね?
ロングライドに出かける時には、血中のナトリウム濃度に気をつける必要があるんです。
2. 水中毒になる限界値を計算してみる
これが難しいんですよねー。。。
低ナトリウム血症とは、血清ナトリウム濃度が136mEq/L未満に低下すること、らしいです。
ちなみに、成人のナトリウムイオンの基準範囲は、 136~145 mEq/L程度だそうで。
ナトリウムイオン(Na: 原子量23、厳密には22.98976928)の場合は、1価の陽イオンなので、1 mEq/L = 1 mmol/L = 23 mg/L、らしいです。
ってことは、ナトリウム濃度が3128mg/Lになるとダメってことでしょうか。
血液量は、体重の約8% 。
私の体重が56kgになりますので、循環血液量は4.48リットル。
計算すると、血液量中のナトリウムは、14g。
食塩相当量はナトリウムに2.54を乗じて計算するそうですので、血液量中の塩分は35.56g。
仮に正常値が145mEq/Lだとした場合、その差は9mEq/L = 207 mg/L。体重56kgだと 927.4mg。
930mg以上のナトリウム(塩分相当量 : 2355.5mg)が失われると、水中毒になる、ということでしょうか。
ほんと・・・?
上記は「血液中」の話となりますが、体全体でいくとまた別の話になります。
人間(成人の場合)は、体重の約60%は水分なので、 体重56kgの場合、285.6gが体内全体の塩分量となります。
体全体(体液)の塩分のうち、12.5%が血液に含まれている、らしいです。
もし、汗をかいたときに、体液から均等に塩分が失われていくと仮定すると、血液から2.35gの塩分が失われたらいけないとした場合、体全体では18.8gが失われたらいけない、ということになります。
体重56kg で、約19g失ったらアウト。
おそらく、専門家の人ほど「いやいや、そんな簡単に前提置けないから」「個人差いろいろあるから」とツッコミが入るんでしょうねー。
こうやって計算できるのも、無知な素人の強みってやつでしょうか。
とはいえ、生半可な素人知識で計算してますが、この辺り、詳しい方に教えて頂きたいです・・・汗
3. ロードバイクで発汗を通じて失われる塩分量とは
では別の側面から。
一日に摂取する塩分量は以下。
で、汗の中に含まれる塩分濃度は運動によっても異なりますが、 0.3%〜0.9% だそうです。
3倍の開きって・・・。
ただ、色々なサイト覗かせて頂くと、0.4%〜0.5%で計算しているケースが多いような気がします。
ま、仮に0.4%としましょうか。
次は、発汗量ですが、これまた色々な情報が・・・。
仮にサッカーで、2000mlですので、塩分換算だと5g/時間、となります。
今度は気温に着目すると、こんな情報もありました。
気温による変化がすさまじいですね。
路面気温って、公表されている気温よりも平気で5℃くらい上だったりしますので、外気温30℃の日でも、路面は35℃。春秋に比べると倍くらい発汗していることになります。
で、上記数値はウォーキング時、ですからね。
ウォーキングとサイクリング(私の場合、レースではないですから)の運動強度の違いってどんなもん、という観点では、以下が面白いです。
[ライドの運動強度]
国立健康・栄養研究所「身体活動のMETs表」より引用
3〜4倍は違うんですよね。
その運動強度の違いが、発汗量にどの程度の影響を与えるかはさっぱりですが。
総合すると、外気温30℃の日のライドでは、1時間に少なくとも4〜5gは塩分が失われていると見て良さそうです。
私が失ってはいけない塩分量が19g。
夏場35℃以上の炎天下、100km・5時間のライドであれば、少なくとも20〜25gは塩分が失われていることになります。
ということは、もし私が塩分摂取を一切行わずに、水だけもってロングライドに出かけると一発アウトになるのは火を見るより明らかですねー。
素人計算で始めたわけですが、なんとなくそれらしい数字になりました。
これで、10時間走っても問題なし、みたいな計算結果になってたら全部ボツになってましたので一安心。
とはいえ、専門家の「ズバリ」の声が聞きたいですねー。
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