ロードバイクのエンデュランス化計画(その2:ホイールの見直し)

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ホイールをキシリウムエリートUSTに戻してみる(ロードバイクのエンデュランス計画その2)

ロードバイクに乗り始めて約4年半が経過しました。
最初の2年はアルミのエントリーモデルでロードバイクデビュー。
その後はカーボンフレームのレーシングモデルで「速くて楽しいっ!」とロードバイクを満喫してきましたが、ここにきて「もっと長距離を楽に走りたい」という思いが強くなってきました。

そのまた昔、学生時代や社会人なりたての頃にはマウンテンバイクでツーリングに出かけていたりしましたので、もともと「見たことのない土地を」「のんびりゆったり走る」ことが好きだったんですよね。

いやいや、そんなの気持ちの問題で、レース向けのロードバイクでもゆったり走れば良いじゃないか、という話ではあるのですが、ついついペダル回して応答性・反応性が良いと、調子に乗ってくるくる回して走ってしまうわけで。

悲しい性、ですね。

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そんなわけで、前回はステム交換でもっとアップライトなジオメトリーに変換してみたわけですが、今回はホイール交換でもっと快適性を追求してみよう、という話になります。

1. セミディープホイールの「硬さ」をようやく理解

現在履いているホイールは、マビックのコスミックプロカーボンUST。
かれこれ1年以上履いています。

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カーボンのセミディープホイールで、リムハイトは40mm。
それまで履いていたのがアルミリムのキシリウムエリートUST。
いずれもチューブレスレディーであるマビックのイクシオンプロUSTで運用していました。

私くらいの脚力、体重だと、このホイールで十分高剛性なんだな、といのがよく理解できました。

  • 平地での巡航で一定速度を維持するのが楽になった
  • 巡航速度は2km/hくらいアップ
  • 斜度3〜4%程度であれば、ぐいぐい加速して登っていける(脚力ごっそり削られますが)
  • スタンディングで「ぐいっ」と力を込めると、「ついっ」とパワーロスすることなく加速につながる

特に最後の「力が逃げない」という点がよく理解できるようになりました。
あー、これが「硬い」と呼ばれるヤツかー、と。

尾根幹とか走りやすい幹線道路をぐいぐい走ると、そりゃもう楽しくて仕方ありません。
って、私の脚力だとスピードはたかが知れているのですが・汗

このホイールに変えて感じたことは、「走ることが楽しい」でしたね。

ただ、このホイールに変えてからはライドの距離は明らかに落ちました。

以前まで履いていたキシリウムエリートUSTの場合、100km〜120kmくらいだと疲労感は大して変わらなかったのですが、コスミックプロカーボンUSTに変えてからは、100kmで明らかに「壁」を感じるようになりました。

その分、速度は上がっているので、何のことはない「速く走る分、疲労が早く出るようになった」だけなんですけどね・・・。

ペダルに力をかけると「くいっ」と反応して走り出してくれる感覚が楽しくて、ついつい速度を上げてしまう癖は、「そのうち飽きてきて、以前のようにもっとゆったり走るようになるだろう」と考えていたのですが、1年経った今も変わらず。。。

このホイール履いている限り、150kmとか走れる日は来ないのでは?なんて思い始めてしまいました・・・。
(いやいや、鍛えれば良いじゃん、というツッコミは無しでお願いします)

2. キシリウムエリートUSTに交換してみる

要するに、適材適所ですよね、と。
以前は150km走っていた時期もあるわけで、その時に履いていたキシリウムエリートUSTに戻したら良いじゃないか、と。

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サイクルハウスに眠っていたキシリウムエリートUSTを引っ張り出すことにしました。

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1年以上放置していたわけですが、どうなったか確認してみることに。

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うーん。
思っていたよりはひどくないですが、さすがにタイヤにヒビが入り始めていますね。
過去の記録をひっくり返してみたところ、前後ともに3000kmくらい走った後、1年以上サイクルハウスに放置されていた模様。

タイヤはまだ台形にはなってませんので、まだギリギリ走れるかな・・・?

タイヤ交換は遠からず実施する必要があるとして、まずは変更後のジオメトリーで、キシリウムエリートUSTに交換したらどうなるかを早く体験すべく、まずは最低限の処置をすることに。

3. シーラントを追加

試しに空気を入れて一晩寝かしたところ、案の定、空気ががっつり抜けていました。
そりゃそうですよね・・・。

ということで、早速シーラントを追加してみます。

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まずは30ccずつ、前後に追加投入。

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NO TUBES のタイヤシーラントインジェクターは、作業効率が上がるので便利です。
マビック純正だと、先端が取れてシーラントぶちまけるリスクがあるのですが、こちらは先端がねじ込み式で固定できますので、とても便利。

バルブコアも購入後一度も交換していませんでしたので、そらちも一緒に交換しておきます。

よくよく確認してみると、バルブを固定するゴムのOリングがかなり劣化しているようなので、バルブ自体、そろそろ交換してあげないとですね。

今度タイヤを交換する際に、まとめて交換することにしましょう。

4. ブレーキシューを交換

も一つ気になったのがブレーキシュー。
アルミリム時代の一年半、ブレーキシューは一度も交換していませんでした。
その後カーボンホイールに交換してからの約一年は、道具箱の中。

ブレーキシューをぐにぐに折り曲げてみると、少し固くなっていそうな雰囲気。
硬化&劣化している可能性がありますね。

お高いものでもないですし、ブレーキは自分の命を預けるパーツになりますのでここはケチケチせずに新品に交換することにします。

早速 Amazon でぽちっと購入。

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使用していたブレーキシューと比較してみます。

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左側が新品で、右側が使用済みのブレーキシュー。
5000km以上は走っていたと思うのですが、見た目では減りが確認できないくらいですね・・・。

実際に新品と比較してみると、明らかに使用済みのブレーキシューは硬くなっていて、指で曲げてみてもあまり曲がりません。
新品はそこそこ「ぐにっ」と曲がるのですが。

早速ブレーキシューを取り付け。
リムの内幅がコスミックプロカーボンが19Cだったのに対して、キシリウムエリートは17Cですので、ワイヤーの貼り具合も合わせて調整します。

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トーインは、こういった専用のツールを使うと一発で調整できるので、この辺りもケチケチしないのが得策ですね。

5. キシリウムエリートUSTとコスミックプロカーボンUSTの再比較

シーラントを追加したところ、一晩経っても空気の抜けは0.5BAR程度で抑えられましたので、早速週末にライドに出かけてみました。

久しぶりのキシリウムエリートです。

ちなみに、コスプロカーボンUSTに交換した時のインプレはこちらです。
今回はその時の真逆の評価になっているのか? という点で振り返ってみたいと思います。

(1) 加速性

加速性については、真逆になりましたね。

  • 低速域、ゼロからの漕ぎ出しはキシリウムエリートUSTに変えると明らかに楽になった。コスプロカーボンだと、赤信号からのリスタートはスタンディングで「よいしょ」とこぎ出す癖がついていましたが、キシリウムエリートUSTの場合は、座ったままでもするするリスタートできます。これはやはり楽ちん
  • 速度が一定に乗ってからは逆で、コスプロカーボンのほうがペダルを回せば回しただけリニアに加速していく。私の場合は、時速35kmを超えた辺りからは、調子に乗ってペダル回していくとぐいぐい足を削られていきますが・汗
  • キシリウムエリートUSTの場合は、時速30kmを超えたあたりから、(あくまでも比較論ですが)ペダルを回した時、全ての力がそのまま推進力に変わっているのではなく、一定程度は「逃げている」感覚がある。コスプロカーボンだと、踏んでいるペダルが「硬い」と感じるけれど、キシリウムエリートUSTの場合は、「硬質ではあるもののゴム性」のものを踏んでいる位の「力の逃げ感」が感じられる

この絶妙な「足を削られないけど推進力に変えられる」剛性感がキシリウムエリートの真骨頂なんでしょうかね。

(2) 巡航性能

これまた素人の感覚的な話で恐縮ですが。
端的に「同じような力&ペースででペダルを回した場合」の快適な巡航速度がこんな感じ。

  • キシリウムエリートUST・・・28km/h〜30km/h
  • コスミックプロカーボンUST・・・30km/h〜32km/h

以前のインプレどおりですね。
これはセミディープホイールのエアロ効果なのか、剛性のなせる技なのか私には分かりませんが、ここは明らかに違いがあります。

事実として速度に違いはありますが、同じパワーなのか?と問われると微妙ですねー。
100kmくらい走った時の足にたまる疲労感は、コスミックプロカーボンUSTの方が上な気がしますので。

速く走るならコスプロカーボン、省エネで走るならキシリウムエリート、といったところでしょうか。

(3) 快適性

最初の10分で実感したことが、「とにかく乗り心地が良い」という点になります。
クリンチャータイヤ&鉄下駄ホイールからマビックのチューブレスレディー&キシリウムエリートUSTに交換した時の感動が再び、でしたね。

ちなみにコスミックプロカーボンUST &イクシオンプロUSTの組み合わせにおける空気圧は4.5BARで運用していました。
今回のキシリウムエリートUSTでは、5.0BARにしましたので空気圧はむしろ上がっているのですが、ホイールそのものの剛性の違いでしょうか、明らかにキシリウムエリートUSTの方が振動吸収性は高いです。

コスミックプロカーボンUSTに変えた後のレビューでは「そこまで違いはないかも?」と感じていましたが、今回改めてキシリウムエリートUSTに戻してみると、やはり違いは感じられますね。

  • 段差での衝撃のように、そこそこ大きな衝撃については両者の差はあまりない
  • 細かな路面の振動などは、全体的にキシリウムエリートUSTの方が衝撃をうまく吸収してくれる。この差はタイヤの空気圧ではなく、ホイールそのものの剛性の違い
  • 違いはそれなりに実感。鉄下駄&クリンチャータイヤからキシリウムエリートUSTに変えた時には「カーペットを路面に敷いているかのよう」な快適さを実感しましたが、その時のカーペットを「厚地のカーペット」とすると、キシリウムとコスプロの差は「薄手のカーペット」くらいの差でしょうか。薄くはありますが、それでも「カーペット一枚分」くらいの差が感じられました

今回一番期待していた点がこちらになりますが、空気圧が上がってもキシリウムエリートUSTの方が快適に感じられますので、ここは明らかな違いがあることを実感できました。

(4) 登坂性能

今回は比較のために小山田周回も走ってきたのですが、最もきつい斜度で10%の坂道があります。

この辺りの感覚は以前のインプレと全く同じでしたね。

同じ10%の坂を登るのに、コスプロカーボンだとリア30Tで登っていたところを、キシリウムだと27T(ギア一枚分)で登れましたから。

で、この一年ではプライベートベストを更新していました。
やはり一定以上の斜度がある場所では、軽量なホイールに軍配が上がりますね。

ただ、2〜3%程度の緩斜面だと、コスプロカーボンで一気に登り切った方が圧倒的に早かったです。

(5) ブレーキの制動性

これがもう感動でした・・・。
最近では、5%を超えるような下り坂では下ハン握って降るのが習慣になっていましたが、8%程度までならブラケット握ったままでも何の問題もなく下れましたね。

ブレーキシューが交換したてで新品といのもあるのでしょうが、「アルミリム&アルテグラの制動力ってこんなに高かったっけ?」と。

長い下り坂でも、だらだらブレーキ掛けっぱなしにして降ることもできますし。

最近は下ハンにも慣れてきましたので、カーボンホイール&リムブレーキで怖い思いをすることもなくなりましたが、アルミホイール&リムブレーキがこんなに楽ちんだとは。

ちょっと感動ものでした。

(6) 横風の影響

これも笑ってしまうほど違いが出ました。
コスミックプロカーボンUSTはリムハイトが40mm。
キシリウムエリートUSTはリムハイトが22mm。

この日のライドも春先の風が吹き荒れていた為、風の強い川沿い道路では、風速は8k/s〜10k/sありました。

コスミックプロカーボンだと、ちょいちょい横風に煽られて怖い思いをする為、どうしてもスピードが上がりません。
心のブレーキがかかってしまうんですよね。

対してキシリウムエリートUST。
さすがに突風が真横から吹いてきた時には煽られはするのですが、車体の揺れは小さく済む為、怖さはそこまでではなく。
結果的に安心してスピードを出して走り抜けることができました。

こうやって振り返ってみると、以前の比較と逆になったことを再確認する結果となりました。
以前の記事でも書いた通りなのですが、改めてキシリウムエリートUSTって良いホイールだな、と実感しました。

コスミックプロカーボンUSTは「楽しく走れる」ホイール。
キシリウムエリートUSTは「楽に走れる」ホイール。

ほんと、使い分ければ良いだけなのですが、リムの内幅が違う為、ホイール交換時にブレーキシューを交換するだけでなく、毎回ケーブルの長さ調整を行う必要があり、面倒なんですよね。

そうなると、マビックから新しく出たキシリウムSLはリム内幅が19C。
コスミックプロカーボンUSTと同じです。

その2本なら、ブレーキシューの交換だけで済むんですよねー・・・。
リム内幅を19Cにすると、更にタイヤ空気圧を0.5BAR下げられるんですよねー・・・。

あかん、おかしな物欲が刺激されてしまった。

少し冷静になって、しばらくはキシリウムエリートUSTで楽しんでいきたいと思います。

 

コメント

  1. nightmare より:

    私の個人的な感想ですが、何台か乗り比べた結果、同じ時間乗るならエンデュランス系が良いけど、同じ距離なら何に乗っても大差ないという結論になりました(^_^;)

  2. おとーさん より:

    >nightmare さん
    何か、深いですね。。。
    同じ時間なら、というのはその通りですね!
    ただ、私の小さなスタミナタンクの場合、100kmまでならそうですが、それ以上の距離だとダメみたいです。。。

  3. たかにぃ より:

    せっかくパワメが付いているのだから、TSSや各平均パワー(1時間、20分、5分、1分)などを比較したら良いと思いますよ。同じ坂や同じ直線部分を切り出して比較するのもありです。

  4. おとーさん より:

    >たかにぃさん
    TSSの比較は面白いですね。同じコースなのに走り方で違いもでますし、その日の体調の違いも出たりして。
    まだ平均パワーはあまり活用できてないかもです。

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